はじめに:「突然の鼻血に、どうすればいいの?」そのパニック、分かります
「ママ、鼻血が出た!」
突然、子どもの鼻からタラタラと流れ出す真っ赤な血。
ティッシュで押さえても止まらないと、親も子どももパニックになってしまいますよね。
「上を向かせればいいの?下を向かせればいいの?」
「ティッシュを詰めるのは正しいの?」
「このままずっと止まらなかったらどうしよう…」
そんな不安や疑問で、頭がいっぱいになっていませんか?
こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。
私自身も、娘たちの突然の鼻血に直面し、どう対応すべきか悩んだ経験があります。でも、看護師として、そして母として、正しい止血法を知っていることが、いざという時に冷静に対応し、子どもの不安を和らげるためにどれほど重要かを痛感しています。
この記事では、そんなあなたの不安に寄り添い、子どもが鼻血を出した際の正しい止血方法と、鼻血を繰り返す場合の考えられる原因、そして家庭でできる対処法や病院を受診すべき目安をママナースの視点から分かりやすく解説します。
さあ、お子さんの「つらい」に寄り添い、親が冷静に判断し、適切に対応するための一歩を、一緒に踏み出しましょう。
なぜ子どもは鼻血を出しやすいの?~主な原因と理解すべきこと~
子どもは大人に比べて鼻血を出しやすい傾向があります。その原因を理解することで、適切な対策を講じることができます。
1.鼻の粘膜がデリケート
子どもの鼻の粘膜は、大人に比べて薄く、毛細血管が豊富に走っています。特に、鼻の入り口から1~2cm奥にある「キーゼルバッハ部位」と呼ばれる場所は、血管が集中しており、少しの刺激でも出血しやすいです。
2.鼻をいじる癖
子どもは、鼻をほじったり、こすったりする癖があることが多いです。これにより、デリケートな鼻の粘膜が傷つき、出血しやすくなります。
3.アレルギー性鼻炎や風邪
アレルギー性鼻炎や風邪で鼻の粘膜が炎症を起こしていると、血管がもろくなり、出血しやすくなります。鼻をかむ回数が増えることも、鼻血の原因となります。
4.乾燥
空気が乾燥していると、鼻の粘膜も乾燥し、傷つきやすくなります。特に冬場や、エアコンの効いた部屋では注意が必要です。
5.その他
- 打撲: 鼻をぶつけたり、転んだりした場合。
- のぼせ: 体が温まりすぎた場合。
- 稀に病気が隠れている場合: 血液の病気や、鼻の腫瘍など、ごく稀に重篤な病気が隠れている場合もあります。
<ママナースの視点>
子どもの鼻血は、ほとんどの場合、心配のないものです。しかし、正しい止血法を知らないと、かえって出血を長引かせたり、子どもを不安にさせたりすることがあります。
子どもの鼻血:正しい止血法と家庭での対処法
子どもが鼻血を出した際の正しい止血法と、家庭でできる対処法をご紹介します。
1.正しい止血法:慌てずに、この3ステップ!
- ステップ1:落ち着かせる
- 子どもがパニックになっていると、血圧が上がり、出血が止まりにくくなります。まずは「大丈夫だよ」と優しく声をかけ、落ち着かせましょう。
- ステップ2:座らせて、少しうつむかせる
- 絶対に上を向かせないでください! 上を向かせると、血が喉に流れ込み、吐き気や窒息の原因になります。座らせて、少しうつむかせ、血を外に出しましょう。
- ステップ3:小鼻を強く押さえる
- 鼻の付け根ではなく、小鼻(鼻の柔らかい部分)を親指と人差し指でしっかりとつまみ、5分〜10分間、強く押さえ続けましょう。 途中で様子を見ようと指を離さないでください。
- ポイント: 鼻の穴にティッシュや綿を詰めるのは、粘膜を傷つけたり、取り出す際に再出血したりする原因になるので、基本的にはおすすめしません。
2.家庭でできる対処法
- 冷やす: 鼻の付け根や、首の後ろを冷たいタオルや保冷剤などで冷やすと、血管が収縮し、止血効果が高まります。
- 加湿: 空気が乾燥している場合は、加湿器を使用したり、濡れタオルを干したりして、部屋の湿度を保ちましょう。
- 鼻をいじる癖を直す: 子どもが鼻をいじる癖がある場合は、優しく注意し、手遊びなどで気をそらしましょう。
- 鼻の保湿: 乾燥が気になる場合は、ワセリンなどを綿棒で鼻の入り口に薄く塗ってあげると、粘膜の乾燥を防げます。
こんな時は病院へ!受診の目安
ほとんどの鼻血は家庭での対処で止まりますが、以下のような場合は、迷わず専門医を受診しましょう。
1.受診を検討すべき目安
- 10分以上、止血しても血が止まらない。
- 出血量が多い(洗面器がいっぱいになる、血の塊が出るなど)。
- 鼻血を繰り返す(特に、月に何度も出る場合)。
- 鼻血以外にも、あざができやすい、歯茎から出血しやすいなど、他の出血傾向がある。
- 顔色が悪い、ぐったりしている、意識が朦朧としているなど、全身状態が悪い。
- 鼻をぶつけた後、鼻の形が変形している、鼻血が止まらない。
- 鼻の中に異物を入れた可能性がある場合。
2.主な相談先
- 耳鼻咽喉科: 鼻血の原因を特定し、適切な治療をしてくれます。
- 小児科: 全身状態を診て、必要であれば専門医を紹介してくれます。
<ママナースの重要メモ>
鼻血は、見た目以上に血が出ているように見えることがあります。親は冷静に、子どもの状態を観察し、必要であればためらわずに専門家を頼ってください。
まとめ:正しい知識と冷静な対応が、子どもの安心に繋がる
子どもの鼻血は、親にとって心配の種ですが、正しい止血法と適切な対処法を知っていれば、慌てずに対応することができます。
完璧なケアを目指す必要はありません。大切なのは、お子さんの状態をよく観察し、異変に気づいたら早めに専門家を頼ることです。
あなたのその愛情と、適切な判断が、お子さんの健やかな成長と、親子の笑顔を育む、何よりの力になります。