「ちゃんとしなさい!」その言葉、今日、何回言いましたか?
朝、なかなか準備が進まない子どもに。
散らかったおもちゃを片付けない子どもに。
宿題をなかなか始めない子どもに。
あなたは、つい、こう言ってしまっていませんか?
「ちゃんとしなさい!」
そのたびに、子どもの、不満そうな顔を見て、「あーあ、また言っちゃった…」と、自己嫌悪に陥る。
「でも、言わないと、やらないし…」
「どうすれば、ちゃんとやってくれるんだろう…」
そんな不安に、押しつぶされそうになる日もありました。
3姉妹の母である私も、かつては、この「ちゃんとしなさい!」という言葉を、何度も使ってきました。
でも、ナースとして、そして、母として、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。
それは、「ちゃんとしなさい!」という言葉が、一番ちゃんとしてない、ということ。
そして、この言葉の代わりに、子どもの自主性を育む、魔法の声かけがあるのだ、と。
今日は、そんな、「ちゃんとしなさい!」と言ってしまうママへ。
子どもの自主性を育む魔法の声かけと、親ができるサポートについて、お話しさせてください。
なぜ「ちゃんとしなさい!」は逆効果なのか?それは「抽象的」と「強制」
まず、知っておいてほしいこと。
それは、「ちゃんとしなさい!」という言葉は、子どもにとって、決して心地よいものではない、ということです。
- 「抽象的」:子どもは、「ちゃんとしなさい!」と言われても、何をどうすればいいのか、具体的にわかりません。
- 「強制」:親からの強制であり、子どもの自主性を奪ってしまいます。
子どもは、親に「ちゃんとしなさい!」と言われることで、
- 「自分は、ダメな子なんだ」
- 「ママは、私のことを信じてくれていない」
- 「どうせ、言っても無駄だ」
と、感じてしまう可能性があります。
結果として、自分で考えて行動する力が育たず、指示待ちの子になってしまうことも、少なくありません。
子どもの自主性を育む!魔法の声かけ3つのヒント
では、どうすれば、私たちは、子どもの自主性を育み、自分で考えて行動できる子に育ててあげられるのでしょうか。
ヒント1:「具体的に伝える」
「ちゃんとしなさい」ではなく、「おもちゃを箱に戻してね」「宿題を始めようか」と具体的に伝えることが大切です。
子どもは、具体的に何をすればいいのかがわかることで、行動しやすくなります。
「〇〇してほしいな」
「〇〇してくれると、ママは嬉しいな」
と、お願いするような言葉で伝えるのも良いでしょう。
ヒント2:「選択肢を与える」
子どもに、自分で選択する機会を与えることで、自分で決めたという主体性が生まれます。
- 「おもちゃ、先に片付ける?それとも、宿題を先にやる?」
- 「今日の洋服、どっちがいい?」
- 「お風呂、先に入る?それとも、後で入る?」
どちらを選んでも、親の最終的なゴール(片付ける、宿題をやる、お風呂に入る)にたどり着ける選択肢を用意することがポイントです。
ヒント3:「できたことを褒める」
結果だけでなく、努力の過程や、できたことを具体的に褒めることが大切です。
「おもちゃ、全部片付けられたね!すごい!」
「宿題、最後まで頑張ったね!えらい!」
「自分で洋服を選んで、着替えられたね!かっこいい!」
親に具体的に褒められることで、子どもは、「自分の努力が認められた」「自分はできるんだ」と感じ、自己肯定感を高めます。
親も「完璧」を手放す勇気を持つ
親自身も、完璧な子育てを目指すのではなく、多少のことは気にしない心の余裕を持つことが大切です。
「完璧なママ」を目指すあまり、子どもに過度な期待を押し付けたり、自分を追い詰めてしまったりしていませんか?
- 多少、部屋が散らかっていても、大丈夫。
- 多少、宿題を忘れても、大丈夫。
- 多少、失敗しても、大丈夫。
親が「完璧」を手放すことで、子どもも、失敗を恐れず、新しいことに挑戦できるようになります。
子どもの心を豊かに育むために
「ちゃんとしなさい!」という言葉が、一番ちゃんとしてない。
子どもの自主性を育むためには、具体的に伝え、選択肢を与え、できたことを褒めること。
そして、親自身も完璧を手放す勇気を持つこと。
それが、子どもの心を豊かに育み、自分で考えて行動できる大人へと成長させるための、最も大切な教育です。
どうか、あなたの目の前で、「ちゃんとしなさい!」と言われて、困っている我が子を、
「ダメな子」だと、決めつけないでください。
その「ちゃんとしなさい!」は、あなたへの、そして、自分自身への、大切なメッセージなのですから。
