こそだて部

夫に「手伝って」は禁句?夫婦喧嘩を激減させた、たった一つの言葉の魔法

「手伝おうか?」その一言に、カチンと来たことありませんか?

「言わなきゃやってくれない…」
「なんで私ばっかり、こんなに大変なの…」

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

かつての私は、家事育児をしない夫に毎日イライラ。
「少しは手伝ってよ!」と頼んでは、中途半端なやり方にさらに腹を立て、夫婦喧嘩を繰り返す…という負のループに陥っていました。

でもある日、私は夫に**「手伝って」と頼むのを、きっぱりとやめた**のです。
すると、あれだけ絶えなかった夫婦喧嘩が、嘘のように激減しました。

今回は、多くのママをイライラさせる言葉、「手伝う」に潜む罠と、夫を「他人事」から「自分事」に変える、我が家のコミュニケーション術についてお話しします。

「手伝う」という言葉に潜む、恐ろしい罠

一見、優しさに見える「手伝う」という言葉。
でも、この言葉の裏には、**「家事育児の担当は、あくまで妻(ママ)」**という、恐ろしい前提が隠れています。

「手伝う」というスタンスの夫は、家事育児の当事者ではありません。
あくまで、あなたの「サポート役」。
だから、言われなければやらないし、やり方も中途半端。
「やってあげた」という恩着せがましい態度に、私たちはイライラしてしまうのです。

夫を「戦友」に変える、魔法の言葉がけ

夫を「当事者」に変えるために、私が「手伝って」の代わりに使い始めた言葉があります。

① 「相談」する

「次の週末、子どもの公園と買い出しがあるんだけど、どう役割分担する?

「お願い」ではなく「相談」の形にすることで、「二人で解決すべき問題」という意識が生まれます。
夫に「どうしたい?」と選択肢を与えることで、主体的に関わってくれるようになります。

② 「実況中継」で巻き込む

「今からお風呂掃除するねー!その間に、洗濯物たたんでくれると、すごく助かる!」

「〇〇やっといて」という「指示」は、相手のやる気を削ぎます。
自分の状況を実況中継し、「だから、これをやってほしい」と理由とセットで伝えることで、夫も納得して動きやすくなります。

③ とにかく「感謝」を伝える

「ありがとう!」「助かった!」
たとえやり方が気に入らなくても、まずは感謝の言葉を伝えましょう。

「すごい!私より上手かも!」
なんて、ちょっと大げさに褒めてみると、夫は(単純なので)次も喜んでやってくれるようになります(笑)。

夫は「敵」ではなく「戦友」

家事育児は、ママ一人が背負うものではありません。
夫婦二人で乗り越えていく、チーム戦です。

夫は、あなたをイライラさせる「敵」ではありません。
一番近くであなたを支えてくれる、最高の「戦友」になるはずの存在です。

もし、あなたが今、孤独な戦いに疲れているなら。
まずは「手伝って」という言葉を、今日から封印してみませんか?

言葉一つで、あなたの隣にいるパートナーが、最強の味方に変わるかもしれませんよ。

夫に「あなたはいいよね」と言ってしまった夜。ワンオペ育児のイライラが感謝に変わった日

言ってしまった、一番伝えたくない、一番伝えたかった言葉

「あなたはいいよね、自由で。私なんて、一日中子どもと家にいて、トイレにすら自由に行けないのに」

ワンオペ育児で心身ともに限界だった、ある日の夜。
仕事から帰ってきた夫に、私は、一番言ってはいけない、そして、心の底で一番叫びたかった言葉を、ぶつけてしまいました。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

夫の、驚きと、悲しみが入り混じったような顔。
部屋に流れる、凍りついたような空気。
そして、そんな状況を作ってしまった自分への、激しい自己嫌悪。
あの夜のことは、今でも鮮明に思い出せます。

今回は、多くのワンオペママが抱える、夫への複雑な感情と、私がどうやってその積年のイライラを「感謝」に変えることができたのか、そのきっかけについて、正直にお話ししたいと思います。

なぜ「あなたはいいよね」が、夫婦関係を壊すのか

この言葉は、単なる愚痴ではありません。
そこには、

  • 「自分はこんなに大変なのに、あなたは楽をしている」という非難
  • 「私だけが、こんなに可哀想」という自己憐憫
  • 「私のこの辛さを、少しは分かってよ」という満たされない承認欲求

が、ぐちゃぐちゃに入り混じっています。
それは、相手の存在そのものを否定し、対話の扉を固く閉ざしてしまう、非常に破壊力の高い言葉なのです。

イライラの正体は、夫への「甘え」だった

なぜ、私はあんなにも夫にイライラしていたのか。
ナースとして人の心と向き合う中で、私はその正体に気づきました。
それは、夫に対する**「言わなくても分かってくれるはず」という、甘えにも似た過剰な期待**でした。

「夫なんだから、私の辛さを察してくれるはず」
「父親なんだから、言われなくても家事育児をやってくれるはず」

でも、夫は、私とは違う頭で考え、違う心で感じる、一人の「他人」です。
超能力者でもありません。
その当たり前の事実を受け入れた時、私は、夫に期待するのをやめました。
そして、その代わりに、自分の心の状態に目を向けることにしたのです。

イライラを「感謝」に変えた、3つの小さな習慣

①「やってもらうこと」のハードルを、地面スレスレまで下げた

夫が、たまに気が向いてやった食器洗い。
以前の私なら「汚れが落ちてない」「拭き方が雑」と文句を言っていたでしょう。
でも、それを「やってくれて、ありがとう!シンクが綺麗になって嬉しい!」と、神様のように崇めることにしたのです。
ハードルを極限まで下げると、日常に「ありがとう」が溢れ始めました。

②「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向けた

家事育児はしなくても、夫は毎日、家族のために働いてくれている。
その「事実」に、改めて目を向けてみました。
夫が稼いでくれるから、私は安心して子どもたちと過ごせる。
当たり前すぎて忘れていたその事実に気づいた時、自然と感謝の気持ちが湧いてきました。

③ 自分の「ご機嫌」は、自分でとると決めた

「夫が〇〇してくれないから、私は不幸だ」
という、他人任せの幸せを、私はやめました。
子どもが寝た後の、たった5分のコーヒータイム。好きなドラマを1話だけ見る。
どんなに小さなことでも、自分で自分の心を満足させる時間を、意識的に作るようにしたのです。

夫は、あなたの感情のゴミ箱ではありません。
あなたの一番の味方になる可能性を秘めた、人生のパートナーです。

ワンオペ育児の辛さを、一人で抱え込まないで。
でも、その辛さを、相手への攻撃の武器にしないで。

「あなたはいいよね」と言いそうになったら、一呼吸おいて、この記事を思い出してみてください。
あなたのイライラが、少しでも感謝に変わる日が来ることを、心から願っています。

子どもの爪噛みは愛情不足?叱る前に知ってほしい原因と今日からできる関わり方

その爪噛み、愛情不足のサイン…?

ふと気づくと、指を口元に運び、爪を噛んでいる我が子。
その姿を見て、「もしかして、私の愛情が足りない…?」「寂しい思いをさせているの…?」と、胸が締め付けられるような不安に駆られたことはありませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

子どもの爪噛みは、多くのママが「自分のせいかも」と悩んでしまう、代表的な癖の一つです。
私も、娘の爪がガタガタになっているのを見つけては、一人で思い悩んだ時期がありました。

でも、ナースとして「癖の心理」について学んだ時、原因は必ずしも愛情不足だけではないと知り、少しだけ肩の荷が下りたのです。
今回は、子どもの爪噛みに隠された意外な原因と、叱らずに優しくサポートするための関わり方についてお話しします。

爪噛みの原因は、一つじゃない

「爪噛み=愛情不足」と結びつけてしまいがちですが、実は、考えられる原因は様々です。

① 不安やストレスのサイン

これが最も多い原因と言われています。

  • 環境の変化: 入園、進級、引っ越し、弟や妹の誕生
  • 親のプレッシャー: 習い事や勉強での過度な期待
  • 家庭内の不和: 夫婦喧嘩が多い

子どもは、言葉にできない不安やストレスを、爪を噛むという行為で紛らわし、心を落ち着かせようとしているのです。

② 退屈しのぎの「手遊び」

テレビを見ている時や、ぼーっとしている時など、手持ち無沙汰な時に、無意識に爪を噛んでしまうケースです。
この場合は、特に大きな心理的ストレスはなく、一種の「手遊び」のようなものと考えられます。

③ 単純な「癖」

一度始まると、特に理由がなくても、気づいたらやってしまう「癖」として定着してしまうこともあります。

今すぐやめて!逆効果になるNG対応

子どもの爪噛みに気づいた時、絶対にやってはいけないのが、感情的に叱りつけることです。

「汚いからやめなさい!」
「みっともない!」

このような言葉は、子どもに罪悪感とさらなるストレスを与え、かえって爪噛みを悪化させてしまう可能性があります。
指に苦いマニキュアを塗るなどの方法も、根本的な解決にはならず、子どもを追い詰めるだけなのでおすすめできません。

叱らずにサポートする、今日からできること

大切なのは、癖そのものをやめさせようとするのではなく、その背景にある子どもの心に寄り添うことです。

  • 安心できる時間を増やす
    「ぎゅーっ」と抱きしめる時間を増やしたり、膝の上で絵本を読んだり。言葉にしなくても「大好きだよ」と伝わるスキンシップで、子どもの心のコップを満たしてあげましょう。

  • 指先を使う遊びに誘う
    粘土、お絵かき、ブロック、折り紙など、両手を使う遊びに誘ってみましょう。指先が他のことで忙しくなれば、自然と爪を噛む時間も減っていきます。

  • 爪を綺麗にケアしてあげる
    「爪、きれいにしておくね」と声をかけ、こまめに爪を切ってやすりで整えてあげましょう。物理的に噛みにくくする効果と、「あなたの体を大切に思っているよ」というメッセージを伝える効果があります。

子どもの爪噛みは、心からのSOSサインかもしれません。
その癖だけを見て叱るのではなく、「どうしてかな?」と背景にある気持ちに思いを馳せてみてください。

ママの温かい眼差しとサポートが、子どもの心を安心させ、自然と癖がなくなる一番の近道になるはずですよ。

YouTube漬けの子にイライラ!「取り上げる」前に試したい、自分で”やめる力”を育てる方法

そのイライラ、もう終わりにしませんか?

「あと1個だけ…」
「これが終わったら…」

その言葉を信じては裏切られ、「いい加減にしなさい!」とスマホやタブレットを取り上げる。
子どもはギャン泣きし、親は罪悪感と疲労感でぐったり…。
そんな光景が、あなたの家でも日常になっていませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

かつての私も、YouTubeに夢中になる娘たちと、毎日この不毛な戦いを繰り返していました。
でも、力ずくで取り上げる方法は、根本的な解決にならないどころか、親子の信頼関係を壊す危険な行為だと気づいたのです。

今回は、YouTube漬けの子どもにイライラする毎日から抜け出し、子ども自身が**「自分でやめる力」**を育てるための、具体的な関わり方についてお話しします。

なぜ、子どもはYouTubeをやめられないのか?

まず理解したいのは、これは子どもの意志が弱いから、だけではないということ。
YouTubeの動画は、子どもの興味を引くように、脳科学的に非常によく設計されています。
次から次へと関連動画が流れ、新しい刺激が与え続けられることで、脳内では快楽物質であるドーパミンが放出され続けます。
これは、大人でさえ抗うのが難しい、強力な仕組みなのです。

なぜ「取り上げる」のは逆効果なのか

そんな夢中の状態から、突然スマホを取り上げられたら、子どもはどう感じるでしょうか?
「大好きなおもちゃを、突然奪われた」のと同じ、強い喪失感と反発心を抱きます。

この方法は、その場しのぎにはなっても、根本的な解決にはなりません。
それどころか、

  • 親への不信感が募る
  • 親の目を盗んで、隠れて見るようになる
  • 他のことで反抗的な態度をとるようになる

など、さらなる問題行動を引き起こす可能性が高いのです。

子どもが自分で「やめる力」を育てる3つのステップ

大切なのは、親が無理やりやめさせるのではなく、子どもが自分で自分をコントロールする力を育む手助けをすることです。

① 終わりを「予告」し、心の準備をさせる

いきなり「はい、おしまい!」ではなく、「この動画が終わったら、おしまいにしようね」「あと5分で見終わるかな?」と、終わりの時間を事前に予告しましょう。
見通しが立つことで、子どもは心の準備ができ、スムーズに終了を受け入れやすくなります。

② タイマーを使い、「時間」を「見える化」する

「長い針が6になったら、おしまいね」
「この砂時計が全部落ちたら、おしまいにしよう」
まだ時間の感覚が曖昧な子どもには、**タイマーなどを使って、終わりを「見える化」**するのが効果的です。
タイマーが鳴ったら、親が怒って消すのではなく、「あ、時間だね。お約束守れてえらいね」と、子ども自身に気づかせ、行動を促しましょう。

③ YouTubeの後の「楽しいこと」を用意する

「YouTubeが終わったら、ママと一緒におやつ食べようか!」
「お風呂で、新しい泡の入浴剤で遊ぼうよ!」
YouTubeを「取り上げられる」というネガティブな体験ではなく、**次の楽しい活動への「切り替え」**だと認識させてあげましょう。
魅力的な提案があれば、子どもは自分から喜んで次の行動に移ってくれます。

YouTubeと上手に付き合うために本当に必要なのは、一方的に禁止することではありません。
子ども自身が、メディアと適切な距離をとるための「自己コントロール能力」を、親が根気強くサポートしながら育んでいくことです。

時間はかかるかもしれませんが、その力は、お子さんがこれから先の人生を生きていく上で、何よりの財産になるはずですよ。

残った家事より大切!寝かしつけ後「5分の新習慣」で親子の明日が変わる

子どもが寝た後、あなたはまず何をしますか?

静まり返ったリビング。
やっとの思いで子どもを寝かしつけ、ようやく訪れた、つかの間の自分時間。

でも、目の前には、シンクに溜まった洗い物、取り込んだままの洗濯物の山、散らかったおもちゃ…。
ソファに倒れ込みたい気持ちを奮い立たせ、重い腰を上げて家事を始める。
そんな毎日を送っていませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

もちろん、家事も大切です。
でも、その山積みの家事よりも、**たった5分でいいから、あなたの心と、明日の親子関係のためにやってほしい「夜の小さな習慣」**があるのです。

明日の笑顔を作る「良かったこと探し」

その習慣とは、とてもシンプル。
「今日一日の、子どもの『良かったところ』『可愛かったところ』を、3つ思い出す」
たったこれだけです。

できれば、スマホのメモ帳や、お気に入りのノートに書き出してみてください。

  • 「ごはん、スプーンで上手にすくえたね」
  • 「公園で、アリさんをじーっと見てた横顔が可愛かったな」
  • 「ママって言って、ぎゅーってしてくれた」

どんなに些細なことでも構いません。
その日一日の、子どものポジティブな側面に、意識的に目を向けるのです。

なぜ、この習慣が「魔法」なのか

この「良かったこと探し」には、驚くほどの効果があります。

① ママの心が、穏やかになる

日中は、つい子どもの「できていないこと」ばかりに目がいきがち。
イライラしたり、叱りすぎてしまったりした日もあるでしょう。
でも、寝る前に子どもの「良かったところ」を思い出すことで、**「色々あったけど、やっぱり我が子は可愛いな」**と、温かい気持ちで一日を締めくくることができます。
自己嫌悪に陥りがちな夜が、優しい気持ちに包まれる時間に変わります。

② 明日の朝、笑顔で「おはよう」が言える

「あんなに可愛いところがあったな」と思いながら眠りにつくと、不思議なことに、翌朝、自然と穏やかな気持ちで子どもに接することができます。
寝起きのぐずりにも、少しだけ寛容になれるはず。
ママの心の余裕が、朝のバタバタを、笑顔の時間に変えてくれます。

③ 子どもの自己肯定感が、ぐんぐん育つ

ママの心の安定は、必ず子どもに伝わります。
ママが笑顔でいること。それ自体が、子どもにとっては何よりの安心材料であり、「自分は愛されているんだ」という自己肯定感の土台を育むのです。

忙しい毎日だからこそ、たった5分。
残った家事は、少しだけ明日の自分に任せて、今夜は、我が子の「良かったところ」を探す時間を作ってみませんか?

その小さな習慣が、あなたの心を癒し、明日の親子の笑顔を、もっと輝かせてくれるはずですから。

きょうだい喧嘩が3分で終わる!3姉妹ママが辿り着いた「たった一つのルール」

ゴングは、いつも突然鳴り響く

「ママ、お姉ちゃんが叩いたー!」
「だって、〇〇が先に私のものを取ったんだもん!」

さっきまで笑い声が響いていたはずのリビングが、一瞬で、涙と怒号の戦場と化す。
それが、きょうだい喧嘩。
仲裁に入っては、両者の言い分を聞き、どちらが悪いのかを判断し…。
正直、うんざりしますよね。

こんにちは。女の戦いが絶えない、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

かつての私も、この終わりの見えない争いに、毎日疲れ果てていました。
でも、ある時、たった一つの絶対的なルールを我が家に導入したところ、あれだけ長引いていた喧嘩が、驚くほど短時間で収束するようになったのです。

今回は、3姉妹の母である私が辿り着いた、きょうだい喧嘩を3分で終わらせる、魔法のルールをあなたにだけお教えします。

我が家の絶対ルール、それは…

そのルールは、驚くほどシンプルです。

「どんな理由があっても、先に手を出した方が、負け」

ただ、それだけ。
「だって、〇〇が先に意地悪したんだもん!」
どんな言い分があろうとも、先に手や足が出た方が、問答無用で謝る。
これが、我が家の憲法です。

なぜ、このルールは絶大な効果があるのか?

① 親が「迷わない」から、ブレない

きょうだい喧嘩の仲裁で一番難しいのは、「どっちが先に悪かったのか」という原因の特定です。
でも、このルールがあれば、親は**「手が出たかどうか」という客観的な事実**だけを見ればOK。
「審判」として、毅然とした態度でルールを適用できるため、親自身が感情的にならずに済みます。

② 子どもが「暴力はダメ」を体で学ぶ

「暴力は、いけないこと」
口で100回言い聞かせるより、子どもは、このルールを通じて**「どんなに正当な理由があっても、暴力を振るった時点で、自分は不利になる」**ということを、身をもって学びます。
自分の感情をコントロールし、言葉で解決しようとする力が、自然と育っていくのです。

③「手を出さなかった方」が、きちんと報われる

このルールの素晴らしい点は、手を出さずに我慢した側が、きちんと報われることです。
「叩きたい気持ちを我慢して、言葉で伝えに来たんだね。えらかったね」
と、その子の行動をしっかりと褒めてあげることで、「我慢してよかった」「次も言葉で伝えよう」という、ポジティブな学習に繋がります。

ルール運用の、たった一つの注意点

このルールを運用する上で、一つだけ大切な注意点があります。
それは、手を出して謝った子の**「気持ち」を、後で必ずフォローしてあげる**こと。

「ルールだから謝ったけど、本当は、〇〇されてすごく嫌だったんだよね。その気持ちは、ママちゃんと分かってるからね」
と、その子の心に寄り添う一言を、忘れないであげてください。

きょうだい喧嘩は、子どもたちが社会性を学ぶための、かけがえのないトレーニングの場です。
親が明確なルールという「土俵」を用意してあげることで、子どもたちはその中で、安全に、そして効果的に、人との関わり方を学んでいきます。

ぜひ、あなたの家でも、このシンプルで強力なルールを試してみてはいかがでしょうか。

要注意!子どもの自己肯定感を根こそぎ奪う、親の無意識なNG口癖【ナースが解説】

良かれと思って言った「あの言葉」が、子どもを傷つけていたなんて…

「あなたのためを思って、言ってるのよ」
「どうして、こんなこともできないの?」
「早くしなさい!」

子育てをしていると、つい口から出てしまうこれらの言葉。
親としては、子どもの成長を願う愛情から出た言葉のはず。
でも、もし、その言葉が、子どもの自己肯定感を根こそぎ奪う**「呪いの言葉」**だとしたら…?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

私もかつては、これらの言葉を無意識に使い、娘たちを傷つけてしまっていた一人です。
今回は、ナースとして、そして母として、私が**「子どもの前でだけは、絶対に口にしない」**と心に決めている、親の無意識なNG口癖についてお話しします。

無意識に使っていませんか?自己肯定感を奪うNG口癖ワースト3

ワースト3:「早くしなさい!」

急いでいる時、つい言ってしまうこの言葉。
でも、言われ続けた子どもは、「自分は、何をするにも遅いダメな子なんだ」というレッテルを、自分自身に貼ってしまいます。
自主的に行動する意欲を削ぎ、親の指示を待つようになってしまいます。

ワースト2:「〇〇ちゃんはできるのに、なんであなたはできないの?」

きょうだいや、よその子との比較。
これは、子どもの心を最も深く傷つける言葉の一つです。
子どもは、「自分は、〇〇ちゃんより劣っているんだ」「ありのままの自分は、愛される価値がないんだ」と感じ、強烈な劣等感を抱いてしまいます。

ワースト1:「あなたのためを思って言ってるのよ」

一見、愛情深い言葉に見えますが、これは最強の「呪いの言葉」です。
この言葉を言われると、子どもは反論することができません。
「ママの言うことが、正しいんだ」
「僕の気持ちは、間違っているんだ」
と、自分の感情や意見を押し殺し、親の価値観に従うことを覚えてしまいます。
これは、子どもの「自分軸」を育む機会を、根こそぎ奪う行為なのです。

「呪い」を「魔法」に変える、言い換え術

では、これらの言葉を、どう言い換えればいいのでしょうか。

  • 「早くしなさい!」
    → 「時計の長い針が6になったら、お家を出るよ。間に合うかな?」(ゲーム感覚で、見通しを持たせる)

  • 「なんでできないの?」
    → 「そっか、ここは難しいよね。どこで困ってるか、ママと一緒に見てみようか」(共感し、サポートする姿勢を見せる)

  • 「あなたのためを思って…」
    → 「ママは、こう思うんだけど、あなた自身はどうしたい?どう思う?」(「私」を主語にして伝え、子どもの意見を尊重する)

言葉は「薬」にも「毒」にもなる

私たち親が、毎日何気なく使っている言葉。
それは、子どもの心を健やかに育む「薬」にもなれば、その自信を奪い、心を蝕む「毒」にもなり得ます。

もちろん、人間ですから、ついカッとなって言ってしまう日もあるでしょう。
でも、その言葉の危険性を「知っている」のと「知らない」のとでは、天と地ほどの差があります。

今日から、ほんの少しだけ。
あなたが子どもにかける言葉を、意識してみませんか?
その小さな意識の変化が、お子さんの未来を、そして親子の関係を、もっと豊かで素晴らしいものに変えてくれるはずですから。

スーパーで泣き叫ぶ子。周りの視線が痛い…あの地獄から私を救った魔法の言葉

周りの視線が、槍のように突き刺さる

レジ前の、お菓子売り場。
「これが欲しい!」と指差す我が子に、「今日は買わないよ」と告げた瞬間、スイッチが入る。

「うわーーーーん!!ぎゃーーーーっ!!」

その場にひっくり返り、手足をバタつかせて泣き叫ぶ。
周りから突き刺さる、「あらあら…」「しつけがなっていないわね…」という無言の視線。
冷や汗が吹き出し、怒りと羞恥心で、頭が真っ白になる…。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

この光景、子育て中のあなたなら、一度は経験したことがあるのではないでしょうか。
私はこれを**「スーパーの床、地獄絵図事件」**と呼んでいます。
今回は、あの地獄のような状況から、私と子どもを救ってくれた、たった一つの「魔法の言葉」についてお話しさせてください。

なぜ、子どもは床で叫ぶのか?

まず理解したいのは、子どもはあなたを困らせるために、わざとやっているわけではない、ということです。
2歳〜3歳頃の子どもは、自分の「やりたい!」という欲求が爆発的に高まる一方で、それをコントロールする脳の前頭前野は、まだ絶賛工事中。

「お菓子が欲しい!」という強い欲求が、「今日は買えない」という現実の壁にぶつかった時、その矛盾した感情をどう処理していいか分からず、パニックを起こしている状態なのです。

やってはいけない、NG対応ワースト3

この地獄絵図の中で、親がやりがちなNG対応があります。

  • ① 感情的に怒鳴る
    「いい加減にしなさい!」と叫んでも、火に油を注ぐだけ。子どものパニックを助長し、さらに泣き叫ぶ原因になります。

  • ② 根負けして買い与える
    その場を収めるために、お菓子を買い与えるのは最悪の選択です。「泣き叫べば、要求が通る」と子どもに学習させてしまい、今後、同じことを何度も繰り返すことになります。

  • ③ 無言で引きずって連れ去る
    周りの目が気になり、子どもの気持ちを完全に無視して、無理やりその場から連れ去る。これは、子どもに「自分の気持ちは、聞いてもらえないんだ」という深い絶望感を与えてしまいます。

地獄から抜け出す、たった一つの魔法の言葉

では、どうすればいいのか。
私がたどり着いた、魔法の言葉。それは、

「そっか、あのお菓子が欲しかったんだね。買えなくて、悲しいね」

と、子どもの気持ちを代弁してあげることです。
この言葉のポイントは、泣き叫ぶという「行動」は決して認めないけれど、その根っこにある「気持ち」は、100%受け止めてあげる、という点です。

人は、自分の気持ちを理解してもらえたと感じると、心が落ち着き、人の話を聞く余裕が生まれます。
まずは、子どもの興奮をクールダウンさせることが最優先。

そして、少し落ち着いたら、
「でも、今日は買わないお約束だったよね。おうちに帰ったら、とっておきのバナナがあるよ。どっちが早く帰れるか、競争しよう!」
と、全く別の、楽しい提案に子どもの意識をそらしてあげるのです。

周りの視線が痛いほど気になる気持ち、痛いほど分かります。
でも、今あなたが向き合うべきは、周りの他人ではありません。
目の前で、感情の嵐に飲み込まれ、助けを求めている、たった一人の我が子です。

「行動は認めない。でも、気持ちは受け止める」

この毅然とした、でも優しい姿勢こそが、子どもの心を育て、いつか必ず、この嵐のような時期を乗り越える力になるはずです。

【夜泣きで泣きたいママへ】ナースが解説!赤ちゃんが泣き止まない本当の理由

あの夜、赤ちゃんと一緒に泣いた

「お願いだから、泣き止んで…」

真っ暗な部屋で、抱っこしても、おむつを替えても、ミルクをあげても泣き続ける我が子。
途方に暮れて、気づけば私も一緒に泣いていました。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

長女がまだ赤ん坊だった頃の、あの夜のことを今でも鮮明に覚えています。
孤独と不安で押しつぶされそうでした。

今回は、あの頃の私に教えてあげたかった「赤ちゃんが泣き止まない本当の理由」と、ママが少しだけ楽になるためのヒントを、ナースとしての視点も交えてお話しします。

赤ちゃんが泣くのは「お仕事」

大前提として、赤ちゃんにとって「泣く」ことは、唯一のコミュニケーション手段です。
言葉を話せない代わりに、泣くことで自分の気持ちを伝えています。

  • お腹がすいた
  • おむつが気持ち悪い
  • 眠いのに眠れない
  • 暑い、寒い
  • どこか痛い
  • ただママに抱っこしてほしい

泣いているのには、必ず理由があります。
「理由もなく泣いている」わけではないのです。

泣き声に隠されたサインを見つけるヒント

ナースとしてたくさんの赤ちゃんを見てきましたが、泣き方にも少しだけ個性やパターンがあるように感じます。

  • か細く、途切れ途切れに泣く: 眠い、甘えたいのかも。
  • 甲高く、激しく泣き続ける: どこか痛い、苦しいサインかもしれません。お腹が張っていないか、体のどこかを痛がっていないか、注意深く観察してみてください。
  • 火がついたように突然泣き出す: ゲップが出ていない、お腹が苦しいのかも。

もちろん、これらはあくまでヒントです。
「原因を突き止めなきゃ!」と焦る必要はありません。

ママが「一緒に泣かない」ために

原因がわからず、何をしても泣き止まない時。
一番大切なのは、ママが自分を追い詰めないことです。

1. 5分だけ、その場を離れる
赤ちゃんを安全な場所に寝かせたら、5分だけベランダの空気を吸ったり、冷たい水を飲んだりしてクールダウンしましょう。ママがリラックスすることで、その気持ちが赤ちゃんにも伝わります。

2. 「完璧」を捨てる
泣き止ませられない自分を責めないでください。泣き止まないのは、あなたのせいではありません。完璧なママなんて、どこにもいません。

3. 誰かに話す
パパでも、親でも、友達でも、SNSでも構いません。「つらい」と声に出すだけで、心は少し軽くなります。

夜泣きは、いつか必ず終わります。

暗くて長いトンネルの中にいるように感じるかもしれません。
でも、あなたは一人じゃありません。

私も、同じ夜を越えてきました。
今日の夜が、昨日より少しでも穏やかな時間になることを、心から願っています。

【食べない子に悩むママへ】好き嫌いは本能だった?ナースが語る肩の荷が下りる話

食べない我が子に、涙した夜

せっかく栄養バランスを考えて作ったのに、一口も食べてくれない…。
ベーっと出された野菜くずを前に、泣きながら片付けた夜がありました。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

子どもの「好き嫌い」。
これは、育児の悩みの中でも、特にママの心をえぐる問題ではないでしょうか。
「私の料理がいけないの?」「このままだと栄養失調になるんじゃ…」
当時の私は、完全にノイローゼ寸前でした。

でも、ナースとして「子どもの味覚の発達」について学んだ時、目の前の霧が晴れるように、心がスッと軽くなったのです。

今回は、今まさに子どもの偏食に悩んでいるママに、ぜひ知ってほしいお話をします。

好き嫌いは「わがまま」じゃない。生きるための「本能」です

実は、子どもがピーマンなどの「苦いもの」や、お酢などの「酸っぱいもの」を嫌うのは、ごく自然なこと。

人間の祖先が生きてきた時代、**「苦味=毒」「酸味=腐敗」**を意味していました。
つまり、子どもが野菜を避けるのは、自分の身を守るための「本能」が働いている証拠なのです。

これを初めて知った時、私は衝撃を受けました。
わがままだと思っていた娘の行動は、生きるために必死な姿だったんだ、と。
そう思ったら、あれほど憎らしかったピーマンが、少しだけ愛おしく思えたのです。

「完璧なごはん」より「楽しい食卓」を

この事実に気づいてから、私は「全部食べさせる」という完璧を目指すのをやめました。
その代わりに、いくつか簡単なルールを決めました。

  • 一口でも食べたら、ヒーローインタビュー並みに褒める!
  • 食べなくても、食卓には出し続ける(いつか興味を持つかも)。
  • 調理法を変えてみる(刻む、混ぜる、揚げるなど)。
  • 何よりも、親が「おいしいね!」と笑顔で食べる姿を見せる。

栄養面が心配になる気持ちも、痛いほど分かります。
でも、ナースの視点から言えば、1日や2日、特定の野菜を食べなかったからといって、すぐに栄養失調になることはありません。

それよりも、ママがイライラして食卓が険悪な雰囲気になる方が、子どもの心と体の成長にとっては、ずっと大きな問題です。

「食べさせる」という戦いをやめたら、不思議なことに、娘は少しずつ色々なものを口にするようになりました。

もしあなたが今、食べない我が子に悩んでいるなら、どうか自分を責めないで。
まずは、ママ自身が肩の荷を下ろして、食卓で笑顔になること。

それが、子どもの「食」への興味を育む、一番の栄養になるはずですよ。

【指示待ちっ子にしない】良かれと思ってやってない?自主性を奪う親のNG行動

「ママ、次はどうするの?」

ある日、娘にこう聞かれてハッとしました。
自分で考えず、私の指示ばかり待っている…。
娘を「指示待ちっ子」にしてしまったのは、他の誰でもない、私自身の「良かれと思って」の行動だったのです。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

転ばないように、失敗しないように、困らないように…。
私はずっと、娘の前に立ちはだかる石を、先回りして拾い続けていました。
それが親の役目だと、信じて疑わなかったのです。

今回は、私が深く後悔している「親のNG行動」と、子どもの自主性を育てるために、今すぐできる関わり方のヒントについてお話しします。

なぜ「先回り」はNGなのか?

子どもが失敗する姿なんて、見たくないですよね。
でも、親が先回りして助けてしまうと、子どもは大切な「成長の機会」を失ってしまいます。

  • 自分で考える機会を失う
    「どうすればできるかな?」と工夫する前に、親が答えを与えてしまう。
  • 失敗から学ぶ機会を失う
    転んで「痛い」を知るから、次は気をつけようと学びます。失敗は、最高の教科書です。
  • 「できた!」という達成感を得る機会を失う
    自分で乗り越えた経験は、子どもの自己肯定感の土台になります。

良かれと思っての行動が、結果的に子どもの「挑戦する心」や「乗り越える力」を奪ってしまっていたのです。

今すぐやめたい!親のNG行動リスト

あなたは、いくつ当てはまりますか?

  • 聞かれてもいないのに、答えを教える
  • 子どもが困る前に、手や口を出してしまう
  • 明日の準備を、子どもに確認せず全部やってしまう
  • 「危ないから」と、子どもの挑戦を最初から止めてしまう

これらはすべて、私が実際にやってしまっていたことです…。
子どものためと信じて…。

自主性を育てるために、私が「変えた」こと

娘の「指示待ち」な姿に気づいてから、私は勇気を出して関わり方を変えました。

それは、**「手を出す」のをやめて、「信じて見守る」**ことです。

  • すぐに答えを教えず、「どう思う?」と質問する
  • 失敗しても、「大丈夫!」「次はどうしようか?」と励ます
  • 時間がかかっても、グッとこらえて最後までやらせてみる
  • 「あなたなら、きっとできるよ」と、可能性を信じる言葉をかける

もちろん、時間がかかるし、親としてはハラハラします。
失敗の後始末も大変です。

でも、自分で考えて、挑戦して、失敗して、そして「できた!」と輝く娘の顔を見た時、私は自分の間違いに気づきました。

子育ては、手伝うことより、信じて待つことの方が、何倍も難しい。
でも、親がグッとこらえた分だけ、子どもは自分の力で立つ力を身につけていきます。

もし、あなたも「良かれと思って」先回りしてしまっているなら、少しだけ勇気を出して、子どもを信じて見守ってみませんか?

その先には、子どもの、そして親であるあなた自身の、大きな成長が待っていますよ。

【子どもの熱】40℃でも慌てないで!ナースが教える本当に見るべき3つの観察ポイント

その熱、本当に今すぐ病院へ行くべき?

ピピピッ!体温計が示した「40.0℃」の文字。
血の気が引くような、心臓がキュッと縮むような感覚。
ナースである私でさえ、我が子の高熱には今でも焦ります。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

多くのママが、熱の「高さ」に一喜一憂し、「こんなに高熱、すぐに病院へ行かなきゃ!」と慌てて夜間救急に駆け込んだ経験があるのではないでしょうか。

でも、ちょっと待って。
実は、子どもの発熱で本当に大事なのは、熱の高さそのものではないのです。

今回は、いざという時にママが冷静な判断をするための「お守り」として、ナースが実践している3つの観察ポイントをお伝えします。

なぜ「熱の高さ」だけで判断してはダメなのか

まず知っておいてほしいのは、発熱は、体がウイルスや細菌と戦っている証拠だということ。
体温を上げて免疫細胞を活性化させ、敵をやっつけようとしている、正常な防御反応なのです。

特に子どもは、体温調節機能が未熟なため、大人よりも熱が上がりやすい傾向があります。
つまり、「熱が高い=重症」とは、必ずしも言えないのです。

もちろん、生後3ヶ月未満の赤ちゃんの高熱は例外です。すぐに病院へ行きましょう。
しかし、それ以上の年齢の子どもであれば、熱の高さだけで慌てるのではなく、これからお話しするポイントを冷静に観察することが大切です。

病院へ行く前に確認!3つの観察ポイント

ポイント①:機嫌はどうか?

熱が高くても、ニコニコ笑っていたり、おもちゃで遊ぶ元気があるなら、ひとまず家で様子を見られるケースがほとんどです。
逆に、熱はそれほど高くなくても、ぐったりして笑顔がなく、呼びかけへの反応が鈍い場合は、注意が必要です。

ポイント②:水分はとれているか?

子どもの発熱で最も怖いのが「脱水症状」です。
食欲がないのは当たり前。でも、水分さえ摂れていれば、1日くらい食べなくても大丈夫です。

麦茶、イオン飲料、経口補水液などを、少量ずつこまめに飲ませてあげましょう。
おしっこの回数や量が普段より極端に少ない、唇がカサカサ、泣いても涙が出ない…といったサインは脱水の危険信号。すぐに病院へ。

ポイント③:呼吸の状態はどうか?

熱だけでなく、呼吸の状態も必ずチェックしてください。

  • 肩を上下させて、苦しそうに息をしている
  • ゼーゼー、ヒューヒューという音がする
  • 顔色や唇の色が悪い(白っぽい、紫色など)

これらの症状がある場合は、肺炎や気管支炎、クループ症候群などの可能性も考えられます。すぐに受診しましょう。

子どもの急な発熱は、どんなママでも不安になるものです。
でも、正しい知識という「お守り」があれば、冷静に対応できます。

熱の高さに振り回されず、お子さん自身の「全身状態」をしっかりと見てあげてくださいね。
この記事が、いざという時のあなたの助けになることを、心から願っています。

【イライラママ卒業】もう怒鳴らない!3姉妹ママナースが実践するアンガーマネジメント術

「鬼より怖い」と言われた私が、仏になった日

「ママ、鬼みたい…」

ある日、娘にポツリと言われた一言が、私の胸に突き刺さりました。
こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

そう、昔の私は、いつも眉間にシワを寄せているイライラママでした。
仕事と育児の両立、寝不足、終わらない家事…。気づけば、一番大切なはずの子どもたちに、怒りの感情をぶつけてしまっていたのです。

でも、ある「考え方」に出会ってから、私の育児は劇的に変わりました。
今回は、私がイライラママを卒業するために実践した、アンガーマネジメント術を全てお話しします。

なぜ、私たちはイライラしてしまうのか?

まず知ってほしいのは、イライラするのは「あなたが悪いママだから」では決してない、ということです。

ナースとして体の仕組みを学んだからこそ分かりますが、育児中のママは、慢性的な睡眠不足やホルモンバランスの乱れで、自律神経が常に張り詰めています。
つまり、心も体も「イライラしやすい状態」にあるのです。

だから、自分を責めないで。
まずは「私、疲れてるんだな」と認めてあげることが第一歩です。

怒りのピークをやり過ごす「6秒ルール」

怒りの感情のピークは、わずか「6秒」と言われています。
この6秒をやり過ごせば、爆発は避けられます。

カッとなったら、心の中で「1、2、3、4、5、6…」とゆっくり数えてみてください。
ポイントは、何も考えず、ただ数を数えることに集中すること。

他にも、

  • 窓を開けて深呼吸する
  • いったんトイレに駆け込む
  • 冷たい水で顔を洗う

など、物理的にその場を離れてクールダウンするのも効果的です。

根本的に「怒る回数」を減らした考え方

私がイライラママを卒業できた、一番大きなきっかけ。
それは、子どもへの「期待値」を下げたことです。

  • 子どもは、言うことを聞かなくて当たり前。
  • 部屋は、散らかっていて当たり前。
  • ご飯は、こぼして当たり前。

「〇〇であるべき」という理想を、一度ぜんぶ手放してみました。
すると、「なんでできないの!」という怒りが、「そっか、まだ難しいよね」という気持ちに変わっていったのです。

完璧なママでいることをやめたら、心がフッと軽くなりました。
そして、ママが笑っている時間が増えたら、不思議と子どもたちも穏やかになっていきました。

アンガーマネジメントは、「怒らない」ことではありません。
自分の「怒り」と上手に付き合い、コントロールすることです。

今日、もしイラッとしてしまっても大丈夫。
6秒だけ、思い出してみてください。
その小さな一歩が、あなたと家族の毎日を、もっと穏やかなものに変えてくれるはずです。

「片付けなさい!」と言うのをやめたら部屋が綺麗に?ナース式・魔法の環境整備術

毎日が「片付けバトル」だった我が家

「いい加減、おもちゃ片付けなさーい!」

リビングに散らばったおもちゃを前に、私は毎日こう叫んでいました。
でも、子どもたちは知らんぷり。結局、私がイライラしながら一人で片付ける…。
そんな「片付けバトル」に、心も体もヘトヘトでした。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

でもある日、私は「お片付けしなさい!」と言うのを、きっぱりとやめてみました。
すると驚くことに、あれだけ散らかっていた部屋が、少しずつ綺麗になっていったのです。

今回は、私がナースの仕事で学んだ「環境整備」の考え方を応用した、子どもが自分で片付けたくなる「仕組みづくり」のコツをお話しします。

なぜ「片付けなさい!」は効かないのか?

そもそも、なぜ子どもは片付けないのでしょうか?
それは、子どもにとって「片付け」が、楽しくない、面倒くさい、やり方がわからないからです。

親が「片付けなさい!」と命令すればするほど、子どもは「楽しい遊びを邪魔された」と感じ、ますます片付けへの抵抗感が強くなってしまいます。

大切なのは、叱ることではありません。
子どもが**「これなら自分でもできる!」と思えるくらい、片付けのハードルを下げてあげる**ことなのです。

ナース式!子どもが自分で片付けたくなる3つの仕組み

私が病院で学んだ「環境整備」は、患者さんが安全で快適に過ごせるように、環境を整えることです。
これを、そっくりそのまま育児に応用します。

仕組み①:おもちゃの「住所」を決める

「このおもちゃ、どこに戻せばいいか分からない…」
これが、子どもが片付けられない一番の原因です。

収納ボックスに、おもちゃの写真を貼ってあげましょう。
「くるまさんのおうちはここだね」「ブロックさんはこっちだよ」
と、どこに何を戻せばいいか、一目でわかるようにするだけで、子どもはゲーム感覚で片付けを始めます。

仕組み②:「ざっくり収納」でOKにする

きれいに並べたり、細かく分類したり…。
そんな完璧な収納は、子どもには(そして親にも!)ハードルが高すぎます。

「ミニカーはこの箱」「ぬいぐるみはこのカゴ」
というように、**大きなカテゴリで、ポイポイ放り込むだけの「ざっくり収納」**にしましょう。
大切なのは「元の場所に戻す」という習慣をつけることです。

仕組み③:遊びと片付けを「セット」にする

「さあ、お片付けの時間だよ!」と遊びを中断させるのではなく、片付け自体を遊びの延長にしてしまいましょう。

  • 「おもちゃさん、おうちに帰る時間だよー」と、ごっこ遊び風に
  • 「どっちが早く、赤いブロックを集められるか競争!」と、ゲームにする
  • 片付けソングを決めて、歌いながら始める

「片付け=楽しいこと」というイメージが育てば、子どもは自分から進んで片付けをするようになります。

親がやるべきことは、子どもを叱りつけることではありません。
子どもが「自分でできた!」という達成感を味わえるように、そっと環境を整えてあげること。

「片付けなさい!」というイライラの言葉を、子どもが自分で動きたくなる「仕組み」に変えてみませんか?
きっと、ママの心にも、お部屋にも、穏やかな時間が訪れますよ。

「早く!」が口癖のせっかちママだった私が、「待てる親」に変われた たった一つの習慣

「早く!」その言葉、一日何回言っていますか?

「早くごはん食べなさい!」
「早くお着替えして!」
「早く!保育園(学校)に遅れるでしょ!」

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

かつての私は、一日中「早く」「まだ?」を連発する、超せっかちママでした。
マイペースな子どもたちにイライラしては、朝から怒鳴り声をあげ、自己嫌悪で一日が始まる…。そんな毎日でした。

でも、ある時、私は子どもを急かすのをやめました。
そして、たった一つの習慣を始めただけで、あれだけイライラしていた自分が、嘘のように穏やかな「待てる親」に変わることができたのです。

今回は、せっかちママを卒業したいあなたに、その驚くほど簡単で、効果絶大な習慣を告白します。

なぜ、私たちは子どもを急かしてしまうのか

「時間に間に合わせたい」
もちろん、それが一番の理由でしょう。
でも、その奥には、「自分の思い通りに、子どもをコントロールしたい」という、親の無意識の欲求が隠れていることがあります。

しかし、皮肉なことに、親が「早く!」と急かせば急かすほど、子どもは反発してわざとゆっくりやったり、焦って失敗したりして、結果的に余計に時間がかかるという悪循環に陥りがちです。

子どもではなく「自分」を変える。魔法の15分前行動

私が「待てる親」になるために始めた、たった一つの習慣。
それは、

全ての行動を、今までより「15分」早く始めること。

ただ、それだけです。
子どもに「早くしなさい」と要求するのではなく、親である私自身の行動を変えたのです。

朝起きるのを、15分早く。
家を出る準備を、15分早く。
夜ご飯の準備を、15分早く。

たった15分。でも、この15分が、私の心に、革命的な変化をもたらしました。

たった15分がもたらす、3つの絶大な効果

① 親の心に「圧倒的な余裕」が生まれる

「遅刻するかもしれない」という焦りがなくなるだけで、親の心には、驚くほどの余裕が生まれます。
子どもが、ご飯を食べるのに時間がかかっても、靴を履くのに手こずっても、「大丈夫、まだ時間はある」と、穏やかな気持ちで見守れるようになるのです。

②「早く!」という呪いの言葉が消える

親がイライラ声で「早く!」と言わなくなることで、子どもも反発したり、プレッシャーを感じたりすることがなくなります。
その結果、不思議なことに、子ども自身の行動もスムーズになっていくのです。

③ 子どもの「できた!」を見つけられるようになる

時間に余裕があると、子どもの行動を、減点法ではなく加点法で見られるようになります。
「まだ靴が履けないの?」というイライラが、
「あ、一人でマジックテープ留められたね!すごい!」
という、褒める言葉に変わるのです。
子どもの「できた!」をたくさん見つけて褒めてあげることで、子どもの自己肯定感もぐんぐん育っていきます。

子どもを変えようとするのは、とてもエネルギーがいるし、うまくいかないことが多いものです。
でも、自分自身の行動を変えるのは、今日から、いえ、今この瞬間からでも始められます。

「早く!」が口癖のせっかちママから、卒業しませんか?
たった15分早く動くだけで、あなたの心と、親子の毎日は、驚くほど穏やかで、笑顔に満ちたものに変わっていくはずですよ。

「外遊び神話」に疲れたママへ。雨の日にこそ「室内遊び」が秘める凄い効果

雨の日の憂鬱。「今日も、公園に行けない…」

窓の外は、朝からシトシトと降る雨。
有り余るエネルギーを持て余した子どもたちは、家の中で走り回り、きょうだい喧嘩を始める…。
そんな光景を前に、「ああ、今日も外で遊ばせてあげられない…」と、罪悪感にも似たため息をついていませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

「子どもは、太陽の下で思い切り遊ばせるべき」
そんな**「外遊び神話」**に、私たちは知らず知らずのうちに縛られています。
そして、雨や雪の日、あるいは親の体調が悪い日など、外に連れて行ってあげられない自分を「ダメな親だ」と責めてしまいがちです。

でも、ナースとして子どもの発達を見つめる中で、私は気づきました。
実は**「室内遊び」にこそ、子どもの能力を爆発的に伸ばす、素晴らしい効果**が隠されているのです。

雨の日こそ、子どもの「内なる力」が育つチャンス

外遊びが、体のエネルギーを発散させる「動」の活動だとすれば、室内遊びは、子どもの内面をじっくり育む「静」の活動です。

① 驚くほどの「集中力」が育つ

外の世界に比べて刺激の少ない室内は、子どもが一つの物事にじっくりと向き合う絶好の環境です。
ブロックやパズル、お絵かきなど、指先を使い、深く思考する遊びは、脳の発達に非常に良い影響を与えます。
外では見られないような、驚くほどの集中力に、きっとあなたも驚かされるはずです。

② 無限の「想像力・創造力」が爆発する

限られた空間と道具の中で、「さあ、何をして遊ぼうか?」と工夫する力。
それは、ゼロからイチを生み出す、創造力の最高のトレーニングになります。
段ボールが秘密基地になり、新聞紙がドレスになり、積み木が壮大な街になる。
子どもの頭の中では、無限の世界が広がっています。

③ かけがえのない「親子の絆」が深まる

外遊びでは、親はつい安全管理に気を取られがち。
でも室内なら、子どもとじっくり向き合うことができます。
一緒にクッキーの型を抜いたり、ボードゲームで真剣勝負をしたり、膝の上で絵本を読んだり…。
この濃密なコミュニケーションの時間が、親子の絆を何よりも強く、深くしてくれます。

雨の日が楽しみになる!おすすめ室内遊び

  • 静かに集中系: 粘土、お絵かき、パズル、折り紙、ビーズ遊び
  • ダイナミックに発散系: 新聞紙びりびり大会、段ボール秘密基地づくり、風船バレー、おうちキャンプ
  • 親子で協力系: クッキー・ホットケーキ作り、ボードゲーム、トランプ

「外で遊ばせなければ」というプレッシャーから、少しだけ自由になってみませんか?
雨の日は、子どもの有り余るエネルギーに頭を悩ませる日ではありません。
その子の内なる才能や、親子の絆をじっくり育む、絶好のチャンスなのです。

ママの笑顔と「楽しいね!」という言葉があれば、たとえ家の中でも、子どもの心は太陽のように明るく、健やかに育っていきますよ。

「なんで勉強するの?」と聞かれたら?子どもの未来を変える”100点の答え”

その問いに、あなたはどう答えますか?

「ねぇ、ママ。なんで勉強なんてしなきゃいけないの?」

ある日、子どもから、まっすぐな目でそう聞かれたら。
あなたなら、どう答えますか?

「いい学校に入って、いい会社に就職するためよ」
「将来、困らないようにするためよ」
「いいから、とにかくやりなさい!」

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

子どもの核心を突くこの問いに、多くの親が言葉を詰まらせてしまうのではないでしょうか。
私も、かつてはそうでした。
でも、ナースとして様々な人生に触れ、母として娘たちの成長を見守る中で、私なりに辿り着いた**「100点の答え」**があります。

今回は、子どもの学習意欲を引き出し、その子の未来を豊かにする、とっておきの答えをあなたに共有します。

なぜ、ありきたりな答えは響かないのか

先ほど挙げたような答えは、決して間違いではありません。
でも、子どもの心には、残念ながらほとんど響きません。

なぜなら、子どもは「今」を生きており、「将来のため」と言われても、それが自分にとってどれだけ大切なのか、実感することができないからです。
それどころか、「勉強=将来のための我慢」というネガティブなイメージを植え付けてしまい、かえって勉強嫌いを加速させてしまう危険性すらあります。

子どもの未来の「選択肢」を増やす、最強の武器

私が辿り着いた、100点の答え。それは…

「勉強はね、あなたの人生の『選択肢』を増やすための、最強の武器なんだよ」

この答えのポイントは、勉強を「やらされるもの」ではなく、**自分の未来を自由に選ぶための「手段」**として、ポジティブに捉え直している点です。

子どもに、こう問いかけてみてください。
「将来、どんな大人になりたい?」
「どんなことをして、人を喜ばせたい?」

そして、その夢と勉強を結びつけてあげるのです。

  • ゲームが好きなら…
    「ゲームを作る人になるには、物語を考える国語の力や、プログラムを組む算数の力が必要なんだ。勉強すれば、ゲームを遊ぶ側から、作る側にもなれる。選択肢が増えるって、そういうことだよ」

  • 動物が好きなら…
    「獣医さんになるには、生き物の体の仕組みを知る理科の知識がいるよね。もし、途中で他の夢ができたとしても、たくさん勉強しておけば、また別の道を選ぶこともできる。勉強は、人生の可能性を広げるための、たくさんの切符を持つことと同じなんだよ」

「勉強しなさい」から「一緒に学ぼう」へ

「なんで勉強するの?」という問いは、親子で「学ぶことの意味」について話し合う、絶好のチャンスです。

親がやるべきことは、「勉強しなさい」と上から命令することではありません。
勉強が、いかに世の中の様々なことと繋がっているか、そして、学ぶことが、いかに自分の世界を広げ、人生を豊かにしてくれるかを、子ども自身の興味に寄り添いながら、伝えていくことです。

勉強は、子どもが自分の人生を、自分の足で力強く歩んでいくために、親が与えてあげられる、最高の贈り物なのですから。

「ごめんなさいは?」と謝罪を強要する前に。本当に育てるべき”大切な感情”とは

その「ごめんなさい」、心から言えていますか?

お友達のおもちゃを、思わず取ってしまった我が子。
泣き出した相手の子と、周りのママたちの視線に焦り、あなたはつい、強い口調でこう言っていませんか?

「ほら!ごめんなさいは!?」

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

私も、かつてはそうでした。
その場を丸く収めるために、とにかく早く謝らせることばかりを考えていました。
でも、子どもが、少しも悪いと思っていない顔で、棒読みの「ごめんなさい」を口にするのを見て、ハッとしたのです。
この関わり方は、子どもの心を置き去りにしている、と。

今回は、形だけの謝罪を強要することの危険性と、言葉より先に育てるべき「大切な感情」についてお話しします。

なぜ「ごめんなさい」の強要は、NGなのか

親に叱られ、無理やり言わされた「ごめんなさい」。
そこに、心からの反省はあるでしょうか?

子どもは、その場を収めるための「魔法の呪文」として、「ごめんなさい」という言葉を覚えるだけ。
なぜ謝る必要があるのか、自分の行動が相手をどんな気持ちにさせたのかを、全く理解していません。

それどころか、「僕の気持ちは、聞いてもらえなかった」という不満や、「悪いことをしても、謝れば許される」という誤った学習に繋がってしまう危険性すらあるのです。

謝罪より先に育てるべき、2つの大切な感情

では、親はどうすればいいのでしょうか。
大切なのは、謝罪という「言葉」を教える前に、その土台となる2つの感情を、丁寧に育んであげることです。

① 相手の気持ちを想像する力(共感性)

まずは、子どもの行動と、その結果を結びつけてあげましょう。
「おもちゃを取っちゃったんだね。でも、見て。〇〇ちゃん、悲しい顔して泣いているよ」
「もし、〇〇(自分の子の名前)が、大事にしていたものを急に取られたら、どんな気持ちがするかな?」

自分の行動が、相手にどんな影響を与えたのか。
相手の立場に立って、その痛みを想像する手助けをしてあげるのです。

② 自分の非を、自分で認める気持ち(内省)

相手の気持ちを想像できたら、次にこう問いかけます。
「悲しい顔をしている〇〇ちゃんに、なんて言ってあげたら、また仲良く遊べるかな?」

親が「謝りなさい」と命令するのではなく、子ども自身に、どうすべきかを考えさせます。
子どもが自分の心の中から「あ、謝った方がいいんだ」と感じ、自らの意志で「ごめんなさい」という言葉を選択すること。
このプロセスこそが、本当の意味での反省と成長に繋がるのです。

形だけの「ごめんなさい」に、意味はありません。
時間はかかるし、根気もいります。
でも、自分の行動を振り返り、相手の痛みを想像し、自分の言葉で謝ることができる。
その力は、お子さんがこれから社会で生きていく上で、何より大切な「お守り」になるはずです。

私たち親の役目は、その心の根っこを、じっくりと育ててあげることなのかもしれませんね。

「ゲーム1日1時間」はもう古い?依存より怖い”孤独”から子を守る新ルール

「ゲーム、やめなさい!」その言葉、本当に届いていますか?

「ゲームは1日1時間まで!」
そう約束したはずなのに、気づけば2時間、3時間…。
「いい加減にしなさい!」と叫び、無理やりゲーム機を取り上げる。
そんな光景が、あなたの家でも繰り広げられていませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

かつての私も、ゲームに夢中になる子どもたちと、毎日同じ戦いを繰り返していました。
でも、ナースとして子どもの心と向き合う中で、ハッとさせられたのです。
私たちが本当に向き合うべきは、ゲームの「時間」ではなく、その背景にある子どもの**「孤独」**だったのだと。

今回は、多くの親が陥る「時間制限ルール」の罠と、ゲーム依存より怖い「孤独」から子どもを守るための、我が家の新しい約束についてお話しします。

なぜ子どもは、ゲームの世界に没頭するのか

子どもがゲームに夢中になるのは、単に「楽しいから」だけではありません。
その裏には、現実世界で満たされない、切実な心の叫びが隠れていることがあります。

  • 学校で、嫌なことがあった…
  • 友達関係が、うまくいかない…
  • 勉強で、達成感が得られない…
  • パパやママが、自分のことを見てくれない…

現実世界での「うまくいかない自分」から逃れ、努力すれば必ずレベルアップし、仲間と繋がり、ヒーローになれるゲームの世界。
そこは、子どもにとって、手軽に達成感や自己肯定感を得られる、大切な居場所になっているのかもしれません。

「時間で縛る」ルールが、逆効果になる理由

そんな心の状態の子どもに、親が一方的に「1日1時間」というルールを押し付けたらどうなるでしょう?

子どもは「自分の唯一の居場所を奪われた」と感じ、親に強い反発を覚えます。
そして、親の目を盗んで隠れてゲームをしたり、嘘をついたりするようになり、親子の信頼関係はどんどん壊れていってしまうのです。

問題の本質は、ゲームの時間ではありません。
子どもの心が「孤独」を感じていることなのです。

ルールより大切。我が家が作った「3つの約束」

そこで我が家では、「1日1時間」というルールを撤廃し、代わりに3つの新しい約束を決めました。

約束①:ゲームは、みんながいるリビングでやる

自分の部屋にこもってゲームをするのをやめ、家族の気配が感じられるリビングでやる、というルールです。
物理的に孤立させないことで、心の孤立も防ぎます。

約束②:ゲームの話を、家族の会話のテーマにする

「そのゲーム、どんな敵が出てくるの?」「すごい!そんな技が使えるんだ!」
親がゲームの世界に興味を示すことで、ゲームは「親子の断絶」の象徴から、「親子のコミュニケーションツール」に変わります。
子どもは「自分の好きなものを認めてもらえた」と感じ、心を開いてくれるようになります。

約束③:ゲーム以外の「楽しい時間」を、一緒に作る

「今度の週末、一緒にボードゲームしない?」「パパと公園で競争しよう!」
ゲームよりも楽しい「現実世界の体験」を、家族で一緒に作ることを意識しました。
現実世界が楽しければ、子どもはゲームの世界だけに執着する必要がなくなります。

「ゲームは悪だ」と決めつけ、時間で縛り付けるのは、もうやめにしませんか?
大切なのは、ゲームの時間を制限することより、子どもの「孤独」に寄り添うこと。

「あなたの居場所は、ゲームの中だけじゃない。ここにあるんだよ」
その安心感が、子どもをゲームの世界から、現実の世界へと引き戻してくれる、何よりの力になるはずです。

「おもちゃ買って!」と泣き叫ぶ子に、ただ我慢させるだけでは危険な理由

その「我慢」、子どもの心を歪めていませんか?

おもちゃ売り場で、目をキラキラさせながら「これ欲しい!」と駆け寄る我が子。
「今日は買わないよ」と告げた途端、火がついたように泣き叫び、床に寝転がる…。

そんな時、あなたは「ここで根負けしたら、この子の負けだ」「わがままを許してはいけない」と、心を鬼にして、その場を立ち去っていませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

「我慢」を教えることは、もちろん大切です。
しかし、ナースとして子どもの心の発達を学んだ今、子どもの欲求を頭ごなしに否定し、ただ我慢させることには、大きな危険が伴うことを知りました。

今回は、子どもの「欲しい!」という気持ちと上手に付き合いながら、心を健やかに育むための関わり方についてお話しします。

なぜ、ただ「我慢させる」だけでは危険なのか

子どもが「おもちゃが欲しい!」と感じるのは、成長過程においてごく自然な欲求です。
その純粋な欲求を、親が「わがまま」だと決めつけ、頭ごなしに否定し続けてしまうと、子どもの心に、2つの大きな傷を残す可能性があります。

① 自己肯定感の低下

「僕(私)の『欲しい』という気持ちは、悪いことなんだ」
「ママを困らせる、ダメな子なんだ」
と、自分の欲求そのものを否定的に捉えるようになり、自己肯定感が低くなってしまいます。

② 欲求への異常な執着

過度に我慢させられた経験は、かえってその物への異常な執着心を生むことがあります。
最悪の場合、親の目を盗んで手に入れようとしたり、万引きなどの問題行動に繋がってしまったりするケースも、決して少なくないのです。

物欲を「心の成長」に変える、3ステップ

子どもの「欲しい!」という気持ちは、自己コントロール能力計画性を育む、絶好のチャンスです。

ステップ①:「欲しい」という気持ちを、全力で受け止める

まずは、「これが欲しいんだね!」「キラキラしてて、かっこいいね!」「これで遊んだら、楽しいだろうね!」と、子どもの「欲しい」という気持ちに、100%共感してあげましょう。
自分の気持ちを認めてもらえた、という安心感が、子どもの心を落ち着かせ、親の話を聞く土台を作ります。

ステップ②:「買えない理由」を、正直に、分かりやすく伝える

次に、「どうして今日は買えないのか」その理由を、ごまかさずに伝えます。
「今日は、お野菜を買いに来たから、また今度にしようね」
「これは、お誕生日やクリスマスの時に、サンタさんにお願いしてみるのはどうかな?」
子ども扱いせず、一人の人間として、誠実に理由を話すことが大切です。

ステップ③:「待つ楽しみ」という見通しを持たせる

「じゃあ、次のお誕生日にこれを買うために、今日からカレンダーにシールを貼っていこうか!」
「それまで、おうちにあるブロックで、これに似たものを作ってみようか!」

ただ「我慢しなさい」ではなく、**「〇〇まで待てば、手に入るかもしれない」という見通しと、それまでの「楽しみ」**を一緒に考えてあげるのです。
この「待つ」という経験が、子どもの自己コントロール能力を大きく育てます。

子どもの物欲は、決して「悪」ではありません。
それは、子どもの心が成長している、健全な証です。

その純粋な欲求を、頭ごなしに押さえつけるのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、社会のルールや「待つことの大切さ」を教える機会に変えていく。
その丁寧な関わりこそが、子どもの豊かな心を育んでいくのだと、私は信じています。