一口も食べずに、お皿をバーン!…もう、心が折れそうです
せっかく栄養バランスを考えて、時間をかけて作ったのに…。
プイッと横を向かれ、ベーッと吐き出され、しまいにはお皿ごと床に落とされる。
食後のキッチンで、床に散らばったご飯を片付けながら、一人で深いため息をついている…。そんな毎日を送っていませんか?
「このままじゃ、栄養が偏って、ちゃんと成長できないんじゃないか…」
「私の料理が下手だから、この子は食べてくれないの…?」
その気持ち、痛いほどわかります。
何を隠そう、我が家の次女は、なかなかの好き嫌い女王でした。特に緑の野菜は天敵!あの手この手で食べさせようとしましたが、惨敗の毎日。私のほうが泣きたくなっていました。
でも、ある時気づいたんです。
結論:子どもの偏食は、親の料理の腕や愛情の問題ではありません。それは、子どもの脳と体が、本能に従って成長している、極めて自然な証拠なのです。
この記事では、3人の娘を育てたママナースの私が、
- 【科学的に解説】あなたのせいじゃない!子どもが偏食になる本当の理由
- 【体験談】好き嫌い女王の次女がピーマンを食べた!魔法の工夫5選
- 【ママナースの安心処方箋】これだけ食べてればOK!な最低ライン
- よくある質問(Q&A)
を、徹底的に解説します。
この記事を読めば、「食べさせる」という戦いから解放され、親子の食事の時間が、もっと笑顔の多いものになりますよ。
あなたのせいじゃない!子どもが偏食になる科学的な理由
まず、自分を責めるのをやめるために、これだけは知っておいてください。子どもの偏食は「わがまま」ではなく、ちゃんとした理由があるんです。
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味覚が超敏感
子どもの舌にある味を感じるセンサー「味蕾(みらい)」の数は、なんと大人の約3倍!特に、野菜の「苦味」や「酸味」は、本能的に「毒」や「腐敗物」と認識してしまうため、避けるのは当たり前の防衛反応なのです。 -
見慣れないものへの恐怖(新奇性恐怖)
人間には、見たことのない食べ物を警戒する本能が備わっています。初めて見る食材をすぐに口に入れないのは、むしろ賢い証拠とも言えます。 -
嫌な記憶との結びつき
一度食べて「おえっ」となった食感や、無理やり食べさせられたという嫌な経験が、特定の食べ物への拒否反応に繋がっている場合もあります。
【体験談】好き嫌い女王の次女が食べた!魔法の工夫5選
理屈は分かっても、やっぱり食べてほしいのが親心。我が家で効果があった、無理強いしないための5つの工夫をご紹介します。
工夫1:最強の調味料「お腹すいた!」を引き出す
結局のところ、これに勝るものはありません。
- ダラダラ食べをやめる: おやつの時間を決め、食事の時間にはちゃんとお腹が空いている状態を作りましょう。
- 思いっきり体を動かす: 天気の良い日は公園へGO!体を動かせば、子どもの食欲スイッチは自然とONになります。
工夫2:「シェフ、お願いします!」と任命する
子どもは、自分が関わったものに興味を持つ天才です。
- レタスをちぎる
- ミニトマトのヘタを取る
- 野菜の型抜きをする
「〇〇シェフが作ってくれたサラダ、最高においしい!」と褒めちぎれば、苦手な野菜にも手を伸ばしてくれるかもしれません。我が家では、これでキュウリ嫌いを克服しました!
工夫3:見た目を100%変える「変身の術」
原型が分からなくなれば、子どもの警戒心は解けます。
- 細かく刻んで大好物に混ぜる: ハンバーグ、カレー、お好み焼きは、苦手野菜を隠す三大神メニューです。
- すりおろして「魔法の粉」に: 我が家の次女がピーマンを食べた方法がこれ。ピーマンをすりおろして、カレー粉などと混ぜて唐揚げの下味に。本人は気づかず「おいしい!」と完食でした(笑)。
工夫4:「みんなと一緒」マジックを利用する
家では絶対に食べないのに、保育園の給食では完食、なんてことありませんか?
お友達や、大好きなキャラクターの力を借りましょう。
- お友達と食べる: お友達が美味しそうに食べているのを見ると、「自分も!」とつられて食べることがよくあります。
- キャラクターの力を借りる: 「ピーマンマンは、バイキンをやっつけてくれるんだって!」など、物語の力を使うのも効果的です。
工夫5:「一口チャレンジ」でハードルを下げる
「全部食べなさい」は、子どもにとって高すぎる壁です。
「一口だけ味見してみない?」と、ゲーム感覚で誘ってみましょう。もし挑戦できたら、たとえベーっと出してしまっても、**「チャレンジできた勇気」**を、思いっきり褒めてあげてください。その勇気が、次の「一口」に繋がります。
【ママナースの安心処方箋】これだけ食べてれば、ひとまずOK!
「色々試したけど、やっぱり食べない…」そんな時、親として一番心配なのは栄養面ですよね。看護師として、これだけは知っておいてほしい「安心ライン」です。
- 炭水化物(ごはん、パン、麺類)は食べているか?
- タンパク質(肉、魚、卵、豆腐、乳製品)のうち、何か一つでも食べているか?
- ビタミン・ミネラル類(野菜、果物)のうち、何か一つでも食べているか?
- そして何より、母子手帳の成長曲線のカーブに沿って、体重が増えているか?
もし、これらがクリアできているなら、栄養失調になることは、まずありません。
多少の偏食は、成長過程の一時的なもの。今は食べなくても、数ヶ月後、数年後には、ケロッと食べていることがほとんどです。
ただし、極端に特定の食品しか食べない、水分もあまり摂らない、体重が減ってきた、などの場合は、かかりつけの小児科に相談してくださいね。
まとめ:ママの「まあ、いっか」が、子どもの食を広げる
子どもの偏食と向き合う日々は、本当に根気がいります。
でも、一番大切なのは、食事の時間が、親子にとって「戦いの時間」にならないこと。
「一口でも食べられたら、100点満点!」
「今日はダメでも、まあ、いっか!」
親が気楽に構えるその姿勢が、子どもの「食べてみようかな」という気持ちを、一番引き出してくれます。
あなたの頑張りは、必ずお子さんに伝わっています。自分を責めずに、今日の自分をたくさん褒めてあげてくださいね。
