食べない我が子に、涙した夜
せっかく栄養バランスを考えて作ったのに、一口も食べてくれない…。
ベーっと出された野菜くずを前に、泣きながら片付けた夜がありました。
こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。
子どもの「好き嫌い」。
これは、育児の悩みの中でも、特にママの心をえぐる問題ではないでしょうか。
「私の料理がいけないの?」「このままだと栄養失調になるんじゃ…」
当時の私は、完全にノイローゼ寸前でした。
でも、ナースとして「子どもの味覚の発達」について学んだ時、目の前の霧が晴れるように、心がスッと軽くなったのです。
今回は、今まさに子どもの偏食に悩んでいるママに、ぜひ知ってほしいお話をします。
好き嫌いは「わがまま」じゃない。生きるための「本能」です
実は、子どもがピーマンなどの「苦いもの」や、お酢などの「酸っぱいもの」を嫌うのは、ごく自然なこと。
人間の祖先が生きてきた時代、**「苦味=毒」「酸味=腐敗」**を意味していました。
つまり、子どもが野菜を避けるのは、自分の身を守るための「本能」が働いている証拠なのです。
これを初めて知った時、私は衝撃を受けました。
わがままだと思っていた娘の行動は、生きるために必死な姿だったんだ、と。
そう思ったら、あれほど憎らしかったピーマンが、少しだけ愛おしく思えたのです。
「完璧なごはん」より「楽しい食卓」を
この事実に気づいてから、私は「全部食べさせる」という完璧を目指すのをやめました。
その代わりに、いくつか簡単なルールを決めました。
- 一口でも食べたら、ヒーローインタビュー並みに褒める!
- 食べなくても、食卓には出し続ける(いつか興味を持つかも)。
- 調理法を変えてみる(刻む、混ぜる、揚げるなど)。
- 何よりも、親が「おいしいね!」と笑顔で食べる姿を見せる。
栄養面が心配になる気持ちも、痛いほど分かります。
でも、ナースの視点から言えば、1日や2日、特定の野菜を食べなかったからといって、すぐに栄養失調になることはありません。
それよりも、ママがイライラして食卓が険悪な雰囲気になる方が、子どもの心と体の成長にとっては、ずっと大きな問題です。
◇
「食べさせる」という戦いをやめたら、不思議なことに、娘は少しずつ色々なものを口にするようになりました。
もしあなたが今、食べない我が子に悩んでいるなら、どうか自分を責めないで。
まずは、ママ自身が肩の荷を下ろして、食卓で笑顔になること。
それが、子どもの「食」への興味を育む、一番の栄養になるはずですよ。
