「ママ、頭が痛いの…」悪寒で目覚めた朝、隣には元気いっぱいの我が子。夫は長期出張中…
「あ、やばいかも…」
ガンガンと響く頭の痛み、関節のきしみ、そして悪寒。体温計を脇に挟むと、無情にも表示される「38.5℃」の文字。
隣では、そんなこととはつゆ知らず、ニコニコしながら「ママ、おきてー!あそぼー!」と体を揺すってくる我が子。夫は運悪く、今日から一週間の長期出張。近くに頼れる親族もいない…。
そんな絶望的な状況に、血の気が引くような思いをしたことはありませんか?
「私が倒れたら、この子はどうなるの?」
「ご飯は?お風呂は?誰が面倒を見てくれるの?」
考えれば考えるほど、不安で目の前が真っ暗になりますよね。わかります。私も3人の娘を育てるママナースとして、何度も同じような恐怖を味わってきました。
でも、大丈夫。
この記事では、そんな八方塞がりな状況に陥ったワンオペ育児中のママが、自分と子どもの命と心を守り抜くための具体的な方法を、ママナースとしての知識と経験を総動員して、本気でまとめました。
この記事を読み終える頃には、「いざという時も、こうすれば大丈夫」という安心の"お守り"を、あなたの心にそっと手渡せるはずです。
【ママナース推奨】命を繋ぐ!ワンオペママの「お守りサバイバルキット」
まず、何よりも大切なのが「備え」です。元気な時に少しだけ準備しておくことで、いざという時の心の余裕が全く違います。私が「お守り」と呼んでいる、最低限これだけは揃えておきたいサバイバルキットをご紹介します。
食料・飲料編(調理不要が鉄則)
自分が動けない時、火を使うのは絶対にNG。調理不要で、すぐに口にできるものを常備しておきましょう。
- レトルトのおかゆ・雑炊: 自分の体に優しく、すぐにエネルギーになります。
- ゼリー飲料: 食欲がなくても、これなら飲めるという時の最終兵器。
- 経口補水液: 脱水症状は本当に危険。OS-1などが有名ですね。粉末タイプなら場所も取りません。
- 子ども用のベビーフードやレトルトカレー: 子どもが好きな味のものを数食分。
- パックご飯、缶詰(サバ缶など): 少し元気が出てきた時用に。
- お菓子やジュース: 子どものご機嫌取り&時間稼ぎの最終兵器。普段はあまりあげないものでも、緊急時はOK!
これらを「ローリングストック法(普段から少し多めに買い置きし、使った分だけ買い足す方法)」で管理するのがおすすめです。
医薬品・衛生用品編(自分用と子ども用)
薬や衛生用品は、自分用と子ども用をしっかり分けて準備しておくことが大切です。
- 解熱鎮痛剤: 【重要】授乳中のママは、アセトアミノフェンが主成分のものが比較的安全とされています(例:カロナールなど)。 必ず事前にかかりつけ医や薬剤師に確認しておきましょう。
- 体温計、冷却シート、マスク
- 消毒用アルコールジェル
- 子ども用の解熱剤(坐薬・シロップ): 使い慣れたものを。
- 保湿剤、塗り薬など: 子どものスキンケアも忘れずに。
- 大量のオムツ、おしりふき、ビニール袋
緊急連絡先&情報リスト編(スマホがなくても大丈夫)
スマホの充電が切れたり、そもそも操作する元気すらなかったり…。そんな最悪の事態も想定して、大切な情報は紙に書き出して、冷蔵庫など目立つ場所に貼っておきましょう。
- かかりつけ小児科・内科の電話番号
- 子ども医療電話相談: #8000
- 救急安心センター: #7119(救急車を呼ぶか迷った時に)
- 地域のサポートセンター、保健センターの連絡先
- 夫、両親、信頼できる友人の連絡先
- 保険証・医療証の番号の控え
- 子どものアレルギー情報、持病などのメモ
子どものお世話&時間稼ぎグッズ編
ママが休む時間を確保するための「秘密兵器」です。
- 新しいシールブック、ぬりえ、折り紙
- 動画配信サービス: AmazonプライムビデオやNetflixなど。緊急時用に、オフラインで再生できる作品をいくつかダウンロードしておくと最強です。
- お気に入りのDVD
- 口に入れても安全な、一人で集中して遊べるおもちゃ
【状況別】倒れた当日から乗り切るためのタイムライン別アクションプラン
いざ、その時が来てしまったら…。パニックにならずに行動できるよう、具体的なアクションプランを時系列で見ていきましょう。
Step1: まずは状況判断(救急車?自力で病院?)
一番大切なのは、自分の状態を客観的に見ることです。以下の症状がある場合は、ためらわずに救急車(119番)を呼んでください。
- 意識が朦朧とする、呼びかけにうまく応えられない
- 激しい頭痛、胸の痛み、腹痛がある
- 呼吸が苦しい、うまく息が吸えない
- 手足がしびれる、ろれつが回らない
「子どもが一人になってしまうから…」と躊躇する気持ち、痛いほどわかります。でも、ママの命が最優先です。救急隊員はプロです。来てしまえば、子どものことも含めてなんとかしてくれます。
判断に迷う場合は、**#7119(救急安心センター)**に電話しましょう。看護師さんが24時間対応で相談に乗ってくれます。
Step2: 外部の助けを要請する(頼れる先リスト)
自力で動けそうにない、でも救急車を呼ぶほどではない…。そんな時は、外部の力を借りる決断を。元気なうちに事前登録を済ませておくのが成功のカギです。
- ファミリー・サポート・センター: 自治体が運営。比較的安価で、送迎や預かりをお願いできます。
- 病児保育・病後児保育: 子どもが病気の時に預かってくれる施設。自分の体調不良時にも使える場合があります。
- ベビーシッターサービス: 費用はかかりますが、自宅に来てくれるので安心感があります。
- 家事代行サービス: 食事の準備や最低限の掃除だけでも頼めると、心身ともに楽になります。
「お金がかかる」「知らない人に頼むのは不安」と感じるかもしれません。でも、これは**「お金でママと子どもの安全と時間を買う」**という立派な投資です。
Step3: 家の中を「安全地帯」にする
最低限の力で、子どもの安全を確保しましょう。
- リビングなど、一つの部屋で過ごせるようにする。
- 危険なもの(ハサミ、薬、洗剤など)は、子どもの手の届かない高い場所に移動させる。
- お風呂場など、危険な場所には行けないようにバリケードを作る。
- いつでも水分補給ができるよう、お茶やジュースを手の届く場所に置いておく。
Step4: 家事・育児の「完全手抜き」を自分に許可する
今日だけは、いえ、体調が戻るまでは、完璧なママでいる必要は全くありません。
- 食事: レトルト、デリバリー、ウーバーイーツ、なんでもOK!
- 掃除・洗濯: しなくて大丈夫!命に関わりません。
- お風呂: 入らなくても大丈夫!体を温かいタオルで拭くだけでも十分です。
- 遊び: 一緒に遊べなくて大丈夫!テレビや動画に頼りましょう。
「ごめんね」ではなく、「ママが元気になったら、いっぱい遊ぼうね」と伝えましょう。ママが笑顔でいること以上に、子どもを安心させるものはありません。
ママナースからのメッセージ:普段からの備えが未来のあなたを救う
最後に、ママナースとして、そして同じワンオペ育児を経験した母として伝えたいことがあります。
それは、**「普段からの小さな繋がりが、いざという時に大きな命綱になる」**ということです。
- ご近所さんと挨拶を交わし、一言二言でも話せる関係を作っておく。
- 夫と保険証の場所や子どものアレルギーについて、普段から情報共有しておく。
- ママ友に「困った時はお互い様」と伝えておく。
こうした小さな積み重ねが、あなたが本当に動けなくなった時、「あの人に連絡してみよう」という選択肢に繋がります。
あなたは一人じゃありません。どうか、自分を追い詰めすぎないでくださいね。
まとめ
ワンオペ育児中の急な発熱。それは、想像を絶するほどの不安と孤独との戦いです。でも、事前に備え、頼れる先を知っておくだけで、その不安は「具体的な対策」に変わります。
今回ご紹介した「お守りサバイバルキット」と「アクションプラン」が、頑張るあなたの心を少しでも軽くし、いざという時にあなたと大切なお子さんを守るための一助となれば、これほど嬉しいことはありません。
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