良かれと思って言った「あの言葉」が、子どもを傷つけていたなんて…
「あなたのためを思って、言ってるのよ」
「どうして、こんなこともできないの?」
「早くしなさい!」
子育てをしていると、つい口から出てしまうこれらの言葉。
親としては、子どもの成長を願う愛情から出た言葉のはず。
でも、もし、その言葉が、子どもの自己肯定感を根こそぎ奪う**「呪いの言葉」**だとしたら…?
こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。
私もかつては、これらの言葉を無意識に使い、娘たちを傷つけてしまっていた一人です。
今回は、ナースとして、そして母として、私が**「子どもの前でだけは、絶対に口にしない」**と心に決めている、親の無意識なNG口癖についてお話しします。
無意識に使っていませんか?自己肯定感を奪うNG口癖ワースト3
ワースト3:「早くしなさい!」
急いでいる時、つい言ってしまうこの言葉。
でも、言われ続けた子どもは、「自分は、何をするにも遅いダメな子なんだ」というレッテルを、自分自身に貼ってしまいます。
自主的に行動する意欲を削ぎ、親の指示を待つようになってしまいます。
ワースト2:「〇〇ちゃんはできるのに、なんであなたはできないの?」
きょうだいや、よその子との比較。
これは、子どもの心を最も深く傷つける言葉の一つです。
子どもは、「自分は、〇〇ちゃんより劣っているんだ」「ありのままの自分は、愛される価値がないんだ」と感じ、強烈な劣等感を抱いてしまいます。
ワースト1:「あなたのためを思って言ってるのよ」
一見、愛情深い言葉に見えますが、これは最強の「呪いの言葉」です。
この言葉を言われると、子どもは反論することができません。
「ママの言うことが、正しいんだ」
「僕の気持ちは、間違っているんだ」
と、自分の感情や意見を押し殺し、親の価値観に従うことを覚えてしまいます。
これは、子どもの「自分軸」を育む機会を、根こそぎ奪う行為なのです。
「呪い」を「魔法」に変える、言い換え術
では、これらの言葉を、どう言い換えればいいのでしょうか。
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「早くしなさい!」
→ 「時計の長い針が6になったら、お家を出るよ。間に合うかな?」(ゲーム感覚で、見通しを持たせる) -
「なんでできないの?」
→ 「そっか、ここは難しいよね。どこで困ってるか、ママと一緒に見てみようか」(共感し、サポートする姿勢を見せる) -
「あなたのためを思って…」
→ 「ママは、こう思うんだけど、あなた自身はどうしたい?どう思う?」(「私」を主語にして伝え、子どもの意見を尊重する)
言葉は「薬」にも「毒」にもなる
私たち親が、毎日何気なく使っている言葉。
それは、子どもの心を健やかに育む「薬」にもなれば、その自信を奪い、心を蝕む「毒」にもなり得ます。
もちろん、人間ですから、ついカッとなって言ってしまう日もあるでしょう。
でも、その言葉の危険性を「知っている」のと「知らない」のとでは、天と地ほどの差があります。
今日から、ほんの少しだけ。
あなたが子どもにかける言葉を、意識してみませんか?
その小さな意識の変化が、お子さんの未来を、そして親子の関係を、もっと豊かで素晴らしいものに変えてくれるはずですから。
