持病

持病のある子の災害対策:薬・医療機器の備えから避難所での生活まで【ママナースが解説】

「もし災害が起きたら、この子の薬はどうなるんだろう…」「避難所で、医療機器は使えるのかな…」

持病のあるお子さんを持つママ・パパにとって、災害への備えは、一般的な家庭以上に大きな不安を伴いますよね。私も3姉妹の母として、もし子どもが持病を持っていたら、災害時にどうすれば良いのか、常に考えてしまいます。「いざという時に、この子を守れるだろうか」と、漠然とした不安を抱えている方も多いのではないでしょうか。

災害は、いつ起こるか分かりません。しかし、持病のあるお子さんの場合、日頃から適切な医療ケアが必要であり、災害時にもそのケアを継続できるかどうかが、命に関わる問題となります。今回は、現役ママナースの私が、持病のあるお子さんを持つママ・パパのために、災害時の薬・医療機器の備え、避難所での生活の注意点、そして周囲との情報共有の重要性について、私の経験も交えながら分かりやすく解説します。安心して災害に備えるためのヒントを見つけてくださいね。

持病のある子の災害対策、なぜ特別な配慮が必要?

持病のあるお子さんは、災害時に以下のような特別な配慮が必要となります。

  • 薬の継続: 毎日服用している薬が途切れると、病状が悪化する可能性があります。
  • 医療機器の維持: 人工呼吸器や吸引器、インスリンポンプなど、医療機器を使用している場合、停電やバッテリー切れで機器が使えなくなると、命に関わります。
  • 食事制限: 食物アレルギーや糖尿病など、食事制限がある場合、避難所での食事では対応が難しいことがあります。
  • 感染症のリスク: 避難所での集団生活は、感染症のリスクが高まります。免疫力が低下しているお子さんは、特に注意が必要です。
  • 精神的なケア: 環境の変化やストレスで、病状が悪化したり、精神的に不安定になったりすることがあります。

これらの課題を乗り越えるためには、日頃からの周到な準備と、周囲との連携が不可欠です。

災害時の薬・医療機器の備え

1. 薬の備蓄と管理

  • 最低1週間分、できれば1ヶ月分: 普段服用している薬は、最低1週間分、できれば1ヶ月分を備蓄しておきましょう。かかりつけ医や薬剤師と相談し、多めに処方してもらうことも検討してください。
  • お薬手帳のコピー: お薬手帳のコピーや、服用している薬のリスト(薬の名前、量、回数、効能など)を、非常用持ち出し袋に入れておきましょう。可能であれば、スマートフォンの写真に撮っておくのも良いでしょう。
  • 薬の保管方法: 薬によっては、温度管理が必要なものもあります。保冷剤や保冷バッグを活用し、適切な温度で保管できるよう準備しましょう。
  • 使用期限の確認: 定期的に薬の使用期限を確認し、古いものから消費する「ローリングストック」を心がけましょう。

2. 医療機器の備え

  • 予備のバッテリー: 医療機器を使用している場合は、予備のバッテリーを複数用意しておきましょう。充電式のものは、モバイルバッテリーやソーラー充電器なども準備しておくと安心です。
  • 手動式代替品: 可能であれば、手動式の代替品(手動式吸引器など)も準備しておきましょう。
  • 取扱説明書: 医療機器の取扱説明書や、緊急時の連絡先などをまとめておきましょう。
  • 電源確保の確認: 避難所での電源確保について、事前に自治体や施設に確認しておきましょう。医療機器用の優先コンセントが用意されている場合もあります。

3. 医療情報カードの作成

  • 緊急時の情報: お子さんの氏名、生年月日、持病名、服用している薬、アレルギー、かかりつけ医の連絡先、緊急連絡先などを記載した医療情報カードを作成し、常に携帯しましょう。ラミネート加工しておくと、水濡れにも強いです。
  • 複数枚用意: 家族全員が携帯できるよう、複数枚用意しておきましょう。

避難所での生活の注意点

持病のあるお子さんが避難所で生活する際には、特に以下の点に注意が必要です。

1. 避難場所の選定

  • 福祉避難所の確認: 一般の避難所では対応が難しい場合があるため、持病のある方や高齢者、障害者など、特別な配慮が必要な人のための「福祉避難所」が設置されることがあります。事前に自治体に確認し、登録しておきましょう。
  • かかりつけ医との連携: かかりつけ医と相談し、避難場所や避難経路についてアドバイスをもらっておきましょう。

2. 感染症対策

  • 手洗い・うがい: 避難所での集団生活は、感染症のリスクが高まります。こまめな手洗い・うがいを徹底しましょう。
  • マスクの着用: マスクを着用し、飛沫感染を防ぎましょう。
  • 消毒: アルコール消毒液やウェットティッシュなどを携帯し、こまめに消毒しましょう。
  • 体調管理: お子さんの体調を常に観察し、少しでも異変があれば、すぐに医療スタッフに相談しましょう。

3. 食事の工夫

  • アレルギー対応食の持参: 避難所での食事では、アレルギー対応が難しい場合があります。事前に備蓄したアレルギー対応食を持参しましょう。
  • 食事制限への配慮: 糖尿病などで食事制限がある場合は、事前に自治体や施設に相談し、対応可能か確認しておきましょう。
  • 栄養補助食品: 栄養が偏りがちな場合は、栄養補助食品などを活用しましょう。

4. 精神的なケア

  • 安心できる環境: 環境の変化やストレスで、病状が悪化したり、精神的に不安定になったりすることがあります。できるだけ安心できる環境を整え、親子のスキンシップを大切にしましょう。
  • 遊びの提供: 慣れない環境でも、子どもがリラックスできるよう、お気に入りのおもちゃや絵本などを持参し、遊びの時間を作りましょう。

周囲との情報共有の重要性

災害時、周囲の人々に持病の情報を共有しておくことは、お子さんの命を守るために非常に重要です。

  • 近隣住民: 日頃から近隣住民に持病について伝え、緊急時には助け合える関係を築いておきましょう。
  • 学校・保育園: 学校や保育園には、お子さんの持病について詳しく伝え、緊急時の対応について確認しておきましょう。
  • 地域の防災担当者: 自治体の防災担当者や、地域の自主防災組織に、お子さんの持病について情報提供しておきましょう。
  • ヘルプマーク: ヘルプマークを携帯することで、周囲に配慮が必要なことを知らせることができます。

ママナースからのメッセージ:備えあれば憂いなし

持病のあるお子さんを持つママ・パパにとって、災害への備えは、本当に大変なことです。しかし、日頃からの周到な準備と、周囲との連携が、いざという時のお子さんの命を守ることにつながります。

完璧を目指す必要はありません。できることから少しずつ取り入れ、不安なことは一人で抱え込まず、かかりつけ医や地域の相談窓口に相談してください。今回ご紹介したヒントが、皆さんの防災対策の一助となり、お子さんが安心して過ごせる未来につながることを願っています。私たちママナースも、皆さんの子育てを心から応援しています!


【被災地のママナースが語る】災害時、持病のある家族をどう守る?「薬・情報・避難」の備え完全ガイド

「その時」に、家族の命を守れますか?

地震、台風、そして大雨…。いつ、どこで起こるか分からない自然災害。防災リュックの準備や、食料の備蓄をしているご家庭も多いと思います。

でも、もし、あなたやあなたの大切な家族に「持病」があったら?その備えは、本当に十分だと言えるでしょうか。

「薬がなくなったら、どうしよう…」
「人工呼吸器の電源が落ちたら…」
「避難所で、周りの人に病気のことを理解してもらえるだろうか…」

私自身、ぜんそく持ちであると同時に、ナースとして被災地での医療支援に携わった経験があります。そこで目の当たりにしたのは、平時であればコントロールできていたはずの持病が、災害という極限状況下で、いとも簡単に命を脅かす現実でした。

情報が錯綜し、ライフラインが途絶え、誰もが混乱している中で、持病のある人やその家族は、計り知れない不安と困難に直面します。

この記事は、単なる防災グッズの紹介ではありません。持病のある方、そしてそのご家族が、災害という過酷な状況を乗り越え、生き抜くために、**「これだけは絶対に準備しておいてほしい」**と、私が心から伝えたい、命を守るための具体的な備えです。

命の三本柱:「薬」「情報」「避難」の備え

持病のある方の防災は、この三本柱で考えます。一つでも欠けると、命の危険が格段に上がってしまいます。今すぐ、あなたの備えをチェックしてみてください。

1.【薬の備え】最低でも1週間分。命綱をどう確保するか

災害時、交通網の麻痺や医療機関の混乱で、薬が手に入らなくなる可能性は非常に高いです。

  • お薬のローリングストック:
    • 内服薬・注射薬: 最低でも**7日分(できれば14日分)**は、常に手元に確保しておきましょう。病院で処方される際に、少し多めにもらえないか、かかりつけ医に相談してみてください。
    • 在宅医療で使う物品: 経管栄養のチューブや、吸入器のバッテリー、ストーマの装具なども、多めにストックしておくことが重要です。
  • お薬手帳は「最強のカルテ」:
    • 常に携帯する防災ポーチに、お薬手帳のコピーを必ず入れておきましょう。スマホで写真を撮っておくのも有効です。薬の名前、用法・用量が分かれば、かかりつけ医以外でも処方を受けやすくなります。
    • 「ジェネリック医薬品でもOK」という方は、その旨をメモしておくと、手に入りやすい薬を処方してもらえる可能性が高まります。

2.【情報の備え】あなたは「歩くカルテ」。情報をどう携帯・伝達するか

もし、あなたが意識を失ってしまったら?もし、パニックでうまく説明できなくなったら?「情報」の備えが、あなたと家族を救います。

  • 防災ヘルプカード:
    • 名刺サイズのカードに、以下の情報を簡潔にまとめて、常に携帯しましょう。
      • 氏名、生年月日、血液型
      • 持病名(アレルギー、ぜんそく、糖尿病、心臓病など)
      • 飲んでいる薬の名前と用法・用量
      • 緊急連絡先(家族、かかりつけ医)
      • 「この薬を飲ませてください」「119番に電話してください」など、具体的なお願い
  • スマホの活用:
    • スマホのロック画面に、緊急連絡先や持病の情報を表示する設定をしておきましょう。
    • お薬手帳やヘルプカードの写真を撮っておくのも忘れずに。

3.【避難の備え】どこに、どう逃げるか。シミュレーションが命を救う

持病の種類によっては、一般的な避難所での生活が困難な場合があります。

  • 福祉避難所の確認:
    • 高齢者や障害者、持病のある人などが優先的に入れる「福祉避難所」が、お住まいの自治体に指定されているか、必ず確認しておきましょう。場所だけでなく、受け入れの条件(要介護度など)も事前に確認しておくことが重要です。
  • 電源の確保:
    • 人工呼吸器やたんの吸引器など、電源が必要な医療機器を使っている方は、ポータブル電源の準備が不可欠です。車のシガーソケットから充電できるタイプのものもあります。
  • かかりつけ医との事前相談:
    • 災害時に、病院のどのあたりに集まれば良いか、透析などの治療はどうなるのかなど、具体的な動きを事前に相談しておきましょう。その安心感が、いざという時の冷静な判断に繋がります。

「助けて」と言える環境づくりも、大切な防災

災害時は、誰もが大変です。そんな中で「迷惑をかけたくない」と、助けを求めることをためらってしまうかもしれません。

でも、あなたの命より大切なものはありません。日頃から、ご近所さんやマンションの管理人さん、民生委員の方などに、「実は持病があって、もしもの時は助けてもらえると嬉しいです」と、それとなく伝えておくことも、立派な防災活動です。

災害は、いつか必ず来ます。でも、正しい知識と具体的な備えがあれば、その被害を最小限に食い止め、大切な家族の命を守ることは、決して不可能ではありません。

この記事をきっかけに、ぜひ今日、あなたの「命の備え」を見直してみてください。

【ママナースが作る】ママにもしもの時、子どもを守る「お守りリスト」|持病持ちの親が準備すべきこと

「もしも、私が入院したら…」その漠然とした不安、"見える化"すれば怖くない

元気なときには、あまり考えたくない「もしも」の話。でも、持病を抱えていると、ふとした瞬間に、まるで黒い影のように、その不安が心をよぎることがありませんか?

「もし、次の発作で入院になったら…」
「私が倒れたら、この子たちのことは誰が?」
「パパ(やおばあちゃん)に、いつものやり方を全部、正確に伝えられるだろうか…」

私自身、ぜんそく持ちなので、季節の変わり目や疲れが溜まった時には、常にこの不安と隣り合わせです。それは、自分の体の心配であると同時に、何よりも「子どもの日常が壊れてしまうこと」への恐怖でした。

残される家族の負担、子どもの心のケア、そして、ただでさえ大変な時に、細かい育児の引き継ぎで混乱させてしまうのではないか…。考えれば考えるほど、不安はどんどん大きく膨らんでいきます。

でも、ある時気づいたんです。この不安の正体は、「何が分からないか、分からないこと」そのものなのだと。

そこで私は、ママナースとしての知識を総動員し、もしもの時に必要な情報をすべて書き出した「お守りリスト」を作ることにしました。漠然とした不安を一つひとつ書き出して「見える化」することで、驚くほど心が軽くなり、「これさえあれば、大丈夫」という安心感が生まれたのです。

この記事では、持病の有無にかかわらず、すべての子育て中のママに作っておいてほしい「もしもの時のお守りリスト」について、私の実体験を元に、具体的かつ網羅的にご紹介します。

これさえあれば安心!子どもを守る「お守りリスト」完全版

このリストは、世話をしてくれる人(パパ、祖父母など)が、あなたがいなくても子どもの日常をスムーズに回せるように、そして何より子どもが安心して過ごせるようにするためのものです。すぐに取りかかれるよう、4つのカテゴリーに分けてみました。

カテゴリー1:情報編|命と健康を守る最重要リスト

これは、何よりも先に準備すべき最重要項目です。スマホのメモ機能や、印刷してクリアファイルに入れておくなど、誰が見てもすぐに分かる場所に保管しましょう。

  • 緊急連絡先リスト:
    • かかりつけの小児科(病院名、電話番号、診察時間)
    • 夜間・休日救急相談窓口(#8000など)
    • 保育園・幼稚園・学校の連絡先
    • 習い事の連絡先
    • 信頼できるママ友や近所の方の連絡先
  • 子どもの医療情報:
    • 健康保険証、医療証、母子手帳の保管場所
    • アレルギーの有無(食べ物、薬、その他)と、症状が出た時の対処法
    • 持病や定期的に飲んでいる薬の情報(薬の名前、飲む量、タイミング)
    • 平熱、好きな食べ物・嫌いな食べ物、寝かしつけのコツなど
  • あなたの医療情報:
    • あなた自身のかかりつけ医の連絡先
    • 持病の内容と、飲んでいる薬の情報
    • 緊急時に連絡してほしい人の名前と連絡先

カテゴリー2:モノ編|日常を止めないための準備リスト

世話をしてくれる人が「あれどこ?」「これがない!」と困らないためのリストです。防災リュックを準備する感覚で、まとめておくと安心です。

  • 子どものお世話セット(1〜2日分):
    • 着替え、下着、パジャマ
    • オムツ、おしりふき
    • 常備薬、保湿剤、爪切りなど
    • お気に入りの絵本やおもちゃ
  • 食事セット:
    • レトルトのお粥やうどん、ベビーフードなど、温めるだけですぐに食べられるもの
    • 好きなふりかけ、お菓子、飲み物
  • 書類・貴重品:
    • 現金(病院の支払いやタクシー代など)
    • 印鑑、通帳の保管場所
    • 各種保険証券の保管場所

カテゴリー3:お金編|見落としがちな費用のリスト

急な入院では、意外とお金がかかるもの。誰かに立て替えてもらう場合も、後で精算しやすいようにリスト化しておくとスムーズです。

  • 保育園・幼稚園の延長保育料
  • 習い事の月謝や支払い日
  • 学校の給食費や集金日
  • ネットスーパーなどの定期購入サービスの支払い情報

カテゴリー4:心編|子どもの不安を和らげる魔法のリスト

ママがいない夜は、子どもにとって想像以上に不安なものです。そんな子どもの心を少しでも和らげるための、愛情のこもった準備です。

  • ママからの手紙やビデオメッセージ: 「大好きだよ」「すぐに帰ってくるからね」という短いメッセージがあるだけで、子どもは安心します。
  • パパ(預ける人)へ向けた「子どもの好きなことリスト」:
    • 好きなテレビ番組やキャラクター
    • 好きな遊びや、くすぐると喜ぶ場所
    • 寝る前に歌ってほしい歌
  • 子どもへの伝え方メモ: 「ママは、お腹の虫さんをやっつけに、病院というところに行くんだよ。お医者さんと一緒に戦って、強くなって帰ってくるからね」など、子どもが不安にならないような伝え方を、事前に考えてメモしておきましょう。

不安を「安心」に変えるのは、ほんの少しの行動力

リストアップしてみると、「準備することがたくさん…」と感じるかもしれません。でも、完璧を目指さなくて大丈夫。まずは、できるところから一つずつ手をつけてみてください。

この「お守りリスト」を作るという行為そのものが、あなた自身の心を整理し、漠然とした不安を具体的な「備え」へと変えてくれます。

持病と共に生きる私たちは、人一倍「もしも」を意識して生きています。でも、それは弱さなんかじゃありません。むしろ、本当に大切なものを守るための「強さ」です。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽くし、「よし、やってみよう!」と一歩踏み出すきっかけになれたら、心から嬉しく思います。

「いい親」でいることに疲れたら…|病気や障害と向き合うママの心を軽くするセルフケア術

「健康なママだったら、もっと…」自分を責めてしまう、あなたへ

「もし、私が健康だったら、もっとたくさん遊んであげられたのに」
「病気のせいで、子どもに我慢ばかりさせている…」
「周りのママみたいに、キラキラした『いい親』になれない」

病気や障害を抱えながらの子育ては、時に、出口の見えない暗いトンネルの中にいるように感じられることがあります。体力的な辛さはもちろんですが、それ以上に心を蝕むのが、この「罪悪感」と「自己嫌悪」ではないでしょうか。

私自身、ぜんそくという持病と共に、三人の娘を育ててきました。発作が起きて、娘たちとの約束を守れなかった夜。息苦しさから、笑顔で「大好きだよ」と返せなかった時。そのたびに、「母親失格だ」と、自分のことを責め続けました。

でも、長年ナースとして、そして一人の当事者として、多くの親子と向き合う中で、確信したことがあります。それは、ママの笑顔こそが、子どもの最高の栄養になるということ。そして、ママが笑顔でいるためには、何よりもまず、自分自身を大切にし、その心を守ってあげる必要があるということです。

この記事は、「いい親」であろうと頑張りすぎて、心に傷を負っている、かつての私のようなあなたのために書きました。罪悪感という重たい荷物を少しだけ下ろして、自分を優しく労わるための、具体的なセルフケア術をお伝えします。

なぜ、私たちは自分を責めてしまうのか?

まず知っておいてほしいのは、「自分を責めてしまう」のは、あなたが弱いからでも、愛情が足りないからでもない、ということです。それには、ちゃんと理由があります。

  • 「理想の母親像」という呪い: 世の中には、「子どものために常に元気で、笑顔で、自己犠牲をいとわない」といった、非現実的な「理想の母親像」が溢れています。私たちは知らず知らずのうちに、その高い理想と、病気や障害によって制限のある現実の自分を比べてしまい、落ち込んでしまうのです。
  • 見えない「痛み」と「孤独」: 持病の辛さや、障害があることでの困難は、周りの人からは見えにくく、理解されにくいものです。「誰もこの辛さを分かってくれない」という孤独感が、私たちをさらに追い詰めてしまいます。
  • 「ごめんね」という口癖: 子どもに我慢をさせてしまうたびに、つい口にしてしまう「ごめんね」という言葉。この言葉は、繰り返すうちに、自分自身に「私はダメな親だ」と暗示をかけてしまう、危険な呪文にもなり得るのです。

心を軽くする3つのセルフケア処方箋

「自分を大切に」と言われても、具体的にどうすればいいのか分からない、という方も多いでしょう。今日からすぐに試せる、心の処方箋を3つ、ご紹介します。

処方箋1:心の「コップ」を満たす時間を、1日5分だけ作る

心が枯渇している状態では、人に優しくすることはできません。まずは、あなたの心のコップを、ほんの少しでいいので満たしてあげましょう。

  • 好きな香りのハンドクリームを塗る
  • 一人でトイレにこもり、好きな音楽を1曲だけ聴く
  • 温かいハーブティーを、ゆっくりと味わう

ポイントは、「子どものため」ではなく、「100%、自分のためだけ」の時間を持つことです。たった5分でも、意識的にこの時間を作ることで、心に余裕が生まれます。

処方箋2:「ごめんね」を「ありがとう」に変換する

これは、私が最も意識している、魔法の言葉の言い換えです。

  • 「(遊んであげられなくて)ごめんね」→「(静かに待っていてくれて)ありがとう
  • 「(ママが病気で)ごめんね」→「(心配してくれて)ありがとう
  • 「(手伝ってもらって)すみません」→「(手伝ってくれて)ありがとう、助かるよ

言葉を変えるだけで、親子の間に流れる空気が、驚くほど温かいものに変わります。子どもは「自分はママの役に立てたんだ」と感じ、自己肯定感が育まれます。そして何より、あなた自身の心から、罪悪感が少しずつ消えていくのを感じられるはずです。

処方箋3:「一人じゃない」と知る(ピアサポートのすすめ)

同じ悩みや痛みを分かち合える仲間(ピア)の存在は、何よりも強い心の支えになります。

  • SNSで繋がる: TwitterやInstagramで、「#持病っ子ママ」「#障害児育児」などのハッシュタグを検索してみてください。そこには、あなたと同じように悩み、それでも前を向いて頑張っている仲間がたくさんいます。
  • 患者会やオンラインコミュニティに参加する: 自治体や病院が運営している患者会や、オンライン上のサークルなど、安心して本音を話せる場所を探してみましょう。誰かに話を聞いてもらうだけで、心が整理され、新しい視点が見つかることもあります。

あなたは、あなたのままで、最高の親

病気や障害は、あなたの価値を何一つ損なうものではありません。むしろ、痛みを知っているからこそ、人の痛みが分かり、子どもに本当の優しさを教えられる、唯一無二の存在です。

完璧な親なんて、どこにもいません。どうか、「いい親」の呪いから自分を解放し、今日の自分を、たくさん褒めてあげてください。

あなたが笑顔でいること。それが、お子さんにとって、世界で一番の幸せなのですから。

「ごめんね、ママね…」持病があっても大丈夫!ぜんそく・アレルギー・腰痛と付き合う私流、笑顔の育児術

「ママ、抱っこ!」その一言に、笑顔で応えたいだけなのに…

「ママ、公園行こうよ!」
「ママ、読んで!」
「ママ、抱っこ!」

キラキラした瞳で向けられる、子どもからの無邪気なリクエスト。その一つひとつが、本当は宝物のように愛おしいはずなのに、ズキッと痛む腰や、胸の奥の息苦しさを感じて、瞬時に「どうしよう…」と不安がよぎる。

そんな経験、ありませんか?

私自身、昔からの付き合いである「ぜんそく」と「アレルギー」、そして産後から悪化した「腰痛」という、3つの厄介な同居人と共に子育てをしています。

天気が悪い日は、決まってぜんそくの気配を感じて深呼吸が怖くなる。ホコリっぽい場所に行けば、くしゃみと鼻水が止まらない。そして、子どもを抱き上げようとするたびに、腰に激痛が走るかもしれない恐怖と戦う毎日。

「ごめんね、今ちょっと…」「後でね」

本当は、1秒でも長く我が子を抱きしめて、全力で遊びに付き合ってあげたい。それなのに、自分の体のせいで、子どものリクエストに応えられない罪悪感。そして、そんな自分に対する不甲斐なさ…。

この記事は、そんな風に、見えない痛みや苦しみを抱えながら、それでも懸命に育児をしている、かつての私のようなあなたのために書きました。持病と付き合いながら、自分を責めずに、子どもと笑顔で過ごすための、ちょっとした工夫と心の持ち方について、ママナースとしての知識と、一人の当事者としてのリアルな経験を元にお話しします。

「私が我慢すれば…」はNG!ママのセルフケアが家族の笑顔を守る

育児中は、どうしても自分のことを後回しにしがち。でも、持病のある私たちにとって、それは一番危険な選択です。ママが倒れてしまっては、元も子もありません。まずは「自分を大切にすること」が、何よりも重要な仕事だと、自分に言い聞かせてあげてください。

1. 「頑張らない」家事のススメ

完璧な家事を目指すのは、今日からやめましょう!大切なのは、ママの体力を温存すること。私が実践している「頑張らない」家事の工夫をいくつかご紹介します。

  • 掃除はロボットにお任せ: アレルギー持ちにとって、ホコリは大敵。でも、毎日掃除機をかけるのは重労働ですよね。私は、お掃除ロボットを導入してから、床掃除の負担が劇的に減りました。アレルギー症状も、以前よりずっと楽に。
  • 買い物は週一&ネットスーパー: 体力がある日に、1週間分の食材をまとめ買い。重いお米や飲み物は、ネットスーパーや宅配サービスをフル活用します。買い物に行く回数が減るだけで、腰への負担も、ぜんそく発作のリスクも減らせます。
  • 料理は「しない日」を作る: 週末に作り置きをしたり、カット野菜や調理キットを使ったり。どうしても辛い日は、「今日はママの休養日!」と割り切って、お惣菜やレトルトに頼ったっていいんです。罪悪感を持つ必要なんて、全くありません。

2. 自分のための「かかりつけ医」と「お守り薬」

子どもの病院には頻繁に行くけれど、自分の通院は後回し…なんてことになっていませんか?

信頼できる「かかりつけ医」を見つけ、定期的に受診することは、心の安定にも繋がります。そして、処方された薬は「お守り」だと思って、常に切らさないようにしましょう。特にぜんそくの発作止めなどは、いつでも使えるように、家の決まった場所や持ち歩くバッグに必ず入れています。

3. 5分でできる!心と体の休息術

「ゆっくり休む時間なんてない!」というママにこそ試してほしい、短時間でできるリフレッシュ方法です。

  • 腰痛対策: 寝る前に、ベッドの上で膝を抱えてゴロンと5分。これだけで、1日頑張った腰の緊張が和らぎます。
  • ぜんそく・アレルギー対策: 深呼吸を意識する。吸う時よりも、ゆっくり長く息を吐くことを意識すると、自律神経が整い、呼吸が楽になります。好きなアロマを焚くのもおすすめです。
  • 共通: 子どもがお昼寝したら、一緒に5分だけ目をつむる。スマホを見るのではなく、ただ静かに目を閉じるだけで、脳は驚くほど休息できます。

子どもに「病気のこと」、どう伝える?

子どもが大きくなってくると、「ママ、どうしていつもお薬飲んでるの?」「どうして抱っこしてくれないの?」と聞かれる場面も出てきます。そんな時、どう伝えればいいのでしょうか。

大切なのは、正直に、でも分かりやすく伝えること。

「ママね、ちょっとだけ咳が出やすい体質なんだ。だから、このお薬を飲むと、咳さんがバイバイして元気にお話しできるんだよ」
「重い物を持つと、ママの腰さんが『痛いよー』って泣いちゃうんだ。だから、抱っこじゃなくて、ぎゅーってさせてくれるかな?」

病気のせいで「できない」と突き放すのではなく、「できないこと」を伝えた上で、「こうならできるよ」という代わりの案を提案してあげる。そうすることで、子どもは「自分は拒否されたわけじゃないんだ」と安心し、ママの体を思いやる優しい気持ちも育っていきます。

あなたは一人じゃない。頼れる人やサービスをリストアップしよう

持病との付き合いは、時に孤独を感じることもあるかもしれません。でも、あなたは決して一人ではありません。

  • パートナーや家族: 「辛い時は、具体的にこうしてほしい」をリストにして共有しておきましょう。「言わなくても分かってくれるはず」は禁物です。
  • ママ友: 同じように持病を抱えるママ友が見つかれば、最高の理解者になります。無理に話す必要はありませんが、信頼できる人に話してみるだけで、心が軽くなることもあります。
  • 公的・民間のサービス: ファミリーサポート、病児保育、家事代行サービスなど、いざという時に頼れるサービスを事前に調べて、連絡先をリストアップしておくだけでも、心の保険になります。

育児は、一人で抱え込むものではありません。周りの力を上手に借りることは、悪いことでも、恥ずかしいことでもないのです。

持病はハンデじゃない。子どもと自分のペースで歩んでいこう

持病を抱えながらの育児は、確かに簡単なことではありません。他のママのように、パワフルに動けない自分を責めてしまう日もあるでしょう。

でも、忘れないでください。あなたの笑顔が、子どもにとって一番の栄養です。100点満点のママじゃなくていい。体力がない日は、絵本を読んだり、DVDを観たり、おうちでできる遊びをすればいいんです。

大切なのは、完璧を目指すことではなく、持病という自分の個性と上手に付き合いながら、自分と子どものペースで、笑顔でいられる時間を見つけていくこと。

この記事が、少しでもあなたの心を軽くし、「私、結構うまくやってるかも」と、自分を褒めてあげるきっかけになれたら、これ以上嬉しいことはありません。

私自身が持病持ち…。ぜんそく、アレルギー、腰痛と付き合いながら育児を乗り切るためのセルフケアと工夫

「ごめんね、ママ、今日は走れないんだ」子どもの悲しそうな顔に、胸が痛むあなたへ

公園で楽しそうに走り回る子どもたちと、そのあとを笑顔で追いかけるママ友。

そんな、ありふれた日常の風景が、ナイフのように胸に突き刺さる。

「ごめんね、ママ、今日は腰が痛くて走れないんだ」
「発作が出ちゃうから、その公園は行けないかな…」

持病があることで、他のママたちと同じようにしてあげられない。やりたいことを、させてあげられない。そんな不甲斐なさと罪悪感で、子どもの寝顔に何度も謝った夜はありませんか?

ぜんそく、アトピー、アレルギー、腰痛、頭痛、婦人科系の疾患…。多くのママたちが、言わないだけで何かしらの持病と闘いながら、育児という名のマラソンを走っています。

私自身も、看護師という仕事柄、腰痛は職業病のようなもの。そして、季節の変わり目には、決まってひどいアレルギー性鼻炎に悩まされます。

この記事では、そんな「持病持ちママ」である私たちが、自分を責めずに、もっと賢く、もっと自分に優しく育児を乗り切るための具体的なセルフケアと、子どもとの向き合い方について、ママナースとしての視点からお伝えします。

「私が我慢すればいい」は一番危険!持病持ちママの鉄則

まず、絶対に心に刻んでほしいこと。それは、**「自分のケアは、子どものケアと同じくらい、いや、それ以上に重要だ」**ということです。

「私が少し我慢すれば、この場は収まるから…」

その優しさが、一番危険なサインです。持病の悪化は、QOL(生活の質)を著しく低下させるだけでなく、最悪の場合、育児そのものを困難にしてしまいます。

ママが倒れてしまっては、元も子もありません。あなたの健康は、あなた一人のものではなく、家族みんなの宝物なのです。

【疾患別】ママナースが実践する、持病との上手な付き合い方

ここでは、多くのママが悩む代表的な疾患別に、具体的なセルフケアや工夫をご紹介します。

ぜんそく・アレルギー持ちママの場合

  • 完璧な掃除は諦める: ハウスダストを気にするあまり、掃除で無理をして発作を誘発しては本末転倒。ロボット掃除機や空気清浄機をフル活用し、自分の労力は最小限に。
  • 「吸入薬」をお守りに: 発作が起きていなくても、お守りとして常に吸入薬を持ち歩く。それだけで精神的な安心感が違います。
  • 子どもへの伝え方: 「ママね、お外のホコリさんを吸うと、咳が出ちゃうんだ。だから、お掃除ロボくんにお願いしてるの」など、病気をキャラクター化して伝えると、子どもも理解しやすいです。

腰痛・関節痛持ちママの場合

  • 抱っこは座ってする: 立って抱っこするのではなく、自分がソファなどに座って、膝の上で抱っこする癖をつける。
  • おむつ替えは「高さ」を意識: 床ではなく、ベビーベッドやテーブルの上など、腰をかがめなくていい高さにおむつ替えスペースを作る。
  • 便利グッズに頼る: ヒップシートは神アイテム。電動自転車や、荷物がたくさん入る軽いマザーズバッグも、腰への負担を大きく減らしてくれます。

頭痛・めまい持ちママの場合

  • 「予兆」を感じたら、すぐ休む: 「これくらい大丈夫」と我慢しない。光や音の刺激を避け、静かな部屋で5分でも横になる。
  • カフェイン・アルコールを避ける: 自分の体調のトリガー(引き金)になるものを把握し、意識的に避ける。
  • サングラスや遮光カーテンを活用: 光の刺激が辛い場合は、室内でもサングラスをかけたり、遮光カーテンを閉めたりして、自分を守りましょう。

子どもに「病気のこと」、どう伝える?

子どもは、ママの様子を敏感に感じ取っています。体調が悪いことを隠そうとすると、かえって子どもを不安にさせてしまうことも。

年齢に合わせて、正直に、そして分かりやすく伝えることが大切です。

  • 幼児期(3~5歳):

    • 「ママ、今お腹がシクシクさんだから、ちょっとだけゴロンさせてね」
    • 「このお薬を飲んだら、元気パワーが出てくるんだよ」
    • 難しい言葉は使わず、具体的に、シンプルに。安心させてあげる言葉を添えるのがポイントです。
  • 学童期(6歳~):

    • 「ママにはね、〇〇っていう持病があって、疲れちゃうと少し休みが必要なんだ」
    • 「だから、時々お手伝いしてくれると、ママ、すごく助かるな」
    • 少し具体的に話し、子どもが「自分もママを助けられる存在だ」と感じられるように、協力をお願いするのも良い方法です。

病気をオープンに話すことで、子どもは人の痛みが分かる、優しい子に育ちます。そして、家族というチームで病気に立ち向かう、強い絆が生まれるのです。

まとめ

持病を抱えながらの育児は、決して平坦な道ではありません。周りと比べては落ち込み、自分を責めてしまう日も、一度や二度ではないでしょう。

でも、あなたは何も悪くない。そして、あなたは一人ではありません。

持病があるからこそ、人の痛みが分かる。
持病があるからこそ、工夫して生きる知恵が身につく。
持病があるからこそ、周りの助けを借りる大切さを知っている。

それは、あなただけの、そしてあなたの子どもにとっての、かけがえのない強みです。

どうか、頑張りすぎないで。完璧じゃない自分を、丸ごと抱きしめてあげてくださいね。

【ママナース直伝】災害時でも子どもの命を守る!持病っ子のための薬・医療品完全ガイド

「もし今、大きな地震が来たら…この子の薬、どうしよう?」

持病を持つお子さんを育てるママ・パパなら、一度はこんな不安に胸が締め付けられる思いをしたことがあるのではないでしょうか。喘息の吸入器、アレルギーのエピペン、糖尿病のインスリン…。普段は当たり前のように使っている薬や医療機器も、災害時には命を繋ぐ一本の綱になります。

私自身、3人の娘を育てる母であり、現役の看護師です。医療現場で、そして母親として、災害時の医療の脆弱さ、特に子どものケアがいかに大変になるかを痛感してきました。「普段通り」が通用しない極限の状況で、どうすれば我が子の健康と命を守れるのか。その不安、痛いほどよく分かります。

でも、大丈夫。正しい知識と少しの備えがあれば、その不安は「安心」に変えることができます。

この記事では、単なる防災グッズのリストアップではありません。現役ママナースだからこそ伝えられる、災害時における持病っ子のための「薬・医療品」の具体的な備蓄・管理方法から、いざという時のための実践的なアクションまで、私の経験も交えながら徹底的に解説します。

この記事を読み終える頃には、「これなら、私にもできる!」と、確かな自信が湧いてくるはずです。一緒に、大切な我が子の未来を守る準備、始めませんか?

なぜ、持病っ子の防災は「特別」なの?災害時に本当に困ること

災害時、誰もが大変な思いをします。でも、持病を持つ子どもがいる家庭では、他の家庭とは比べ物にならないほど深刻な問題に直面するリスクがあるんです。まずは、その「なぜ?」を一緒に考えてみましょう。

薬が手に入らない!医療機関の麻痺

一番の恐怖は、薬がなくなることですよね。

  • 薬局・病院がストップ:地震で建物が壊れたり、停電したり。薬剤師さんや先生自身が被災して、病院や薬局が開けられないケースは本当に多いんです。
  • 道が通れない:交通網が寸断されれば、かかりつけ医の元へたどり着けません。薬を運ぶ物流も完全に止まってしまいます。
  • 特定の薬の不足:災害後は、特定の薬を求める人が薬局に殺到します。特に、専門的な治療薬は普段から在庫が少ないため、あっという間になくなってしまうんです。

医療機器が使えない!停電という大きな壁

次に深刻なのが、電源の問題。

  • 停電でただの箱に:喘息の吸入器(ネブライザー)や痰の吸引器など、コンセントが必要な医療機器は、停電した瞬間にその役目を果たせなくなります。
  • バッテリーの限界:充電式の機器も、充電が切れたら同じこと。「あと1回しか使えない…」なんて、考えるだけでも恐ろしいですよね。
  • 衛生環境の悪化:断水で清潔な水が手に入らないと、注射やケアに必要な衛生状態を保つのがとても難しくなります。

周囲に理解されにくい「見えない辛さ」

避難所などでの共同生活も、持病っ子にとっては大きなハードルです。

  • 「わがまま」との誤解:アレルギーや内部疾患など、外見からは分かりにくい持病は、「わがまま」「神経質」と誤解されがちです。本当は辛いのに、我慢してしまう子も少なくありません。
  • 必要な配慮が得られない:周りの人に病気のことを理解してもらえず、食事や環境の配行を得られないことは、子どもの心と体に大きな負担をかけてしまいます。

こうした困難は、決して大げさな話ではありません。だからこそ、「うちの子は特別なんだ」という意識を持って、万全の備えをしておくことが、何よりも大切なんです。

【ママナース実践】命を守る!3つの「お守り」準備リスト

では、具体的に何を、どのように備えれば良いのでしょうか?ここからは、私が実際に家庭で実践している「薬・医療機器・情報」の3つの備えを、具体的にお話ししますね。

お守り1:【薬】最低でも7日分、できれば14日分

災害発生から支援体制が整うまで、最低でも3日~7日はかかると言われています。だから、薬の備えは最優先事項です。

  • 定期薬(毎日飲む薬):最低でも7日分。心配な方は14日分以上あると、心の余裕に繋がります。
  • 頓服薬(症状が出た時に使う薬):発作時の吸入薬、アレルギー症状を抑える抗ヒスタミン薬、解熱剤など、「いざ!」という時の薬も、少し多めにストックしておきましょう。

【皐月のひとこと】
かかりつけの先生に「災害用に少し多めに薬を処方していただけませんか?」と正直に相談してみてください。「もしものために」という親の気持ちを、きっと理解してくれるはずです。我が家では、処方された薬の一部を防災リュックに入れ、残りを日常で使う「ローリングストック法」を実践しています。これなら、使用期限切れも防げて安心ですよ。

お守り2:【医療機器】電源問題はポータブル電源で解決!

電源が必要な医療機器をお使いなら、停電対策は必須です。

  • ポータブル電源:今は、スマホの充電にも使える小型で軽量なものがたくさんあります。ネブライザーを数回使う程度なら、小型のものでも十分対応可能です。
  • 手動の代替品:例えば、電動の鼻水吸引器を使っているなら、手動の吸引器も一つ用意しておく。電池式の吸入器があれば、それも立派な「お守り」になります。
  • 車のシガーソケット:車を持っているなら、シガーソケットから電源を取れるインバーターも忘れずに。

お守り3:【情報】スマホが使えない前提で動く

災害時は、スマホの充電切れや通信障害は当たり前に起こります。大切な情報は、アナログ(紙)で備えるのが鉄則です。

  • お薬手帳のコピー:最新のページを複数枚コピー!防災リュック、車の中、実家など、複数の場所に分散して保管するのがポイントです。
  • 「災害時のお願い」カード:診断名、飲んでいる薬、アレルギー、緊急連絡先、かかりつけ医などを1枚にまとめたカードを手作りしておきましょう。避難所で周りの人に協力をお願いする時に、これがあると本当にスムーズです。
  • 連絡先リスト:かかりつけ医、相談できる支援機関、同じ病気を持つママ友など、頼れる人の連絡先を紙に書き出しておきましょう。

災害発生!その時、ママ・パパが取るべき行動とは?

実際に災害が起きてしまったら…。パニックにならず、落ち着いて行動するために、今のうちから流れをイメージしておきましょう。

STEP1:安全確保と情報収集

まずは、あなたと子どもの安全確保が最優先。揺れが収まったら、テレビやラジオ、自治体の防災無線で正確な情報をキャッチしましょう。デマに惑わされないで!

STEP2:避難?それとも在宅?

自宅が安全で、ライフライン(特に水と電気)が確保できているなら、無理に避難所へ行く必要はありません。医療ケアが必要なお子さんにとっては、住み慣れた家が一番安心できる場所です。これを「在宅避難」と言います。

STEP3:避難所で「お願い」する勇気

もし避難所で生活することになったら、どうか一人で抱え込まないでください。

  • 運営スタッフに相談:まずは避難所の運営スタッフに、「持病があって、医療機器の電源が必要です」など、具体的に必要な配慮を伝えましょう。
  • 「ヘルプマーク」を見せる:見た目では分かりにくい病気の場合、「ヘルプマーク」は「助けてください」のサインになります。
  • 周りの人にも一言:「うちの子、アレルギーがあって…」「夜中に機械の音がうるさかったらごめんなさい」と周りの人に伝えておくだけで、無用なトラブルを避け、思いがけない協力を得られることもあります。

まとめ:完璧じゃなくていい。今日できる一歩が、未来を守る

持病を持つお子さんのための災害への備えは、本当にやることが多くて、考えるだけで疲れてしまうかもしれません。

でも、一番大切なのは、「完璧な備え」を目指すことよりも、「今日、何か一つでも行動してみる」ことです。

まずはお薬手帳をコピーしてみる。防災リュックの中の薬の使用期限をチェックしてみる。そんな小さな一歩の積み重ねが、いざという時に、あなたと、そして何より大切なお子さんの命と未来を守ることに繋がります。

この記事が、あなたの「はじめの一歩」を、そっと後押しできたら、ママナースとして、これほど嬉しいことはありません。

【ママナースが解説】災害時、子どもの「持病」悪化を防ぐ!親ができること・医療機関との連携

「もしもの時、この子の持病は大丈夫?」災害時の不安を「安心」に変えるママナース流「命を守る」連携術

「もし、大きな災害が起きて、病院に行けなくなったら…」「この子の持病が悪化したらどうしよう…」「避難所で、持病のことを周囲にどう伝えればいいの?」

持病を持つお子さんを育てるパパママにとって、災害時の不安は、他のご家庭よりもはるかに大きいものですよね。私も看護師として、様々な持病を持つ子どもたちと接する中で、その不安や葛藤を痛いほど感じています。普段の生活でも細心の注意を払っているのに、それが災害時となると、不安はさらに大きくなるものです。

でも、大丈夫です。災害時は持病を持つ子どもの症状悪化しやすい状況ですが、正しい知識と少しの準備、そして医療機関との連携方法を知っていれば、その不安を「安心」に変えることができます。このノートでは、現役ママナースである私が、自身の経験と看護師としての専門知識を活かし、症状悪化を防ぐための親ができること、医療機関との連携方法、緊急時の対応などを具体的に解説します。あなたの不安を「安心」に変えるヒントが、きっと見つかるはずです。今日からできることから始めて、大切な家族を守る準備を一緒に進めましょう!

1. 災害時、持病を持つ子どもが直面する「見えないリスク」

災害時は、普段の生活では考えられないような状況が起こります。持病を持つ子どもにとって、これは大きなリスクとなり得ます。

  • 医療機関へのアクセス困難: 病院が被災したり、交通網が寸断されたりして、すぐに受診できない可能性があります。
  • 薬や医療品の不足: 薬局が閉鎖されたり、物流が滞ったりして、必要な薬や医療品が手に入らなくなるかもしれません。
  • 環境の変化: 避難所での集団生活や、普段と違う食事、ストレスなどが、症状悪化の引き金になることがあります。
  • 情報不足: 医療情報が混乱し、適切なアドバイスが得られないこともあります。

私も、看護師として、災害時の医療現場の混乱を想像すると、このリスクの大きさを痛感します。だからこそ、親が事前に準備しておくことが、子どもの命を守る上で非常に重要なんです。

2. 命を守る「事前準備」:ママナースが教える持病別チェックリスト

お子さんの持病に合わせて、事前に準備しておくべきことはたくさんあります。私も、普段から防災リュックの中身を定期的に見直しています。

  • 薬の備蓄:
    • 最低1週間分、できれば2週間分の薬を備蓄しましょう。普段から多めに処方してもらう、かかりつけ医に相談するなど、工夫が必要です。
    • 薬の種類と量、服用方法を記載したリストを作成し、お薬手帳のコピーと一緒に非常持ち出し袋に入れておきましょう。私も、子どもたちの薬のリストは常に最新の状態にしています。
  • 医療品の備蓄:
    • 喘息: 吸入器、吸入薬、スペーサー、ピークフローメーターなど。
    • 糖尿病: インスリン、注射器、血糖測定器、ブドウ糖など。
    • てんかん: 抗てんかん薬、座薬、発作時の対応マニュアルなど。
    • アレルギー: エピペン、抗ヒスタミン薬、アレルギー対応食など。
  • 医療機器の電源確保:
    • 人工呼吸器や吸引器など、医療機器を使用している場合は、ポータブル電源や予備バッテリーの確保が必須です。手動での使用方法も確認しておきましょう。

ママナースからのアドバイス: 普段から、お子さんの持病について家族全員で共有し、緊急時の対応をシミュレーションしておきましょう。いざという時に、家族みんなで協力できる体制を整えておくことが大切です。

3. 避難所での「伝え方」:周囲の理解と協力を得るために

避難所では、多くの方が生活しています。持病を持つお子さんのために、周囲の理解と協力を得るための「伝え方」を工夫しましょう。

  • アレルギー・持病情報カードの作成:
    • お子さんの名前、持病名、アレルゲン、緊急時の対応、かかりつけ医の連絡先などを記載したカードを作成し、非常持ち出し袋に入れておきましょう。首から下げられるようにしておくと、いざという時に役立ちます。
    • 避難所の担当者や、周囲の住民に、お子さんの持病について簡潔に伝え、理解と協力を求めましょう。私も、看護師として、情報共有の重要性を日々感じています。
  • プライベート空間の確保:
    • 可能であれば、段ボールやパーテーションなどで、家族のスペースを区切りましょう。これにより、プライバシーを確保し、症状悪化のリスクを減らすことができます。

4. 症状悪化時の「判断基準」と「医療機関との連携」:命を守る行動

災害時は、医療機関へのアクセスが困難になる可能性があります。症状悪化時の判断基準を知り、適切な行動を取ることが命を守る上で重要です。

  • 症状悪化時の判断基準:
    • 意識レベルの変化(呼びかけに反応しない、ぐったりしている)
    • 呼吸困難(呼吸が速い、苦しそう、ゼーゼーする)
    • けいれん
    • 出血が止まらない
    • 高熱が続く、水分が摂れない
    • 普段と違う、明らかに異常な状態

これらの症状が見られた場合は、すぐに周囲に助けを求め、医療スタッフや避難所の担当者に報告しましょう。かかりつけ医から事前に指示されている「緊急時の対応マニュアル」を再確認しておきましょう。

  • 医療機関への連絡方法:
    • 災害時には、電話が繋がりにくいことがあります。SNSや災害用伝言ダイヤル、安否確認サービスなどを活用して、情報を収集しましょう。
    • 自治体の防災無線や、インターネット、SNSなどで、開設されている医療機関の情報を収集しましょう。

5. 親自身の心のケアも忘れずに:ママナース流「心のデトックス」

持病を持つお子さんを育てる親御さんは、普段から大きなプレッシャーを抱えています。それが災害時となると、さらに精神的な負担が大きくなります。親が心穏やかであることは、子どもにとっても最大の安心材料です。

自分の不安を認め、信頼できる人に相談したり、リフレッシュする時間を持つなど、親自身の心のケアも非常に重要です。私も、看護師の仕事と子育ての両立で疲れた時は、信頼できる友人に話を聞いてもらったり、好きな音楽を聴いたりして、心のバランスを保つようにしています。完璧な親を目指すのではなく、時には「まあ、いっか!」と肩の力を抜くことも大切です。

まとめ:持病を持つ子どもの命を守る「備え」は、親からの最高の贈り物

災害時は持病を持つ子どもの症状悪化しやすい状況ですが、正しい知識と少しの準備、そして医療機関との連携方法を知っていれば、その不安を「安心」に変えることができます。薬や医療品の備蓄、避難所での伝え方、症状悪化時の対応など、今日からできることから始めてみませんか?

このノートが、あなたの不安を解消し、家族みんなが健康で安全に過ごせるためのヒントになれば嬉しいです。一人で抱え込まず、いつでも「こそだて部」を頼ってくださいね。私たちは、あなたの味方です。