その熱、本当に今すぐ病院へ行くべき?
ピピピッ!体温計が示した「40.0℃」の文字。
血の気が引くような、心臓がキュッと縮むような感覚。
ナースである私でさえ、我が子の高熱には今でも焦ります。
こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。
多くのママが、熱の「高さ」に一喜一憂し、「こんなに高熱、すぐに病院へ行かなきゃ!」と慌てて夜間救急に駆け込んだ経験があるのではないでしょうか。
でも、ちょっと待って。
実は、子どもの発熱で本当に大事なのは、熱の高さそのものではないのです。
今回は、いざという時にママが冷静な判断をするための「お守り」として、ナースが実践している3つの観察ポイントをお伝えします。
なぜ「熱の高さ」だけで判断してはダメなのか
まず知っておいてほしいのは、発熱は、体がウイルスや細菌と戦っている証拠だということ。
体温を上げて免疫細胞を活性化させ、敵をやっつけようとしている、正常な防御反応なのです。
特に子どもは、体温調節機能が未熟なため、大人よりも熱が上がりやすい傾向があります。
つまり、「熱が高い=重症」とは、必ずしも言えないのです。
もちろん、生後3ヶ月未満の赤ちゃんの高熱は例外です。すぐに病院へ行きましょう。
しかし、それ以上の年齢の子どもであれば、熱の高さだけで慌てるのではなく、これからお話しするポイントを冷静に観察することが大切です。
病院へ行く前に確認!3つの観察ポイント
ポイント①:機嫌はどうか?
熱が高くても、ニコニコ笑っていたり、おもちゃで遊ぶ元気があるなら、ひとまず家で様子を見られるケースがほとんどです。
逆に、熱はそれほど高くなくても、ぐったりして笑顔がなく、呼びかけへの反応が鈍い場合は、注意が必要です。
ポイント②:水分はとれているか?
子どもの発熱で最も怖いのが「脱水症状」です。
食欲がないのは当たり前。でも、水分さえ摂れていれば、1日くらい食べなくても大丈夫です。
麦茶、イオン飲料、経口補水液などを、少量ずつこまめに飲ませてあげましょう。
おしっこの回数や量が普段より極端に少ない、唇がカサカサ、泣いても涙が出ない…といったサインは脱水の危険信号。すぐに病院へ。
ポイント③:呼吸の状態はどうか?
熱だけでなく、呼吸の状態も必ずチェックしてください。
- 肩を上下させて、苦しそうに息をしている
- ゼーゼー、ヒューヒューという音がする
- 顔色や唇の色が悪い(白っぽい、紫色など)
これらの症状がある場合は、肺炎や気管支炎、クループ症候群などの可能性も考えられます。すぐに受診しましょう。
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子どもの急な発熱は、どんなママでも不安になるものです。
でも、正しい知識という「お守り」があれば、冷静に対応できます。
熱の高さに振り回されず、お子さん自身の「全身状態」をしっかりと見てあげてくださいね。
この記事が、いざという時のあなたの助けになることを、心から願っています。
