「ママ、赤ちゃんってどこから来るの?」その時、あなたはどう答えますか?
「ねぇ、ママ。〇〇ちゃんのママ、お腹が大きいね。どうして?」
「なんで、ボクとお風呂に入ると、ママと形が違うの?」
子どもの、純粋で、まっすぐな質問。
ドキッとして、つい、「コウノトリさんがね…」なんて、ごまかしてしまっていませんか?
「性教育」という言葉を聞くと、なんだか気まずくて、照れくさくて、「まだ早いかな」「何を、どう伝えたらいいんだろう…」と、戸惑ってしまうママやパパ、すごく多いと思います。
私も、そうでした。
でも、ナースとして、そして3姉妹の母として、はっきりと言えること。
それは、家庭で始める「性教育」は、決して、**エッチな話ではなく、子どもが「自分と相手を大切にするための、命の安全教育」**だということです。
今日は、私が3人の娘たちに、3歳頃から、ごく自然に、そしてポジティブに伝えてきた、「命の始まり」と「自分の体の守り方」について、全公開します。
なぜ「3歳から」が、性教育のゴールデンエイジなのか?
「3歳なんて、まだ早すぎる!」
そう思うかもしれません。
でも、3歳頃というのは、
- 第一次反抗期を経て、「自分」という意識が芽生える
- オムツが外れ、自分の性器を認識し始める
- 男の子と女の子の体の違いに、素朴な疑問を持ち始める
など、自分と他人の「体」や「性」に、自然な興味が湧き始める、まさに性教育のゴールデンエイジなのです。
この時期の、子どもの素朴な「なんで?」を、ごまかしたり、茶化したりせず、誠実に向き合うことが、その後の、健やかな性の学びへと繋がっていきます。
我が家の絶対ルール!「プライベートゾーン」の話
私が、娘たちが3歳になったら、必ず、繰り返し伝えていることがあります。
それは、**「プライベートゾーン」**の話。
「お洋服や水着で隠れている、胸、おしり、そして、おちんちんやおまた。そこは、あなただけの大切な、大切な場所。だから、『プライベートゾーン』って呼ぼうね」
そして、3つのルールを、何度も、何度も、伝えます。
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ルール①:あなたのプライベートゾーンは、あなただけのもの。
→お医者さんが「もしもし」する時や、ママやパパがお風呂で洗ってあげる時以外は、絶対に、誰にも触らせてはいけない。もちろん、自分でも、いじって遊んだりしない。 -
ルール②:お友達のプライベートゾーンも、絶対に、見たり、触ったりしない。
→あなたの大切な場所と同じように、お友達にも、大切な場所があるんだよ、と伝えます。 -
ルール③:もし、誰かに「見せて」と言われたり、触られたりしたら…
→**「いやだ!」**と言って、すぐにその場から逃げること。そして、必ず、ママかパパに、そのことをお話しすること。「あなたのせいじゃないよ、教えてくれてありがとう」と、必ず伝えることを約束します。
これは、子どもを、悲しい性被害から守るための、最初の、そして、最も重要な「お守り」になる知識です。
「コウノトリさん」は卒業!命の始まりを、科学的かつ温かく伝える方法
「赤ちゃんは、どこから来るの?」
この質問が来たら、絶好のチャンスです。
ごまかさず、でも、年齢に合った、シンプルで温かい言葉で、伝えてあげましょう。
ステップ①:まず、質問してくれたことを、全力で褒める!
「うわー、すごい!命のことに興味があるんだね。それって、すっごく大事なことだよ。教えてくれて、ありがとう!」
と、まずは、その知的好奇心を、全力で肯定してあげましょう。「性の話は、恥ずかしいことじゃないんだ」と、子どもは安心できます。
ステップ②:事実を、シンプルで、温かい言葉で伝える
「パパの体の中にある『命の種』と、ママの体の中にある『命の卵』が、お互いに『大好きだよー』って、ギューってくっついて、一つになるんだよ」
「そして、ママのお腹の中にある、赤ちゃん専用の、フカフカのお部屋(子宮)で、みんなからの栄養をもらって、少しずつ、少しずつ、大きくなっていくんだ」
難しい医学用語を使う必要はありません。
科学的な事実に、温かいイメージを乗せて、伝えてあげましょう。
ステップ③:最後は、たっぷりの愛情表現で締めくくる
「そうやって、〇〇ちゃんも、パパとママのところに、生まれてきてくれたんだよ」
「あなたが生まれてきてくれて、本当に、本当に、嬉しかったんだよ。あなたは、パパとママの、大切な宝物だよ」
と、その子の存在そのものを、肯定する言葉で締めくくります。
自分が、どれだけ望まれて生まれてきたのかを知ることは、子どもの自己肯定感の、何よりの土台となります。
性教育は、最高の「自己肯定感教育」
性教育は、決して、特別な、改まった話ではありません。
お風呂の時間や、着替えの時間、寝る前の絵本の時間など、日常のふとした瞬間、瞬間で、伝えていける、最高のコミュニケーションです。
「あなたの体は、あなただけのもの。誰にも、傷つけさせてはいけない、大切な、大切な、宝物なんだよ」
このメッセージを、繰り返し、繰り返し、伝え続けること。
それが、お子さんの自己肯定感を育み、生涯にわたって、自分と相手を大切にできる、本当の意味で「豊かな人」に育っていく、一番の近道なのだと、私は信じています。
