「この食材、いつから食べさせていいの?」「アレルギーが出たらどうしよう…」
離乳食が始まる頃、多くのママ・パパが抱える不安の一つが「食物アレルギー」ではないでしょうか。私も3姉妹の母として、初めての離乳食はワクワクする反面、アレルギーへの不安でドキドキしたものです。「卵はいつから?」「牛乳は大丈夫?」と、一つ一つの食材に神経質になってしまう気持ち、すごくよく分かります。
食物アレルギーは、子どもの健康に関わる大切な問題です。しかし、過度に心配しすぎるあまり、離乳食の進め方が遅れてしまったり、栄養が偏ってしまったりすることも避けたいですよね。今回は、現役ママナースの私が、離乳食期からの食物アレルギー予防と進め方、注意点、そして万が一アレルギーが出た場合の対処法や受診の目安について、私の経験も交えながら分かりやすく解説します。安心して離乳食を進めるためのヒントを見つけてくださいね。
食物アレルギーって何?なぜ起こるの?
食物アレルギーは、特定の食物に含まれるタンパク質に対して、体の免疫機能が過剰に反応することで起こるアレルギー反応です。本来、体を守るはずの免疫が、無害な食べ物を「敵」と認識して攻撃してしまうことで、様々な症状が現れます。
主なアレルゲン
子どもの食物アレルギーで特に多いのは、以下の7品目です。
- 卵
- 牛乳
- 小麦
- ピーナッツ
- えび
- かに
- そば
その他にも、大豆、くるみ、カシューナッツ、アーモンド、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、鶏肉、バナナ、豚肉、まつたけ、もも、やまいも、りんご、ゼラチンなどもアレルゲンとなることがあります。
症状
症状は多岐にわたり、軽度なものから重度なものまで様々です。
- 皮膚症状: じんましん、赤み、かゆみ、湿疹、むくみ(まぶたや唇など)
- 消化器症状: 嘔吐、下痢、腹痛
- 呼吸器症状: 咳、ゼーゼー、呼吸困難
- 粘膜症状: 目の充血、涙、鼻水、くしゃみ
- アナフィラキシー: 全身に複数の症状が急速に現れ、血圧低下や意識障害などを引き起こす重篤なアレルギー反応。命に関わることもあります。
離乳食期からの食物アレルギー予防と進め方
以前は、アレルギーが心配な食材は遅らせて与える、という考え方もありましたが、最近の研究では、適切な時期に少量ずつ摂取することで、アレルギーの発症を予防できる可能性があることが分かってきました。
1. 離乳食開始のタイミング
- 生後5~6ヶ月頃: 首のすわりがしっかりし、支えると座れる、食べ物に興味を示すなどのサインが見られたら、離乳食を開始しましょう。アレルギー予防のために、離乳食の開始を遅らせる必要はありません。
2. 食材の進め方
- 少量から、単独で: 新しい食材は、ごく少量(耳かき1杯程度)から始め、他の食材とは混ぜずに単独で与えましょう。こうすることで、万が一アレルギー反応が出た場合に、どの食材が原因かを特定しやすくなります。
- 午前中に与える: アレルギー反応が出た場合に、すぐに医療機関を受診できるよう、午前中に与えるのがおすすめです。
- 体調の良い時に: 子どもの体調が良い時に与えましょう。体調が悪い時に与えると、アレルギー反応が出やすくなったり、症状が分かりにくくなったりすることがあります。
- 加熱する: 特に卵や牛乳など、アレルゲンとなりやすい食材は、十分に加熱してから与えましょう。加熱することで、アレルゲン性が低下することがあります。
- 毎日継続して与える: 一度アレルギー反応が出なかった食材は、毎日継続して与えることで、アレルギーの発症を予防できる可能性があります。ただし、医師の指示がある場合はそれに従いましょう。
3. 特に注意が必要な食材の進め方
- 卵: 固ゆで卵の卵黄から少量ずつ始め、徐々に卵白、全卵へと進めていきます。十分に加熱することが重要です。
- 牛乳: 少量から加熱した牛乳(牛乳を使った料理など)で始め、徐々に加熱していない牛乳へと進めていきます。
- 小麦: うどんやパンなど、少量から加熱した小麦製品で始めます。
万が一アレルギーが出たら?対処法と受診の目安
どんなに気をつけていても、アレルギー反応が出てしまうことはあります。慌てずに冷静に対処しましょう。
1. 食材の摂取を中止する
- アレルギー反応が出たら、すぐにその食材の摂取を中止しましょう。
2. 症状を観察する
- いつ、何を、どれくらい食べたか、どんな症状が、いつから、どのくらい続いているかなどを記録しておきましょう。医療機関を受診する際に重要な情報になります。
3. 医療機関を受診する
- 軽度な症状(じんましん、赤みなど): 症状が軽い場合は、かかりつけの小児科を受診しましょう。
- 中等度~重度な症状(呼吸困難、意識障害など、アナフィラキシーの疑い): 迷わず救急車を呼ぶか、すぐに救急外来を受診してください。
ママナースからのメッセージ:不安な時は、いつでも頼って
食物アレルギーは、ママ・パパにとって大きな不安の種ですよね。しかし、正しい知識を持ち、適切な方法で離乳食を進めることで、過度に心配する必要はありません。
大切なのは、一人で抱え込まず、不安な時はいつでも医療機関や地域の相談窓口に頼ることです。アレルギー専門医や管理栄養士に相談し、個別にアドバイスをもらうのも良いでしょう。私たちママナースも、皆さんの子育てを心から応援しています。お子さんが安心して、様々な食べ物を楽しめる日が来るよう、一緒に頑張りましょう!