「宿題やったの!?」…この言葉、一日何回、叫んでいますか?
学童から帰ってきて、ランドセルを放り投げ、一目散にテレビの前に走っていく我が子。
「ただいま」の次にママが発する言葉、それは…
「ねぇ、宿題やったの!?」
この言葉を合図に、毎日毎日、うんざりするような親子バトルが始まっていませんか?
「今やろうと思ってたのに!」
「後でやるって言ってるでしょ!」
「うるさいな!」
言えば言うほど、子どものやる気は削がれ、親のイライラは募っていく…。
私も3姉妹を育てる中で、この「宿題バトル」に、心底、疲弊していました。
でもある時、私は「宿題やったの?」と聞くのを、パタッとやめたんです。
そして、その代わりに**「ある一つの質問」**をするようにしました。
たったそれだけで、あれほど頑なに宿題を嫌がっていた子どもたちが、驚くほどスムーズに、自分から机に向かうようになったのです。
今日は、そんな魔法のような「質問」について、皆さんに共有させてください。
なぜ「宿題やったの?」は、子どものやる気を奪うのか
良かれと思って、私たちは毎日この言葉を繰り返します。
でも、この「宿題やったの?」という言葉は、子どもにとって、一体どんなメッセージとして聞こえているのでしょうか。
それは、
「ママは、僕(私)のことを見張っているんだ」
「どうせ、言われないとやらないって、信頼されてないんだ」
という、監視と不信のメッセージです。
親としては、子どもの将来を心配する愛情から出た言葉。
でも、子どもにとっては、親の不安が「コントロール」という形で押し付けられているように感じてしまう。
その結果、宿"やらされ感"がどんどん増していき、宿題そのものへの嫌悪感に繋がってしまうのです。
子どもの「やる気スイッチ」を入れる、たった一つの魔法の質問
では、「宿題やったの?」の代わりに、どんな言葉をかければいいのか。
私がたどり着いた、魔法の質問。
それは、
「今日の宿題、いつやる予定?」
です。
たったこれだけ?と思うかもしれません。
でも、この質問には、子どもの「やる気スイッチ」を入れる、2つの強力な効果が隠されています。
効果①:自分で決めることで「やらされ感」が「主体性」に変わる
「やりなさい」という命令ではなく、「いつやる?」と聞かれることで、子どもは、行動の主導権を自分に取り戻すことができます。
「うーん、テレビを見終わって、19時からやる」
そう、子どもが自分で口にした瞬間、それは「ママに言われたからやる宿題」ではなく、「自分で決めた時間にやる、自分のタスク」に変わるのです。
この「自分で決める」という自己決定のプロセスが、「やらされ感」を消し去り、主体的なやる気を引き出します。
効果②:「見守っているよ」という、親からの信頼のメッセージになる
「やりなさい」という命令は、裏を返せば「あなたはどうせやらないでしょ」という不信のメッセージ。
でも、「いつやる予定?」という質問は、**「あなたが自分で計画を立てて、それを実行できるって、ママは信じているよ」**という、温かい信頼のメッセージとして、子どもの心に届きます。
親から信じられている、と感じた子どもは、その信頼に応えようと、自ら頑張ることができるのです。
「魔法の質問」を、さらに効果的にする3つのコツ
この「魔法の質問」の効果を、さらに高めるための3つのコツも、こっそりお教えします。
コツ1:選択肢を与えて、さらに「自己決定」を促す
「今日の宿題、ご飯の前にやる?それとも、お風呂の後がいい?」
「国語と算数、どっちから先に片付けたい?」
このように、親がいくつかの選択肢を提示してあげることで、子どもはさらに「自分で選んだ」という感覚を持ちやすくなります。
コツ2:子どもが決めた時間を、親が「信じて待つ」
子どもが「20時からやる」と決めたのなら、それまでの間、親は、ぐっと我慢。
「まだやらないの?」「本当に20時からできるの?」なんて、絶対に言ってはいけません。
子どもが自分で決めた時間を、親が黙って信じ、尊重する姿勢を見せること。
その「待つ」という態度が、子どもの自己管理能力を育てます。
コツ3:結果ではなく「自分で決めて、行動できたこと」を褒める
宿題が終わったら、すかさず褒めてあげましょう。
でも、ここでもポイントが。
「宿題が終わってえらいね!」(結果)
ではなく、
「自分で決めた時間に、ちゃんと始められてすごいね!」(行動)
と褒めてあげるのです。
自分で自分を律することができた、その「自己管理能力」を褒めることで、子どもの自信はさらに深まっていきます。
親の役目は「監視」ではなく「信頼」
親の役目は、子どもを監視し、コントロールすることではありません。
子どもが、自分で自分のことを決め、行動する力を育む、その手助けをしてあげること。
「宿題やったの?」
その、不安からくる問いかけを、
「いつやる予定?」
この、信頼を込めた質問に、今日から変えてみませんか?
毎日の宿題バトルが、親子の信頼関係を育む、温かいコミュニケーションの時間に変わっていくことを、心から応援しています。
