「周りの子はもうオムツが外れてるのに、うちはまだ…」
「一体、何歳からトイトレを始めたらいいの?」
子どもの成長は嬉しいものですが、トイレトレーニング(トイトレ)ほど、親を悩ませ、焦らせるイベントもありませんよね。「早く始めなきゃ」というプレッシャーと、「でも、どうやって?」という戸惑いの間で、心が揺れ動く…。
その気持ち、痛いほどわかります。私も3人の娘たちのトイトレでは、それぞれ違う壁にぶつかり、一喜一憂する毎日でした。
でも、断言します。トイトレは、フライングしても、親が焦っても、絶対にうまくいきません。
大切なのは、月齢や年齢といった「数字」ではなく、子どもが心と体で発している**「始めどきだよ!」というサインを見逃さないこと。そして、何よりも親自身が、焦らず、どっしりと構えること**です。
この記事では、現役ママナースである私が、
- トイトレの成否を分ける、3つの「始めどき」サイン
- 「夏がいい」は本当?季節よりも大切なこと
- 親のイライラが子どもに伝わる?トイトレを始める前の、親の心構え
を、具体的にお伝えします。
この記事を読めば、トイトレに対する漠然とした焦りが消え、「我が子のペースで、一緒に進めていこう」と、穏やかな気持ちでスタートラインに立てるはずです。
数字に惑わされないで!見逃したくない3つの「始めどき」サイン
「2歳になったから」「3歳までに」といった年齢は、あくまで一般的な目安にすぎません。本当に大切なのは、以下の3つのサインがお子さんに見られるかどうかです。
サイン1:【体】おしっこの間隔が2時間以上あく
これは、膀胱におしっこを溜めておける機能が育ってきた証拠です。朝起きた時や、お昼寝の後、オムツが濡れていないことが増えてきたら、体が「トイレで排泄する準備」を始めているサインと捉えましょう。
サイン2:【心】自分で「やりたい」という気持ちが芽生える
- トイレに興味を示し、親の真似をしたがる。
- 「おしっこ、でたよ」と事後報告してくれる。
- 「自分でズボンを脱ぎたい、履きたい」という意欲を見せる。
このような「自立心」の芽生えは、トイトレをスムーズに進めるための、何よりの原動力になります。子どもの「やりたい!」という気持ちを、うまくトイレへと誘導してあげましょう。
サイン3:【頭】簡単な言葉を理解し、意思疎通ができる
- 「おしっこ、したくなった?」という問いかけに、「うん」「ううん」などで答えられる。
- 「トイレに行ってみようか」という誘いを理解できる。
言葉でのコミュニケーションが取れるようになると、親子で「トイレに行く」という共通の目標に向かって、協力しやすくなります。
これら3つのサインが揃っていれば、たとえ1歳半でも、3歳を過ぎていても、それがその子にとっての「ベストな始めどき」です。
「夏がいい」は本当?季節よりも大切なこと
よく「トイトレは夏に始めるのが良い」と言われます。確かに、薄着で脱ぎ着がしやすく、洗濯物も乾きやすい夏は、物理的なメリットが大きい季節です。
しかし、最も優先すべきは、前述した「子どもの始めどきサイン」と、「親の心の余裕」です。
例えば、
- 下の子が生まれたばかりで、ママが心身ともに疲弊している夏
- 仕事の繁忙期で、パパもママも時間に追われている夏
こんな時期に無理に始めても、親子でイライラしてしまうだけです。たとえ冬であっても、子どもの準備が整い、親が「よし、やってみようか!」と穏やかな気持ちで向き合えるのであれば、そのタイミングがベストなのです。
始める前に。親の心がまえ3か条
トイトレの最大の敵は、親の「焦り」と「イライラ」です。始める前に、この3つを心に刻んでおきましょう。
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失敗して当たり前、と心得る。
お漏らしは、トイトレの一部です。失敗するたびに怒ったり、ため息をついたりしていては、子どもはトイレに行くこと自体が怖くなってしまいます。「大丈夫、大丈夫!」「次はトイレでできるといいね」と、笑顔で後始末をする覚悟を持ちましょう。 -
他人と比べない。
「〇〇ちゃんは、もうパンツなんだって」は禁句です。子どもの発達のペースは、一人ひとり全く違います。比べるべきは、他人ではなく、「昨日より少しだけ成長した我が子」です。 -
中断する勇気を持つ。
もし、始めてみて、子どもが極端にトイレを嫌がったり、親子ともにストレスが大きすぎると感じたりしたら、一度お休みしたっていいんです。「またパンツに戻ろうか!」と、潔く中断する勇気も大切。数週間後、数ヶ月後には、あっさり成功することだってあります。
まとめ:トイトレは「競争」じゃない。親子の共同作業を楽しもう
トイトレのスタートラインは、年齢や季節で決めるものではありません。
- 「おしっこの間隔」「自分でやりたい気持ち」「言葉の理解」という3つのサインを見逃さない。
- 季節よりも、子どもの準備と親の心の余裕を優先する。
- 失敗を恐れず、他人と比べず、ダメなら中断する勇気を持つ。
トイトレは、誰かと競うレースではありません。子どもが「自分でできた!」という自信を育み、親がその成長を喜び合う、かけがえのない共同作業です。
焦らず、気負わず、お子さんのペースを信じて、この一大イベントを親子で楽しむくらいの気持ちで、始めてみてくださいね。