「もし災害が起きたら、この子はパニックになってしまうんじゃないか…」「避難所で、周りの人に迷惑をかけたらどうしよう…」
発達障害のあるお子さんを持つママ・パパにとって、災害への備えは、一般的な家庭以上に大きな不安を伴いますよね。私も3姉妹の母として、もし子どもが発達障害を持っていたら、災害時にどうすれば良いのか、常に考えてしまいます。「いざという時に、この子を守れるだろうか」と、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。
発達障害のあるお子さんは、環境の変化や予期せぬ出来事に対して、強い不安やパニックを起こしやすい特性があります。災害時は、まさにその特性が顕著に現れる状況です。しかし、日頃からの周到な準備と、周囲との適切なコミュニケーションによって、パニックを防ぎ、安心して災害を乗り越えることができます。今回は、現役ママナースの私が、発達障害のあるお子さんを持つママ・パパのために、災害時のパニックを防ぐための事前の備え、コミュニケーションの工夫、そして頼れる場所について、私の経験も交えながら分かりやすく解説します。安心して災害に備えるためのヒントを見つけてくださいね。
発達障害のある子の災害対策、なぜ特別な配慮が必要?
発達障害のあるお子さんは、災害時に以下のような特別な配慮が必要となります。
- 環境の変化への適応困難: 慣れない場所や、予測できない状況に強い不安を感じ、パニックを起こしやすいです。
- 感覚過敏: 大きな音、強い光、匂い、人混みなど、普段は気にならない刺激が、災害時には過剰なストレスとなります。
- コミュニケーションの困難さ: 自分の気持ちや状況を言葉でうまく伝えられない、指示を理解しにくいなど、コミュニケーションに困難を抱えることがあります。
- ルーティンの崩壊: 普段の生活ルーティンが崩れることで、不安や混乱が増大します。
- 情報収集の困難さ: 災害情報が理解しにくい、デマに惑わされやすいなど、正確な情報収集が難しい場合があります。
これらの課題を乗り越えるためには、日頃からの周到な準備と、周囲との連携が不可欠です。
災害時のパニックを防ぐための事前の備え
1. 視覚支援ツールの活用
- 防災絵本・カード: 災害時の行動を絵や写真で示した絵本やカードを作成し、普段から子どもと一緒に確認しましょう。避難経路、避難場所、非常用持ち出し袋の中身などを視覚的に示すことで、子どもは状況を理解しやすくなります。
- ソーシャルストーリー: 災害時の状況や、避難所での過ごし方などを、子どもが理解しやすいように物語形式で作成し、読み聞かせましょう。不安を軽減し、心の準備を促します。
2. 感覚への配慮
- イヤーマフ・ノイズキャンセリングヘッドホン: 大きな音に敏感な場合は、イヤーマフやノイズキャンセリングヘッドホンを非常用持ち出し袋に入れておきましょう。
- お気に入りのブランケット・ぬいぐるみ: 慣れない環境でも安心できるよう、お気に入りのブランケットやぬいぐるみなど、安心できるアイテムを持参しましょう。
- 肌触りの良い衣類: 肌触りの良い、着慣れた衣類を非常用持ち出し袋に入れておきましょう。
3. ルーティンの維持
- 可能な範囲でルーティンを維持: 避難所での生活でも、可能な範囲で普段のルーティンを維持できるよう心がけましょう。例えば、食事の時間、寝る時間などをできるだけ普段通りにすることで、子どもの安心感につながります。
- タイマーの活用: 時間の概念が分かりにくい場合は、タイマーを活用して、次の行動を視覚的に示すのも良いでしょう。
4. 非常用持ち出し袋の準備
- 子どもの特性に合わせたもの: お子さんの特性に合わせて、非常食(食べ慣れたもの)、薬、医療機器、お気に入りのおもちゃ、視覚支援ツールなどを準備しましょう。
- 医療情報カード: お子さんの氏名、生年月日、発達障害の特性、配慮してほしいこと、服用している薬、かかりつけ医の連絡先、緊急連絡先などを記載した医療情報カードを作成し、常に携帯しましょう。ラミネート加工しておくと、水濡れにも強いです。
コミュニケーションの工夫
災害時は、子どもが混乱し、コミュニケーションが難しくなることがあります。以下の工夫を試してみましょう。
- 短く、具体的に伝える: 長い説明や抽象的な言葉は避け、短く、具体的に伝えましょう。「〇〇するよ」「△△に行こうね」など、分かりやすい言葉を選びましょう。
- 視覚的に示す: 言葉だけでなく、絵や写真、ジェスチャーなどを活用して、視覚的に伝えましょう。
- 選択肢を与える: 「〇〇と△△、どっちがいい?」など、子どもに選択肢を与えることで、自分で選ぶという主体性を尊重し、パニックを防ぐことができます。
- 肯定的な言葉を選ぶ: 「~してはいけない」ではなく、「~しようね」など、肯定的な言葉を選びましょう。
- 落ち着いた声で話す: 親が感情的になると、子どもも不安になります。落ち着いた声で、ゆっくりと話しましょう。
いざという時に頼れる場所
- 福祉避難所の確認: 一般の避難所では対応が難しい場合があるため、福祉避難所を事前に確認し、登録しておきましょう。
- 地域の相談窓口: 自治体の子育て支援課や福祉課、発達支援センターなどでは、発達障害のあるお子さんを持つ家庭向けの支援情報を提供しています。日頃から相談し、顔の見える関係を築いておくことが大切です。
- かかりつけ医との連携: かかりつけ医と相談し、災害時の対応についてアドバイスをもらっておきましょう。
- 近隣住民との連携: 日頃から近隣住民に発達障害について伝え、緊急時には助け合える関係を築いておきましょう。
まとめ:日頃からの備えと理解が、子どもの未来を守る
発達障害のあるお子さんを持つ家庭の防災は、日頃からの周到な準備と、周囲との適切なコミュニケーションが非常に重要です。パニックを防ぐための事前の備えと、子どもの特性を理解した関わり方が、いざという時のお子さんの命を守ることにつながります。
今回ご紹介したヒントが、皆さんの防災対策の一助となり、お子さんが安心して過ごせる未来につながることを願っています。もし、もっと詳しく知りたいことや、不安なことがあれば、いつでもコメントで教えてくださいね。私たちママナースも、皆さんの子育てを心から応援しています!