食卓に広がる、ごはん粒と野菜のかけら。ニコニコしながら、ぐちゃぐちゃの手で顔をなでる我が子…。
こんにちは!3人の娘たちと、3回この”芸術的な”食卓を経験してきた、現役看護師の皐月です。
離乳食もいよいよ後期、生後9〜11ヶ月頃から始まる「カミカミ期」。この時期の最大の特徴は、何と言っても**「手づかみ食べ」**ですよね。子どもの成長は嬉しいけれど、毎食後の大掃除を思うと、ちょっぴり(いえ、かなり)心が疲れてしまう…。その気持ち、痛いほど分かります。
でも、この「手づかみ食べ」は、子どもが「自分で食べたい!」という意欲を育て、目と手と口の動きを連動させる(協調運動)ための、大切な成長のステップなんです。
この記事では、そんなカミカミ期の基本的な進め方から、手づかみ食べを応援する簡単レシピ、そしてママたちのよくあるお悩みまで、私の経験と看護師の知識を総動員して、まるっと解説します!
この記事でわかること
- カミカミ期への移行、見極めの3つのサイン
- 3回食のスケジュールと、食材の固さ・大きさの目安
- 栄養満点!手づかみ食べ応援レシピ3選
- 「遊び食べ」「丸呑み」どうする?ママナースのお悩み相談室
これってカミカミ期のサイン?3つの移行チェックリスト
生後9ヶ月頃が目安ですが、焦りは禁物。お子さんに以下の様子が見られたら、ステップアップのタイミングです。
- □ 舌で押しつぶすだけでなく、歯茎でモグモグ・カミカミする動きが見られる
- □ 食べ物に手を伸ばし、自分で口に運びたがる
- □ お座りが安定し、食事中も良い姿勢を保てる
一つでも当てはまったら、「そろそろかな?」と考えてOKです。
カミカミ期(9〜11ヶ月)の進め方とスケジュール
食事の回数と栄養バランス
- 回数:いよいよ1日3回食がスタート!だんだんと、大人の食事時間に合わせていき、家族で食卓を囲む楽しさを教えていきましょう。
- 栄養:栄養の半分以上を、母乳やミルクではなく、離乳食から摂るようになります。**主食(炭水化物)・主菜(タンパク質)・副菜(ビタミン・ミネラル)**の3つのグループが揃うように意識すると、バランスが整いやすいですよ。
- 母乳・ミルク:離乳食の後に、子どもが欲しがるだけ与えます。この時期から、牛乳やフォローアップミルクに少しずつ挑戦していくのも良いですね。
食材の固さ・大きさの目安
- 固さの目安:**「歯茎でつぶせるバナナくらい」**とよく言われます。指でつまんで、少し力を入れると「くにゅっ」と潰れるくらいがベスト。
- 大きさの目安:5〜8mm角くらいに刻んだものと、子どもが手で持ちやすい長さ5cm程度のスティック状のものを、メニューによって使い分けていきましょう。
手づかみ食べを応援!ママナースの簡単レシピ3選
さあ、ここからは実践編!新聞紙やレジャーシートを敷いて、汚れる覚悟を決めたら(笑)、子どもの「自分で食べたい!」を応援してあげましょう。
レシピ①:野菜スティック
にんじん、大根、さつまいもなどを、子どもが持ちやすいスティック状に切り、指で「くにゅっ」と潰せるくらいの柔らかさになるまで茹でます。味付けは不要!素材そのものの優しい甘みを、子どもに感じさせてあげましょう。
レシピ②:豆腐とひじきのおやき
栄養満点で、冷凍ストックも可能な万能選手!我が家でも大活躍でした。
【材料】
- 絹ごし豆腐:150g(軽く水切りする)
- 乾燥ひじき:小さじ1(水で戻して刻む)
- 細かく刻んだ野菜(人参、ほうれん草など):大さじ2
- 片栗粉:大さじ3
【作り方】
- ボウルに全ての材料を入れ、豆腐を潰しながらよく混ぜる。
- 小判型に成形し、少量の油をひいたフライパンで、両面をこんがり焼けば完成!
レシピ③:青のりとしらすの軟飯おにぎり
少し柔らかめに炊いたご飯(軟飯)に、塩抜きしたしらすや青のりを混ぜ、小さな俵型に握ります。ベタベタして握りにくい時は、少しだけ手に水をつけると扱いやすくなりますよ。
ママナースのお悩み相談室
Q1. 遊び食べがひどくて、食事が進みません…
A. その気持ち、よく分かります!まずは、一度に食卓に並べる量を、1〜2品に絞ってみましょう。そして、「30分経ったら、ごちそうさましようね」と時間を区切り、メリハリをつけることが大切です。食べ物で遊ぶのは、その形状や感触を確かめている成長の証でもありますが、食事の時間は「遊ぶ時間ではない」と、根気強く伝えていくことも必要です。
Q2. カミカミせずに、丸呑みしているみたいで心配です…
A. 赤ちゃんは、まず「手づかみ食べ」に慣れてから、少しずつ「カミカミ」を覚えていきます。焦らなくて大丈夫。まずは、前歯で「かじり取る」練習ができるように、少し大きめの野菜スティックや、食パンの耳などをあげてみましょう。ママやパパが、口を大きく開けて「もぐもぐ、美味しいね」と、お手本を見せてあげるのも効果的ですよ。
まとめ:「自分で食べられた!」が、生きる力になる
カミカミ期は、食卓が戦場と化し、親にとっては忍耐力が試される時期かもしれません。
でも、子どもが自分の手で食べ物を口に運び、「自分で食べられた!」と目を輝かせる瞬間は、何物にも代えがたい喜びがあります。
その一つひとつの成功体験が、子どもの「食」への意欲を育て、ひいては「自分でやってみよう!」という、生きる力そのものを育んでいきます。
汚れた床は、後で拭けばいい。どうか、イライラする気持ちを少しだけ横に置いて、「上手だね!」「美味しいね!」と、お子さんの挑戦を笑顔で応援してあげてくださいね。
