【防災】災害時の感染症から子どもを守る!ママナースが教える衛生管理の超実践テクニック

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避難所の体育館。ざわめきの中、すぐ近くで誰かが「ゴホッ、ゴホッ」と咳き込むのが聞こえる。

その瞬間、腕の中にいる我が子を、思わずギュッと抱きしめてしまう…。

こんにちは!3人の娘を育てながら、看護師として働く皐月です。

災害時、本当に怖いのは、目に見える建物の倒壊や土砂崩れだけではありません。断水、停電、そして大勢の人との集団生活…。そんな極限の環境で、静かに、しかし確実に広まっていく**「見えない敵」=感染症**の存在です。

特に、好奇心旺盛で、どこでも触って、その手で顔をこすってしまう子どもたちは、感染症の最大のリスクに晒されています。看護師として、私は衛生環境の悪化がどれほど命取りになるかを、嫌というほど見てきました。

でも、大丈夫。正しい知識という「武器」があれば、水がなくても、密集した避難所でも、大切な家族を感染症から守ることはできます。この記事では、そのための超実践的なテクニックをお伝えします。

この記事でわかること

  • なぜ災害時に感染症が広がりやすいのか、その本当の理由
  • 水がなくてもできる!命を守る「手の衛生」テクニック
  • 感染源にしない!「トイレの衛生」管理術
  • 避難所で家族を守る「生活空間のゾーニング」とは

なぜ?災害時に「見えない敵」が猛威を振るうのか

災害時は、感染症が爆発的に広がりやすい条件が揃ってしまいます。

  • 衛生環境の悪化:断水による手洗いや入浴の困難、ゴミの収集遅延、トイレ問題など。
  • 集団生活:避難所などでの密集・密接状態は、飛沫感染や接触感染のリスクを急激に高めます。
  • 免疫力の低下:睡眠不足、栄養の偏り、そして何より強いストレスで、大人も子どももウイルスや細菌に対する抵抗力が落ちてしまうのです。

特に、下痢や嘔吐を引き起こすノロウイルス、高熱や咳が特徴のインフルエンザ、そして傷口から感染する破傷風などは、災害時に特に注意が必要です。

【防衛線①】手と口:菌の侵入経路を断つ!

感染症対策の基本は、何と言っても「手指衛生」。病原体の多くは、手を介して口や鼻から体内に侵入します。

  • 基本はアルコール消毒:水が使えない状況では、アルコール手指消毒液が命綱。食事の前、トイレの後、外から戻った時など、こまめに使いましょう。
  • ウェットティッシュも有効:目に見える汚れがある場合は、まず除菌ウェットティッシュで汚れを拭き取ってから、アルコール消毒をすると効果的です。

《皐月のプロ技①》
もし少量の水が使えるなら**「ペットボトル手洗い器」**を作りましょう。ペットボトルのキャップにキリで小さな穴を開け、逆さにして少し押せば、簡易的な蛇口に!これで石鹸を使って洗えれば、感染リスクは劇的に下がります。

【防衛線②】トイレ:最大の感染源を制圧する!

排泄物は、感染症の温床です。簡易トイレや携帯トイレの管理は、家族全員の健康を守る上で最も重要なミッションの一つです。

  • 使用後はすぐに凝固剤を:排泄物を素早く固め、菌の飛散を防ぎます。
  • 袋は「二重」が鉄則!:使用後の袋は、消臭袋などにもう一度入れて、口を固く、固く縛ります。漏れや臭いを防ぐ、単純ですが非常に効果的な方法です。
  • トイレの後の手指消毒を徹底:トイレの近くにアルコール消毒液を常備し、出る前に必ず消毒するルールを家族で作りましょう。

【防衛線③】生活空間:家族だけの「安全地帯」を作る

避難所では、パーソナルスペースの確保が感染対策に直結します。

  • 「ゾーニング」を意識する:段ボールやシートで区切った自分たちのスペースの中に、**「土足ゾーン」と「清潔ゾーン」**を決めましょう。靴や外で使ったバッグは土足ゾーンに置き、寝たり食事をしたりする清潔ゾーンに持ち込まない。この一手間が、外からの菌の持ち込みを防ぎます。
  • こまめな換気:寒くても、1時間に5分でもいいので、空気を入れ替えましょう。ウイルスの濃度が下がり、感染リスクを低減できます。
  • マスクは最後の砦:咳やくしゃみをしている人はもちろん、元気な人も、可能な限りマスクを着用しましょう。特に、子どもの顔の高さは、大人の咳やくしゃみの飛沫が飛びやすいので注意が必要です。

まとめ:あなたの知識が、家族を守る最強の盾になる

災害時、私たちは無力感に苛まれます。しかし、衛生管理は、私たち自身が行動することで、未来を変えられる、数少ない希望の一つです。

「手を洗う」「袋を二重にする」「スペースを区切る」

一つひとつは、本当に些細なことです。でも、その小さな行動の積み重ねが、見えない敵から家族を守る、何よりも強力な盾になります。

この記事が、あなたの不安を「これならできる」という自信に変える、きっかけになることを心から願っています。

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