自主性

【指示待ちっ子にしない】良かれと思ってやってない?自主性を奪う親のNG行動

「ママ、次はどうするの?」

ある日、娘にこう聞かれてハッとしました。
自分で考えず、私の指示ばかり待っている…。
娘を「指示待ちっ子」にしてしまったのは、他の誰でもない、私自身の「良かれと思って」の行動だったのです。

こんにちは、3姉妹の母で現役ナースの皐月です。

転ばないように、失敗しないように、困らないように…。
私はずっと、娘の前に立ちはだかる石を、先回りして拾い続けていました。
それが親の役目だと、信じて疑わなかったのです。

今回は、私が深く後悔している「親のNG行動」と、子どもの自主性を育てるために、今すぐできる関わり方のヒントについてお話しします。

なぜ「先回り」はNGなのか?

子どもが失敗する姿なんて、見たくないですよね。
でも、親が先回りして助けてしまうと、子どもは大切な「成長の機会」を失ってしまいます。

  • 自分で考える機会を失う
    「どうすればできるかな?」と工夫する前に、親が答えを与えてしまう。
  • 失敗から学ぶ機会を失う
    転んで「痛い」を知るから、次は気をつけようと学びます。失敗は、最高の教科書です。
  • 「できた!」という達成感を得る機会を失う
    自分で乗り越えた経験は、子どもの自己肯定感の土台になります。

良かれと思っての行動が、結果的に子どもの「挑戦する心」や「乗り越える力」を奪ってしまっていたのです。

今すぐやめたい!親のNG行動リスト

あなたは、いくつ当てはまりますか?

  • 聞かれてもいないのに、答えを教える
  • 子どもが困る前に、手や口を出してしまう
  • 明日の準備を、子どもに確認せず全部やってしまう
  • 「危ないから」と、子どもの挑戦を最初から止めてしまう

これらはすべて、私が実際にやってしまっていたことです…。
子どものためと信じて…。

自主性を育てるために、私が「変えた」こと

娘の「指示待ち」な姿に気づいてから、私は勇気を出して関わり方を変えました。

それは、**「手を出す」のをやめて、「信じて見守る」**ことです。

  • すぐに答えを教えず、「どう思う?」と質問する
  • 失敗しても、「大丈夫!」「次はどうしようか?」と励ます
  • 時間がかかっても、グッとこらえて最後までやらせてみる
  • 「あなたなら、きっとできるよ」と、可能性を信じる言葉をかける

もちろん、時間がかかるし、親としてはハラハラします。
失敗の後始末も大変です。

でも、自分で考えて、挑戦して、失敗して、そして「できた!」と輝く娘の顔を見た時、私は自分の間違いに気づきました。

子育ては、手伝うことより、信じて待つことの方が、何倍も難しい。
でも、親がグッとこらえた分だけ、子どもは自分の力で立つ力を身につけていきます。

もし、あなたも「良かれと思って」先回りしてしまっているなら、少しだけ勇気を出して、子どもを信じて見守ってみませんか?

その先には、子どもの、そして親であるあなた自身の、大きな成長が待っていますよ。

「早くしなさい!」はもう言わない。子どものやる気を引き出す魔法の声かけ

「早くしなさい!」その言葉、今日、何回言いましたか?

朝の支度。
ご飯を食べる時。
お風呂に入る前。

子どもの行動の遅さに、イライラが募り、つい、口から出てしまう、あの言葉。

「早くしなさい!」

言えば言うほど、子どもは、なぜか、さらに、のんびりする。
そして、親のイライラは、頂点に達し、最後は、怒鳴り声で、強制的に、行動させる。

そんな、毎日の「早くしなさい!」バトルに、心底、疲弊しているママ、多いのではないでしょうか。
私も3姉妹を育てる中で、この言葉を、何度、叫んできたかわかりません。

でも、ある時、私は、この「早くしなさい!」という言葉を、パタッと、やめてみたんです。
そして、その代わりに、**「ある魔法の声かけ」**に変えてみたところ、驚くほど、子どもたちが、自分から、サッと、動き出すようになったのです。

今日は、そんな、親子の関係を良好にし、子どものやる気を引き出す、魔法の声かけについて、お話しさせてください。

なぜ「早くしなさい!」は、子どものやる気を奪うのか

良かれと思って、私たちは、子どもを急かします。
でも、この「早くしなさい!」という言葉は、子どもにとって、一体どんなメッセージとして聞こえているのでしょうか。

それは、

「ママは、僕(私)のペースを、尊重してくれない」
「ママは、僕(私)が、自分で考えて行動できると、信じてくれていない」

という、不信と、コントロールのメッセージです。

親の焦りが、そのまま、子どもへのプレッシャーとなり、
「やらされ感」を増幅させ、
「どうせ、言われた通りにやればいいんでしょ」という、自主性の欠如に繋がってしまうのです。

子どもの「やる気スイッチ」を入れる、魔法の声かけ3選

では、「早くしなさい!」の代わりに、どんな言葉をかければ、子どもは、自分から、サッと、動き出すようになるのでしょうか。

魔法の声かけ①:「〇〇が終わったら、〜しようね!」

子どもは、楽しいことのためなら、驚くほどの集中力と、スピードを発揮します。
その心理を、逆手に取るのです。

  • NG:「早く着替えなさい!」
  • OK:「着替えが終わったら、大好きな絵本、読んであげるね!」
  • NG:「早くご飯食べなさい!」
  • OK:「ご飯を全部食べたら、公園に遊びに行こうね!」

このように、行動の先に、楽しい予定を提示することで、子どもは、その楽しい予定のために、自ら、行動を早めるようになります。

魔法の声かけ②:「どっちから始める?」

子どもは、「自分で決める」ということに、大きな喜びを感じます。
選択肢を与えることで、行動の主導権を、子どもに渡してあげるのです。

  • NG:「早く歯磨きしなさい!」
  • OK:「歯磨き、いちご味とぶどう味、どっちから始める?」
  • NG:「早くお風呂に入りなさい!」
  • OK:「お風呂、アヒルさんとゾウさん、どっちを連れて行く?」

どちらを選んでも、親の最終的なゴール(歯磨きをする、お風呂に入る)にたどり着ける選択肢を用意することがポイントです。

魔法の声かけ③:「ママも一緒に頑張るね!」

子どもは、親が、自分と同じ目線で、一緒に頑張ってくれることに、大きな安心感と、連帯感を覚えます。

  • NG:「早く片付けなさい!」
  • OK:「よし、ママも、この洗濯物、畳むの頑張るから、〇〇も、おもちゃのお片付け、一緒に頑張ろうね!」

このように、親も、自分のタスクを提示し、**「一緒に頑張る仲間」**という姿勢を見せることで、子どもは、「自分だけが、やらされている」という不満を感じにくくなります。

魔法の声かけを、さらに効果的にする3つのコツ

これらの魔法の声かけを、さらに効果的にするためのコツも、こっそりお教えします。

コツ1:具体的に伝える。「早く」は、抽象的すぎる!

「早く」という言葉は、子どもにとって、あまりにも抽象的で、何をどうすればいいのか、わかりません。
「あと5分で、着替えを終わらせようね」
「時計の長い針が、〇〇になったら、ご飯を終わりにしようね」
と、具体的な時間や、行動を伝えることで、子どもは、見通しを持って、行動できるようになります。

コツ2:結果ではなく「自主性」を褒める

「早くできたね!」と、結果だけを褒めるのではなく、
「自分で考えて、行動できたね!すごい!」
「自分で決めた時間に、ちゃんと始められて、えらいね!」
と、子どもの自主性や、自己管理能力を褒めることで、子どもの自信は、さらに深まっていきます。

コツ3:親も実践する。親の姿が、一番の教育

親自身も、「早くしなさい!」と言わないように意識し、子どもに良い手本を見せること。
親が、いつも時間に追われて、イライラしている姿を見せていると、子どもも、同じように、焦りや、イライラを、学習してしまいます。

親の焦りを手放す勇気

「早くしなさい!」
その言葉を、今日、手放してみませんか?

親の焦りが、子どものやる気を奪っているかもしれない、という事実に、一度、目を向けてみてください。

子どもの自主性を尊重し、魔法の声かけに変えること。
その小さな変化が、親子の関係を、良好にし、子どもの「自分で考えて行動する力」を、ぐんぐん育んでいく、何よりの栄養になるはずです。

「宿題やったの?」は逆効果!子どもが自分から机に向かう魔法の質問

「宿題やったの!?」…この言葉、一日何回、叫んでいますか?

学童から帰ってきて、ランドセルを放り投げ、一目散にテレビの前に走っていく我が子。

「ただいま」の次にママが発する言葉、それは…
「ねぇ、宿題やったの!?」

この言葉を合図に、毎日毎日、うんざりするような親子バトルが始まっていませんか?

「今やろうと思ってたのに!」
「後でやるって言ってるでしょ!」
「うるさいな!」

言えば言うほど、子どものやる気は削がれ、親のイライラは募っていく…。
私も3姉妹を育てる中で、この「宿題バトル」に、心底、疲弊していました。

でもある時、私は「宿題やったの?」と聞くのを、パタッとやめたんです。
そして、その代わりに**「ある一つの質問」**をするようにしました。

たったそれだけで、あれほど頑なに宿題を嫌がっていた子どもたちが、驚くほどスムーズに、自分から机に向かうようになったのです。

今日は、そんな魔法のような「質問」について、皆さんに共有させてください。

なぜ「宿題やったの?」は、子どものやる気を奪うのか

良かれと思って、私たちは毎日この言葉を繰り返します。
でも、この「宿題やったの?」という言葉は、子どもにとって、一体どんなメッセージとして聞こえているのでしょうか。

それは、

「ママは、僕(私)のことを見張っているんだ」
「どうせ、言われないとやらないって、信頼されてないんだ」

という、監視と不信のメッセージです。

親としては、子どもの将来を心配する愛情から出た言葉。
でも、子どもにとっては、親の不安が「コントロール」という形で押し付けられているように感じてしまう。

その結果、宿"やらされ感"がどんどん増していき、宿題そのものへの嫌悪感に繋がってしまうのです。

子どもの「やる気スイッチ」を入れる、たった一つの魔法の質問

では、「宿題やったの?」の代わりに、どんな言葉をかければいいのか。
私がたどり着いた、魔法の質問。

それは、

「今日の宿題、いつやる予定?」

です。

たったこれだけ?と思うかもしれません。
でも、この質問には、子どもの「やる気スイッチ」を入れる、2つの強力な効果が隠されています。

効果①:自分で決めることで「やらされ感」が「主体性」に変わる

「やりなさい」という命令ではなく、「いつやる?」と聞かれることで、子どもは、行動の主導権を自分に取り戻すことができます。

「うーん、テレビを見終わって、19時からやる」

そう、子どもが自分で口にした瞬間、それは「ママに言われたからやる宿題」ではなく、「自分で決めた時間にやる、自分のタスク」に変わるのです。

この「自分で決める」という自己決定のプロセスが、「やらされ感」を消し去り、主体的なやる気を引き出します。

効果②:「見守っているよ」という、親からの信頼のメッセージになる

「やりなさい」という命令は、裏を返せば「あなたはどうせやらないでしょ」という不信のメッセージ。

でも、「いつやる予定?」という質問は、**「あなたが自分で計画を立てて、それを実行できるって、ママは信じているよ」**という、温かい信頼のメッセージとして、子どもの心に届きます。

親から信じられている、と感じた子どもは、その信頼に応えようと、自ら頑張ることができるのです。

「魔法の質問」を、さらに効果的にする3つのコツ

この「魔法の質問」の効果を、さらに高めるための3つのコツも、こっそりお教えします。

コツ1:選択肢を与えて、さらに「自己決定」を促す

「今日の宿題、ご飯の前にやる?それとも、お風呂の後がいい?」
「国語と算数、どっちから先に片付けたい?」

このように、親がいくつかの選択肢を提示してあげることで、子どもはさらに「自分で選んだ」という感覚を持ちやすくなります。

コツ2:子どもが決めた時間を、親が「信じて待つ」

子どもが「20時からやる」と決めたのなら、それまでの間、親は、ぐっと我慢。
「まだやらないの?」「本当に20時からできるの?」なんて、絶対に言ってはいけません。

子どもが自分で決めた時間を、親が黙って信じ、尊重する姿勢を見せること。
その「待つ」という態度が、子どもの自己管理能力を育てます。

コツ3:結果ではなく「自分で決めて、行動できたこと」を褒める

宿題が終わったら、すかさず褒めてあげましょう。
でも、ここでもポイントが。

「宿題が終わってえらいね!」(結果)
ではなく、
「自分で決めた時間に、ちゃんと始められてすごいね!」(行動)
と褒めてあげるのです。

自分で自分を律することができた、その「自己管理能力」を褒めることで、子どもの自信はさらに深まっていきます。

親の役目は「監視」ではなく「信頼」

親の役目は、子どもを監視し、コントロールすることではありません。
子どもが、自分で自分のことを決め、行動する力を育む、その手助けをしてあげること。

「宿題やったの?」
その、不安からくる問いかけを、

「いつやる予定?」
この、信頼を込めた質問に、今日から変えてみませんか?

毎日の宿題バトルが、親子の信頼関係を育む、温かいコミュニケーションの時間に変わっていくことを、心から応援しています。

「ママの言うこと聞きなさい!」…それ、私が親に言われて一番嫌だった言葉。子どもの自主性を育む3つのヒント

「ママの言うこと聞きなさい!」その言葉、あなたは、今日、何回言いましたか?

子どもが、なかなか言うことを聞かない時。
子どもが、自分の思い通りに動いてくれない時。
あなたは、つい、こう言ってしまっていませんか?

「ママの言うこと聞きなさい!」

そのたびに、子どもの、不満そうな顔を見て、「あーあ、また言っちゃった…」と、自己嫌悪に陥る。
「でも、言わないと、やらないし…」
「どうすれば、ちゃんと、言うことを聞いてくれるんだろう…」
そんな不安に、押しつぶされそうになる日もありました。

3姉妹の母である私も、かつては、毎日のように、この「言うこと聞かせ問題」に、頭を悩ませてきました。
そして、その言葉が、ふと、昔、親に言われて一番嫌だった言葉と重なる。
「私も、親と同じことしてるな…」
そんな複雑な気持ちになることも、少なくありませんでした。

でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。

それは、「ママの言うこと聞きなさい!」…それ、私が親に言われて一番嫌だった言葉、ということ。
そして、子どもの自主性を育むためには、3つのヒントがあるのだ、と。

今日は、そんな、「ママの言うこと聞きなさい!」と言ってしまうママへ。
ママの心を軽くする「自主性を育む」思考について、お話しさせてください。

「ママの言うこと聞きなさい!」…それ、私が親に言われて一番嫌だった言葉。それは「親の経験」と「子どもの成長」

まず、知っておいてほしいこと。
それは、あなたが子どもに「ママの言うこと聞きなさい!」と言ってしまうのは、決して、あなたが悪いからではありません。
そこには、明確な理由があります。

  • 親の経験:親世代は、親の言うことを聞くことが「良い子」とされていた時代を生きてきました。そのため、子どもにも同じように求めてしまいがちです。
  • 子どもの成長:しかし、子どもは親の言うことを聞くだけでは成長できません。自分の頭で考え、自分で行動することで、自主性を育みます。

これらの要因が、複雑に絡み合い、ママの心を、深く傷つけてしまうのです。

なぜ「ママの言うこと聞きなさい!」は逆効果なのか?それは「強制」と「反発」

あなたは、もしかしたら、
「子どもは、親の言うことを聞くべきだ」
「子どもは、親の思い通りに動くべきだ」
といった「完璧な子ども像」を、自分に課していませんか?

その「期待」と、子どもの「言うことを聞かない」という「現実」とのギャップに、あなたは、イライラしてしまうのです。
でも、考えてみてください。
「ママの言うこと聞きなさい!」という言葉は、子どもにとって「強制」であり、自主性を奪います。
また、親への反発心も生まれ、かえって親子の関係を悪化させてしまうこともあります。

大切なのは、ゲームを一方的に否定するのではなく、ゲームと上手に付き合う方法を、子どもと一緒に考えることです。

子どもの自主性を育む!親の3つのヒント

では、どうすれば、私たちは、子どもの自主性を育み、ママも子どもも笑顔で過ごせるようになるのでしょうか。

ヒント1:「選択肢を与える」

子どもに選択肢を与え、自分で選ばせることが大切です。

  • 「お洋服、どっちがいい?」
  • 「おやつ、どっちがいい?」
  • 「遊び、どっちがいい?」

子どもが自分で選ぶことで、子どもは「自分で決めた」という達成感を得られ、自主性を育みます。

ヒント2:「失敗を経験させる」

失敗を恐れず、子どもに挑戦させ、失敗から学ばせることを意識しましょう。

  • 「失敗しても、大丈夫だよ」
  • 「失敗から、新しいことを学べるよ」
  • 「ママも、たくさん失敗してきたよ」

親が失敗を許容することで、子どもは、失敗を恐れず、新しいことに挑戦できるようになります。

ヒント3:「結果ではなく、過程を褒める」

結果だけでなく、努力の過程や、頑張ったことを褒めることが大切です。
「テストで100点取れたね!すごい!」だけでなく、
「この問題、難しかったのに、最後まで諦めずに頑張ったね!その頑張りが、本当にすごい!」
「毎日、宿題を頑張っているね!えらい!」

親に具体的に褒められることで、子どもは、「自分の努力が認められた」「自分はできるんだ」と感じ、自己肯定感を高めます。

親も「完璧な親」を手放す勇気を持つ

親自身も、完璧な親を目指すのではなく、自分を労わり、休息を取る心の余裕を持つことが大切ですし、
「完璧な親」を目指すあまり、子どもに過度な期待を押し付けたり、自分を追い詰めてしまったりしていませんか?

  • たまには、子どもが言うことを聞かなくても、大丈夫。
  • たまには、家事が手抜きでも、大丈夫。

親が「完璧」を手放すことで、子どもも、失敗を恐れず、新しいことに挑戦できるようになります。

子どもの健やかな成長を促すために

「ママの言うこと聞きなさい!」…それ、私が親に言われて一番嫌だった言葉。
選択肢を与え、失敗を経験させ、結果ではなく過程を褒めること。
それが、子どもの自主性を育み、心豊かに育つための、最も大切なことです。
そして、ママの笑顔は、子どもにとって、最高の贈り物になります。

どうか、あなたの笑顔を、大切にしてください。
あなたは、一人じゃない。
そして、あなたは、最高のママです。

「ちゃんとしなさい」という言葉が、一番ちゃんとしてない。子どもの自主性を育む魔法の声かけ

「ちゃんとしなさい!」その言葉、今日、何回言いましたか?

朝、なかなか準備が進まない子どもに。
散らかったおもちゃを片付けない子どもに。
宿題をなかなか始めない子どもに。

あなたは、つい、こう言ってしまっていませんか?
「ちゃんとしなさい!」

そのたびに、子どもの、不満そうな顔を見て、「あーあ、また言っちゃった…」と、自己嫌悪に陥る。
「でも、言わないと、やらないし…」
「どうすれば、ちゃんとやってくれるんだろう…」
そんな不安に、押しつぶされそうになる日もありました。

3姉妹の母である私も、かつては、この「ちゃんとしなさい!」という言葉を、何度も使ってきました。

でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。

それは、「ちゃんとしなさい!」という言葉が、一番ちゃんとしてない、ということ。
そして、この言葉の代わりに、子どもの自主性を育む、魔法の声かけがあるのだ、と。

今日は、そんな、「ちゃんとしなさい!」と言ってしまうママへ。
子どもの自主性を育む魔法の声かけと、親ができるサポートについて、お話しさせてください。

なぜ「ちゃんとしなさい!」は逆効果なのか?それは「抽象的」と「強制」

まず、知っておいてほしいこと。
それは、「ちゃんとしなさい!」という言葉は、子どもにとって、決して心地よいものではない、ということです。

  • 「抽象的」:子どもは、「ちゃんとしなさい!」と言われても、何をどうすればいいのか、具体的にわかりません。
  • 「強制」:親からの強制であり、子どもの自主性を奪ってしまいます。

子どもは、親に「ちゃんとしなさい!」と言われることで、

  • 「自分は、ダメな子なんだ」
  • 「ママは、私のことを信じてくれていない」
  • 「どうせ、言っても無駄だ」

と、感じてしまう可能性があります。
結果として、自分で考えて行動する力が育たず、指示待ちの子になってしまうことも、少なくありません。

子どもの自主性を育む!魔法の声かけ3つのヒント

では、どうすれば、私たちは、子どもの自主性を育み、自分で考えて行動できる子に育ててあげられるのでしょうか。

ヒント1:「具体的に伝える」

「ちゃんとしなさい」ではなく、「おもちゃを箱に戻してね」「宿題を始めようか」と具体的に伝えることが大切です。
子どもは、具体的に何をすればいいのかがわかることで、行動しやすくなります。
「〇〇してほしいな」
「〇〇してくれると、ママは嬉しいな」
と、お願いするような言葉で伝えるのも良いでしょう。

ヒント2:「選択肢を与える」

子どもに、自分で選択する機会を与えることで、自分で決めたという主体性が生まれます。

  • 「おもちゃ、先に片付ける?それとも、宿題を先にやる?」
  • 「今日の洋服、どっちがいい?」
  • 「お風呂、先に入る?それとも、後で入る?」

どちらを選んでも、親の最終的なゴール(片付ける、宿題をやる、お風呂に入る)にたどり着ける選択肢を用意することがポイントです。

ヒント3:「できたことを褒める」

結果だけでなく、努力の過程や、できたことを具体的に褒めることが大切です。
「おもちゃ、全部片付けられたね!すごい!」
「宿題、最後まで頑張ったね!えらい!」
「自分で洋服を選んで、着替えられたね!かっこいい!」

親に具体的に褒められることで、子どもは、「自分の努力が認められた」「自分はできるんだ」と感じ、自己肯定感を高めます。

親も「完璧」を手放す勇気を持つ

親自身も、完璧な子育てを目指すのではなく、多少のことは気にしない心の余裕を持つことが大切です。
「完璧なママ」を目指すあまり、子どもに過度な期待を押し付けたり、自分を追い詰めてしまったりしていませんか?

  • 多少、部屋が散らかっていても、大丈夫。
  • 多少、宿題を忘れても、大丈夫。
  • 多少、失敗しても、大丈夫。

親が「完璧」を手放すことで、子どもも、失敗を恐れず、新しいことに挑戦できるようになります。

子どもの心を豊かに育むために

「ちゃんとしなさい!」という言葉が、一番ちゃんとしてない。
子どもの自主性を育むためには、具体的に伝え、選択肢を与え、できたことを褒めること。
そして、親自身も完璧を手放す勇気を持つこと。

それが、子どもの心を豊かに育み、自分で考えて行動できる大人へと成長させるための、最も大切な教育です。
どうか、あなたの目の前で、「ちゃんとしなさい!」と言われて、困っている我が子を、
「ダメな子」だと、決めつけないでください。
その「ちゃんとしなさい!」は、あなたへの、そして、自分自身への、大切なメッセージなのですから。

習い事、何をさせるかより「やめさせ方」が100倍大事!後悔しないための親子の話し合いのコツ

「もう、ピアノ行きたくない…」その時、あなたはどうしますか?

「ママ、あのね…。もう、ピアノ、行きたくないんだ」

ある日、子どもから、突然、そう告げられた時。
あなたの心の中には、どんな感情が渦巻くでしょうか。

「え、なんで!?あんなに『やりたい』って言ってたじゃない!」
「月謝だって、安くないのに…」
「せっかく、ここまで続けたのに、もったいない!」

焦り、戸惑い、そして、ちょっぴりの怒り…。
その気持ち、3姉妹を育てる母として、私も、何度も経験してきました。

でも、子どもの「やめたい」という言葉は、実は、その子の将来を左右する、非常に重要な「分岐点」。
ここで親がどう対応するかで、その子が、困難なことからすぐに逃げ出す「辞めグセ」のある子になるか、自分で考えて乗り越える力を持つ子になるかが決まる、と言っても、過言ではないのです。

今日は、私が、長女の習い事で、一度、大きな後悔をした経験から学んだ、「やめさせ方」の重要性について、お話しさせてください。

なぜ「やめさせ方」が、そんなに大事なのか?

子どもの「やめたい」という気持ち。
その背景には、様々な理由が隠されています。

その気持ちに、きちんと向き合わないまま、

  • 「そう、わかった。じゃあ、やめれば?」と、安易に許可してしまう
    →子どもは、「嫌なこと、難しいことは、すぐに投げ出していいんだ」と学習してしまいます。これが、「辞めグセ」の始まりです。

  • 「絶対にダメ!続けなさい!」と、頭ごなしに強制する
    →子どもは、「自分の気持ちは、聞いてもらえないんだ」と、心を閉ざし、自己肯定感を下げてしまいます。親への不信感にも繋がります。

どちらの対応も、子どもの健やかな成長にとっては、マイナスでしかありません。
大切なのは、やめさせるか、続けさせるか、という二者択一ではなく、子どもが、自分の気持ちと向き合い、納得して、次の一歩を踏み出すための、プロセスそのものなのです。

親が絶対にやってはいけない!NGな対応3選

子どもの「やめたい」を聞いた時、カッとなって、こんな対応をしていませんか?

NG①:感情的に怒り、親の都合を押し付ける

「今まで、月謝をいくら払ったと思ってるの!」
「ママが、毎週、送り迎えしてるのだって、大変なんだからね!」
お金や、親の労力の話を持ち出すのは、最悪です。子どもは、罪悪感で、心を閉ざしてしまいます。

NG②:根性論を振りかざし、気持ちを無視する

「みんな、頑張ってるんだから、あなたも頑張りなさい!」
「石の上にも三年って言うでしょ!」
子どもの「なぜ、やめたいのか」という、一番大切な気持ちを、完全に無視した、一方的な精神論です。

NG③:理由も聞かずに、即決で許可する

「はいはい、わかった、わかった。じゃあ、もうやめようね」
一見、子どもの気持ちを尊重しているように見えますが、これは、親が、子どもと向き合うことを「放棄」しているのと同じ。子どもは、「自分は、その程度の存在なんだ」と感じてしまいます。

子どもの「次の一歩」に繋がる!親子の“前向きな”話し合い・3ステップ

では、どうすればいいのか。
私が実践している、親子の話し合いの3つのステップをご紹介します。

ステップ1:まずは、気持ちを、丸ごと受け止める(共感)

「そっか、行きたくないんだね」
「練習、しんどくなっちゃったんだね」

と、まずは、子どもの「やめたい」という気持ちを、一切、否定せずに、受け止めます。
「なんで?」と質問攻めにせず、「そうか、そうか」と、子どもが、安心して、自分の気持ちを吐き出せる「安全基地」になってあげましょう。

ステップ2:「なぜ、やめたいのか」本当の理由を、一緒に探る(深掘り)

心が落ち着いたら、いよいよ、本題です。
「行きたくない」という言葉の裏に隠された、本当の理由を、一緒に、探っていきます。

  • 先生が怖い、厳しい?
  • クラスに、苦手な友達がいる?
  • 練習が、難しくて、ついていけない?
  • 他に、もっとやりたいことが、できた?

「もし、〇〇がなかったら、続けられそう?」と、角度を変えて質問してみるのも、効果的です。
親が、探偵になったつもりで、冷静に、本当の原因を、突き止めましょう。

ステップ3:解決策と「やめる前の目標」を、一緒に決める(伴走)

もし、原因が、練習方法や、人間関係など、解決可能な問題であれば、「先生に、少し相談してみようか」「この練習方法を、試してみない?」と、解決策を、一緒に考えます。

それでも、「やめたい」という気持ちが固い場合は、**「やめる前の、着地点」**を、親子で、一緒に決めるのです。

「わかった。じゃあ、次の発表会で、この曲を弾いたら、終わりにしようか」
「このテキストが、全部終わるまでは、頑張ってみない?それができたら、ママも、納得できるから」

と、親子で納得できるゴールを設定する。
この**「自分で決めたゴールまで、やり切った」**という経験が、たとえ、習い事をやめるという結果になったとしても、子どもの中に、大きな自信と、達成感を、残してくれるのです。

「やめる」は「失敗」じゃない。「次へ進む」ための、大切な“決断”です

習い事をやめることは、決して「失敗」や「挫折」ではありません。
それは、子どもが、自分の気持ちと向き合い、自分には合わないことを見極め、次へ進むために下した、**尊い「決断」**なのです。

親の役目は、その習い事を、無理やり続けさせることではありません。
子どもが、その「決断」のプロセスを通して、自分で考え、納得し、次の一歩を踏み出すための、最高の伴走者になってあげること。

その経験こそが、将来、お子さんが、勉強や、仕事や、人間関係で、困難な壁にぶつかった時に、自分で考え、乗り越えていくための、本当の「生きる力」になるのですから。