おねしょは本人のせいじゃない!親子でプレッシャーを感じなくなるナース式対策

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濡れたシーツと、子どもの泣き顔…。その辛い朝を、もう終わりにしませんか?

朝、ツンと鼻をつくアンモニアの匂い。
ひんやりと濡れたシーツの感触。
そして、申し訳なさそうな顔で、固まっている我が子…。

「また、おねしょ…」

その瞬間に、どっと、疲れが押し寄せてくる。
「昨日、寝る前に、ちゃんとトイレに行ったのに!」
「いつになったら、終わるの…?」

つい、イライラして、子どもを責めるような言葉を言ってしまう。
そして、泣き出した我が子の顔を見て、激しい自己嫌悪に陥る…。

そんな、おねしょをめぐる、親子の辛い朝。
3姉妹を育ててきた私も、何度も、何度も、経験してきました。

でも、ナースとして、子どもの体の発達について学んだ今、断言できることがあります。
それは、おねしょは、決して、お子さんの「やる気」や「しつけ」の問題ではない、ということです。

なぜ、おねしょは起きるの?それは「体の発達」が、まだ追いついていないだけ

まず、ママやパパに、絶対に知っておいてほしいこと。
それは、小学校に入っても、おねしょ(医学的には「夜尿症」と言います)をしてしまう子は、決して珍しくない、ということです。

その原因は、本人の「甘え」や「わざと」では、決してありません。
体の機能が、まだ、成長の途中だという、ただそれだけのことなのです。

具体的には、主に3つの原因が考えられます。

  1. 夜間に作られる、おしっこの量が多い
    →睡眠中、おしっこを濃くして量を減らす「抗利尿ホルモン」という、大切なホルモンがあります。このホルモンの分泌が、まだ不安定だと、夜間にたくさんのおしっこが作られてしまいます。

  2. おしっこを溜めておく、膀胱がまだ小さい
    →夜間に作られたおしっこを、朝まで溜めておくためのタンク(膀胱)の容量が、まだ小さいのです。

  3. 尿意で、目を覚ますことができない
    →膀胱がおしっこでいっぱいになっても、「起きて、トイレに行って!」という脳への信号が、まだ、うまく届かないのです。深い眠りも、その一因です。

これらは全て、体の成長と共に、自然と解決していく問題です。
お子さんは、何も悪くありません。
ただ、体の成長のペースが、少しだけ、ゆっくりだというだけなのです。

親が絶対にやってはいけない!おねしょを悪化させる“NG対応”

この事実を知らずに、親が間違った対応をしてしまうと、おねしょは、改善するどころか、かえって悪化してしまうことがあります。

  • 叱る・怒る・罰を与える
    →最もやってはいけない対応です。子どもの自尊心を深く傷つけ、「また失敗したらどうしよう」という強いストレスが、さらに、おねしょを悪化させるという、最悪の悪循環に陥ります。

  • 周りの子と比べる
    →「〇〇ちゃんは、もう、おねしょしないのに、なんであなたは…」この言葉は、子どもを追い詰める、鋭いナイフになります。

  • 夜中に、無理やり起こしてトイレに行かせる
    →一見、効果的に見えますが、これは、子どもの自然な睡眠リズムを崩し、自律神経の乱れに繋がる可能性があります。根本的な解決にはなりません。

  • 夕食後、水分を極端に制限する
    →脱水のリスクがあり、かえって健康を害する可能性があります。

親子で笑顔になる!ナース式「あせらない・比べない・怒らない」おねしょ対策

では、親として、何ができるのでしょうか。
大切なのは、**「あせらない・比べない・怒らない」**の3原則です。

1. まずは「大丈夫だよ」と、安心させる

朝、おねしょに気づいても、決して、がっかりした顔を見せないこと。
「大丈夫、大丈夫。誰にでもあることだから」「気にしないでいいよ」と、まずはお子さんを、安心させる言葉をかけてあげてください。

2. 寝る前の水分は「コップ一杯」まで

極端な水分制限は不要ですが、寝る2〜3時間前からは、ジュースや牛乳など、糖分の多い飲み物は避け、水やお茶を、コップ一杯程度にしておくのがおすすめです。

3. 寝る前に、必ずトイレに行く習慣を

「さあ、寝る前に、おしっこさんと、バイバイしてこようか」など、楽しい雰囲気で、トイレに誘ってあげましょう。焦らさず、リラックスして、排尿できる環境が大切です。

4. 体を冷やさない工夫を

体が冷えると、尿意を感じやすくなります。腹巻をしたり、冬場は、暖かい素材のパジャマを選んだりするなど、体を冷やさない工夫をしてみましょう。

5. 「おねしょ対策グッズ」に、どんどん頼る!

これが、一番、重要かもしれません。
防水シーツ、おねしょケット、おねしょ用のトレーニングパンツなど、今は、便利なグッズがたくさんあります。
これらを活用し、**「シーツが濡れても、まあ、いっか」**と、親が思える環境を作ること。
シーツを洗う手間と、ママの精神的な負担を減らすことが、何よりも、子どもへの優しい眼差しに繋がります。

一番の特効薬は、ママとパパの「大丈夫だよ」

おねしょは、いつか、必ず、終わりが来ます。
その時期は、一人ひとり、違って当たり前。

一番の特効薬は、医学的な治療でも、特別なトレーニングでもありません。
お子さんの一番近くにいる、ママとパパの、**「大丈夫だよ」「あなたのペースでいいんだよ」**という、温かい言葉と、どっしりと構えた姿勢です。

親子でプレッシャーを感じず、笑顔で朝を迎えられる日が来ることを、信じて。
あせらず、比べず、そして、何より、お子さん自身を、責めないであげてくださいね。

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