【防災】災害時のトイレどうする?ママナースが教える「排泄」問題の備えと実践テクニック

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「ママ、おしっこ…」

その一言に、血の気が引く。断水で、トイレの水はもう流れないのに…。

こんにちは!3人の娘を育てながら、看護師として働く皐月です。

食べること、飲むことと同じくらい、いえ、もしかしたらそれ以上に、私たちの心と体の健康に直結するのが「排泄」です。看護師として、排泄ケアが患者さんの尊厳にどれほど大切かを、日々痛感しています。

災害時、この「当たり前」が、いとも簡単に崩れ去る。トイレを我慢して膀胱炎になったり、不衛生な環境で感染症が広がったり…。考えただけで、不安になりますよね。

でも、大丈夫。正しい知識で備えれば、いざという時も、家族の健康と尊厳を守ることができます。この記事では、そのための具体的な方法を、ママナースの視点から徹底的にお伝えします。

この記事でわかること

  • 災害時の「排泄問題」が、なぜ命に関わるのか
  • 簡易トイレの選び方と、臭いを封じ込める使い方
  • おむつ・生理用品の「本当に必要な備蓄量」
  • ママナースだけが知る、とっておきの衛生対策

ライフライン①【トイレ問題】人間の尊厳を守るために

災害時、水洗トイレが使えなくなることは、衛生状態の悪化と感染症の拡大に直結します。

  • 備えるもの

    • 簡易トイレ or 携帯トイレ:最低でも家族×7日分。便器にかぶせるタイプが、普段のトイレと感覚が近く、子どもも使いやすいのでおすすめです。
    • 凝固剤と消臭袋:セットになっているものが便利。臭いは、体だけでなく心も疲弊させます。
    • トイレットペーパー:普段使っているものを、少し多めにストックしておくだけでOK。
    • アルコール消毒液・ウェットティッシュ:トイレの後の手指衛生は命綱です。
  • 使い方・工夫

    • 設置場所:可能なら、換気ができる場所に。人目が気になる場合は、段ボールやポンチョで囲いを作るだけでも、心の負担が大きく違います。
    • ゴミの処理:使用後は、凝固剤で固め、袋の空気をしっかり抜いてから、口を固く縛ります。

《皐月のプロ技①》
簡易トイレは、防災訓練だと思って、事前に一度家族で使ってみるのが一番!「こうやって使うんだよ」とゲーム感覚で教えておけば、いざという時に子どもが怖がるのを防げます。使った後は、燃えるゴミとして出せるものがほとんどですよ。

ライフライン②【おむつ問題】赤ちゃんの快適と健康のために

おむつが替えられない不快感は、赤ちゃんにとって大きなストレス。そして、おむつかぶれは感染症の入り口にもなります。

  • 備えるもの

    • おむつ最低でも1週間分、できれば2週間分を備蓄。1日に10枚使う子なら、140枚。多いと感じるかもしれませんが、これが「安心」の枚数です。ローリングストック法で、普段使うものを少し多めに買っておきましょう。
    • おしりふき:厚手のものを多めに。
    • 消臭袋(BOSなど):使用済みおむつの臭い対策は、絶対に必要です!
  • 使い方・工夫

    • おむつかぶれ対策:うんちの後は、おしりふきでゴシゴシこすらず、霧吹きにぬるま湯を入れた「手作りおしりシャワー」で洗い流してあげると、肌への負担が最小限になります。

《皐月のプロ技②》
使用済みおむつの最強の臭い対策は**「個包装+二重袋」**。食パンの袋など、臭いが漏れにくい小さな袋でまず個別に包み、それをさらに大きな消臭袋に入れる。この一手間で、避難所での肩身の狭さが全く変わります。

ライフライン③【生理の問題】見過ごされがちな女性の必需品

災害時でも、生理は待ってくれません。これは、女性の健康と尊厳に関わる、非常に大切な問題です。

  • 備えるもの
    • 生理用品:ナプキン、タンポンなど、普段使っているものを最低でも2周期分。夜用、昼用など、種類を分けて備えておくと、状況に応じて使えます。
    • サニタリーショーツ:洗濯が難しい状況では、使い捨てタイプも便利です。
    • 鎮痛剤:生理痛がひどい方は、飲み慣れた薬を忘れずに。
    • デリケートゾーン用ウェットシート:水が使えない時の、不快感を和らげてくれます。

《皐月のプロ技③》
産後ケアで使われる**「清浄綿」や「洗浄ボトル(陰部洗浄用)」**は、災害時のデリケートゾーンケアに最適です。個包装の清浄綿や、少量の水で優しく洗い流せる洗浄ボトルは、防災ポーチにぜひ入れておいてほしいアイテムです。

まとめ:排泄の備えは、未来の家族を守るお守り

災害時の「排泄」の問題は、目を背けたくなる、少し面倒なテーマかもしれません。

でも、この「面倒」に今向き合っておくことが、未来のあなたと、あなたの大切な家族の健康、そして「人間としての尊厳」を守る、何より強力な“お守り”になります。

完璧な備えは難しいかもしれません。でも、今日、おむつを1パック、簡易トイレを1箱、多く買っておくだけでも、未来の安心は確実に大きくなります。

できることから、一緒に始めてみませんか?

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