その水ぶくれ、あっという間に全身へ。夏に多い「とびひ」の正しい対処法
虫刺されや、あせもを掻き壊した場所から、小さな水ぶくれ(水疱)ができ、それが、あっという間に、全身に広がっていく…。夏場に、子どもに多い皮膚の感染症、それが**「とびひ(伝染性膿痂疹)」**です。その名の通り、火事の「飛び火」のように、驚くべきスピードで、感染が広がります。
こんにちは、ママナースのさとみです。とびひは、正しい知識を持って、早期に治療を開始すれば、怖い病気ではありません。しかし、対応を間違えると、自家感染で、どんどん悪化したり、きょうだいや、お友達に、うつしてしまったりします。
この記事では、とびひの正しいスキンケアと、薬の塗り方、そして、多くの親が悩む**「お風呂」や「プール」は、いつからOKか**、という疑問について、詳しく解説します。
なぜ「とびひ」は、広がるの?
とびひは、主に、黄色ブドウ球菌や、溶連菌といった、細菌が、皮膚のバリア機能が低下した場所(虫刺され、あせも、湿疹、小さな傷など)に、感染することで起こります。
水ぶくれが破れると、中から、細菌を含んだ滲出液が出てきます。その液が、ついた手で、体の他の場所を掻いてしまうことで、次から次へと、新しい場所に、感染が広がってしまうのです。
とびひ治療の3本柱
とびひの治療は、皮膚科や、小児科で処方される、薬物療法が基本です。それに加え、家庭での、正しいスキンケアが、早期治癒の鍵となります。
1. 抗菌薬(飲み薬)
原因となっている細菌を、体の中から、やっつけます。症状が良くなったように見えても、自己判断で中断せず、医師に指示された期間、必ず、最後まで飲み切りましょう。
2. 抗菌薬(塗り薬)
患部に直接塗って、細菌の増殖を抑えます。塗り方には、少しコツが必要です。
- 患部を、優しく洗う: まず、シャワーなどで、患部を、石鹸をよく泡立てて、優しく洗い、古い薬や、かさぶた、滲出液を、きれいに洗い流します。
- 薬は、少し広めに: 患部だけでなく、その周りにも、少し広めに、たっぷりと塗ります。
- 患部を、ガーゼで覆う: 薬を塗った後、患部を、ガーゼなどで覆い、他の場所に、細菌が接触しないように保護します。ただし、ガーゼが、滲出液で、ジュクジュクになったら、こまめに取り替えましょう。
3. 抗ヒスタミン薬(かゆみ止め)
強いかゆみを伴う場合は、かゆみを抑えるための、飲み薬が処方されることもあります。掻き壊しを防ぐことが、悪化と、拡大を防ぐために、非常に重要です。
お風呂は?プールは?日常生活のQ&A
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Q. お風呂に入ってもいい?
A. **はい、毎日、シャワーで、きれいに洗い流してください。**湯船に浸かるのは、きょうだいへの感染のリスクがあるため、治るまでは避けましょう。体を洗う時も、ゴシゴシこすらず、泡で優しく。タオルは、必ず、患者専用のものを用意し、共用は避けてください。 -
Q. プールは、いつから入れる?
A. **患部が、完全に乾き、新しい水ぶくれが、できなくなるまで、プールは、お休みです。**自己判断せず、必ず、医師の許可を得てから、再開しましょう。 -
Q. 登園・登校は、してもいい?
A. とびひは、学校保健安全法で、出席停止が義務付けられている病気ではありません。しかし、感染を広げる可能性があるため、患部を、ガーゼなどで、きちんと覆うことができれば、登園・登校は可能、とする園や、学校が多いです。ただし、園や、学校の方針によりますので、必ず、事前に確認しましょう。
まとめ:早期受診と、正しいケアが、治癒への近道
とびひは、夏の、子どもの皮膚トラブルの代表格です。
虫刺されや、あせもを、掻き壊しているのを見つけたら、早めに、皮膚科、または、小児科を受診すること。そして、処方された薬を正しく使い、患部を清潔に保つこと。
この、基本的な対応を、徹底することが、とびひの、つらいかゆみと、感染の連鎖から、お子さんを、早く解放してあげるための、一番の近道です。