自己肯定感

いじめのサイン、見逃さないで。子どもを守るために親ができること

はじめに:「うちの子に限って…」その思い込みが、一番危ない

「いじめ」は、どの子どもにも、どの学校でも起こりうる、非常に深刻な問題です。そして、多くの場合、子どもは、親に心配をかけたくない、言っても信じてもらえないかもしれない、という思いから、いじめられている事実を、自分からは言い出せません。

こんにちは、ママナースのさとみです。いじめの問題において、最も重要なのは、周りの大人が、子どもの発する小さな「SOS」のサインに、いかに早く気づけるかということです。

この記事では、いじめを受けている子どもが見せる可能性のある、心と体のサインと、もしや、と思った時に、親として取るべき行動について、解説します。


見逃さないで!子どもが発する「いじめのサイン」

以前と比べて、お子さんに以下のような変化はありませんか?一つでも当てはまる場合は、注意深く様子を見る必要があります。

体に現れるサイン

  • 原因不明のあざや傷、服の破れや汚れが増えた
  • 頭痛や腹痛など、体の不調を頻繁に訴える(特に、登校前)
  • 食欲がない、または過食になる
  • 夜、眠れない、悪夢にうなされる
  • 持ち物が頻繁になくなる、壊される

行動や態度に現れるサイン

  • 学校に行きたがらない、朝、ぐずる
  • 元気がなく、口数が減った、表情が暗い
  • イライラして、家族に当たるようになった
  • 学校や友達のことを、全く話さなくなった
  • お金や物を、親に無心するようになった
  • スマホやゲームに、異常に没頭するようになった

「いじめかも」と思ったら。親が取るべき3つのステップ

憶測だけで動くのは禁物ですが、疑わしいサインが見られたら、冷静に、しかし、迅速に行動を起こしましょう。

ステップ1:安心できる環境で、子どもの話を「聞く」

まず、「何があったの?」「いじめられてるの?」と、問い詰めるのは絶対にNGです。子どもは、心を閉ざしてしまいます。

「最近、元気がないように見えるけど、何かあった?」「いつでもあなたの味方だからね」と、子どもが**「話しても大丈夫だ」と感じられる、安心できる雰囲気**を作りましょう。そして、子どもが話し始めたら、途中で口を挟まず、ただひたすら、その子の気持ちに寄り添い、共感しながら「聞く」ことに徹してください。

ステップ2:事実を記録し、整理する

子どもから聞き取った内容を、客観的な事実として記録します。

  • いつ(When)
  • どこで(Where)
  • 誰が(Who)
  • 何を(What)
  • なぜ(Why)
  • どのように(How)
    この「5W1H」を意識して、具体的な状況を時系列でメモしておくと、学校に相談する際に、的確に状況を伝えることができます。体の傷や、壊された物などは、写真に撮っておきましょう。

ステップ3:学校に「相談」し、「連携」する

準備ができたら、学校に連絡を取ります。この時、「どうしてくれるんですか!」と、感情的に学校を責めるような態度は避けましょう。目的は、犯人探しや、誰かを罰することではなく、**「子どもが、明日から安心して学校に通えるようにすること」**です。

まずは、担任の先生に連絡し、記録した事実を冷静に伝えます。「家庭では、このように子どもが話しているのですが、学校での様子はいかがでしょうか?」と、情報を共有し、学校と「連携」して、子どもを守るためのチームを組む、という姿勢で臨むことが重要です。


まとめ:あなたの一番の役割は、子どもの「安全基地」であること

いじめは、子どもの心に、生涯にわたる深い傷を残す可能性があります。

親として、何よりも優先すべきは、どんなことがあっても、この家は、お父さん・お母さんは、あなたの絶対的な味方であり、安全な場所なのだと、子どもに伝え続けることです。

その安心感が、子どもが困難に立ち向かい、再び自分を取り戻すための、最大の力となります。決して、一人で抱え込まず、学校や専門機関と連携し、社会全体で子どもを守っていきましょう。


「もう辞めたい」と言われたら?習い事を続ける力と、辞める勇気の育て方

はじめに:「せっかく始めたのに…」その一言、飲み込んで

子どもが、あれほど「やりたい!」と言って始めた習い事。それなのに、数ヶ月も経たないうちに、「もう行きたくない」「辞めたい」と言い出した…。親としては、「もったいない」「これくらいのことで諦めるなんて」と、がっかりしたり、つい叱ってしまったりしたくなりますよね。

こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの「辞めたい」という言葉は、親の対応が試される、非常にデリケートな問題です。頭ごなしに否定したり、無理やり続けさせたりすることは、子どもの自己肯定感を傷つけ、その習い事自体を、完全に嫌いにさせてしまう可能性があります。

この記事では、子どもが「辞めたい」と言う、その言葉の裏に隠された本当の理由を探り、子どもの成長に繋がる、親のベストな対応について、一緒に考えていきたいと思います。


なぜ「辞めたい」の?まずは、理由をじっくり聞こう

「辞めたい」という言葉を、そのまま受け取るのではなく、その背景に何があるのかを、冷静に探ることが第一歩です。子どもの話を、否定せずに、ただ「聞く」ことに徹しましょう。

考えられる理由は、様々です。

  • 人間関係の悩み: 「先生が怖い」「お友達と喧嘩した」「仲間外れにされている」
  • 技術的な壁: 「練習しても、うまくならない」「周りの子についていけない」「試合で負けて、悔しい」
  • 他にやりたいことができた: 「〇〇くんがやっている、サッカーの方が面白そう」
  • 単純な疲れ・飽き: 「練習が大変」「なんとなく、もう楽しくない」
  • 親の期待がプレッシャー: 「お母さんをがっかりさせたくないけど、もう頑張れない」

理由によって、親が取るべき対応は、全く変わってきます。


ケース別・親の対応ヒント

Case 1: 人間関係や、技術的な壁が原因の場合

これは、子どもが「困難に直面している」サインです。ここで安易に「じゃあ、辞めようか」と言ってしまうのは、子どもに「嫌なことから逃げても良い」というメッセージを与えかねません。

「そうか、そんなことがあって、つらかったんだね」と、まずはその気持ちに深く共感した上で、「どうすれば、その問題を解決できるか、一緒に考えてみようか?」と、問題解決のパートナーになりましょう。

先生に相談したり、練習方法を一緒に工夫したり。親が一緒に汗をかく姿勢を見せることで、子どもは「もう一度、頑張ってみよう」という勇気を持つことができます。

Case 2: 他にやりたいことができた、単純に飽きた場合

これは、子どもの興味・関心が、次のステージに移ったという、成長の証かもしれません。

この場合は、無理に引き留めるのではなく、「辞める」という選択肢も、前向きに検討して良いでしょう。ただし、その際も、「じゃあ、明日から行かなくていいよ」と、すぐに決めるのではなく、「キリの良いところまで、頑張ってみよう」と、目標を設定することが大切です。

「次の発表会までは、頑張る」「今の級に合格したら、一区切りにしよう」

自分で決めた目標に向かって、最後までやり遂げた、という経験は、たとえその習い事を辞めたとしても、子どもの大きな自信になります。


「辞める」ことは、決して「逃げ」ではない

親として、子どもには「継続する力」を身につけてほしいと願うのは、当然です。しかし、それと同じくらい、**「自分に合わないものから、戦略的に撤退する勇気」**も、これからの時代を生きていく上で、非常に重要なスキルです。

嫌なことを我慢して続けるのではなく、自分の気持ちに正直に、次のステップに進む。その決断を、親が尊重し、応援してあげること。それが、子どもの自己肯定感を守り、本当に好きなことを見つけるための、土台となるのです。


まとめ:親の役割は、子どもの「決断」をサポートすること

子どもの「辞めたい」という言葉は、親子で、その子の「今」と「未来」について、真剣に話し合う、絶好の機会です。

続けるにしても、辞めるにしても、そのプロセスを通して、子どもが何を学び、どう成長できるか。その視点を持って、お子さんの「決断」を、温かくサポートしてあげてください。


自己肯定感は最高の贈り物!子どもの「自分を信じる力」を育む言葉かけ

はじめに:「どうせ僕なんて…」その言葉、聞きたくないですよね

「自分には価値がある」「ありのままの自分で大丈夫」と感じる心、それが「自己肯定感」です。この自己肯定感は、子どもがこれからの人生を力強く、幸せに生きていくための、まさに「心の土台」となります。

こんにちは、ママナースのさとみです。自己肯定感が高い子どもは、失敗を恐れずに新しいことに挑戦でき、困難な状況でも乗り越えようと努力できます。親として、我が子に贈ることができる最高のプレゼント、それがこの「自己肯定感」なのかもしれません。

この記事では、子どもの自己肯定感を奪ってしまうNGな言葉かけと、「自分を信じる力」を育むための具体的な言葉かけについて、今日から実践できるヒントをご紹介します。


やってませんか?子どもの自己肯定感を下げるNG言動

良かれと思ってやっていることが、実は子どもの自信を奪っているかもしれません。

  • 他の子と比較する: 「〇〇ちゃんは、もうできるのに、どうしてあなたはできないの?」比較は、子どもの「自分は劣っている」という感覚を強めるだけです。
  • 結果ばかりを褒める(叱る): 「100点を取ってえらいね」と結果だけを褒めていると、子どもは「良い結果を出せない自分には価値がない」と感じてしまいます。
  • 先回りして、手や口を出しすぎる: 親が何でもやってしまうと、子どもは「自分一人では何もできない」と感じ、挑戦する意欲を失ってしまいます。
  • 子どもの気持ちを否定する: 「泣くのはやめなさい」「そんなことで怖いの?」と気持ちを否定されると、子どもは「自分の感情は間違っているんだ」と、ありのままの自分を表現できなくなります。

子どもの心の貯金箱をいっぱいにする!魔法の言葉かけ

自己肯定感を育む鍵は、親からの「無条件の愛情」と「信頼」を、言葉と態度で伝え続けることです。

1. 結果ではなく「過程(プロセス)」を褒める

「すごい!」「上手!」だけでなく、頑張った過程を具体的に言葉にして伝えましょう。

  • 「最後まで諦めずに頑張ったね」
  • 「すごく集中していたね、びっくりしたよ」
  • 「何度も挑戦する姿、ママは大好きだよ」

2. 子どもの「存在そのもの」を肯定する

何かができたから好き、なのではなく、ただそこにいるだけで大切だというメッセージを伝えましょう。

  • 「あなたがいてくれるだけで、ママは幸せだよ」
  • 「生まれてきてくれて、ありがとう」
  • (理由なく)ぎゅっと抱きしめて、「大好きだよ」と伝える

3. 子どもの気持ちに「共感」する

子どもの感情を、まずはそのまま受け止めてあげましょう。

  • 「そうか、それは悔しかったね」
  • 「ドキドキするよね、わかるよ」
  • 「悲しい気持ちになっちゃったんだね」

4. 感謝と信頼を伝える「助かるよ」「任せたよ」

子どもを対等なパートナーとして認め、頼りにしていることを伝えましょう。

  • 「お手伝いしてくれて、すごく助かったよ。ありがとう」
  • 「このお仕事は、あなたに任せてもいいかな?」
  • 「ママ、忘れちゃったから教えてくれる?」

まとめ:親の言葉が、子どもの未来を作る

親が日々、何気なくかけている言葉は、子どもの心に少しずつ降り積もり、その子の人格や価値観を形作っていきます。

「自分は愛されている」「自分は大切な存在だ」

子どもがそう感じられるような温かい言葉かけを、今日から意識してみてはいかがでしょうか。

親から贈られた「自己肯定感」という最高の贈り物は、子どもが人生のどんな荒波も乗り越えていくための、一生のお守りになるはずです。


「【ママナースが解説】子どもの自己肯定感を育む声かけ術:自信を育てる親の関わり方」

はじめに:「うちの子、自信がないみたい…」その悩みに、あなたは心を痛めていませんか?

「どうせ僕にはできない…」
「私なんて、やっても無駄だから…」

子どもが、新しいことに挑戦することをためらったり、失敗を恐れて諦めてしまったりする姿を見ると、「もっと自信を持ってほしい」「自分を信じてほしい」と願う親御さんも多いのではないでしょうか。

自己肯定感は、子どもが社会の中で自分らしく生き、困難を乗り越えていくための大切な心の土台です。でも、どうすれば、子どもの自己肯定感を育むことができるのか、漠然とした不安を抱えていませんか?

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。
私自身も、娘たちの自己肯定感を育むために、日々試行錯誤を繰り返してきました。でも、看護師として、そして母として、自己肯定感が子どもの心身の健やかな成長にどれほど重要かを痛感しています。

この記事では、そんなあなたの不安に寄り添い、子どもの自己肯定感を高めるための親の具体的な声かけ術や、日々の関わり方をママナースの視点から分かりやすく解説します。

さあ、お子さんの「自分を信じる力」と「挑戦する心」を育むための一歩を、一緒に踏み出しましょう。


なぜ子どもの自己肯定感が大切なの?~「生きる力」の土台~

自己肯定感とは、「ありのままの自分を肯定し、価値ある存在だと感じられる感覚」のことです。子どもの自己肯定感は、その後の人生に大きな影響を与えます。

1.挑戦する意欲が生まれる

自己肯定感が高い子どもは、失敗を恐れずに新しいことに挑戦する意欲が生まれます。

2.困難を乗り越える力がつく

困難に直面しても、「自分ならできる」と信じ、粘り強く努力する力が育まれます。

3.人間関係が良好になる

自分を肯定できる子どもは、他者も肯定的に受け入れることができます。これにより、良好な人間関係を築きやすくなります。

4.精神的な安定

自分を価値ある存在だと感じられることで、精神的に安定し、ストレスに強い心を育みます。

<ママナースの視点>
自己肯定感は、子どもが社会の中で自分らしく生き、困難を乗り越えていくための大切な心の土台です。親は、子どもが「自分は大切な存在だ」と感じられるような関わり方をすることが大切です。


自己肯定感を育む声かけ術

子どもの自己肯定感を育むためには、日々の声かけが非常に重要です。

1.「結果」ではなく「過程」を褒める

  • ポイント: 成功した結果だけでなく、そこに至るまでの努力やプロセスを具体的に褒めましょう。
  • 例:
    • 「逆上がりができてすごいね!」ではなく、「逆上がりができるようになるまで、毎日練習したもんね!その頑張りがすごいよ!」
    • 「絵が上手だね!」ではなく、「この絵、色をたくさん使って、丁寧に描いたんだね!ママ、感動したよ!」

2.「存在」そのものを肯定する

  • ポイント: 子どもが何かを「できた」から褒めるのではなく、子どもが「いる」こと自体を肯定し、愛情を伝えましょう。
  • 例:
    • 「生まれてきてくれてありがとう」
    • 「〇〇ちゃんがいてくれるだけで、ママは幸せだよ」
    • 「大好きだよ」

3.「失敗」を恐れない言葉をかける

  • ポイント: 失敗しても、それを責めるのではなく、挑戦したこと自体を認め、次への意欲に繋がる言葉をかけましょう。
  • 例:
    • 「失敗しちゃったけど、挑戦したことがすごいよ!」
    • 「大丈夫、大丈夫。次はきっとできるよ!」
    • 「失敗は成功のもとだよ」

4.「自分で選ぶ」機会を与える

  • ポイント: 子どもが自分で選択し、決定する機会を与えることで、自己肯定感と自立心を育みます。
  • 例:
    • 「今日の服、どっちがいい?」
    • 「おやつ、どっちにする?」
    • 「今日の遊び、何がしたい?」

5.「ありがとう」「ごめんね」を伝える

  • ポイント: 親が子どもに「ありがとう」「ごめんね」を伝えることで、子どもは自分も大切な存在だと感じ、他者への感謝や謝罪の気持ちを学びます。
  • 例:
    • 「お手伝いしてくれて、ありがとう。助かったよ」
    • 「さっきは感情的に怒ってごめんね。ママも少し言い過ぎた」

自信を育てる親の関わり方

自己肯定感を育むためには、日々の親の関わり方も重要です。

1.子どもの話を「聞く」姿勢を大切に

  • ポイント: 子どもが話している時は、手を止めて、目を見て真剣に聞く姿勢を見せましょう。
  • 関わり方:
    • 共感する: 「そうだったんだね」「悲しかったね」など、子どもの気持ちに寄り添い、共感する言葉をかけましょう。
    • 最後まで聞く: 子どもの話を途中で遮らず、最後まで聞きましょう。

2.「できた!」を「見える化」する

  • ポイント: 子どもが何かを達成した時に、それを「見える化」することで、自己肯定感を高めます。
  • 関わり方:
    • ごほうびシール: できたことや、目標達成の進捗をカレンダーにシールを貼るなどして「見える化」しましょう。
    • 作品を飾る: 子どもが作った絵や工作などを飾ることで、子どもの努力を認め、自信に繋がります。

3.親自身が自己肯定感を高める

  • ポイント: 親が自分自身を肯定し、自信を持っている姿は、子どもにとって最高のロールモデルです。
  • 関わり方:
    • 自分を褒める: 「今日も一日頑張ったね」「よくやったね」など、自分自身を褒める習慣をつけましょう。
    • 完璧を目指さない: 完璧な親を目指すのではなく、「まあ、いっか」と割り切ることも大切です。

<ママナースの重要メモ>
自己肯定感は、一朝一夕に育まれるものではありません。日々の小さな積み重ねが、子どもの心の土台を強くします。焦らず、根気強く、お子さんの成長を信じて見守ってあげてください。


まとめ:親子の信頼関係が、最高の自己肯定感の土台

子どもの自己肯定感は、親子の信頼関係の中で育まれます。

完璧な親を目指す必要はありません。大切なのは、親が子どもを無条件に愛し、ありのままの姿を受け入れることです。

子どもが安心して自分を表現できる、そして、何かあった時に「ママやパパに話せば大丈夫」と思えるような、揺るぎない信頼関係を築いてあげてください。

あなたのその愛情と、適切な関わりが、お子さんの健やかな成長と、安全な未来を育む、何よりの力になります。


【叱り方・褒め方】もう感情的に怒らない!子どもの自己肯定感を育む「伝わる」コミュニケーション術【ママナースが解説】

「私の育て方、これでいいのかな…」褒め方・叱り方に悩む、あなたへ

「また感情的に怒っちゃった…ごめんね」
子どもが寝た後、涙を浮かべながら自己嫌悪。

「すごいね!」と褒めても、なんだか子どもの心に響いていない気がする。

子育て中のあなたは、こんな風に「褒め方」や「叱り方」に悩み、自信をなくしてしまうことはありませんか?

良かれと思って言った言葉が、かえって子どものやる気を削いでしまったり、自己肯定感を傷つけてしまったりしているとしたら…。そう考えると、不安になりますよね。

こんにちは。3人の娘を育てる現役ママナースの皐月です。医療現場で多くの親子と接し、また自身の経験からも、そのお気持ちは痛いほど分かります。

この記事では、そんなあなたの悩みに寄り添い、子どもの自己肯定感をグングン育み、親子の信頼関係を深めるための、具体的で実践的なコミュニケーション術を、ママナースとしての視点も交えながら、余すところなくお伝えします。

もう一人で悩まなくて大丈夫。この記事を読み終える頃には、きっとあなたも自信を持って、子どもと笑顔で向き合えるようになっているはずです。


なぜ、今「自己肯定感」がこんなに大切なの?

最近よく聞く「自己肯定感」という言葉。でも、なぜそんなに重要なのでしょうか?

自己肯定感とは、シンプルに言えば「ありのままの自分を、良いところも悪いところも丸ごと含めてOK!」と思える気持ちのことです。

この「心の土台」がしっかりしている子どもは、

  • 失敗を恐れずに新しいことに挑戦できる
  • 困難なことがあっても、乗り越えようと努力できる
  • 自分のことを大切にできるから、周りの人のことも大切にできる
  • 自分の意見を、自信を持って伝えられる

など、変化の激しいこれからの時代を「生き抜く力」の源になります。

そして、この自己肯定感の土台が作られる最も重要な時期が、幼児期なのです。日々の親子のコミュニケーション、特に「褒め方」と「叱り方」が、子どもの心の土台を大きく左右します。


【要注意】良かれと思ってやってない?子どもの自己肯定感を下げるNG言動

まずは、私たちがついやってしまいがちな、子どもの自己肯定感を下げてしまう可能性のあるNGな褒め方・叱り方を見ていきましょう。

NGな褒め方:「すごい!」「天才!」だけでは危険信号

  • 結果だけを褒める:「100点なんてすごいね!」
    • →子どもは「結果を出さないと自分には価値がない」と感じてしまう。
  • 他人と比較する:「お兄ちゃんより上手だね!」
    • →常に他人と自分を比べ、勝ち負けでしか自分を評価できなくなる。
  • 大げさに褒めすぎる:「天才じゃない!?」
    • →プレッシャーを感じたり、褒められることに慣れてしまい、心に響かなくなる。
  • ご褒美で釣る:「これができたらお菓子を買ってあげる」
    • →褒められることや物自体が目的になり、自発的なやる気が育たない。

NGな叱り方:「なんでできないの!」は心を傷つける言葉

  • 感情的に怒鳴る:「いい加減にしなさい!」
    • →子どもは恐怖を感じるだけで、なぜ叱られているのか理解できない。
  • 人格を否定する:「本当にダメな子ね!」
    • →「自分はダメな人間なんだ」と、存在そのものを否定された気持ちになる。
  • 過去のことを持ち出す:「この前も同じこと言ったでしょ!」
    • →子どもを追い詰めるだけで、反省や次への行動に繋がらない。
  • 子どもの言い分を一切聞かない:「言い訳しないの!」
    • →「どうせ分かってもらえない」と、心を閉ざしてしまう。

ドキッとした方もいるかもしれません。でも、大丈夫。今日から意識すれば、必ず変われます。


【褒め方編】子どもの心に響く!自己肯定感を育む3つの黄金ルール

では、具体的にどう褒めれば良いのでしょうか?ポイントは3つです。

ルール1:結果より「過程」を具体的に褒める(Iメッセージ)

子どもが何かを達成した時、結果だけを評価するのではなく、そこに至るまでの努力や工夫、気持ちに目を向けて、具体的に言葉にしてあげましょう。

この時、主語を「私(ママ・パパ)」にする「I(アイ)メッセージ」で伝えると、より気持ちが伝わります。

  • (✕)「絵が上手だね」(Youメッセージ)
  • (〇)「最後まで諦めずに、色々な色を使って描いたんだね。ママ、その集中力にびっくりしたよ。素敵な絵を見せてくれて嬉しいな」(Iメッセージ)

ルール2:「存在そのもの」を肯定する(Beingを認める)

何か特別なことができた時だけでなく、日常の何気ない瞬間に、子どもの存在そのものを肯定する言葉を伝えてあげましょう。これを心理学では「Being(存在)」を認めると言います。

  • 「〇〇ちゃんがいてくれるだけで、ママは毎日幸せだよ」
  • 「おはよう!朝、元気な顔が見られて嬉しいな」
  • 「大好きだよ、ぎゅーっ!」

このような言葉のシャワーが、子どもの心の根っこに「自分は愛されている」「そのままでいいんだ」という絶対的な安心感を育てます。

ルール3:子どもの「できた!」に心から共感し、一緒に喜ぶ

子どもが「見て見て!できたよ!」と駆け寄ってきた時、それは共感してほしいサインです。

  • (✕)「はいはい、すごいね(スマホを見ながら)」
  • (〇)「わー、本当だ!ここまで一人でできたの!?すごい!どんなところが難しかった?」

たとえ大人から見れば些細なことでも、子どもにとっては大きな一歩。その気持ちに寄り添い、一緒に心から喜んであげることで、子どもの達成感と自己肯定感はさらに高まります。


【叱り方編】子どもに伝わる!自己肯定感を守る3つのステップ

「叱る」の目的は、子どもを罰することではなく、社会のルールや望ましい行動を教え、自分で考える力を育むことです。感情的に「怒る」のではなく、冷静に「叱る」ための3ステップをご紹介します。

ステップ1:まずは気持ちを受け止める(共感)

どんな行動にも、子どもなりの理由や気持ちがあります。まずは、その気持ちに共感し、受け止めてあげましょう。

  • (✕)「ダメでしょ!なんで叩くの!」
  • (〇)「そっか、あのおもちゃで遊びたかったんだね。取られちゃって、悲しかったんだね」

最初に共感することで、子どもは「ママは分かってくれる」と感じ、親の言葉に耳を傾ける準備ができます。

ステップ2:短い言葉で「行動」を注意する(人格は否定しない)

次に、なぜその行動がダメなのかを、人格を否定せず、具体的な「行動」に焦点を当てて、短く簡潔に伝えます。

  • (✕)「意地悪な子は嫌いだよ」
  • (〇)「でも、だからといって、お友達を叩くのは違うかな。叩かれたら痛いし、悲しい気持ちになるよね」

ステップ3:どうすれば良かったかを「一緒に」考える

最後に、罰を与えて終わりにするのではなく、「じゃあ、どうすれば良かったんだろうね?」と、子ども自身が考えられるように問いかけ、一緒に解決策を探しましょう。

  • 「次、おもちゃを貸してほしくなったら、なんて言ってみる?」
  • 「『かーしーて』って、一緒に練習してみようか」

このプロセスが、子どもの社会性と問題解決能力を育みます。


ママナースの視点:叱る前に、まず子どもの「全体」を見て

医療現場では、患者さんの訴えだけでなく、顔色、呼吸、食欲など、様々な情報を統合して状態を判断する「アセスメント」という考え方を大切にします。

これは子育てでも全く同じです。

子どもが問題行動を起こした時、その行動だけを切り取って叱る前に、「今日の体調はどうかな?」「園で何か嫌なことはなかったかな?」「お腹は空いていないかな?」と、子どもの心と体の状態を観察してみてください。

特に、普段よりぐずったり、癇癪を起こしたりする時は、体調不良のサインであることも少なくありません。

感情的に叱りそうになったら、一度深呼吸。「この子の”今”はどういう状態だろう?」と、看護師のように冷静に観察する視点を持つだけで、あなたの対応はきっと変わってくるはずです。


まとめ:完璧な親じゃなくていい。あなたの「味方だよ」が伝われば、それで100点!

褒め方・叱り方に、たった一つの正解はありません。子どもの個性や状況によって、対応は変わって当然です。

大切なのは、テクニックの上手さよりも、子どもを一人の人間として尊重し、「何があっても、私はあなたの絶対的な味方だよ」というメッセージを、日々のコミュニケーションを通して伝え続けること。

今日お伝えしたことも、一度に全部やろうとしなくて大丈夫です。

まずは、寝る前に「大好きだよ」と伝えることから。
次は、叱る前に一度深呼吸してみることから。

その小さな一歩が、子どもの自己肯定感という、一生の宝物を育んでいきます。そしてそれは、あなた自身の「親としての自信」にも繋がっていくはずです。