「おもちゃ買って!」と泣き叫ぶ子に、ただ我慢させるだけでは危険な理由

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

その「我慢」、子どもの心を歪めていませんか?

おもちゃ売り場で、目をキラキラさせながら「これ欲しい!」と駆け寄る我が子。
「今日は買わないよ」と告げた途端、火がついたように泣き叫び、床に寝転がる…。

そんな時、あなたは「ここで根負けしたら、この子の負けだ」「わがままを許してはいけない」と、心を鬼にして、その場を立ち去っていませんか?

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

「我慢」を教えることは、もちろん大切です。
しかし、ナースとして子どもの心の発達を学んだ今、子どもの欲求を頭ごなしに否定し、ただ我慢させることには、大きな危険が伴うことを知りました。

今回は、子どもの「欲しい!」という気持ちと上手に付き合いながら、心を健やかに育むための関わり方についてお話しします。

なぜ、ただ「我慢させる」だけでは危険なのか

子どもが「おもちゃが欲しい!」と感じるのは、成長過程においてごく自然な欲求です。
その純粋な欲求を、親が「わがまま」だと決めつけ、頭ごなしに否定し続けてしまうと、子どもの心に、2つの大きな傷を残す可能性があります。

① 自己肯定感の低下

「僕(私)の『欲しい』という気持ちは、悪いことなんだ」
「ママを困らせる、ダメな子なんだ」
と、自分の欲求そのものを否定的に捉えるようになり、自己肯定感が低くなってしまいます。

② 欲求への異常な執着

過度に我慢させられた経験は、かえってその物への異常な執着心を生むことがあります。
最悪の場合、親の目を盗んで手に入れようとしたり、万引きなどの問題行動に繋がってしまったりするケースも、決して少なくないのです。

物欲を「心の成長」に変える、3ステップ

子どもの「欲しい!」という気持ちは、自己コントロール能力計画性を育む、絶好のチャンスです。

ステップ①:「欲しい」という気持ちを、全力で受け止める

まずは、「これが欲しいんだね!」「キラキラしてて、かっこいいね!」「これで遊んだら、楽しいだろうね!」と、子どもの「欲しい」という気持ちに、100%共感してあげましょう。
自分の気持ちを認めてもらえた、という安心感が、子どもの心を落ち着かせ、親の話を聞く土台を作ります。

ステップ②:「買えない理由」を、正直に、分かりやすく伝える

次に、「どうして今日は買えないのか」その理由を、ごまかさずに伝えます。
「今日は、お野菜を買いに来たから、また今度にしようね」
「これは、お誕生日やクリスマスの時に、サンタさんにお願いしてみるのはどうかな?」
子ども扱いせず、一人の人間として、誠実に理由を話すことが大切です。

ステップ③:「待つ楽しみ」という見通しを持たせる

「じゃあ、次のお誕生日にこれを買うために、今日からカレンダーにシールを貼っていこうか!」
「それまで、おうちにあるブロックで、これに似たものを作ってみようか!」

ただ「我慢しなさい」ではなく、**「〇〇まで待てば、手に入るかもしれない」という見通しと、それまでの「楽しみ」**を一緒に考えてあげるのです。
この「待つ」という経験が、子どもの自己コントロール能力を大きく育てます。

子どもの物欲は、決して「悪」ではありません。
それは、子どもの心が成長している、健全な証です。

その純粋な欲求を、頭ごなしに押さえつけるのではなく、子どもの気持ちに寄り添いながら、社会のルールや「待つことの大切さ」を教える機会に変えていく。
その丁寧な関わりこそが、子どもの豊かな心を育んでいくのだと、私は信じています。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

コメントを残す

*