じっとりと汗ばんだ我が子が、不安そうにすり寄ってくる。避難所の熱気と、何日もお風呂に入れていない罪悪感で、胸がざわつく…。
「このままじゃ、あせもだらけになっちゃう…」
「アトピーが悪化したらどうしよう…」
こんにちは!3人の娘を育てながら、看護師として働く皐月です。
災害時、子どもの肌トラブルは、ただ「かゆい」「痛い」だけでは済みません。そこから細菌が入って、とびひなどの感染症に繋がることもあるんです。看護師として、私はその怖さをよく知っています。
でも、大丈夫。水が貴重な状況でも、ちょっとした工夫で子どもの肌を清潔に保ち、トラブルから守ることはできます。
この記事では、ママナースの視点から、避難生活で本当に役立つ「肌を守る」ための具体的な知恵をご紹介します。
この記事でわかること
- なぜ災害時に子どもの肌トラブルは起きやすいのか
- 水がなくてもOK!体を清潔に保つ「ポイント清拭」のコツ
- 「あせも」「おむつかぶれ」など、トラブル別の実践的ケア
- ママナースが厳選!防災リュックに入れるべき「肌守りアイテム」
なぜ?災害時に子どもの肌トラブルが急増する理由
子どもの肌は、大人よりずっと薄くてデリケート。災害という特殊な環境は、肌にとって非常に過酷なんです。
- 不衛生:汗や皮脂、汚れが洗い流せず、細菌が繁殖しやすい状態に。
- ストレス:慣れない環境や不安から、免疫力が低下し、肌のバリア機能が弱まります。
- 汗:避難所など、人が密集する場所では体温が上がりやすく、汗をたくさんかきます。
- 栄養の偏り:食事が偏り、肌の健康に必要なビタミンやミネラルが不足しがちになります。
これらの要因が重なり、あせも、おむつかぶれ、乾燥、アトピーの悪化など、様々な皮膚トラブルを引き起こしてしまうのです。
【実践編】水がなくても大丈夫!ママナース流「清潔ケア」
全身をお風呂で洗えなくても、ポイントを押さえれば清潔は保てます。
基本は「ポイント清拭」
体拭きシートや濡らしたタオルで、汚れや汗がたまりやすい場所を重点的に拭くだけでも、効果は絶大です。
- 顔・首まわり:食べこぼしや汗で汚れやすい場所。優しく拭き取ります。
- 脇の下、ひじ・ひざの裏:汗がたまり、あせもができやすい代表的な場所です。
- 手・足:特に指の間は汚れがたまりやすいので、丁寧に拭きましょう。
- おしり:排泄物は、肌への刺激が一番強いもの。こまめにチェックし、汚れていたらすぐに拭き取ります。
アトピーっ子のための特別ケア
アトピー性皮膚炎など、肌が特に敏感なお子さんは、普段以上にケアが重要です。
- 普段使っている保湿剤・薬は絶対に切らさない!
防災リュックには、最低でも1週間分は入れておきましょう。可能であれば、かかりつけ医に相談し、少し多めに処方してもらうと安心です。 - ノンアルコールのウェットシートを選ぶ
刺激の強いものは避け、肌に優しいものを選びましょう。 - ゴシゴシこすらない
どんな時でも、優しく押さえるように拭くのが鉄則です。
《皐月のワンポイント処方箋》
もし、少しでも水が使えるなら**「ペットボトルシャワー」**がおすすめです。ペットボトルのキャップに、キリなどで小さな穴を数個開けるだけ。これで、おむつ替えの時におしりだけを優しく洗い流したり、ひどい汗をかいた部分だけを流したりと、少量の水で効果的に清潔を保てますよ。
【準備編】防災リュックに入れるべき「肌守りアイテム」
いざという時に慌てないために、普段から準備しておきましょう。
- ✅ 体拭き用ウェットシート(大判・ノンアルコール):最低でも1週間分。
- ✅ おしりふき:普段使っているものを、多めにストック。
- ✅ 保湿剤(ワセリンやベビーローション):小分けのチューブタイプが便利。
- ✅ 処方されている塗り薬:絶対に忘れずに!
- ✅ ドライシャンプー:頭のかゆみは、かなりのストレスになります。
- ✅ ガーゼ・清浄綿:目やになど、デリケートな部分を拭くのに役立ちます。
- ✅ ベビーパウダー:あせも予防に。つけすぎないのがコツです。
- ✅ 使い捨てのビニール手袋:感染症予防のため、おむつ交換や傷の手当ての際に。
まとめ:ママの知識が、子どもの快適を守る
災害時、私たちは水や食料などの「命を守る備え」に意識が向きがちです。でも、肌を清潔に保ち、不快感を取り除いてあげることも、子どもの心と体の健康を守るために、とても大切なこと。
「かゆい」「痛い」といった不快感は、子どもの体力を奪い、心を不安定にさせます。
完璧なケアはできなくて当たり前。でも、ママが「こうすれば大丈夫」という知識を持っているだけで、子どもは安心して過ごすことができます。
この記事が、あなたとあなたの大切な家族の「もしも」の時に、少しでも役立つことを心から願っています。
