夫に「あなたはいいよね」と言ってしまった夜。ワンオペ育児のイライラが感謝に変わった日

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言ってしまった、一番伝えたくない、一番伝えたかった言葉

「あなたはいいよね、自由で。私なんて、一日中子どもと家にいて、トイレにすら自由に行けないのに」

ワンオペ育児で心身ともに限界だった、ある日の夜。
仕事から帰ってきた夫に、私は、一番言ってはいけない、そして、心の底で一番叫びたかった言葉を、ぶつけてしまいました。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

夫の、驚きと、悲しみが入り混じったような顔。
部屋に流れる、凍りついたような空気。
そして、そんな状況を作ってしまった自分への、激しい自己嫌悪。
あの夜のことは、今でも鮮明に思い出せます。

今回は、多くのワンオペママが抱える、夫への複雑な感情と、私がどうやってその積年のイライラを「感謝」に変えることができたのか、そのきっかけについて、正直にお話ししたいと思います。

なぜ「あなたはいいよね」が、夫婦関係を壊すのか

この言葉は、単なる愚痴ではありません。
そこには、

  • 「自分はこんなに大変なのに、あなたは楽をしている」という非難
  • 「私だけが、こんなに可哀想」という自己憐憫
  • 「私のこの辛さを、少しは分かってよ」という満たされない承認欲求

が、ぐちゃぐちゃに入り混じっています。
それは、相手の存在そのものを否定し、対話の扉を固く閉ざしてしまう、非常に破壊力の高い言葉なのです。

イライラの正体は、夫への「甘え」だった

なぜ、私はあんなにも夫にイライラしていたのか。
ナースとして人の心と向き合う中で、私はその正体に気づきました。
それは、夫に対する**「言わなくても分かってくれるはず」という、甘えにも似た過剰な期待**でした。

「夫なんだから、私の辛さを察してくれるはず」
「父親なんだから、言われなくても家事育児をやってくれるはず」

でも、夫は、私とは違う頭で考え、違う心で感じる、一人の「他人」です。
超能力者でもありません。
その当たり前の事実を受け入れた時、私は、夫に期待するのをやめました。
そして、その代わりに、自分の心の状態に目を向けることにしたのです。

イライラを「感謝」に変えた、3つの小さな習慣

①「やってもらうこと」のハードルを、地面スレスレまで下げた

夫が、たまに気が向いてやった食器洗い。
以前の私なら「汚れが落ちてない」「拭き方が雑」と文句を言っていたでしょう。
でも、それを「やってくれて、ありがとう!シンクが綺麗になって嬉しい!」と、神様のように崇めることにしたのです。
ハードルを極限まで下げると、日常に「ありがとう」が溢れ始めました。

②「ないもの」ではなく「あるもの」に目を向けた

家事育児はしなくても、夫は毎日、家族のために働いてくれている。
その「事実」に、改めて目を向けてみました。
夫が稼いでくれるから、私は安心して子どもたちと過ごせる。
当たり前すぎて忘れていたその事実に気づいた時、自然と感謝の気持ちが湧いてきました。

③ 自分の「ご機嫌」は、自分でとると決めた

「夫が〇〇してくれないから、私は不幸だ」
という、他人任せの幸せを、私はやめました。
子どもが寝た後の、たった5分のコーヒータイム。好きなドラマを1話だけ見る。
どんなに小さなことでも、自分で自分の心を満足させる時間を、意識的に作るようにしたのです。

夫は、あなたの感情のゴミ箱ではありません。
あなたの一番の味方になる可能性を秘めた、人生のパートナーです。

ワンオペ育児の辛さを、一人で抱え込まないで。
でも、その辛さを、相手への攻撃の武器にしないで。

「あなたはいいよね」と言いそうになったら、一呼吸おいて、この記事を思い出してみてください。
あなたのイライラが、少しでも感謝に変わる日が来ることを、心から願っています。

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