【保存版】子どもの急な発熱、慌てないで!ママナースが教える家庭での対処法と受診の目安

  • このエントリーをはてなブックマークに追加
  • LINEで送る

静まり返った夜、隣で眠る我が子の寝息が、いつもより少し速いことに気づく。

そっとおでこに手を当てると、触れた手のひらが驚くほど熱い。

慌てて体温計を手に取り、表示された「39.2℃」の数字に、サーッと血の気が引いて、心臓がドキドキと音を立てる…。

「こんなに熱くて、大丈夫なの?」
「今すぐ救急病院に走るべき?それとも、朝まで様子を見ていい?」
「解熱剤、使ってもいいのかな…」

次から次へと押し寄せる不安と焦り。痛いほど、その気持ちが分かります。こんにちは!3人の娘を育てながら、救命救急や小児科での勤務経験もある、現役看護師の皐月です。

ナースである私でさえ、我が子のこととなると、冷静でいるのは本当に難しいものです。

でも、大丈夫。まず、深呼吸してください。

子どもの発熱は、体が一生懸命ウイルスや細菌と闘っている証拠。慌てて熱を下げることだけが、正解ではありません。

この記事では、そんな不安な夜を過ごすあなたの「お守り」になるように、子どもの発熱時に本当に大切なことを、一つひとつ丁寧にお伝えしますね。

この記事でわかること

  • 熱の高さに一喜一憂しない!本当に見るべき「観察ポイント」
  • ママナースが実践する、発熱時のホームケア3つの鉄則
  • 「救急車?」「明日でいい?」迷った時の受診判断フローチャート
  • 解熱剤との賢い付き合い方と、知っておきたい注意点

Step1:慌てないで!熱の高さより「子どもの機嫌」が大切

まず、体温計の数字に心を乱されないでください。私たち小児科のスタッフが一番に見るのは、熱の高さよりも子どもの全体的な様子です。

  • 機嫌はどうか? → 熱があっても、ニコッと笑ったり、少し遊んだりできるなら、重症である可能性は低いです。
  • 顔色はどうか? → 顔色が悪く、唇が紫色になっている場合は要注意です。
  • 水分は摂れているか? → これが最重要!少量でも飲めているか、おしっこは出ているかを確認しましょう。

熱が39℃あっても、水分が摂れていて、あやすと笑うなら、ひとまず落ち着いてお家でのケア(ホームケア)を始めるサインです。

Step2:ママナースが実践する「ホームケア」3つの鉄則

お家でのケアは、子どもがウイルスと闘うのを、快適にサポートしてあげるのが目的です。

鉄則①:とにかく水分補給!

発熱時の体は、いわば全力疾走しているのと同じ。汗や速い呼吸で、どんどん水分が失われていきます。脱水は、熱そのものより怖い状態を引き起こすことも。何よりも水分補給を優先してください。

  • 何を飲ませる?
    • ベストは「経口補水液」:OS-1などが有名ですね。点滴に近い成分で、効率よく水分と塩分を吸収できます。
    • その他:麦茶、イオン飲料、湯冷まし、薄めたりんごジュースなど、子どもが飲んでくれるものでOK!
  • どう飲ませる?
    • 一度にたくさん飲ませると吐いてしまうことも。スプーンやスポイトで、5分おきに一口ずつ、根気よく与えるのが成功のコツです。

鉄則②:心地よい環境づくり

子どもが体力を消耗せず、ウイルスとの闘いに集中できる環境を整えましょう。

  • 服装:「熱があるから」と厚着をさせるのはNG。熱がこもって、余計に苦しくなってしまいます。汗をかいたらこまめに着替えさせ、手足が冷たくなければ、普段より一枚薄いくらいで大丈夫です。
  • 室温・湿度:室温は20~22℃、湿度は50~60%が快適です。特に冬場は乾燥しやすいので、加湿器や濡れタオルで湿度を保ちましょう。
  • 体を冷やす場合:子どもが熱くてつらそうにしているなら、冷やしてあげましょう。首の付け根、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を、タオルで包んだ保冷剤などで優しく冷やすと効果的です。(嫌がる場合は絶対に無理しないでくださいね!)

鉄則③:食事は無理強いしない

熱がある時は、胃腸の働きもダウンしています。無理に食べさせる必要は全くありません。

おかゆ、うどん、ゼリー、プリン、アイスクリーム、すりおろしりんごなど、子どもが欲しがる、消化の良いものを少しでも口にできれば十分です。水分補給さえできていれば、1日くらい食べなくても大きな問題はありませんよ。

Step3:「病院に行くべき?」迷った時の判断フローチャート

この判断が一番難しいですよね。そんな時は、このフローチャートを参考にしてください。

【緊急度MAX】すぐに救急車(119番)を!

  • 意識がおかしい(呼びかけに反応しない、視線が合わない)
  • けいれんを起こした、またはけいれんが5分以上続く
  • 呼吸が異常に速い、苦しそう(肩で息をしている、ゼーゼーしている)
  • 顔色や唇の色が明らかに悪い(土色、紫色)
  • 激しい頭痛や嘔吐を繰り返す

【緊急度 中】時間内、または夜間・休日診療所へ

  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんの38℃以上の発熱
  • 水分を全く受け付けず、半日以上おしっこが出ていない
  • ぐったりして、あやしても笑わない、全く元気がない
  • 理由のわからない発疹が出ている
  • 耳をしきりに気にしている(中耳炎のサインかも)

【判断に迷ったら】#8000に電話

全国共通の「子ども医療電話相談」です。看護師や医師が、受診すべきかどうか、家庭でできるケアなどを具体的にアドバイスしてくれます。不安な時は、一人で抱え込まずに、プロを頼ってくださいね。

Step4:知っておきたい「解熱剤」との賢い付き合い方

解熱剤は、病気を治す薬ではなく、あくまで**「つらい症状を和らげるお守り」**です。

  • 使うタイミングは?
    • 熱の高さ(例:38.5℃以上)で機械的に判断するのではなく、**「熱のせいで、子どもがつらそうか」**で判断します。
    • 39℃あってもケロッと遊んでいるなら不要。逆に38℃台でも、ぐったりして眠れない、水分が摂れないなら、使ってあげた方が楽になります。
  • 使う目的は?
    • 無理やり平熱まで下げるのが目的ではありません。少し熱を下げて、つらさを和らげ、その間に水分を摂ったり、少し眠ったりできるように手助けするのが最大の目的です。

病院で処方された解熱剤がある場合は、用法・用量を守って正しく使いましょう。市販薬を使う場合は、必ず子どもの年齢・体重に合ったものを選んでくださいね。

まとめ:正しい知識は、ママと子どもを笑顔にするお守り

子どもの突然の発熱。何度経験しても、胸が締め付けられる思いがしますよね。

でも、もう闇雲に不安がらなくて大丈夫。あなたには、この記事でお伝えした「正しい知識」という、心強いお守りがあります。

お子さんの様子をしっかり観察し、適切なケアをしてあげてください。そして、何より大切なのは、看病で大変なママ自身が、一人で全てを抱え込まず、無理をしないことです。

パパや周りの人に「助けて」と頼ること、便利なサービスを使うこと、時には少し手を抜くこと。全て、子どもを守るための立派な選択ですよ。

あなたの不安が、少しでも安心に変わることを、心から願っています。

コメントを残す

*