ペースト状の離乳食を上手にゴックンできるようになった我が子。でも、次のステップに進んだ途端、新たな壁が立ちはだかる…。
「自分で食べたがって、お皿ごとひっくり返す!」
「手づかみ食べさせたいけど、窒息が怖くて…」
「食べ物をぐちゃぐちゃにするだけで、全然食べてくれない!」
こんにちは!床に飛び散ったご飯粒を拾いながら、「これも仕事、これも仕事…」と自分に言い聞かせた日々が懐かしい、3児の母で現役看護師の皐月です。
生後9ヶ月ごろから始まる**離乳食後期(カミカミ期)**は、赤ちゃんが「食べる楽しさ」と「自立心」を爆発的に育む、とっても大切な時期。でも、ママにとっては、根気と工夫が一番試される、試練の時期でもありますよね。
この記事では、そんなカミカミ期〜完了期(パクパク期)を、親子で笑顔で乗り切るための具体的な方法を、まるっと解説します!
この記事でわかること
- カミカミ期・パクパク期は、いつから?どんな時期?
- 【ママナース直伝】窒息させない!安全な「固さ・大きさ」の目安
- 汚れてもイライラしない!「手づかみ食べ」の簡単レシピと工夫
- もう戦わない!「遊び食べ」に心が楽になる、とっておきの考え方
カミカミ期(9~11ヶ月頃)&パクパク期(1歳~1歳半頃)って、どんな時期?
結論から言うと、この時期の目標は「丸飲みからの卒業」と「自分で食べる意欲の育成」です。
舌でつぶしていた食事から、歯茎や歯で「カミカミ」「パクパク」と噛む練習へと移行します。そして、食べ物を目で見て、手で掴み、口に運ぶ「手づかみ食べ」が本格化。これは、脳と体の発達に欠かせない、重要なステップなんです。
| 時期 | 目標 | 食事回数 | 固さの目安 |
|---|---|---|---|
| 後期(カミカミ期) | 歯茎で噛む練習 | 1日3回 | 指で潰せるバナナくらい |
| 完了期(パクパク期) | 歯で噛みつぶす練習 | 1日3回+補食 | 肉団子くらい |
【窒息させない!】安全な「手づかみ食べ」のための調理のコツ
「喉に詰まらせたらどうしよう…」手づかみ食べをためらう一番の理由は、この不安ですよね。看護師としても、ここは絶対に押さえてほしいポイントです。
安全な固さの目安は、「指でつまんで、少し力を入れると潰せる」くらい。 熟したバナナや、よく茹でたカボチャをイメージしてください。
安全な大きさ・形の目安
- スティック状: 赤ちゃんが握りやすいように、長さ5cm、太さ1cmくらいが目安。
- 丸・四角形: 1cm角くらいが目安。球状のものは、喉に詰まりやすいので、少し潰してあげるとより安全です。
- NGなもの: ミニトマト、ブドウ、ナッツ類、弾力のあるこんにゃくゼリーなどは、窒息の危険性が非常に高いので、この時期は絶対にそのまま与えないでください。
「汚れる」は覚悟の上!でも、ちょっと楽する「手づかみ食べ」レシピ
「手づかみ食べは、脳を育てる最高の知育!」と分かっていても、毎食後の大掃除を思うと、気が重くなりますよね。そこで、少しでも後片付けが楽で、栄養も摂れる、ずぼらレシピをご紹介します。
おすすめ①:おやき
マッシュしたじゃがいも・かぼちゃに、刻んだ野菜やしらすを混ぜて、片栗粉でつなぎ、フライパンで焼くだけ。冷凍保存も可能なので、週末に作り置きしておくと、平日のママの心の余裕が生まれます。
おすすめ②:スティック野菜
にんじん、大根、きゅうりなどをスティック状に切り、歯茎で潰せる固さまで茹でるだけ。シンプルですが、素材そのものの味を覚える、大切な経験になります。
おすすめ③:パンケーキ
米粉やホットケーキミックス(砂糖の少ない幼児用のもの)に、すりおろした野菜やきな粉を混ぜて焼けば、栄養価もアップ。手で持ちやすく、ボロボロこぼれにくいのも嬉しいポイント。
もう戦わない!「遊び食べ」が始まったら、ママが唱えるべき魔法の言葉
食べ物をぐちゃぐちゃ、ポイポイ…。イライラが頂点に達する「遊び食べ」。そんな時は、心の中でこの言葉を唱えてください。
「これは、食事ではない。壮大なる、感触遊びの時間なのだ…!」
そう、赤ちゃんは、食べ物の温度、固さ、手触りを、全身で学んでいる最中なんです。知的好奇心の表れだと捉えると、少しだけ、優しい気持ちで見守れませんか?
【イライラしないための具体的な対策】
- 食事時間は20分と決める: 時間が来たら、「おしまいね」と毅然と片付けましょう。「遊んでいると、ご飯はなくなる」ということを、根気強く教えます。
- 床には新聞紙やレジャーシートを敷く: 「汚されてもいい」という環境をあらかじめ作っておけば、ママの心のダメージを最小限にできます。
- 「一口でも食べたら、満点!」とハードルを下げる: 完食を目指さない。一口でも口に入ったら、「もぐもぐできたね!すごい!」と、思いっきり褒めてあげましょう。
まとめ:食卓の「ぐちゃぐちゃ」は、赤ちゃんの「成長のあしあと」
離乳食の後期から完了期は、ママの忍耐力が試される、大変な時期です。
でも、食べ物でぐちゃぐちゃになったテーブルも、床に転がるご飯粒も、すべては、赤ちゃんが「自分で食べる」という、人間としての大きな一歩を踏み出している、輝かしい成長の証。
完璧なママなんて、どこにもいません。疲れた日は、ベビーフードに頼っていいんです。大事なのは、ママが笑顔で「おいしいね」と語りかけること。
その温かい記憶の積み重ねが、お子さんの一生続く「食べる力」の、何よりの土台になりますから。
