ホームケア

手足口病、ヘルパンギーナ…夏風邪ウイルスの見分け方と、ホームケア【ママナースが解説】

「夏なのに、なんで風邪!?」その疑問、解決します

暑い夏、子どもが急に熱を出したり、発疹が出たりすると、「夏なのに、なんで風邪!?」と驚くママ・パパも多いのではないでしょうか。

実は、夏には夏特有の「夏風邪ウイルス」が流行します。手足口病、ヘルパンギーナ、プール熱など、聞き慣れない病名に不安を感じるかもしれません。

「うちの子、何の病気だろう?」
「病院に行くべき?それとも家で様子を見るべき?」
「どうやって看病すればいいんだろう?」

そんな風に、夏風邪について、漠然とした不安や疑問を抱えているママ・パパも多いのではないでしょうか。

何を隠そう、現役看護師として働きながら3人の娘を育ててきた私も、毎年夏になると、子どもの夏風邪に悩まされてきました。

「どうすれば、この子の辛い症状を和らげてあげられるんだろう?」
「他の子にうつさないためには?」

この記事では、ママナースである私が、代表的な夏風邪ウイルスの見分け方から、家庭でできるホームケア、そして、病院を受診する目安まで、私の知識と経験を交えながら分かりやすく解説します。

もう、夏風邪で一人で悩む必要はありません。この記事を読めば、お子さんの夏風邪について正しく理解し、安心して看病できるようになるはずです!


代表的な夏風邪ウイルス:見分け方と症状

夏風邪ウイルスは、それぞれ特徴的な症状があります。主な夏風邪ウイルスの見分け方と症状を知っておきましょう。

1. 手足口病

  • 原因ウイルス: コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなど
  • 主な症状: 口の中、手、足に水疱性の発疹が現れます。発熱は軽度か、ないこともあります。口の中の発疹が痛むため、食欲不振になることがあります。
  • 感染経路: 飛沫感染、接触感染、糞口感染

2. ヘルパンギーナ

  • 原因ウイルス: コクサッキーウイルス、エンテロウイルスなど
  • 主な症状: 突然の高熱(38℃以上)と、口の中(喉の奥)に水疱や潰瘍が現れます。発熱は2〜3日で下がることが多いですが、口の中の痛みで食欲不振になることがあります。
  • 感染経路: 飛沫感染、接触感染、糞口感染

3. プール熱(咽頭結膜熱)

  • 原因ウイルス: アデノウイルス
  • 主な症状: 突然の高熱(38℃以上)、喉の痛み、目の充血や目やにが特徴です。発熱は3〜5日続くことが多いです。
  • 感染経路: 飛沫感染、接触感染、プールを介した感染

夏風邪のホームケア:辛い症状を和らげるために

夏風邪は、特効薬がないため、症状を和らげるためのホームケアが中心となります。辛い症状を和らげるために、以下のポイントを押さえておきましょう。

1. 水分補給をこまめに

  • 脱水症状に注意: 発熱や口の中の痛みで、水分が摂りにくくなることがあります。脱水症状にならないように、こまめに水分補給をしましょう。
  • 飲ませやすいものを: 経口補水液、麦茶、薄めたイオン飲料、冷ましたスープなど、子どもが飲めるものを少量ずつ頻繁に与えましょう。

2. 食事は食べやすいものを

  • 口の中が痛い場合: 口の中の発疹や潰瘍が痛む場合は、刺激の少ない、柔らかいものを与えましょう。プリン、ゼリー、ヨーグルト、冷ましたお粥、豆腐などがおすすめです。
  • 無理に食べさせない: 食欲がない場合は、無理に食べさせる必要はありません。水分が摂れていれば大丈夫です。

3. 熱の管理

  • 体を冷やす: 熱が高い場合は、脇の下や首の付け根、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やしましょう。冷えピタや、濡らしたタオルなどが有効です。
  • 薄着にする: 熱がこもらないように、薄着にしましょう。汗をかいたら、こまめに着替えさせましょう。
  • 解熱剤の使用: 辛そうであれば、医師の指示に従って解熱剤を使用しましょう。ただし、解熱剤は熱を下げるだけで、病気を治すものではありません。

4. 安静にする

  • 十分な睡眠: 体力を消耗しないように、十分な睡眠をとりましょう。子どもが眠れる環境を整えてあげましょう。
  • 無理に遊ばせない: 熱が下がっても、すぐに元気になったように見えても、無理に遊ばせないようにしましょう。体力が回復するまで、ゆっくりと過ごさせましょう。

病院を受診する目安と、感染対策

夏風邪は、多くの場合、自宅でのケアで回復しますが、中には病院を受診すべきケースや、感染対策が必要な場合もあります。

病院を受診する目安

以下のような場合は、すぐに病院を受診しましょう。

  • 水分が全く摂れない
  • ぐったりしている、意識が朦朧としている
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼーしている
  • けいれんを起こした
  • 発熱が5日以上続く
  • 症状が悪化している
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが発熱した

感染対策

  • 手洗い・うがい: 家族みんなでこまめに手洗い・うがいをしましょう。特に、排泄物の処理後や、食事の前には念入りに。
  • タオルの共有を避ける: 家族間でのタオルの共有は避けましょう。
  • おもちゃの消毒: 子どもが触れるおもちゃは、こまめに消毒しましょう。
  • 便の処理に注意: 夏風邪ウイルスは、便の中に長く排出されることがあります。おむつ交換の際は、手袋を使用し、処理後は念入りに手洗いしましょう。

まとめ:夏風邪は、正しく理解して乗り切ろう!

夏風邪は、子どもにとって辛いものですが、正しく理解し、適切なホームケアを行うことで、症状を和らげ、回復を早めることができます。また、感染対策をしっかり行うことで、家族への感染を防ぐことも可能です。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽減し、自信を持って子どもの夏風邪を看病できるようになる一助となれば幸いです。今年の夏も、家族みんなで元気に過ごしてくださいね!

「熱さまシート」は、解熱効果なし?子どもの発熱時、クーリングの正しい知識

その「冷えピタ」、気休めかもしれません。子どもの発熱時、クーリングの正しい知識

子どもが、熱を出すと、多くの親が、まず、冷蔵庫から、取り出すのが、「熱さまシート」や、「冷えピタ」といった、冷却ジェルシートではないでしょうか。「熱を、吸い取ってくれる」「気持ちよさそう」そんな、イメージがあるかもしれません。しかし、医学的には、これらの、冷却シートに、解熱効果(体温を下げる効果)は、ないとされています。

こんにちは、ママナースのさとみです。良かれと思って、やっている、そのケアが、実は、あまり意味がなかったり、場合によっては、逆効果だったりすることも。子どもの発熱は、親にとって、一大事。だからこそ、正しい知識を、持っておきたいですよね。

この記事では、子どもの発熱時の、「クーリング(体を冷やすこと)」に関する、正しい知識と、本当に、効果のある、体の冷やし方について、解説します。


なぜ、「熱さまシート」に、解熱効果はないの?

熱さまシートは、その、ジェルの水分が、蒸発する時の、気化熱によって、おでこなどの、「貼った部分」の、皮膚表面の温度を、一時的に、下げているだけです。体の、中心部の体温(深部体温)を、下げる力は、ありません。

もちろん、子どもが、「冷たくて、気持ちいい」と感じているのであれば、精神的な、安楽のために、使ってあげるのは、良いでしょう。しかし、「熱を下げるため」の、医療的な効果は、期待できない、ということを、知っておきましょう。

使用する際の、注意点

  • 窒息のリスク: 乳幼児に、使用する場合、寝ている間に、シートがずれて、口や鼻を、塞いでしまい、窒息する危険性があります。絶対に、目を離さないでください。
  • 皮膚トラブル: 肌が弱い子は、かぶれてしまうこともあります。

発熱のメカニズム:体を、冷やすべき時と、温めるべき時

効果的な、クーリングを行うためには、発熱の、フェーズを、理解することが、重要です。

フェーズ1:熱の「上がり際」(悪寒期)

  • 症状: 手足が冷たく、ブルブルと、震え(悪寒)がある。顔色が、青白い。
  • 体の状態: 体が、熱を、作り出そうと、頑張っている時期。
  • 対応: この時期に、体を冷やすのは、逆効果です。本人が、寒さを訴えるなら、布団を一枚、足してあげるなど、保温に努めましょう。

フェーズ2:熱が「上がりきった」後(熱感期)

  • 症状: 全身が、熱く、顔が赤い。汗をかき始める。
  • 体の状態: 体が、熱を、外に逃がそうと、している時期。
  • 対応: このタイミングで、初めて、クーリングが、有効になります。本人が、暑がるようなら、薄着にさせ、体を、冷ましてあげましょう。

本当に、効果のある、体の冷やし方

体を、効率的に、冷やすためのポイントは、**「太い血管が、通っている場所」**を、狙うことです。

  • 首の、両脇
  • 脇の下
  • 足の付け根(そけい部)

これらの場所を、保冷剤を、タオルで包んだものや、冷たい、濡れタオルなどで、冷やしてあげると、そこを流れる、血液が冷やされ、全身の体温が、効率的に、下がります。

おでこを、冷やすのは、本人が、気持ち良いと感じるなら、良いですが、解熱効果としては、あまり、期待できません。


まとめ:クーリングは、あくまで、補助的なケア

子どもの発熱で、最も、大切なこと。それは、クーリングや、解熱剤で、無理に、熱を下げることでは、ありません。

**水分補給を、しっかり行い、ゆっくりと、体を休ませてあげること。そして、熱の高さだけでなく、「機嫌はどうか」「ぐったりしていないか」**といった、子どもの、全身状態を、よく観察することです。

熱さまシートは、「お守り」のようなもの。その、効果を、過信せず、正しい知識を持って、発熱の、つらい時期を、乗り切ってあげてくださいね。


ものもらい、結膜炎…子どもの目のトラブル、受診の目安とホームケア

はじめに:その目の充血、ただの疲れじゃないかも?

子どもが目を真っ赤に充血させていたり、しきりに目をこすっていたり、まぶたが腫れていたり…。目のトラブルは、見た目にも痛々しく、親としてはとても心配になりますよね。「様子を見ていていいの?」「眼科?小児科?どっちに行けばいいの?」と、対応に迷うことも多いのではないでしょうか。

こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの目のトラブルは、原因によって対処法が異なります。特に、感染力が強い結膜炎などは、家庭内や園での集団感染を防ぐためにも、早期の適切な対応が重要です。

この記事では、子どもに多い目のトラブル「ものもらい」と「結膜炎」の違いや、それぞれの受診の目安、家庭でできるホームケアについて、分かりやすく解説します。


「ものもらい」と「結膜炎」、何が違うの?

まず、よく混同されがちな二つの病気の違いを知っておきましょう。

ものもらい(麦粒腫・霰粒腫)

  • どんな病気? まぶたにある、汗や脂を出す腺が細菌に感染したり、詰まったりして炎症を起こす病気です。
  • 主な症状: まぶたの一部が赤く腫れる、痛みやかゆみ、ゴロゴロ感がある。めやには、あまり出ないことが多いです。
  • うつる? 他の人にはうつりません。

結膜炎

  • どんな病気? 白目とまぶたの裏側を覆っている「結膜」が、ウイルスや細菌、アレルギーなどによって炎症を起こす病気です。
  • 主な症状: 白目が真っ赤に充血する、黄色や白色のドロっとしためやにがたくさん出る、涙が出る、目をかゆがる・痛がる。
  • うつる? ウイルス性や細菌性の結膜炎は、非常に感染力が強いものがあります。

**一番の大きな違いは、「めやにの量」と「白目の充血の範囲」**です。まぶたの腫れがメインなら「ものもらい」、白目全体の充血とめやにがひどい場合は「結膜炎」を疑います。


受診の目安と、何科に行けばいい?

基本的には、眼科の受診がおすすめです。専門医が、専用の機械で目の状態を詳しく診察してくれます。ただし、かかりつけの小児科でも、初期対応や診断は可能です。夜間などで眼科が開いていない場合は、まず小児科に相談しましょう。

すぐに受診すべきサイン

  • 白目が真っ赤で、めやにがひどい(特に、感染力の強いウイルス性結膜炎の可能性があるため)
  • 目の痛みが強い、光をまぶしがる
  • 視力がおかしい、物が見えにくそうにしている
  • 目に何か異物が入った可能性がある
  • まぶたが大きく腫れあがり、目が開けられない

家庭でできるホームケアと注意点

医師の診察を受け、薬を処方された上で、家庭では以下のことに注意しましょう。

  • 目をこすらせない: かゆみがあっても、目をこすると症状が悪化します。冷たいタオルで冷やしてあげたり、子どもの爪を短く切っておいたりしましょう。
  • 点眼薬は、正しく使う: 医師の指示通り、回数と期間を守って点眼しましょう。嫌がる子どもの点眼は大変ですが、寝ている時や、好きなテレビに集中している時などを狙うと、うまくいくことがあります。
  • めやには、優しく拭き取る: 湿らせた清潔なガーゼやコットンで、目頭から目尻に向かって、優しく拭き取ります。左右の目で、それぞれ別のガーゼを使いましょう。
  • タオルの共用は絶対にNG: 感染性の結膜炎の場合、タオルや枕カバーなどを介して家族に感染します。患者本人専用のタオルを用意し、洗濯物も分けるのが理想です。
  • 登園・登校は、医師の許可を得てから: 特に、はやり目(流行性角結膜炎)やプール熱(咽頭結膜熱)は、学校保健安全法で出席停止期間が定められています。自己判断せず、必ず医師の許可を得てから登園・登校させましょう。

まとめ:目のトラブルは、自己判断せずに専門医へ

子どもの目のトラブルは、似たような症状でも、原因によって治療法が全く異なります。「そのうち治るだろう」と自己判断せず、気になる症状があれば、早めに専門医に相談することが、子どもの目の健康を守るために最も大切なことです。


【慌てないで!】子どもの鼻血、正しい止め方と再発を防ぐホームケア

はじめに:突然の鼻血!ティッシュを詰めるのは間違いだった?

子どもって、本当によく鼻血を出しますよね。遊んでいる時、寝ている時、何の前触れもなく突然タラーッと…。シーツや服が真っ赤に染まっているのを見ると、親としてはドキッとしてしまうものです。

こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの鼻血は、そのほとんどが心配のないもの。でも、いざという時に慌ててしまい、ティッシュを奥まで詰め込んだり、首をトントン叩いたり…といった、実は間違った対処法をしていませんか?

この記事では、ママナースが教える**「子どもの鼻血の正しい止め方」**と、繰り返す鼻血を防ぐためのホームケアについて、分かりやすく解説します。


なぜ子どもは鼻血を出しやすいの?

子どもの鼻の粘膜は、大人に比べてとても薄くてデリケート。そして、鼻の入り口近くにある「キーゼルバッハ部位」という場所に、細い血管がたくさん集まっています。

そのため、

  • 鼻をいじる、鼻を強くかむ
  • くしゃみや咳
  • のぼせ、興奮
  • アレルギー性鼻炎などによる粘膜の炎症
  • 空気の乾燥

といった、ほんの少しの刺激で血管が傷つき、簡単に出血してしまうのです。子どもの鼻血の9割以上は、このキーゼルバッハ部位からの出血で、心配のないケースがほとんどです。


これが正解!鼻血の正しい止め方4ステップ

いざ鼻血が出たら、慌てずこの4ステップで対処しましょう。

ステップ1:座って、少しうつむかせる

まず、お子さんを座らせて、顔を少し下に向けさせます。上を向かせると、鼻血が喉に流れ込み、気持ち悪くなって吐いてしまうことがあるのでNGです。

ステップ2:小鼻をしっかりつまむ

親指と人差し指で、**小鼻(鼻のふくらんだ柔らかい部分)**を、少し強めにギュッとつまみます。鼻の骨のある硬い部分をつまんでも効果はありません。

ステップ3:そのまま5〜10分間、圧迫し続ける

つまんだまま、最低でも5分間は圧迫を続けます。「止まったかな?」と途中で手を離したくなりますが、しっかり血が固まるまで我慢。お子さんには「一緒に時計の針を見ながら、長い針が〇に来るまで頑張ろうね」などと声をかけてあげると良いでしょう。

ステップ4:喉に流れた血は、吐き出させる

もし喉に血が流れてしまったら、飲み込まずに、そっと吐き出させてあげてください。

【NGな対処法】

  • 首の後ろをトントン叩く: 全く効果はありません。
  • ティッシュを奥まで詰める: 粘膜を傷つけ、かさぶたを剥がす原因になり、再出血しやすくなります。
  • 横になる、上を向く: 血液を飲み込んでしまい、気分が悪くなる原因になります。

こんな鼻血は要注意!病院へ行くべきサイン

ほとんどの鼻血は家庭で対処できますが、以下のような場合は耳鼻咽喉科や小児科を受診しましょう。

  • 正しい方法で15分以上圧迫しても、血が止まらない
  • 鼻血が頻繁に(週に何度も)起こる
  • 鼻血以外の場所からも出血がある(歯茎など)
  • 顔色が悪く、ぐったりしている
  • 頭を強くぶつけた後に出血した

まとめ:正しい知識が、親子の安心につながる

子どもの突然の鼻血は、親を不安にさせます。でも、正しい止め方を知っていれば、もう慌てることはありません。

今回お伝えした方法を覚えておけば、いざという時に冷静にお子さんを手当てし、安心させてあげることができます。ぜひ、今日から実践してみてくださいね。


長引く子どもの咳、ただの風邪?病院へ行くべき危険な咳の見分け方

はじめに:その咳、本当にただの風邪ですか?

「コンコン」「ゼーゼー」…子どもの咳が続くと、聞いている親もつらくなりますよね。「ただの風邪だろう」と思っていても、あまりに咳が長引いたり、いつもと違う咳が出たりすると、「もしかして、ただの風邪じゃないのかも?」と不安になるものです。

こんにちは、ママナースのさとみです。咳は、気道に入った異物やウイルスを外に出すための大切な防御反応ですが、中には注意すべき「危険な咳」も隠れています。

この記事では、家庭で様子を見ても良い咳と、すぐに病院を受診すべき危険な咳の見分け方、そして咳を和らげるためのホームケアについて、ママナースの視点から詳しく解説します。


まずは咳の音をよく聞いて!咳の種類と特徴

咳と一言で言っても、その音や特徴は様々です。咳の音は、原因を探るための重要な手がかりになります。

  • 乾いた咳「コン、コン」: 喉の炎症や、気管支炎の初期に見られます。風邪のひき始めに多い咳です。
  • 湿った咳「ゴホッ、ゴホッ、ゼロゼロ」: 痰が絡んだ咳です。気管支炎や肺炎の可能性があります。痰が切れるようになれば、快方に向かっているサインでもあります。
  • 犬の遠吠えのような咳「ケン!ケン!」: 声帯が腫れている時に出る特徴的な咳です。クループ症候群の可能性があり、夜間に悪化しやすい傾向があります。
  • 発作のように激しく続く咳: 咳き込みすぎて顔が赤くなったり、吐いてしまったりします。百日咳やマイコプラズマ肺炎などの可能性も考えられます。

これは危険!すぐ病院へ行くべき咳のサイン

以下のような症状が見られる場合は、夜間や休日であっても、すぐに医療機関を受診してください。

緊急受診の目安

  • 呼吸が苦しそう(ゼーゼー、ヒューヒューしている)
  • 肩で息をしている、呼吸に合わせて小鼻がピクピクしている
  • 顔色や唇の色が悪い(青白い、紫色)
  • 咳き込んで眠れない、水分がとれない
  • 犬の遠吠えのような咳をしている
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんの咳

これらのサインは、呼吸困難に陥る危険性を示しています。迷わず救急外来を受診するか、判断に迷う場合は「#8000」(子ども医療電話相談)に電話して指示を仰ぎましょう。


お家でできる!咳を和らげるホームケア

病院へ行くほどではないけれど、咳がつらそうな時に試してほしいホームケアをご紹介します。

  1. 部屋の湿度を保つ: 空気が乾燥すると、喉が刺激されて咳が出やすくなります。加湿器を使ったり、濡れたタオルを部屋に干したりして、湿度を50〜60%に保ちましょう。
  2. 水分補給をこまめに: 喉を潤すことで、咳が和らぎます。麦茶や湯冷ましなど、刺激の少ないものを少しずつ飲ませてあげましょう。
  3. 上半身を少し高くして寝かせる: 仰向けに寝ると、鼻水が喉に垂れ込んで咳が出やすくなります。バスタオルなどを背中の下に入れ、上半身が少し高くなるように調整してあげると、呼吸が楽になります。
  4. はちみつをあげる(1歳以上限定): はちみつには喉の炎症を和らげる効果があると言われています。スプーン1杯をそのまま、またはお湯に溶かして飲ませてあげましょう。※1歳未満の赤ちゃんには、乳児ボツリヌス症のリスクがあるため、絶対にあげないでください。

まとめ:冷静な観察が、子どもの健康を守る鍵

子どもの咳は、ありふれた症状だからこそ、その裏に隠れたサインを見逃さないことが大切です。

「いつもと違うな」と感じたら、それはお子さんからの大事なメッセージかもしれません。咳の音や子どもの様子をよく観察し、冷静に対応することが、子どもの健康を守る一番の鍵となります。

この記事を参考に、適切な判断とホームケアで、つらい咳の時期を乗り切ってくださいね。


熱が出た!ママナースが教える解熱剤の正しい使い方とタイミング

はじめに:子どもの発熱、解熱剤を使うべきか迷っていませんか?

子どもの体が急に熱くなると、親としては本当に心配になりますよね。「すぐにでも熱を下げてあげたい!」と焦る気持ちと、「解熱剤って、むやみに使っていいの?」という不安な気持ちの間で、どうすべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

こんにちは、ママナースのさとみです。私自身も、我が子が発熱するたびに同じように悩み、医療現場でも多くの親御さんから相談を受けてきました。

解熱剤は、子どものつらさを和らげる心強い味方ですが、使い方を間違えると逆効果になることも。この記事では、解熱剤を使うべき本当のタイミングと、安全な使い方について、ママナースの視点から分かりやすく解説します。


大前提:熱は「悪者」ではない!体がウイルスと戦っているサイン

まず知っておいてほしいのは、発熱は体が病原体と戦うための大切な防御反応だということです。体温を上げることで、ウイルスの増殖を抑え、免疫を活性化させています。

ですから、「熱が高いから」という理由だけで、慌てて解熱剤を使う必要はありません。

一番大切なのは、**熱の高さではなく、子どもの「全身状態」**です。


解熱剤を使うべき本当のタイミングは「子どもがつらそうな時」

では、具体的にどんな時に解熱剤を使えば良いのでしょうか。答えはシンプルです。

子どもが熱のせいでつらそうにしている時、それが使うべきタイミングです。

こういう時は、使ってOK!

  • ぐったりしていて元気がない
  • つらくて水分や食事がとれない
  • 眠れない、何度も起きてしまう
  • 機嫌が非常に悪く、ぐずり続けている

解熱剤の目的は、病気を治すことではなく、熱によるつらさを一時的に和らげ、体力を消耗するのを防ぐこと。少しでも楽にしてあげて、その間に水分補給をしたり、少し眠らせてあげたりするために使う、と覚えておきましょう。

こういう時は、使わずに様子見でOK!

  • 熱は高い(38.5℃以上)けれど、比較的元気がある
  • 水分も取れていて、遊んだりもできる
  • すやすや眠れている

こんな時は、体がしっかりウイルスと戦えている証拠。無理に熱を下げる必要はありません。涼しい環境を整え、水分補給をしながら、ゆっくり見守ってあげましょう。


ママナースが教える!解熱剤の安全な使い方3つのルール

解熱剤を使うと決めたら、次はこの3つのルールを必ず守ってください。

1. 用法・用量を必ず守る

当たり前のことですが、これが最も重要です。子どもの解熱剤は、年齢や体重によって厳密に量が決められています。必ず説明書を読み、正しい量を使いましょう。迷ったら、薬剤師やかかりつけ医に確認してください。

2. 使う間隔はしっかり空ける

一度使って熱が下がっても、また上がってくることはよくあります。しかし、焦って次の薬を使ってはいけません。ほとんどの解熱剤は、6〜8時間程度の間隔を空ける必要があります。決められた使用間隔より短い時間で使うのは絶対にやめましょう。

3. 坐薬と飲み薬の併用は自己判断しない

「坐薬を入れたけど、飲み薬も使っていい?」。これはよくある質問ですが、自己判断での併用は危険です。成分が重複し、薬が効きすぎてしまう可能性があります。必ず医師や薬剤師に相談してください。


まとめ:解熱剤は「お守り」。上手に使って親子で乗り切ろう

子どもの発熱は、親にとって試練の時です。でも、正しい知識があれば、慌てず冷静に対応できます。

解熱剤は、病気を治す魔法の薬ではありません。子どもがつらい時に少しだけ手助けをしてくれる「お守り」のような存在です。その役割を正しく理解し、上手に活用して、つらい発熱の時期を親子で乗り切っていきましょう。


「耳が痛い」と言えない赤ちゃんも!繰り返す中耳炎のサインと家庭でのケア

はじめに:その不機嫌、もしかして中耳炎かも?

急に機嫌が悪くなったり、夜中に突然火がついたように泣き出したり…。言葉で「耳が痛い」と伝えられない小さな子どもにとって、中耳炎は親が気づきにくい病気の一つです。

こんにちは、ママナースのさとみです。子ども、特に0歳から3歳くらいまでの乳幼児は、風邪をひくと中耳炎を併発しやすく、一度なると繰り返しやすいという特徴があります。

この記事では、**言葉を話せない赤ちゃんの「中耳炎のサイン」**の見つけ方、そして家庭でできるケアについて、ママナースの視点から詳しく解説します。


なぜ子どもは中耳炎になりやすいの?

子どもの耳管(耳と鼻をつなぐ管)は、大人に比べて太くて短く、傾きが水平に近いという特徴があります。そのため、風邪などで鼻や喉にいるウイルスや細菌が、耳管を通って中耳(鼓膜の奥の空間)に侵入しやすく、炎症を起こしてしまうのです。

特に、まだ自分で鼻をかめない赤ちゃんや、仰向けでミルクを飲むことが多い乳児は、鼻水が耳に流れ込みやすいため、中耳炎のリスクが高くなります。


見逃さないで!言葉を話せない子の「中耳炎」サイン

「耳が痛い」と言えないお子さんが出す、中耳炎のサインは以下の通りです。複数当てはまる場合は、中耳炎を疑って早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

  • 理由もなく、急に機嫌が悪くなる
  • 夜中に突然、激しく泣き出す(夜泣き)
  • 頻繁に耳を触る、気にするそぶりを見せる
  • 頭を振る、壁や床に頭をこすりつける
  • ミルクや母乳の飲みが悪くなる(吸うと耳に圧力がかかり痛むため)
  • 耳から液体(耳だれ)が出てくる
  • 発熱(特に風邪の後期に熱がぶり返した場合)

特に「風邪をひいた後の不機嫌」は、中耳炎のサインであることが非常に多いです。ただの風邪の症状と決めつけず、耳の様子も気にかけてあげてください。


中耳炎かも?と思ったら家庭でできること

中耳炎の治療は医師に任せるのが基本ですが、病院へ行くまでの間や、治療と並行して家庭でできるケアもあります。

痛みを和らげるケア

  • 耳の周りを冷やす: 痛みが強い場合は、冷たいタオルや保冷剤を布で包んだもので耳の周りを冷やしてあげると、痛みが和らぐことがあります。
  • 鼻水をこまめに吸い取る: 鼻づまりは中耳炎を悪化させる大きな原因です。家庭用の鼻水吸引器などを使って、こまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。
  • 上半身を高くして寝かせる: 咳のケアと同様に、頭を少し高くして寝かせると、耳への圧力が軽減され、痛みが和らぐことがあります。

医師に処方された薬は、必ず最後まで

中耳炎の治療では、抗生剤が処方されることがよくあります。症状が良くなったからといって、自己判断で薬をやめてしまうと、治りきらずに再発したり、耐性菌ができてしまったりする原因になります。医師に指示された期間、必ず最後まで薬を飲ませ切りましょう。


まとめ:赤ちゃんの「不機嫌」は大切なサイン

言葉で痛みを伝えられない赤ちゃんにとって、「不機嫌」や「夜泣き」は、体調不良を訴える唯一の手段かもしれません。

「また機嫌が悪いな」で済ませてしまわずに、「どこか痛いのかな?」と一歩踏み込んで観察してあげることが、中耳炎のような病気の早期発見に繋がります。

風邪の後の長引く不機嫌は、中耳炎のサインかも。ぜひ、この記事を参考にお子さんの様子をチェックしてみてくださいね。


【解熱剤の基本編】子どもの熱、何度から座薬を使う?種類、間隔、タイミングの全て

はじめに:その解熱剤、本当に「今」必要ですか?

ピピピッ!体温計が示した「38.5℃」の数字に、ドキッとする。ぐったりと赤い顔で眠る我が子を前に、多くの親が頭をよぎるのは、「解熱剤、使った方がいいのかな?」という迷いだと思います。

「熱が高いと、頭がおかしくなるって本当?」
「座薬と飲み薬、どっちがいいの?」
「一度使ったら、何時間あければいい?」

子どもの急な発熱は、親にとって一大事。解熱剤は、そんな時の心強い味方ですが、その一方で、使い方を間違えると、かえって子どもの回復を妨げてしまう可能性もある、いわば“諸刃の剣”なのです。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

小児科で働いていると、「熱が出たので、すぐに解熱剤を使いました」という親御さんに、本当によく会います。その気持ち、痛いほどわかります。でも、ちょっと待って!熱を出すこと自体は、子どもがウイルスや細菌と戦っている、大切な証拠でもあるのです。

この記事では、『ママナースが教える「解熱剤」の正しい使い方』シリーズの「基本編」として、そもそも解熱剤は何のために使うのか、そして、いつ、どの薬を、どう使えばいいのか、という基本のキを、徹底的に解説していきます。もう、不要な解熱剤で、子どもの戦いを邪魔するのはやめにしましょう!


大原則:解熱剤は「熱を下げる」ためではなく「楽にする」ために使う

まず、最も大切なことをお伝えします。解熱剤は、病気を治す薬ではありません。あくまで、高熱によるつらい症状を一時的に和らげ、子どもが少しでも楽に過ごせるように手助けするための薬です。

熱が高いこと自体で、脳に障害が残るようなことは、基本的にはありません。(※ただし、41℃を超える高熱が続く場合や、熱性けいれんを繰り返す場合は別です)

無理に熱を下げると、体がウイルスと戦う力を弱めてしまい、かえって回復が遅れることもあります。解熱剤を使うかどうかの判断基準は、**「熱の高さ」ではなく、「子どもの機嫌や全身の状態」**です。

じゃあ、何度から使うの?答えは「子どもの状態次第」

一般的に、医療機関では**「38.5℃」**が解熱剤を使い始める一つの目安とされています。しかし、これはあくまで目安。

  • 39℃あっても、ケロッとしていて水分も摂れている使う必要なし
  • 38.2℃だけど、ぐったりして水分も摂れない、眠れない使うことを検討

このように、熱の数字だけで判断するのではなく、**「つらそうかどうか」**を一番の基準にしてください。


座薬?飲み薬?シロップ?どれを選べばいいの?

小児科で処方される解熱剤には、主に「アセトアミノフェン」という成分のものが使われます。形状にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

① 座薬(アンヒバ、アルピニーなど)

  • メリット:
    • 吐き気がある時や、薬を飲むのを嫌がる時でも使える。
    • 吸収が比較的早く、効果も確実。
  • デメリット:
    • うんちと一緒に出てしまうことがある。(入れてから10分以内に出てしまったら、もう一度入れ直してもOK)
    • 子どもが嫌がることがある。

② 飲み薬(カロナール、アセトアミノフェンなど)

  • メリット:
    • 持ち運びが楽で、外出先でも使いやすい。
    • 体重に合わせて、量を細かく調整しやすい。
  • デメリット:
    • 味が苦手で、吐き出してしまうことがある。
    • 嘔吐している時には使えない。

③ シロップ・ドライシロップ

  • メリット:
    • 甘い味がついているものが多く、小さな子どもでも飲みやすい。
  • デメリット:
    • 飲み薬と同様、嘔吐時には使えない。
    • 開封後の保存期間が短い場合がある。

【ママナースの結論】
どれが良い・悪い、ということはありません。子どもの年齢や、その時の状況(吐き気の有無など)に合わせて、医師と相談して処方してもらいましょう。個人的には、吐いてしまうことも想定して、「座薬」と「飲み薬」の両方を処方してもらい、お守りとして持っておくと、いざという時に安心だと思います。


ここが重要!解熱剤の正しい使い方と注意点

解熱剤を使うと決めたら、次は正しい使い方です。ここを間違えると、効果がなかったり、危険な状態を招いたりすることもあります。

  • 使う間隔は?
    • アセトアミノフェン製剤の場合、最低でも6〜8時間はあけてください。熱が下がりきらないからといって、時間をあけずに追加で使うのは絶対にNGです。
  • いつ使う?
    • 熱が上がりきったタイミングで使いましょう。手足が冷たく、ガタガタ震えている時は、まだ熱が上がっている最中です。この時に使うと、熱の上がり方をさらに急にしてしまい、体に負担をかけます。手足が温かくなり、汗をかき始めたら、熱が上がりきったサインです。
  • 量は?
    • 必ず、医師から指示された体重あたりの量を守ってください。「早く効かせたいから」と多く使うのは非常に危険です。兄弟で使い回すのもやめましょう。

まとめ:解熱剤は「お守り」。主役は子どもの“治る力”

解熱剤は、あくまで子どものつらさを和らげるための「サポーター」であり、お守りのような存在です。病気を治す主役は、あくまで子ども自身が持つ「免疫力」

熱の数字に一喜一憂せず、ぐったりしていないか、水分は摂れているか、など、子どもの全身の状態をしっかりと観察すること。そして、本当に必要な時に、正しく薬を使うこと。

それが、子どもの“治る力”を最大限に引き出す、親にできる一番のサポートです。

次回の「疑問解消編」では、「解熱剤を使っても熱が下がらない!」「座薬がうんちと一緒に出てきちゃった!」など、解熱剤を使う上でよくある“困った!”にお答えしていきます。

【RSウイルス編】ただの鼻風邪とどう違う?重症化のサインと入院を避けるためのポイント

はじめに:そのしつこい鼻水、RSウイルスかも

「鼻水と咳が、もう1週間も続いている…」
「熱はないけど、なんだか呼吸がゼーゼーして苦しそう…」

特に、秋から冬にかけて流行のピークを迎える、子どもの呼吸器感染症。その中でも、多くの親御さんを悩ませ、小児科医が特に警戒するのが**「RSウイルス感染症」**です。

大人がかかっても、軽い鼻風邪程度で済むことがほとんど。しかし、このウイルス、実は初めて感染する赤ちゃんと、体力の弱い高齢者にとっては、時に命に関わるほど重症化するリスクを秘めた、非常に厄介な相手なのです。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

『季節の感染症、完全攻略』シリーズの第2弾。今回は、特に0歳〜1歳のお子さんを持つ親御さんに、ぜひ知っておいてほしい「RSウイルス」についてです。ただの風邪だと油断していたら、いつの間にか肺炎や細気管支炎に進行し、入院…なんてことにならないために、**RSウイルスの特徴と、家庭で注意深く観察すべき「重症化のサイン」**を、ママナースの視点から詳しく解説していきます。


RSウイルス感染症、その正体とは?

RSウイルスは、2歳になるまでに、ほぼ100%の子どもが一度は感染すると言われている、非常にありふれたウイルスです。一度かかっても、何度も感染を繰り返します。

  • 主な症状: 発熱、鼻水、咳など、初期症状は普通の風邪とほとんど見分けがつきません。
  • 特徴:
    • とにかく、鼻水が多い! しかも、ネバネバとしていて、詰まりやすいのが特徴です。
    • 咳がだんだんひどくなり、**「ゼーゼー」「ヒューヒュー」**といった喘鳴(ぜんめい)が出やすい。
  • 流行る時期: 以前は秋〜冬が中心でしたが、近年は夏頃から流行が始まるなど、通年で見られます。
  • 潜伏期間: 感染してから2〜8日(多くは4〜6日)

なぜ、小さな赤ちゃんは重症化しやすいの?

大人は、気管支が太く、体力もあるため、RSウイルスに感染しても軽い症状で済みます。しかし、生後6ヶ月未満の赤ちゃん、特に、生まれつき心臓や肺に病気がある子や、早産で生まれた子は、重症化のリスクが非常に高くなります(ハイリスク群と呼ばれます)。

その理由は、

  1. 気管支が非常に細い: ウイルスの炎症で気管支が少し腫れただけでも、空気の通り道が簡単に塞がれてしまいます。
  2. 鼻呼吸が中心: 赤ちゃんは、まだ口で呼吸するのが上手ではありません。そのため、大量の鼻水で鼻が詰まってしまうと、呼吸をすること自体が困難になります。
  3. 体力がなく、免疫も未熟: ウイルスと戦う力が、まだ十分に備わっていません。

これらの理由から、RSウイルスは、小さな赤ちゃんにとって「ただの風邪」では済まないことが多いのです。


見逃さないで!入院を避けるための「重症化のサイン」

RSウイルスには、特効薬がありません。そのため、家庭でのケアと、悪化のサインを見逃さないことが何よりも重要です。以下の症状が見られたら、すぐに小児科を受診してください。

【呼吸状態のチェックポイント】

  • 呼吸が速く、苦しそう(肩で息をしている、息をするたびに小鼻がヒクヒクする)
  • 息を吸う時に、胸やお腹がペコペコとへこむ(陥没呼吸)
  • 呼吸に合わせて「ゼーゼー」「ヒューヒュー」という音が聞こえる
  • 咳き込んで、顔色が悪くなることがある
  • 唇や爪の色が、白っぽかったり、紫色っぽかったりする(チアノーゼ)

【全身状態のチェックポイント】

  • 母乳やミルクの飲みが、いつもの半分以下
  • ぐったりしていて、元気がない
  • おしっこの量が、明らかに減っている
  • 眠れていない

これらのサインは、細気管支炎や肺炎に進行している可能性を示しています。特に、呼吸の異常は、緊急性が高いサインです。夜間であっても、ためらわずに救急外来を受診しましょう。


家庭でできること:とにかく「鼻水との戦い」

RSウイルスとの戦いは、すなわち**「鼻水との戦い」**と言っても過言ではありません。鼻詰まりを解消し、呼吸を楽にしてあげることが、家庭でできる最も重要なケアです。

  1. こまめな鼻水吸引: これが一番大切です。市販の**鼻水吸引器(電動タイプがおすすめ)**を使い、こまめに鼻水を吸ってあげましょう。特に、ミルクを飲む前や、寝る前に行うと効果的です。
  2. 加湿: 空気が乾燥すると、鼻水が固まりやすくなります。加湿器などで、部屋の湿度を50%〜60%に保ちましょう。
  3. 水分補給: 鼻水や咳で、体内の水分はどんどん失われます。脱水を防ぐため、少量ずつ、こまめに水分を与えましょう。
  4. 上半身を高くして寝かせる: 鼻水が喉に流れ込むのを防ぎ、呼吸を楽にするために、バスタオルなどを背中の下に入れて、少し傾斜をつけてあげましょう。

まとめ:正しい知識が、赤ちゃんの命を守る

RSウイルスは、多くの親、特に初めての育児に奮闘するママやパパを不安にさせる病気です。しかし、その特徴と、注意すべきサインを正しく知っておけば、過度に恐れる必要はありません。

「いつもと、ちょっと違うな」

その親の直感が、何よりの早期発見のセンサーになります。赤ちゃんの様子を注意深く観察し、心配なことがあれば、ためらわずに、かかりつけの小児科医に相談してくださいね。

次回は、『季節の感染症、完全攻略』シリーズの最終回。夏に流行のピークを迎え、「プール熱」とも呼ばれる**「アデノウイルス感染症」**について、詳しく解説します。

【手足口病編】登園の目安は?口の痛みを和らげる食事と、大人がうつらないための予防策

はじめに:そのポツポツ、もしかして…?

「あれ?なんだか手のひらに赤いポツポツが…」
「口の中が痛いって、ご飯を全然食べてくれない…」

特に、夏の保育園や幼稚園で、じわじわと流行りだす感染症。その名も**「手足口病」**。子育て中の親なら、一度は耳にしたことがあるのではないでしょうか。

熱はそれほど高くないことが多いけれど、手や足、そして口の中にできる痛々しい水ぶくれ(水疱)に、「これ、本当に治るの?」と不安になってしまいますよね。特に、口の中の痛みが強いと、子どもは何も食べたり飲んだりできなくなり、親としては心配でたまりません。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

手足口病は、いわゆる「夏風邪」の代表格の一つ。多くの場合は自然に治る病気ですが、実は、いくつかの注意すべき点があります。そして、何よりつらいのが、痛みのために不機嫌になった子どものケアと、「これ、いつまで休めばいいの?」という登園の悩み。さらには、「パパやママにも、うつるの?」という恐怖…。

この記事では、そんな手足口病の気になるポイントを網羅した**『季節の感染症、完全攻略』シリーズ**の第1弾として、手足口病の症状から、登園の目安、家庭でのケア、そして家族への感染予防策まで、ママナースの視点で徹底的に解説します。


手足口病って、どんな病気?

手足口病は、エンテロウイルスやコクサッキーウイルスなどのウイルスによって引き起こされる感染症です。その名の通り、主な症状は**「手」「足」「口」**に現れます。

  • 潜伏期間: 感染してから3〜5日ほど
  • 主な症状:
    • 口の中: 舌や頬の粘膜、唇の裏などに、痛みを伴う米粒くらいの水ぶくれや口内炎ができます。
    • 手足: 手のひら、足の裏、足の甲などに、赤いポツポツとした発疹や、少し膨らんだ水ぶくれができます。お尻や膝、肘などに出ることもあります。
    • 発熱: 3人に1人くらいの割合で、37〜38℃程度の熱が出ますが、高熱になることは稀です。
  • 流行る時期: 主に夏(7月〜8月がピーク)ですが、秋や冬にも見られます。

一番知りたい!登園・登校の目安は?

手足口病は、インフルエンザのように「解熱後〇日」といった明確な出席停止期間が法律で定められている病気ではありません。では、いつから登園・登校していいのでしょうか。

答えは、**「全身状態が良く、普段通りに集団生活が送れること」**です。

具体的には、以下の2つの条件がクリアできていれば、登園・登校を再開して良いと判断されることがほとんどです。

  1. 熱が下がっていること
  2. 口の痛みや体のだるさがなく、普段通りに食事がとれ、元気に遊べること

【ポイント】

  • 発疹が残っていても、登園は可能です。 手足の発疹は、治る過程でかさぶたにならず、皮がむけてきれいに消えていきます。この発疹自体に、感染力はほとんどありません。
  • ただし、園や学校によっては独自のルールがある場合も。 必ず、事前に園や学校に確認しましょう。

【最も注意すべきこと】
症状が回復した後も、実は、2〜4週間にわたって、便の中からウイルスが排出され続けます。 そのため、おむつ替えの後の手洗いや、タオルの共用を避けるなどの感染対策は、しばらくの間、続ける必要があります。


口が痛くて食べられない…そんな時の食事の工夫

手足口病で、子どもが一番つらいのは、口の中の痛みです。何を口に入れても染みて痛いので、食欲がなくなってしまいます。脱水を防ぐためにも、水分補給を第一に、以下のような食事を試してみてください。

  • OKなもの(喉越しがよく、刺激の少ないもの)
    • 冷たいもの: プリン、ゼリー、アイスクリーム、冷たいスープ、冷奴など。
    • 柔らかいもの: お粥、うどん、茶碗蒸し、ヨーグルト、バナナなど。
    • 水分: 麦茶、イオン飲料、牛乳など。
  • NGなもの(染みたり、刺激になったりするもの)
    • 熱いもの: 温かいスープやうどんも、人肌以下に冷ましてから。
    • 酸っぱいもの: オレンジジュースなどの柑橘系、酢の物など。
    • 味の濃いもの、しょっぱいもの: ケチャップ味のものや、醤油味のものなど。
    • 硬いもの: せんべいやクッキーなど。

ストローで飲むのも痛がるときは、スプーンで少しずつ流し込んであげると良いでしょう。


実は、大人もかかる!家族内感染を防ぐために

「手足口病は、子どもの病気」と思われがちですが、実は、大人にもうつります。 そして、大人がかかると、子どもよりも症状が重くなることが多く、高熱や関節痛、全身の倦怠感に苦しめられることも…。

看病する親が倒れてしまっては、元も子もありません。感染経路は、**「飛沫感染」「接触感染」「糞口感染」**です。以下の対策を、家族全員で徹底しましょう。

  1. 手洗いの徹底: これが最も重要です。特に、おむつ替えの後や、食事の前は、石鹸と流水で、30秒以上かけて丁寧に洗いましょう。
  2. タオルの共用はしない: 手を拭くタオル、お風呂のタオルは、必ず別々のものを使います。
  3. おむつは密閉して捨てる: 使用済みのおむつは、ビニール袋などに入れて、しっかりと口を縛ってから捨てましょう。ウイルスの拡散を防ぎます。

まとめ:つらい口内炎との戦い。ゴールはもうすぐ!

手足口病は、特効薬がなく、基本的には自然に治るのを待つしかありません。特に、口の痛みがピークの数日間は、子どもも不機嫌になり、親も心身ともに疲弊してしまう、まさに“戦い”です。

でも、その痛みのピークは、必ず越えられます。この記事で紹介した食事の工夫やケアを試しながら、なんとか乗り切ってください。

次回は、『季節の感染症、完全攻略』シリーズの第2弾として、冬に大流行し、特に小さな赤ちゃんが重症化しやすい**「RSウイルス感染症」**について、詳しく解説していきます。

【ホームケア編】咳で眠れない夜に。少しでも楽にするための家庭での対処法

はじめに:長い夜を、親子で乗り切るために

前回の「見分け方編」では、子どもの咳の音から、その裏に隠れた病気のサインを読み解く方法についてお話ししました。

▼前回の記事はこちら
【見分け方編】その咳、大丈夫?風邪、クループ、気管支炎…音で聞き分ける危険なサイン

幸い、緊急性の高い危険な咳ではなさそう。でも、コンコン、ゴホゴホ…と続く咳で、お子さんがなかなか寝付けなかったり、夜中に何度も起きてしまったりするのは、見ている親も本当につらいものですよね。

「このまま朝まで、咳がやまなかったらどうしよう…」
「何か、少しでも楽にしてあげられることはないの?」

そんな風に、無力感を感じてしまう夜もあるかもしれません。

こんにちは!現役看護師で、3姉妹の母でもある皐月です。

薬に頼るだけでなく、家庭でできるちょっとした工夫で、子どもの咳は、思った以上に和らぐことがあります。それは、ただ症状を緩和するだけでなく、「ママが自分のために、何かをしてくれている」という安心感を子どもに与える、何よりの“心の処方箋”にもなります。

この記事では、「ホームケア編」として、咳でつらそうなお子さんを、お家で少しでも楽にしてあげるための具体的なケア方法を、ママナースの視点からご紹介します。特別な道具がなくても、今日からすぐに実践できることばかりですよ。


咳を和らげるホームケア4つの基本

家庭での咳ケアの基本は、**「加湿」「水分補給」「安静」「換気」**です。この4つを意識するだけで、子どもの体はぐっと楽になります。

①【加湿】喉の乾燥は、咳の大敵!

乾燥した空気は、喉の粘膜を刺激し、咳を悪化させる最大の原因です。特に、エアコンを使う夏や冬は、部屋の湿度が下がりがちなので注意が必要です。

  • 加湿器を使う: 最も効果的な方法です。湿度の目安は50%〜60%。加湿器がない場合は、濡れたバスタオルを部屋に干しておくだけでも効果があります。
  • お風呂の湯気を吸わせる: 咳がひどくて寝付けない夜には、お風呂場にお湯を張って湯気を充満させ、その中でしばらく抱っこして過ごすのもおすすめです。クループ症候群の「ケンケン」という咳には、特に効果的です。
  • マスクをつける: マスクの内側が自分の呼気で潤うため、喉の保湿に繋がります。ただし、乳幼児や、嫌がる子に無理強いはしないでください。

②【水分補給】痰を出しやすくする、天然の去痰薬

体内の水分が足りないと、痰がネバネバと硬くなり、気管支に張り付いて、ますます咳がひどくなる…という悪循環に陥ります。

  • 何を飲ませる?: 子どもが欲しがるものでOKです。麦茶、湯冷まし、イオン飲料、薄めたりんごジュースなど。一度にたくさん飲ませるのではなく、スプーン1杯でもいいので、こまめに与えましょう。
  • 食事からの水分も意識: 食欲があれば、スープや味噌汁、ゼリー、果物など、水分の多い食べ物を与えるのも良い方法です。

③【体勢】少しの工夫で、呼吸が楽になる

横になると、鼻水が喉に流れ込んだり、気管が圧迫されたりして、咳が出やすくなります。

  • 上半身を少し高くして寝かせる: 背中にたたんだバスタオルやクッションを入れ、頭から肩にかけて、緩やかな傾斜をつけてあげましょう。呼吸が楽になり、咳込みが減ることがあります。
  • 縦抱きで背中をトントン: 痰が絡んだ咳をしている時は、縦に抱っこして、背中を優しくタッピングしてあげると、痰が移動して楽になることがあります。手を丸めて、リズミカルに、下から上へと行いましょう。

④【換気】新鮮な空気を取り入れる

咳の原因となるウイルスやハウスダストを、部屋の外に追い出すことも大切です。寒い日でも、1〜2時間に1回、5分程度で良いので、窓を開けて空気を入れ替えましょう。その際は、お子さんが湯冷めしないように、別の部屋に移動させるなどの配慮を忘れずに。


これはNG!咳を悪化させる可能性のあるケア

良かれと思ってやったことが、逆効果になることもあります。以下の点には注意してください。

  • 市販の咳止め薬を自己判断で使う: 子どもの咳は、痰などの異物を体の外に出そうとする防御反応です。無理に咳を止めると、かえってウイルスや細菌が体内に留まり、症状を長引かせる可能性があります。特に2歳未満の子どもへの市販薬の使用は、副作用のリスクも指摘されています。必ず、医師の指示に従いましょう。
  • 柑橘系のジュース: オレンジジュースなどは、喉を刺激して咳を誘発することがあります。咳がひどい時は、避けた方が無難です。
  • はちみつ: 1歳未満の赤ちゃんには、絶対に与えないでください。「乳児ボツリヌス症」という、命に関わる病気を引き起こす危険があります。

まとめ:ママの手は、何よりの“おくすり”

加湿、水分補給、楽な姿勢…。今回ご紹介したケアは、どれもシンプルなものばかりです。でも、その一つひとつに、「早く良くなってね」というママの想いが込められています。

つらそうな子どもを前に、不安になるのは当然です。でも、そんな時こそ、ママが優しく背中をさすってくれる手、抱きしめてくれる腕が、子どもにとってはどんな薬よりも効果のある“おくすり”になるはずです。

さて、次回の記事では、このシリーズの最終回として、「受診目安編」をお届けします。家庭でのケアを続けても、どんな状態になったら病院へ行くべきか、その具体的な判断基準について、詳しく解説していきます。

【咳の見分け方編】その咳、大丈夫?風邪、クループ、気管支炎…音で聞き分ける危険なサイン

はじめに:「コンコン」「ケンケン」…その咳、ただの風邪じゃないかも

ゴホゴホッ!
夜中、子どもの苦しそうな咳で目が覚める。熱はないみたいだけど、なんだかいつもと咳の音が違う…。

「ただの風邪かな?」「でも、もしかしたらもっと悪い病気…?」

子どもの咳は、親にとって最も身近で、そして最も不安になる症状の一つですよね。特に、言葉でうまく症状を伝えられない小さな子どもの場合、親がその「音」から危険なサインを察知してあげる必要があります。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

病院の小児科では、毎日のように咳で苦しむ子どもたちと、心配そうな顔のお父さん、お母さんに会います。そして、たくさんの咳の音を聞く中で、「この咳は少し様子を見ても大丈夫」「この咳は、すぐに先生に診せないと」という判断を常にしています。

この記事では、そんなママナースの耳になったつもりで、咳の「音」や「特徴」から、その裏に隠れているかもしれない病気を見分ける方法と、家庭で様子を見ても良いか、すぐに病院へ行くべきかの判断基準を、分かりやすく解説します。


あなたは聞き分けられる?咳の音でわかる、病気のサイン

子どもの咳は、大きく分けていくつかの種類があります。それぞれの音の特徴と、考えられる病気を知っておきましょう。

①「コンコン、コホンコホン」乾いた咳

  • どんな音?: 痰が絡んでいない、乾いた感じの咳。
  • 考えられる病気:
    • 風邪のひき始め: 最も多い原因です。熱や鼻水など、他の症状も一緒に出ることが多いです。
    • 気管支炎の初期: 風邪から移行し、気管支に炎症が広がると、だんだん咳がひどくなります。
    • アレルギー: 特定の季節や場所で咳が出る場合、ハウスダストや花粉などのアレルギーも考えられます。
  • ホームケアのポイント: 部屋を加湿し、水分補給をこまめに行いましょう。基本的には、元気で食欲があれば、お家で様子を見て大丈夫です。

②「ケンケン!ケンケン!」犬の遠吠えのような咳

  • どんな音?: まるで犬やオットセイが鳴いているような、甲高い、かすれた咳。
  • 考えられる病気: クループ症候群
    • ウイルスの感染によって、喉頭(のど仏のあたり)が腫れて、空気の通り道が狭くなる病気です。特に、夜間に症状が悪化する傾向があります。
  • ホームケアのポイント:
    • 加湿が重要: 加湿器を使ったり、お風呂場に湯気を充満させて吸わせたりすると、楽になることがあります。
    • 縦抱きにする: 横になると気道が狭くなりやすいので、縦に抱っこしてあげると呼吸がしやすいです。
  • 危険なサイン: 咳がひどくて眠れない、呼吸をする時に「ヒューヒュー」という音(喘鳴)が聞こえる、顔色が悪い、息苦しそうにしている場合は、夜間でもためらわずに救急外来を受診してください。

③「ゴホゴホ、ゼロゼロ」痰が絡んだ湿った咳

  • どんな音?: 胸の奥の方で、痰がゴロゴロ、ゼロゼロと鳴っているような湿った咳。
  • 考えられる病気:
    • 気管支炎: 気管支の炎症が進み、分泌物(痰)が増えている状態です。
    • 肺炎: ウイルスや細菌が肺にまで達し、炎症を起こしている状態。高熱を伴うことが多いです。
    • RSウイルス感染症: 特に乳児(特に生後6ヶ月未満)がかかると、細気管支炎を引き起こし、重症化しやすいので注意が必要です。
  • ホームケアのポイント: 水分をしっかり摂って、痰を出しやすくしてあげましょう。背中を優しくトントンとタッピングしてあげるのも効果的です。
  • 危険なサイン: 呼吸が速い(1分間に50回以上など)、肩で息をしている、ミルクの飲みが悪い、ぐったりしている場合は、すぐに受診が必要です。

④「ヒューヒュー、ゼーゼー」喘息のような咳

  • どんな音?: 息を吐くときに、笛のような「ヒューヒュー」「ゼーゼー」という音が混じる咳。
  • 考えられる病気: 気管支喘息
    • アレルギーなどが原因で、気道が慢性的に炎症を起こし、狭くなっている状態。ホコリやダニ、気温の変化などで発作が起こります。
  • ホームケアのポイント: 医師から処方されている吸入薬や内服薬を、指示通りに使いましょう。部屋を清潔に保ち、アレルゲンを減らすことも重要です。
  • 危険なサイン: 横になれないほど苦しそう、会話が途切れ途切れになる、爪や唇の色が紫色っぽい(チアノーゼ)場合は、救急車を呼ぶこともためらわないでください。

まとめ:迷った時は、かかりつけ医へ。親の「勘」も大切に

咳の音による見分け方をお伝えしましたが、これはあくまで一般的な目安です。複数の咳が混じっていたり、判断に迷ったりすることも多いと思います。

そんな時は、ためらわずに、かかりつけの小児科を受診してください。 そして、もう一つ信じてほしいのが、親自身の「なんだか、いつもと違う」という勘です。毎日お子さんを見ている親の直感は、どんなマニュアルよりも鋭いことがあります。

「このくらいで病院にかかるのは、大げさかな?」なんて、思う必要は全くありません。安心して、育児をするためにも、専門家を頼ってくださいね。

次回の記事では、「ホームケア編」として、病院に行くほどではないけれど、つらそうな咳をしているお子さんを、少しでも楽にしてあげるための具体的なお家でのケア方法について、詳しくお伝えします。

【ママナースが解説】水ぼうそう、どう乗り切る?症状・感染経路・ホームケアと登園・登校の目安

その水ぶくれ、もしかして水ぼうそう?夏に増える子どもの病気に、不安を感じていませんか?

保育園や幼稚園で「水ぼうそうが流行しています」というお知らせ。

数日後、我が子の体に赤いブツブツが…。

「これって、水ぼうそうかな?」
「全身に広がったらどうしよう…」
「かゆくて掻きむしらないかな?」

水ぼうそうは、特徴的な発疹と強いかゆみを伴うため、親としては心配になりますよね。

「これって、うつるの?」
「家でどう看病すればいいの?」

そんな不安と疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、全員が水ぼうそうを経験し、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、水ぼうそうは、ほとんどの場合、自然に治る病気です。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、水ぼうそうの主な症状から、感染経路と予防策家庭でできる具体的なホームケア、そして登園・登校の目安まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、水ぼうそうからお子さんとご家族を守り抜きましょう。


水ぼうそうってどんな病気?症状と感染経路

水ぼうそう(水痘)は、水痘・帯状疱疹ウイルスによって引き起こされる感染症です。非常に感染力が強く、一度かかると免疫ができるため、通常は二度かかることはありません。

主な症状

  1. 発熱:
  2. 発疹:
    • 体幹(お腹や背中)から始まり、顔、手足へと全身に広がります。最初は赤い小さなブツブツですが、数時間で水ぶくれになり、その後かさぶたになります。
    • 発疹は、時期によって様々な状態のものが混在しているのが特徴です(赤いブツブツ、水ぶくれ、かさぶた)。
  3. 強いかゆみ:
    • 水ぶくれは強いかゆみを伴います。掻きむしると、細菌感染を起こしたり、傷跡が残ったりすることがあります。
  4. その他:
    • 口の中にも発疹ができることがあり、痛むため食事が摂りにくくなることがあります。

感染経路

  • 空気感染: 咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。
  • 飛沫感染: 感染者の唾液や鼻水に含まれるウイルスを吸い込むことで感染します。
  • 接触感染: 発疹の中の液に直接触れることで感染します。

<ママナースの視点>
水ぼうそうは、発疹が出る1〜2日前から、すべてのかさぶたになるまで感染力があります。特に、水ぶくれの時期が最も感染力が強いです。特効薬はなく、症状を和らげる対症療法が中心となります。


【家庭でできる】水ぼうそうのホームケアと予防策

水ぼうそうは、家庭でのケアが非常に重要です。お子さんのつらさを和らげ、感染を広げないためのポイントを押さえましょう。

ホームケア

  1. かゆみ対策:
    • 冷やす: 痒い部分を冷たいタオルなどで冷やすと、かゆみが和らぎます。
    • 薬を塗る: 医師から処方されたかゆみ止めの塗り薬を、指示通りに塗りましょう。掻きむしりによる細菌感染を防ぐためにも重要です。
    • 爪を短く切る: 掻きむしりによる皮膚の損傷を防ぐため、爪を短く切り、清潔に保ちましょう。夜間、無意識に掻いてしまう場合は、手袋を着用させるのも有効です。
  2. 清潔を保つ:
    • 毎日入浴し、石鹸をよく泡立てて優しく洗い、シャワーで流しましょう。熱いお湯はかゆみを増すので、ぬるめのお湯に。
    • 入浴後は、清潔なタオルで優しく水分を拭き取り、すぐに処方された薬を塗りましょう。
  3. 水分補給と食事:
  4. 安静にする:
    • 無理に遊ばせず、ゆっくり休ませましょう。睡眠は、回復を促す最高の薬です。

予防策

  1. 予防接種:
  2. 手洗い・うがいを徹底:
  3. タオルの共用を避ける:
    • 家族間での感染を防ぐため、タオルや食器の共用は避けましょう。

【ママナースの視点】登園・登校の目安と注意点

水ぼうそうは、学校保健安全法で**「すべて発疹が痂皮(かさぶた)になるまで」**は出席停止と定められています。これは、感染を広げないために非常に重要です。

  • 登園・登校の目安:
    • すべての発疹が、水ぶくれではなく、かさぶたになっていること。
    • 医師の許可を得てから登園・登校しましょう。
  • 注意点:
    • かさぶたになっても、しばらくはかゆみが続くことがあります。掻きむしらないように注意しましょう。
    • 治った後も、体調の変化に注意し、無理のない範囲で活動させましょう。

こんな時は病院へ!受診の目安

水ぼうそうは、ほとんどが軽症で済みますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

  • 高熱が続く(39℃以上)
  • ぐったりしている、意識がはっきりしない、呼びかけに反応が鈍い
  • けいれんを起こした
  • 発疹がひどく、痛みが強い、または膿が出ている(細菌感染の疑い)
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼーする
  • 口の中の発疹がひどく、水分も摂れない
  • 免疫力が低下しているお子さん(ステロイド治療中など)

<受診時のポイント>

  • いつから、どんな症状が出たか
  • 発疹の様子(いつから出て、どこに広がっているか、水ぶくれかかさぶたか)
  • 水分はどれくらい摂れているか
  • 家庭で試したこと、その効果

などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。


まとめ:正しい知識で、水ぼうそうを乗り切ろう

水ぼうそうは、子どもがよくかかる病気ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、お子さんのつらさに寄り添い、かゆみ対策と水分補給をしっかり行うこと。

そして、感染を広げないための予防策と、登園・登校の目安を徹底することです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが解説】子どものアレルギー、どう付き合う?食物アレルギー・アトピー性皮膚炎の予防とホームケア

「このブツブツ、もしかしてアレルギー…?」その不安に、一人で悩んでいませんか?

初めて食べた卵で、顔が真っ赤に腫れ上がった我が子。

夜中に、痒くて体を掻きむしり、血だらけになって泣き叫ぶ我が子。

「うちの子、アレルギー体質なのかしら…」
「この痒み、どうにかしてあげたい…」
「何を食べさせたらいいの?」

子どものアレルギーは、親にとって本当に心配で、日々の生活に大きな制限とストレスをもたらしますよね。情報が多すぎて、何が正しいのか分からなくなり、途方に暮れていませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、アレルギーの悩みに直面し、皮膚科やアレルギー専門医と連携しながら、試行錯誤を繰り返してきた、現役ママナースの皐月です。

お気持ち、痛いほど分かります。でも、大丈夫。アレルギーは、正しい知識と適切なケアで、必ずコントロールできます。 そして、一人で抱え込む必要もありません。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、子どもに多い「食物アレルギー」と「アトピー性皮膚炎」に焦点を当て、アレルギーの正しい知識から、家庭でできる予防とホームケア、そして専門医を受診する目安まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、お子さんの健やかな成長のために、アレルギーと上手に付き合っていく方法を、一緒に学びましょう。


Part 1:食物アレルギー ― 正しく知って、過度に恐れない

食物アレルギーは、特定の食べ物を食べた後に、体の免疫機能が過剰に反応して、様々な症状を引き起こす病気です。乳幼児期に発症することが多く、成長とともに食べられるようになることも珍しくありません。

主なアレルゲンと症状

  • 主なアレルゲン: 卵、牛乳、小麦が三大アレルゲンと言われています。その他、ピーナッツ、そば、えび、かに、大豆、くるみ、アーモンドなども注意が必要です。
  • 主な症状:
    • 皮膚症状: 蕁麻疹(じんましん)、発疹、かゆみ、目の周りや口の周りの腫れ(最も多い)
    • 消化器症状: 嘔吐、下痢、腹痛
    • 呼吸器症状: 咳、ゼーゼーする、呼吸困難
    • アナフィラキシー: 全身に強い症状が出て、命に関わる重篤なアレルギー反応。意識障害、血圧低下などを伴います。

食物アレルギーの予防と対策

  1. 乳児期からのスキンケア:
  2. 新しい食材は「1日1種類、1さじ」から:
  3. 平日の午前中に試す:
    • 症状が出た場合に、すぐに小児科を受診できるようにするためです。
  4. 自己判断で特定の食物を避けない:
    • アレルギーを心配するあまり、卵や乳製品などの特定の食品を自己判断で遅らせることは、逆効果になる可能性も指摘されています。医師の指導のもと、適切な時期に試すことが大切です。
  5. アレルギー診断を受けたら:
    • アレルギー専門医の指示を厳守: 除去食は、医師の指示のもと、必要最低限の期間で行いましょう。自己判断での除去は、栄養不足や、かえってアレルギーを悪化させる原因になることもあります。
    • エピペン: アナフィラキシーの既往がある場合は、緊急時に使用する自己注射薬「エピペン」を処方してもらい、使い方を家族全員で共有しておきましょう。

Part 2:アトピー性皮膚炎 ― 痒みとの戦い、正しいスキンケアが鍵

アトピー性皮膚炎は、皮膚のバリア機能が低下し、乾燥と炎症を繰り返す病気です。強い痒みを伴い、掻きむしることでさらに悪化するという悪循環に陥りやすいのが特徴です。

主な症状

  • 乾燥: 皮膚がカサカサして、粉を吹いたようになる。
  • 湿疹: 赤み、ブツブツ、ジュクジュク、かさぶたなど。
  • 痒み: 特に夜間や体が温まった時に強くなる。
  • できやすい場所: 顔、首、ひじや膝の裏、手足の関節など。

アトピー性皮膚炎の予防とホームケア

  1. 徹底したスキンケア(保湿と清潔):
    • 保湿: 入浴後5分以内に、全身にたっぷりと保湿剤を塗りましょう。乾燥が強い場合は、1日に数回塗るのが理想です。ワセリンやヒルドイドなど、医師から処方されたものを使用しましょう。
    • 清潔: 汗や汚れは、皮膚の刺激になります。毎日入浴し、石鹸をよく泡立てて優しく洗い、しっかりと洗い流しましょう。熱いお湯は痒みを増すので、ぬるめのお湯に。
  2. 掻かせない工夫:
    • 爪を短く切る、ミトンや手袋を着用させる、寝る時に体を冷やす(痒みは体が温まると増します)など、掻き壊しを防ぐ工夫をしましょう。
    • 痒みが強い場合は、医師から処方されたステロイド外用薬を適切に使用し、炎症を抑えることが重要です。ステロイドを怖がりすぎず、医師の指示通りに使いましょう。
  3. 衣類・寝具の工夫:
    • 肌に優しい綿素材の衣類を選び、汗をかいたらこまめに着替えさせましょう。
    • 寝具も清潔に保ち、ダニ対策を徹底しましょう。
  4. アレルゲンの除去:
    • ハウスダスト、ダニ、ペットの毛、花粉など、アトピーを悪化させる可能性のあるアレルゲンを特定し、可能な範囲で除去しましょう。

【ママナースの視点】こんな時は専門医を受診!

ご家庭でのケアで改善しない場合や、以下のような症状が見られる場合は、迷わず小児科や皮膚科、アレルギー専門医を受診しましょう。

  • 食物アレルギー:
    • 初めて食べたもので、蕁麻疹や嘔吐、呼吸困難などの症状が出た場合。
    • アレルギーが疑われるが、何が原因か分からない場合。
    • 除去食を始める必要があるか、専門医の判断を仰ぎたい場合。
  • アトピー性皮膚炎:
    • 痒みが強く、夜眠れないほどである。
    • 湿疹が広範囲に広がり、ジュクジュクしている。
    • ステロイド外用薬を使っても、なかなか改善しない。
    • 皮膚の感染症(とびひなど)を併発している。

<受診時のポイント>

  • いつから、どんな症状が出たか
  • 何を、どれくらい食べた後に症状が出たか(食物アレルギーの場合)
  • 家庭で試したケア、その効果
  • 写真に撮っておくと、診察時に役立ちます。

まとめ:アレルギーと上手に付き合い、笑顔で過ごそう

子どものアレルギーは、親にとって大きな負担と心配を伴います。

しかし、アレルギーは「治す」というよりも「上手に付き合っていく」病気です。正しい知識と適切なケアで、症状をコントロールし、お子さんが快適に過ごせるようにサポートしてあげることが何よりも大切です。

一人で抱え込まず、専門家や同じ悩みを持つ仲間を頼ってください。

あなたの温かいサポートが、お子さんの健やかな成長を導く、何よりの力になります。


【ママナースが解説】子どもの咳、どう乗り切る?種類・原因・ホームケアと病院に行く目安

その「コンコン」に、あなたは不安を感じていませんか?

夜中に、子どもが苦しそうに「コンコン」と咳き込んでいる。

朝起きると、「ゼーゼー」という音が聞こえる。

「この咳、大丈夫かな?」
「風邪かな?それとも、何か別の病気?」
「家でできることって、他にないかな?」

子どもの咳は、親にとって心配の種であり、特に夜間の咳は、親も子も眠りを妨げ、体力を消耗させてしまいますよね。どうすればいいのか分からず、一人で抱え込んでいませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、数えきれないほどの咳と向き合い、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、咳は、体の防御反応であり、悪いものではありません。 しかし、咳の種類や、他の症状と組み合わせることで、病気のサインを見つけることができます。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、子どもの咳の種類と主な原因から、家庭でできる具体的なホームケア、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、咳からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


なぜ?どうして?子どもの咳の種類と主な原因

咳は、気道に入った異物や、炎症によって分泌された痰などを体の外に出そうとする、防御反応です。咳の種類によって、原因となる病気が異なります。

1.乾いた咳(コンコン、ケンケン)

  • 特徴: 痰が絡まない、乾いた音の咳です。犬の鳴き声のような「ケンケン」という咳は、クループ症候群の可能性があります。
  • 主な原因:
    • 風邪のひき始め: 喉の炎症が原因。
    • クループ症候群: 喉頭(声帯のある部分)の炎症で、空気の通り道が狭くなるため、特徴的な咳が出ます。
    • アレルギー: アレルギー性鼻炎や喘息の初期症状。
    • 乾燥: 空気が乾燥していると、喉が刺激されて咳が出やすくなります。

2.湿った咳(ゴホゴホ、ゼロゼロ)

3.その他

  • 百日咳: 連続して激しく咳き込み、最後にヒューと息を吸い込む特徴的な咳です。ワクチン接種をしていない乳幼児は重症化しやすいです。
  • 異物誤嚥: 小さなものを誤って飲み込み、気管に入ってしまった場合に、突然激しく咳き込みます。

<ママナースの視点>
咳の種類だけでなく、咳が出始めた時期、他の症状(発熱、鼻水、嘔吐など)の有無、咳の頻度や強さ、夜間の様子などを観察することが、病気を判断する上で非常に重要です。


【家庭でできる】子どもの咳のホームケア

咳の症状を和らげ、お子さんのつらさを軽減するためのホームケアです。

1.加湿

  • 部屋の湿度を50〜60%に保ちましょう。加湿器を使ったり、濡れたタオルを干したりするのも効果的です。喉の乾燥を防ぎ、痰を出しやすくします。

2.水分補給

3.体を起こす

  • 寝る時に、上半身を少し起こしてあげると、咳が楽になることがあります。枕の下にタオルなどを敷いて、少し高くしてあげましょう。

4.鼻水対策

  • 鼻水が喉に流れ込むことで咳が出ることもあります。鼻吸い器でこまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。鼻の通りを良くすることで、咳が楽になることがあります。

5.背中をトントンする

  • 痰が絡む咳の場合は、背中を優しくトントンしてあげると、痰が切れやすくなります。ただし、食後すぐは吐き戻す可能性があるので避けましょう。

6.刺激を避ける

  • タバコの煙、ホコリ、ペットの毛など、咳を誘発する刺激物は避けましょう。部屋の換気や掃除をこまめに行いましょう。

【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安

咳は、ほとんどの場合、風邪の症状として自然に治まりますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

すぐに救急車を呼ぶべき危険なサイン

夜間・休日でも受診を検討すべきサイン

<ママナースの重要メモ>
咳の高さよりも、**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、呼吸はどうかなど)**を重視してください。親の「何かおかしい」という直感は、非常に重要です。迷ったら、地域の小児救急電話相談(#8000)や、かかりつけ医に相談しましょう。


まとめ:正しい知識とケアで、咳を乗り切ろう

子どもの咳は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、咳の種類や他の症状を観察し、原因を理解すること。

そして、お子さんのつらさに寄り添い、適切なホームケアを行うことです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが解説】子どもの中耳炎、どう乗り切る?症状・原因・ホームケアと病院に行く目安

その突然の耳の痛みに、あなたは戸惑っていませんか?

夜中に突然、子どもが耳を痛がって泣き叫び始めた。

熱はないのに、耳を触ると嫌がる。

「もしかして、中耳炎かな?」
「どうしてこんなに痛がるんだろう…」
「病院に行った方がいいのかな?」

子どもの中耳炎は、親にとって心配で、そしてどう対応すればいいのか迷う病気の一つですよね。特に、乳幼児は自分のつらさを言葉で伝えられないため、親も不安を感じやすいものです。

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、何度も中耳炎と向き合い、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、子どもの中耳炎は、決して珍しい病気ではありません。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、中耳炎の主な症状から、原因家庭でできる具体的なホームケア、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、中耳炎からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


中耳炎ってどんな病気?症状と原因

中耳炎は、鼓膜の奥にある「中耳」という部分に炎症が起こる病気です。子どもに多く見られ、特に乳幼児期は、耳と鼻をつなぐ「耳管(じかん)」が大人よりも太く短く、傾斜も緩やかなため、鼻や喉の細菌が中耳に侵入しやすくなっています。

主な症状

  • 耳の痛み: 突然、耳を痛がって泣き叫ぶことがあります。特に夜間や、横になった時に痛みが強くなる傾向があります。
  • 発熱: 38℃以上の発熱を伴うことが多いです。
  • 耳だれ: 鼓膜が破れて、耳から膿のような液体が出てくることがあります。
  • 耳を触る、引っ張る: 乳幼児は、耳の痛みを言葉で伝えられないため、しきりに耳を触ったり、引っ張ったりする仕草が見られます。
  • 機嫌が悪い、食欲がない: 痛みや発熱で、機嫌が悪くなったり、ミルクや食事の量が減ったりすることがあります。
  • 難聴: 滲出性中耳炎の場合、耳に水が溜まることで、一時的に聞こえが悪くなることがあります。

主な原因

<ママナースの視点>
中耳炎は、乳幼児が最もかかりやすい病気の一つです。特に、風邪をひいた後や、鼻水が続いている時は注意が必要です。耳の痛みを訴えられない乳幼児の場合は、耳を触る仕草や、機嫌の悪さなど、いつもと違う様子がないか注意深く観察しましょう。


【家庭でできる】中耳炎のホームケア

中耳炎は、家庭でのケアが非常に重要です。お子さんのつらさを和らげ、回復をサポートするためのポイントを押さえましょう。

1.耳の痛みを和らげる

  • 冷やす: 痛む耳の周りを冷たいタオルなどで冷やすと、痛みが和らぐことがあります。
  • 頭を高くする: 寝る時に、枕を高くしたり、上半身を少し起こしてあげたりすると、耳への圧力が減り、痛みが楽になることがあります。
  • 解熱鎮痛剤: 医師から処方された子ども用の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を、痛みが強い時に使用しましょう。

2.鼻水をこまめに取る

  • 鼻水が中耳炎の原因になることが多いので、鼻吸い器でこまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。鼻の通りを良くすることで、中耳への負担を減らせます。

3.安静と水分補給

  • 十分な睡眠をとり、安静に過ごしましょう。脱水にならないよう、こまめに水分を摂りましょう。

4.入浴

  • 熱がなく、元気であれば入浴は問題ありません。ただし、耳に水が入らないように注意し、入浴後は耳の周りを清潔に保ちましょう。

5.耳だれが出た場合

  • 耳だれが出たら、清潔なガーゼや綿棒で優しく拭き取りましょう。耳の奥まで綿棒を入れないように注意してください。耳だれが出ている間は、耳鼻科を受診しましょう。

【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安

中耳炎は、ほとんどが軽症で済みますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。特に、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

  • 耳の痛みが非常に強い、または痛みが続く
  • 高熱が続く(38.5℃以上)
  • 耳だれが出ている
  • 耳を痛がって泣き止まない、ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が鈍い、聞こえが悪そう
  • 顔の麻痺がある
  • 中耳炎を繰り返す
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが発熱を伴う中耳炎の症状がある

<受診時のポイント>

  • いつから、どんな症状が出たか
  • 耳の痛みの様子(いつ、どんな時に痛がるか)
  • 発熱の有無と経過
  • 鼻水や咳の有無
  • 家庭で試したこと、その効果

などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。


まとめ:正しい知識とケアで、耳の痛みを乗り切ろう

子どもの中耳炎は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、お子さんのつらさに寄り添い、耳の痛みを和らげること。

そして、鼻水をこまめに取るなど、原因となる鼻や喉のケアをしっかり行うことです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが徹底解説】夏の三大皮膚トラブル(あせも・とびひ・虫刺され)から子どもを守る!予防とホームケア完全ガイド

夏の肌トラブル、今年も…と憂鬱なあなたへ

楽しいはずの夏。しかし、子どもの肌には過酷な季節です。

朝、子どもの首筋にびっしりと広がる赤いポツポツ(あせも)。
掻きむしった虫刺されが、あっという間にジュクジュクの水ぶくれ(とびひ)に…。

「清潔にしているつもりなのに、どうして?」
「このホームケア、本当に合ってる?」

そんな風に、夏の肌トラブルに頭を悩ませ、心を痛めている親御さんは、決して少なくありません。

こんにちは!3人の娘を育てる現役ママナースの皐月です。
何を隠そう、私自身も毎年、娘たちの肌トラブルと格闘してきました。看護師として知識はあっても、我が子のこととなると不安になるものです。

だからこそ、今回はあなたの不安に徹底的に寄り添います。**夏の三大皮膚トラブルである「あせも」「とびひ」「虫刺され」について、その原因から、最も重要な「予防法」、そして悪化させないための「ホームケア」**まで、専門家の視点で分かりやすく解説します。

この記事を読めば、もう夏の肌トラブルに振り回されることはありません。正しい知識を武器に、お子さんのすべすべ肌を守り抜きましょう!


Part 1:あせも(汗疹)― 基本の「き」は清潔と保湿

夏の皮膚トラブル、代表格の「あせも」。正式には「汗疹(かんしん)」と言います。

  • 原因: 大量の汗で、汗を出す管(汗管)が詰まってしまうことが原因。汗が皮膚の内側に溜まり、炎症を起こしてポツポツや水ぶくれになります。
  • できやすい場所: 首の周り、ひじや膝の裏、おむつで蒸れるお尻など、汗が溜まりやすい場所。

【予防が何より大事!】あせもを作らない3つの鉄則

  1. 汗をかいたら、すぐに流す・拭く: これが最も重要です。シャワーをこまめに浴びるのが理想ですが、難しければ濡らしたタオルで優しく拭くだけでも効果があります。
  2. 涼しい環境をキープ: エアコンや扇風機を適切に使い、快適な室温・湿度を保ちましょう。寝ている間も、汗をかきすぎていないかチェックを。
  3. 通気性の良い服を選ぶ: 吸湿性・速乾性に優れた綿やメッシュ素材の肌着がおすすめです。汗をかいたら、こまめに着替えさせてあげましょう。

【できてしまったら…】悪化させないホームケア

  • 優しく洗う: 汗や汚れを洗い流すことが第一。石鹸をよく泡立て、手で優しくなでるように洗い、しっかりとすすぎましょう。
  • しっかり保湿: 洗った後は、肌が乾燥しないように、すぐに保湿剤(ローションやクリーム)を塗ってあげましょう。肌のバリア機能が整い、新たな刺激から肌を守ります。
  • ベビーパウダーは要注意: 昔はよく使われましたが、汗や皮脂と混ざって毛穴を塞ぎ、かえって悪化させることも。基本的には保湿ケアを優先しましょう。

<ママナースの視点>
あせもを掻き壊してしまうと、そこから細菌が入り込み、次に解説する「とびひ」の原因になります。痒みが強そうな場合は、早めに小児科や皮膚科を受診し、適切な塗り薬を処方してもらいましょう。


Part 2:とびひ(伝染性膿痂疹)― 見つけたら、すぐに病院へ!

「とびひ」は、火事の飛び火のようにあっという間に広がることから、その名がついています。正式名称は「伝染性膿痂疹(でんせんせいのうかしん)」という、細菌による皮膚の感染症です。

  • 原因: 虫刺されやあせも、湿疹などを掻き壊した傷口に、黄色ブドウ球菌やレンサ球菌などの細菌が入り込んで感染します。
  • 特徴: 水ぶくれ(水疱)ができ、それが破れてジュクジュクした状態になります。その滲出液に触れると、体の他の場所や、他の人にもうつります。

【予防がカギ】とびひにさせないために

  • 掻かせない工夫: 虫刺されやあせもで痒がっていたら、冷やしたり、早めに薬を塗ったりして、掻き壊しを防ぎましょう。
  • 爪を短く切る: 爪が長いと、掻いた時に皮膚を傷つけやすくなります。常に短く、清潔に保ちましょう。

【ホームケアの注意点】自己判断はNG!

とびひが疑われる場合、市販薬で様子を見るのは絶対にやめてください。

とびひの治療には、抗菌薬(抗生物質)の飲み薬や塗り薬が必要です。必ず小児科か皮膚科を受診しましょう。

医師の指示のもと、家庭では以下の点に注意して「感染を広げない」ケアを徹底します。

  • 患部を清潔に: 石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、滲出液をしっかり洗い流します。
  • 患部を覆う: 医師の指示に従い、ガーゼなどで患部を保護し、他の場所に触れないようにします。
  • タオルの共用は避ける: 兄弟間などでうつるのを防ぐため、タオルやバスタオルは必ず分けましょう。
  • プールは禁止: 完全に治るまでは、プールに入ることはできません。

Part 3:虫刺され ― 掻き壊しが二次被害を招く

夏は蚊やブヨ、ダニなど、様々な虫が活発になる季節。子どもの柔らかい肌は、虫にとっても格好の的なのです。

  • 子どもの特徴: 子どもは大人よりアレルギー反応が強く出やすいため、赤く大きく腫れたり、硬くなったりすることがあります。

【刺される前の対策】徹底予防4か条

  1. 服装の工夫: 外出時は、なるべく長袖・長ズボンで肌の露出を減らしましょう。白など、明るい色の服は虫が寄りにくいと言われています。
  2. 虫除け剤を上手に使う: 子ども用の虫除けスプレーなどを活用しましょう。近年では、年齢制限のない「イカリジン」という成分のものが人気です。
  3. 虫が多い場所・時間を避ける: 公園の草むらや水辺、夕方などは特に注意が必要です。
  4. 網戸や蚊帳を活用: 家の中への侵入を防ぐことも大切です。

【刺された後のケア】悪化させない3ステップ

  1. まずは洗う: 刺された場所を、まずは水道水で綺麗に洗い流します。
  2. 次に冷やす: 濡れたタオルや、ハンカチで包んだ保冷剤などで冷やすと、痒みや腫れが和らぎます。
  3. 薬を塗る: 子ども用の虫刺され薬を塗りましょう。痒みが強い場合は、ステロイド入りの塗り薬が有効なこともありますが、強さのランクがあるので、薬剤師に相談するか、皮膚科で処方してもらうのが安心です。

<ママナースの視点>
一番の敵は「掻き壊し」です。ここから「とびひ」に繋がるケースが後を絶ちません。痒みをいかにコントロールするかが、ホームケアの最重要ポイントです。
また、ハチに刺された後などに、ぐったりする、呼吸が苦しそう、全身に蕁麻疹が出るなどの症状が見られた場合は、命に関わるアナフィラキシーショックの可能性があります。ためらわずに救急車を呼んでください。


まとめ:夏の肌トラブルは「予防」が8割!

これまで見てきたように、夏の三大皮膚トラブルは、それぞれ関連しあっています。

あせも・虫刺されを掻き壊す → とびひになる

この悪循環を断ち切るために最も大切なのは、日々の予防です。

  1. 肌は常に清潔に。
  2. 掻き壊させない工夫を。

この2つを徹底するだけで、多くの肌トラブルは防ぐことができます。
そして、もし悪化してしまったら、決して一人で悩まず、早めに専門家を頼ってください。

正しい知識でしっかり予防して、親子で楽しい夏を過ごしてくださいね!


【ママナースが解説】子どもの風邪・胃腸炎、どう乗り切る?ホームケアと受診の目安

「また熱…」「吐いちゃった…」子どもの病気に、心が折れそうなあなたへ

保育園から帰ってきたら、なんだかぐったりしている我が子。

夜中に突然、マーライオンのように吐いてしまう。

「また風邪…?」「胃腸炎かな…?」

子どもの体調不良は、親にとって最も心配で、そして最も疲れることの一つですよね。

「病院に行った方がいいのかな?」「家でできることって、他にないかな?」

そんな不安と疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちが、数えきれないほどの風邪や胃腸炎を経験し、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

看護師として、多くの病気の子どもたちと接してきました。そして、一人の母親として、夜中に吐き続ける我が子を前に、途方に暮れた経験も何度もあります。

この記事では、そんなあなたの不安を少しでも和らげるために、**子どもがよくかかる「風邪」と「胃腸炎」に焦点を当て、家庭でできる具体的なホームケアと、すぐに病院に行くべき「危険なサイン」、そして「受診の目安」**を、専門家の視点から分かりやすく解説します。

正しい知識と準備があれば、きっとあなたは、お子さんの「最初の看護師」として、冷静に対応できるはずです。


Part 1:子どもの「風邪」― 鼻水・咳・発熱のホームケア

子どもが最もよくかかる病気の一つが「風邪」です。ウイルス感染が原因で、鼻水、咳、発熱などの症状が出ます。

【ホームケアの基本】

  1. 水分補給をこまめに: 発熱や鼻水で脱水になりやすいので、湯冷まし、麦茶、経口補水液などを少量ずつ、頻繁に与えましょう。
  2. 安静にする: 無理に遊ばせず、ゆっくり休ませましょう。睡眠は、回復を促す最高の薬です。
  3. 室温・湿度を快適に: 室温は20〜25℃、湿度は50〜60%を目安に。加湿器を使うと、鼻や喉の乾燥を防ぎ、咳を和らげる効果も期待できます。
  4. 鼻水対策:
    • 鼻吸い器: 鼻水がひどい場合は、鼻吸い器でこまめに吸い取ってあげましょう。鼻が詰まっていると、呼吸が苦しくなったり、中耳炎の原因になったりすることもあります。
    • 蒸しタオル: 温かい蒸しタオルを鼻に当てると、鼻の通りが良くなります。
  5. 咳対策:
    • 体を起こす: 寝る時に、上半身を少し起こしてあげると、咳が楽になることがあります。枕の下にタオルなどを敷いて、少し高くしてあげましょう。
    • 加湿: 部屋の加湿を心がけましょう。

【発熱時のホームケア】

  • 薄着にする: 熱が上がりきって手足が温かくなってきたら、薄着にして熱がこもらないようにしましょう。
  • 体を冷やす: 脇の下、首の付け根、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。嫌がる場合は無理に冷やさなくても大丈夫です。
  • 解熱剤: ぐったりしている、つらそうにしている、眠れないなどの場合に、医師から処方された子ども用の解熱剤を使いましょう。熱を下げること自体が目的ではなく、つらさを和らげるためです。

Part 2:子どもの「胃腸炎」― 嘔吐・下痢のホームケア

ウイルスや細菌が原因で、嘔吐や下痢を繰り返すのが「胃腸炎」です。脱水になりやすいので、特に注意が必要です。

【ホームケアの基本】

  1. 水分補給を最優先:
    • 少量ずつ、頻繁に: 嘔吐がある場合は、一度にたくさん飲ませるとまた吐いてしまうので、スプーン1杯ずつなど、ごく少量から始めましょう。
    • 与えるもの: 経口補水液が最もおすすめです。なければ、薄めた麦茶やリンゴジュース(薄める)、野菜スープなどでも良いでしょう。
    • 吐き気が強い時: 吐き気が強い時は、無理に飲ませず、30分〜1時間ほど胃を休ませてから、また少量ずつ試しましょう。
  2. 食事は無理に与えない:
    • 嘔吐や下痢がひどい時は、無理に食べさせる必要はありません。水分補給を優先しましょう。
    • 食べられるようになったら、おかゆ、うどん、食パン、すりおろしリンゴなど、消化の良いものから少量ずつ始めましょう。
  3. おむつかぶれ対策: 下痢が続くと、おむつかぶれになりやすいので、こまめにおむつを替え、お尻を優しく洗い、ワセリンなどで保護しましょう。

【ママナースの視点】すぐに病院へ!危険なサインと受診の目安

子どもの病気で最も大切なのは、「いつもと違う」という親の直感です。以下のサインが見られたら、迷わず病院を受診しましょう。

すぐに救急車を呼ぶべき危険なサイン

  • 意識がない、呼びかけに反応しない、ぐったりしている
  • けいれんが5分以上続く、けいれんを繰り返す
  • 呼吸が苦しそう(肩で息をしている、ゼーゼー、ヒューヒューと音がする、陥没呼吸)
  • 顔色や唇の色が真っ青、紫色になっている
  • 激しい頭痛や嘔吐を繰り返す
  • 生後3ヶ月未満の38℃以上の発熱

夜間・休日でも受診を検討すべきサイン

  • 熱が下がってもぐったりしている、元気がない。
  • 機嫌が悪い、あやしても泣き止まない。
  • 発疹を伴う発熱。
  • 特定の部位の痛みが強い(耳を痛がる、お腹を痛がるなど)。
  • 血便、粘液便が出る。
  • 持病がある場合の発熱(喘息、心臓病など)。

<ママナースの重要メモ>
熱の高さよりも、**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、呼吸はどうかなど)**を重視してください。親の「何かおかしい」という感覚は、非常に重要です。迷ったら、地域の小児救急電話相談(#8000)や、かかりつけ医に相談しましょう。


まとめ:親の笑顔が、子どもの一番の薬

子どもの病気は、親にとって本当に大変なことです。でも、どうか一人で抱え込まないでください。

正しい知識を持って冷静に対応すること。そして、何よりも、あなたが笑顔でいることが、病気と闘うお子さんにとって、一番の安心であり、最高の薬になります。

この大変な時期を乗り越えれば、きっと親子の絆は、より一層深まるはずです。


【ママナースが解説】子どもの感染症対策完全ガイド|インフル・ノロ・RSウイルス…症状・予防・ホームケア

「今度は何の感染症…?」その不安に、心が折れそうなあなたへ

保育園や幼稚園に通い始めると、まるで「感染症のデパート」のように、次から次へと病気をもらってくる我が子。

「また熱…」
「今度は嘔吐と下痢…」
「ゼーゼーと苦しそう…」

子どもの体調不良は、親にとって最も心配で、そして最も疲れることの一つですよね。特に、感染症は周りの子にもうつしてしまう可能性があり、不安と責任感でいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちが、数えきれないほどの感染症を経験し、その度に看病と感染対策に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お気持ち、痛いほど分かります。でも、大丈夫。感染症は、正しい知識と適切な対策で、必ず乗り切ることができます。 そして、あなたは一人ではありません。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、子どもがよくかかる代表的な感染症(インフルエンザ、ノロウイルス、RSウイルスなど)に焦点を当て、それぞれの症状家庭でできる予防策、そして悪化させないためのホームケアについて、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、感染症からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


感染症対策の基本の「き」:手洗い・うがい・マスク

どんな感染症にも共通する、最も基本的な予防策は、手洗い・うがい・マスクです。

  • 手洗い: 外から帰ったら、食事の前、トイレの後など、石鹸を使って丁寧に洗いましょう。特に指の間、爪の間、手首までしっかり洗うことが大切です。
  • うがい: うがいができる年齢になったら、習慣にしましょう。水だけでも効果があります。
  • マスク: 咳やくしゃみが出る時、人混みに行く時などは、マスクを着用しましょう。子ども用のマスクも活用しましょう。

Part 1:インフルエンザ ― 高熱と全身症状に注意

インフルエンザは、インフルエンザウイルスによって引き起こされる感染症です。普通の風邪よりも症状が重く、高熱や全身症状が特徴です。

症状

  • 急な高熱(38℃以上)
  • 全身の倦怠感、関節痛、筋肉痛
  • 頭痛、鼻水、咳、喉の痛み
  • 嘔吐、下痢(特に子どもに多い)

予防

  • 予防接種: 毎年流行前に接種することで、発症を抑えたり、重症化を防いだりする効果があります。
  • 手洗い・うがい: 基本的な感染対策を徹底しましょう。
  • 人混みを避ける: 流行期は、できるだけ人混みを避けましょう。

ホームケア

  • 安静と水分補給: 十分な睡眠をとり、脱水にならないようこまめに水分を摂りましょう。
  • 解熱剤: ぐったりしている、つらそうにしている場合は、医師から処方された子ども用の解熱剤を使いましょう。インフルエンザの時に、アスピリン系の解熱剤は使えません。
  • 部屋の換気: 定期的に換気を行い、空気を入れ替えましょう。

<ママナースの視点>
インフルエンザは、重症化すると肺炎や脳症などを引き起こすことがあります。特に乳幼児や基礎疾患のあるお子さんは注意が必要です。急な高熱や意識障害、けいれんなどの症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。


Part 2:ノロウイルス ― 激しい嘔吐と下痢に注意

ノロウイルスは、冬場に流行する胃腸炎の主な原因ウイルスです。感染力が非常に強く、激しい嘔吐と下痢が特徴です。

症状

  • 突然の激しい嘔吐
  • 水のような下痢
  • 腹痛
  • 発熱(軽度の場合が多い)

予防

  • 手洗い: 石鹸を使って、流水で30秒以上丁寧に洗いましょう。特に排泄物や嘔吐物を処理した後、食事の前は念入りに。
  • 食品の加熱: カキなどの二枚貝は、中心部までしっかり加熱しましょう。
  • 調理器具の消毒: 調理器具は、熱湯や塩素系漂白剤で消毒しましょう。

ホームケア

  • 水分補給を最優先: 脱水になりやすいので、経口補水液を少量ずつ、頻繁に与えましょう。嘔吐がひどい場合は、無理に飲ませず、30分〜1時間ほど胃を休ませてから再開しましょう。
  • 食事は無理に与えない: 嘔吐や下痢がひどい時は、無理に食べさせる必要はありません。食べられるようになったら、おかゆ、うどんなど消化の良いものから少量ずつ。
  • 吐物・排泄物の処理:
    • 使い捨て手袋とマスクを着用: 処理する際は、必ず使い捨て手袋とマスクを着用しましょう。
    • 塩素系漂白剤で消毒: 吐物や排泄物が付着した場所は、塩素系漂白剤を薄めた液(0.1%)で拭き取り、しっかり消毒しましょう。
    • 汚れた衣類: 塩素系漂白剤に浸してから洗濯するか、熱湯消毒しましょう。

<ママナースの視点>
ノロウイルスは、アルコール消毒が効きにくいのが特徴です。手洗いを徹底し、塩素系漂白剤での消毒が非常に重要です。脱水症状がひどい場合や、ぐったりしている場合は、すぐに医療機関を受診しましょう。


Part 3:RSウイルス ― 乳幼児の呼吸器症状に注意

RSウイルスは、乳幼児に多く見られる呼吸器感染症です。特に乳児期早期(生後6ヶ月未満)の赤ちゃんが感染すると、重症化しやすい傾向があります。

症状

  • 鼻水、咳、発熱(風邪と似ている)
  • ゼーゼー、ヒューヒューという喘鳴(ぜんめい)
  • 呼吸が速い、呼吸が苦しそう(陥没呼吸など)
  • ミルクの飲みが悪い、食欲不振

予防

  • 手洗い・うがい: 基本的な感染対策を徹底しましょう。
  • 人混みを避ける: 流行期は、できるだけ人混みを避けましょう。
  • 家庭内感染の予防: 家族が風邪をひいたら、赤ちゃんへの接触を控え、マスクを着用しましょう。

ホームケア

  • 安静と水分補給: 十分な睡眠をとり、脱水にならないようこまめに水分を摂りましょう。
  • 鼻水対策: 鼻吸い器でこまめに吸い取ってあげましょう。鼻が詰まっていると、呼吸が苦しくなります。
  • 加湿: 部屋の加湿を心がけ、鼻や喉の乾燥を防ぎましょう。
  • 呼吸が楽な姿勢: 上半身を少し起こしてあげると、呼吸が楽になることがあります。

<ママナースの視点>
RSウイルスは、乳幼児が重症化しやすい感染症です。特に、呼吸が苦しそう、ゼーゼーがひどい、ミルクの飲みが悪い、顔色が悪いなどの症状が見られたら、すぐに医療機関を受診しましょう。入院が必要になることもあります。


まとめ:正しい知識と対策で、感染症から子どもを守ろう

子どもの感染症は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切な対策があれば、慌てずに対応することができます。

  • 基本的な感染対策(手洗い・うがい・マスク)を徹底する。
  • 各感染症の症状と予防法、ホームケアを知っておく。
  • 危険なサインを見逃さず、迷わず専門家を頼る。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが解説】手足口病、どう乗り切る?症状・感染経路・ホームケアと受診の目安

そのブツブツ、もしかして手足口病?夏に増える子どもの病気に、不安を感じていませんか?

夏になると、保育園や幼稚園でよく耳にする「手足口病」。

「口の中にブツブツができて、痛がって食べられない…」
「手や足にも発疹が広がってきた…」

高熱が出ないことも多く、一見すると軽症に見えるけれど、食事が摂れなくなったり、発疹が広がったりする様子を見ると、親としては心配になりますよね。

「これって、うつるの?」
「家でどう看病すればいいの?」

そんな不安と疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、何度も手足口病と向き合い、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お気持ち、痛いほど分かります。でも、大丈夫。手足口病は、ほとんどの場合、自然に治る病気です。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、手足口病の主な症状から、感染経路と予防策家庭でできる具体的なホームケア、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、手足口病からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


手足口病ってどんな病気?症状と感染経路

手足口病は、その名の通り、手、足、口の中に水疱性の発疹ができるウイルス性の感染症です。夏に流行のピークを迎えることから、「夏風邪」の一種とも言われます。

主な症状

  • 口の中の発疹: 喉の奥や、舌、頬の内側などに、小さな水疱や潰瘍(かいよう)ができます。これが痛むため、食事が摂れなくなることがあります。
  • 手足の発疹: 手のひらや足の裏、指の間などに、赤みを帯びた小さな水疱ができます。お尻や膝にもできることがあります。
  • 発熱: 熱が出ないことも多いですが、出ても38℃台の微熱程度で、数日で下がることがほとんどです。
  • その他: 鼻水、咳、だるさ、食欲不振などを伴うこともあります。

感染経路

  • 飛沫感染: 咳やくしゃみで飛び散ったウイルスを吸い込むことで感染します。
  • 接触感染: ウイルスが付着した手で、口や鼻に触れることで感染します。
  • 糞口感染: 排泄物に含まれるウイルスが口に入ることで感染します。治った後も、数週間は便の中にウイルスが排出されることがあります。

<ママナースの視点>
手足口病は、特効薬がなく、ウイルスに対する治療法はありません。症状を和らげる対症療法が中心となります。ほとんどは軽症で済みますが、ごく稀に髄膜炎や脳炎などの合併症を引き起こすことがあります。


【家庭でできる】手足口病のホームケアと予防策

手足口病は、家庭でのケアが非常に重要です。お子さんのつらさを和らげ、感染を広げないためのポイントを押さえましょう。

ホームケア

  1. 水分補給を最優先:
    • 口の中の発疹が痛むため、食事が摂れなくなることがあります。脱水にならないよう、水分補給を最優先しましょう。
    • 冷たくて喉ごしの良いもの: 麦茶、湯冷まし、経口補水液、薄めたイオン飲料、ゼリー、プリン、アイスクリームなどがおすすめです。ストローやスプーンで少量ずつ、頻繁に与えましょう。
    • 避けるべきもの: 熱いもの、酸っぱいもの、塩辛いもの、刺激の強いものは、口の中の発疹を刺激するので避けましょう。
  2. 食事は無理に与えない:
    • 口が痛くて食べられない時は、無理に食べさせる必要はありません。水分が摂れていれば大丈夫です。食べられるようになったら、おかゆ、うどん、豆腐、卵豆腐など、柔らかくて刺激の少ないものから始めましょう。
  3. 発熱時のケア:
  4. 清潔を保つ:
    • 発疹を掻き壊さないように、爪を短く切り、清潔に保ちましょう。入浴は、熱がなく元気であれば問題ありません。石鹸をよく泡立てて優しく洗い、シャワーで流しましょう。

予防策

  1. 手洗い・うがいを徹底:
  2. タオルの共用を避ける:
    • 家族間での感染を防ぐため、タオルや食器の共用は避けましょう。
  3. 排泄物の適切な処理:
    • おむつ交換の際は、使い捨て手袋を着用し、排泄物が飛び散らないように注意しましょう。処理後は、石鹸でしっかり手洗いしましょう。
  4. おもちゃの消毒:
    • 子どもが口にするおもちゃは、こまめに消毒しましょう。アルコール消毒が有効です。

【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安

手足口病は、ほとんどが軽症で済みますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。

  • 水分が全く摂れない、おしっこが半日以上出ていない(脱水症状)
  • ぐったりしている、意識がはっきりしない、呼びかけに反応が鈍い
  • 高熱が続く(39℃以上)
  • 頭痛がひどい、嘔吐を繰り返す
  • けいれんを起こした
  • 呼吸が苦しそう、ゼーゼーする
  • 発疹がひどく、痛みが強い
  • 2日以上経っても、口の中の痛みがひどく、水分も摂れない

<受診時のポイント>

  • いつから、どんな症状が出たか
  • 水分はどれくらい摂れているか
  • 口の中の発疹の様子
  • 家庭で試したこと、その効果

などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。


まとめ:正しい知識で、手足口病を乗り切ろう

手足口病は、夏に子どもがよくかかる病気ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、お子さんのつらさに寄り添い、水分補給をしっかり行うこと。

そして、感染を広げないための予防策を徹底することです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。