「ゲーム、やめなさい!」その言葉、本当に届いていますか?
「ゲームは1日1時間まで!」
そう約束したはずなのに、気づけば2時間、3時間…。
「いい加減にしなさい!」と叫び、無理やりゲーム機を取り上げる。
そんな光景が、あなたの家でも繰り広げられていませんか?
こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。
かつての私も、ゲームに夢中になる子どもたちと、毎日同じ戦いを繰り返していました。
でも、ナースとして子どもの心と向き合う中で、ハッとさせられたのです。
私たちが本当に向き合うべきは、ゲームの「時間」ではなく、その背景にある子どもの**「孤独」**だったのだと。
今回は、多くの親が陥る「時間制限ルール」の罠と、ゲーム依存より怖い「孤独」から子どもを守るための、我が家の新しい約束についてお話しします。
なぜ子どもは、ゲームの世界に没頭するのか
子どもがゲームに夢中になるのは、単に「楽しいから」だけではありません。
その裏には、現実世界で満たされない、切実な心の叫びが隠れていることがあります。
- 学校で、嫌なことがあった…
- 友達関係が、うまくいかない…
- 勉強で、達成感が得られない…
- パパやママが、自分のことを見てくれない…
現実世界での「うまくいかない自分」から逃れ、努力すれば必ずレベルアップし、仲間と繋がり、ヒーローになれるゲームの世界。
そこは、子どもにとって、手軽に達成感や自己肯定感を得られる、大切な居場所になっているのかもしれません。
「時間で縛る」ルールが、逆効果になる理由
そんな心の状態の子どもに、親が一方的に「1日1時間」というルールを押し付けたらどうなるでしょう?
子どもは「自分の唯一の居場所を奪われた」と感じ、親に強い反発を覚えます。
そして、親の目を盗んで隠れてゲームをしたり、嘘をついたりするようになり、親子の信頼関係はどんどん壊れていってしまうのです。
問題の本質は、ゲームの時間ではありません。
子どもの心が「孤独」を感じていることなのです。
ルールより大切。我が家が作った「3つの約束」
そこで我が家では、「1日1時間」というルールを撤廃し、代わりに3つの新しい約束を決めました。
約束①:ゲームは、みんながいるリビングでやる
自分の部屋にこもってゲームをするのをやめ、家族の気配が感じられるリビングでやる、というルールです。
物理的に孤立させないことで、心の孤立も防ぎます。
約束②:ゲームの話を、家族の会話のテーマにする
「そのゲーム、どんな敵が出てくるの?」「すごい!そんな技が使えるんだ!」
親がゲームの世界に興味を示すことで、ゲームは「親子の断絶」の象徴から、「親子のコミュニケーションツール」に変わります。
子どもは「自分の好きなものを認めてもらえた」と感じ、心を開いてくれるようになります。
約束③:ゲーム以外の「楽しい時間」を、一緒に作る
「今度の週末、一緒にボードゲームしない?」「パパと公園で競争しよう!」
ゲームよりも楽しい「現実世界の体験」を、家族で一緒に作ることを意識しました。
現実世界が楽しければ、子どもはゲームの世界だけに執着する必要がなくなります。
◇
「ゲームは悪だ」と決めつけ、時間で縛り付けるのは、もうやめにしませんか?
大切なのは、ゲームの時間を制限することより、子どもの「孤独」に寄り添うこと。
「あなたの居場所は、ゲームの中だけじゃない。ここにあるんだよ」
その安心感が、子どもをゲームの世界から、現実の世界へと引き戻してくれる、何よりの力になるはずです。
