発熱

熱性けいれんでパニックにならない!救急車を呼ぶべき?観察ポイントと対応

突然、我が子が白目に…その時、親がすべきことは「何もしない」ことだった?

高熱を出した我が子が、突然、白目をむいて、手足を硬直させ、ガクガクと震え出す…。初めて「けいれん」を目の当たりにした時、多くの親御さんは、パニックになり、「このまま死んでしまうのではないか」という、恐怖に襲われると言います。

こんにちは、ママナースのさとみです。子どもが、発熱時に起こすけいれんの多くは、**「熱性けいれん」**と呼ばれるもので、基本的には、脳に後遺症を残すことのない、予後良好なものです。しかし、その見た目は、非常にショッキングです。

この記事では、いざという時に、親がパニックにならず、冷静に行動できるように、熱性けいれんが起きた時の、正しい対応と、救急車を呼ぶべきかどうかの判断基準について、詳しく解説します。


熱性けいれんとは?

熱性けいれんは、主に、生後6ヶ月から5歳くらいまでの乳幼児が、38℃以上の発熱に伴って起こす、けいれん発作です。脳が、まだ未熟なために、急激な体温の上昇に、うまく対応できずに、脳の神経細胞が、異常に興奮してしまうことで起こると考えられています。


その時、どうする?けいれんが起きた時の、正しい対応

まず、一番大切なこと。それは、親が、慌てないことです。そして、大声で叫んだり、体を揺さぶったりしないでください。

1.安全な場所に、寝かせる

まずは、周りに、頭をぶつけるような、危険なものがないかを確認し、平らな場所に、体を横向きに寝かせます。横向きにするのは、嘔吐した際に、吐瀉物が、喉に詰まるのを防ぐためです。

2.衣服をゆるめる

首周りのボタンを外すなど、衣服をゆるめて、呼吸を楽にしてあげましょう。

3.何もしないで、観察に徹する

**口の中に、指や、タオルなどを、絶対に入れないでください。**舌を噛むことは、ほとんどありません。無理に入れると、窒息や、親が指を噛まれる危険があります。

親がすべきことは、けいれんの様子を、冷静に、よく観察することです。スマホで、動画を撮影できれば、後で、医師に状況を正確に伝えるのに、非常に役立ちます。

【観察のポイント】

  • 何時に始まったか?(時間を確認)
  • けいれんの長さは、何分くらいか?
  • 目の動きは、どうなっているか?(上を向いている、左右どちらかに寄っているなど)
  • 手足の動きは、左右対称か?それとも、片方だけか?
  • 顔色や、唇の色はどうか?

ほとんどの熱性けいれんは、5分以内に、自然に収まります。


救急車を呼ぶべき?判断の基準

基本的には、初めてけいれんを起こした場合は、かかりつけ医に連絡するか、夜間であれば、救急外来を受診するのが原則です。しかし、以下のような場合は、ためらわずに、救急車を呼んでください。

救急車を呼ぶべき、けいれん

  • けいれんが、5分以上続いている。
  • けいれんが、一旦止まったと思ったら、またすぐに、繰り返す。
  • けいれんの後、意識が、なかなかしっかりと戻らない。
  • 呼吸が、おかしい。顔色や、唇の色が、紫色になっている。
  • 手足の動きが、左右非対称な、けいれん。
  • 初めてのけいれんで、生後6ヶ月未満、または、6歳以上。

これらの場合は、熱性けいれんではなく、髄膜炎や、脳炎、てんかんなど、他の、重篤な病気の可能性も考えられます。


まとめ:冷静な観察が、子どもの命を救う

熱性けいれんは、親にとって、最もパニックになる、子どもの救急疾患の一つです。

しかし、そのほとんどは、時間と共に、自然に収まる、予後良好なものです。いざという時に、一番大切なのは、親が、冷静さを失わず、子どもの安全を確保し、そして、けいれんの様子を、しっかり観察すること。

その、冷静な数分間の観察が、その後の、的確な診断と治療に繋がり、子どもの命を救うことに、直結するのです。この記事を、万が一の時のための、「お守り」として、頭の片隅に、置いておいてください。


「熱さまシート」は、解熱効果なし?子どもの発熱時、クーリングの正しい知識

その「冷えピタ」、気休めかもしれません。子どもの発熱時、クーリングの正しい知識

子どもが、熱を出すと、多くの親が、まず、冷蔵庫から、取り出すのが、「熱さまシート」や、「冷えピタ」といった、冷却ジェルシートではないでしょうか。「熱を、吸い取ってくれる」「気持ちよさそう」そんな、イメージがあるかもしれません。しかし、医学的には、これらの、冷却シートに、解熱効果(体温を下げる効果)は、ないとされています。

こんにちは、ママナースのさとみです。良かれと思って、やっている、そのケアが、実は、あまり意味がなかったり、場合によっては、逆効果だったりすることも。子どもの発熱は、親にとって、一大事。だからこそ、正しい知識を、持っておきたいですよね。

この記事では、子どもの発熱時の、「クーリング(体を冷やすこと)」に関する、正しい知識と、本当に、効果のある、体の冷やし方について、解説します。


なぜ、「熱さまシート」に、解熱効果はないの?

熱さまシートは、その、ジェルの水分が、蒸発する時の、気化熱によって、おでこなどの、「貼った部分」の、皮膚表面の温度を、一時的に、下げているだけです。体の、中心部の体温(深部体温)を、下げる力は、ありません。

もちろん、子どもが、「冷たくて、気持ちいい」と感じているのであれば、精神的な、安楽のために、使ってあげるのは、良いでしょう。しかし、「熱を下げるため」の、医療的な効果は、期待できない、ということを、知っておきましょう。

使用する際の、注意点

  • 窒息のリスク: 乳幼児に、使用する場合、寝ている間に、シートがずれて、口や鼻を、塞いでしまい、窒息する危険性があります。絶対に、目を離さないでください。
  • 皮膚トラブル: 肌が弱い子は、かぶれてしまうこともあります。

発熱のメカニズム:体を、冷やすべき時と、温めるべき時

効果的な、クーリングを行うためには、発熱の、フェーズを、理解することが、重要です。

フェーズ1:熱の「上がり際」(悪寒期)

  • 症状: 手足が冷たく、ブルブルと、震え(悪寒)がある。顔色が、青白い。
  • 体の状態: 体が、熱を、作り出そうと、頑張っている時期。
  • 対応: この時期に、体を冷やすのは、逆効果です。本人が、寒さを訴えるなら、布団を一枚、足してあげるなど、保温に努めましょう。

フェーズ2:熱が「上がりきった」後(熱感期)

  • 症状: 全身が、熱く、顔が赤い。汗をかき始める。
  • 体の状態: 体が、熱を、外に逃がそうと、している時期。
  • 対応: このタイミングで、初めて、クーリングが、有効になります。本人が、暑がるようなら、薄着にさせ、体を、冷ましてあげましょう。

本当に、効果のある、体の冷やし方

体を、効率的に、冷やすためのポイントは、**「太い血管が、通っている場所」**を、狙うことです。

  • 首の、両脇
  • 脇の下
  • 足の付け根(そけい部)

これらの場所を、保冷剤を、タオルで包んだものや、冷たい、濡れタオルなどで、冷やしてあげると、そこを流れる、血液が冷やされ、全身の体温が、効率的に、下がります。

おでこを、冷やすのは、本人が、気持ち良いと感じるなら、良いですが、解熱効果としては、あまり、期待できません。


まとめ:クーリングは、あくまで、補助的なケア

子どもの発熱で、最も、大切なこと。それは、クーリングや、解熱剤で、無理に、熱を下げることでは、ありません。

**水分補給を、しっかり行い、ゆっくりと、体を休ませてあげること。そして、熱の高さだけでなく、「機嫌はどうか」「ぐったりしていないか」**といった、子どもの、全身状態を、よく観察することです。

熱さまシートは、「お守り」のようなもの。その、効果を、過信せず、正しい知識を持って、発熱の、つらい時期を、乗り切ってあげてくださいね。


熱が出た!ママナースが教える解熱剤の正しい使い方とタイミング

はじめに:子どもの発熱、解熱剤を使うべきか迷っていませんか?

子どもの体が急に熱くなると、親としては本当に心配になりますよね。「すぐにでも熱を下げてあげたい!」と焦る気持ちと、「解熱剤って、むやみに使っていいの?」という不安な気持ちの間で、どうすべきか迷ってしまう方も多いのではないでしょうか。

こんにちは、ママナースのさとみです。私自身も、我が子が発熱するたびに同じように悩み、医療現場でも多くの親御さんから相談を受けてきました。

解熱剤は、子どものつらさを和らげる心強い味方ですが、使い方を間違えると逆効果になることも。この記事では、解熱剤を使うべき本当のタイミングと、安全な使い方について、ママナースの視点から分かりやすく解説します。


大前提:熱は「悪者」ではない!体がウイルスと戦っているサイン

まず知っておいてほしいのは、発熱は体が病原体と戦うための大切な防御反応だということです。体温を上げることで、ウイルスの増殖を抑え、免疫を活性化させています。

ですから、「熱が高いから」という理由だけで、慌てて解熱剤を使う必要はありません。

一番大切なのは、**熱の高さではなく、子どもの「全身状態」**です。


解熱剤を使うべき本当のタイミングは「子どもがつらそうな時」

では、具体的にどんな時に解熱剤を使えば良いのでしょうか。答えはシンプルです。

子どもが熱のせいでつらそうにしている時、それが使うべきタイミングです。

こういう時は、使ってOK!

  • ぐったりしていて元気がない
  • つらくて水分や食事がとれない
  • 眠れない、何度も起きてしまう
  • 機嫌が非常に悪く、ぐずり続けている

解熱剤の目的は、病気を治すことではなく、熱によるつらさを一時的に和らげ、体力を消耗するのを防ぐこと。少しでも楽にしてあげて、その間に水分補給をしたり、少し眠らせてあげたりするために使う、と覚えておきましょう。

こういう時は、使わずに様子見でOK!

  • 熱は高い(38.5℃以上)けれど、比較的元気がある
  • 水分も取れていて、遊んだりもできる
  • すやすや眠れている

こんな時は、体がしっかりウイルスと戦えている証拠。無理に熱を下げる必要はありません。涼しい環境を整え、水分補給をしながら、ゆっくり見守ってあげましょう。


ママナースが教える!解熱剤の安全な使い方3つのルール

解熱剤を使うと決めたら、次はこの3つのルールを必ず守ってください。

1. 用法・用量を必ず守る

当たり前のことですが、これが最も重要です。子どもの解熱剤は、年齢や体重によって厳密に量が決められています。必ず説明書を読み、正しい量を使いましょう。迷ったら、薬剤師やかかりつけ医に確認してください。

2. 使う間隔はしっかり空ける

一度使って熱が下がっても、また上がってくることはよくあります。しかし、焦って次の薬を使ってはいけません。ほとんどの解熱剤は、6〜8時間程度の間隔を空ける必要があります。決められた使用間隔より短い時間で使うのは絶対にやめましょう。

3. 坐薬と飲み薬の併用は自己判断しない

「坐薬を入れたけど、飲み薬も使っていい?」。これはよくある質問ですが、自己判断での併用は危険です。成分が重複し、薬が効きすぎてしまう可能性があります。必ず医師や薬剤師に相談してください。


まとめ:解熱剤は「お守り」。上手に使って親子で乗り切ろう

子どもの発熱は、親にとって試練の時です。でも、正しい知識があれば、慌てず冷静に対応できます。

解熱剤は、病気を治す魔法の薬ではありません。子どもがつらい時に少しだけ手助けをしてくれる「お守り」のような存在です。その役割を正しく理解し、上手に活用して、つらい発熱の時期を親子で乗り切っていきましょう。


発熱時の食事と水分補給、嫌がる子にどう飲ませる?年齢別おすすめメニュー

はじめに:熱がある時、何を食べさせたらいい?

子どもが熱を出すと、食欲がなくなったり、水分さえも嫌がったりすることがありますよね。「何も食べてくれない…」「脱水症状になったらどうしよう…」と、食事のことで頭を悩ませる親御さんは本当に多いです。

こんにちは、ママナースのさとみです。発熱時は、体を治すためにたくさんのエネルギーと水分が必要です。しかし、無理に食べさせるのは逆効果。大切なのは、子どもの状態に合わせて、消化が良く、効率的に水分と栄養が摂れるものを選ぶことです。

この記事では、発熱で食欲がない子どもでも口にしやすい食事や飲み物、そして嫌がる子に上手に水分補給をさせるための工夫を、年齢別にご紹介します。


最優先は「水分補給」!脱水症状を見逃さないで

食事よりも何よりも、まず一番に優先すべきは水分補給です。熱が出ると、汗や速い呼吸によって、体からどんどん水分が失われていきます。

脱水症状のサイン

  • おしっこの回数や量が減る(半日以上出ていない場合は要注意)
  • 唇がカサカサに乾いている
  • 泣いても涙が出ない
  • 目が落ちくぼんでいる
  • ぐったりして、あやしても反応が鈍い

これらのサインが見られたら、すぐに医療機関を受診してください。

おすすめの飲み物

  • 経口補水液: 水分と電解質を効率よく吸収できます。薬局などで購入できます。
  • 麦茶や湯冷まし: 最も手軽で、赤ちゃんにも安心です。
  • 薄めたりんごジュース: 糖分がエネルギーになります。ただし、与えすぎには注意。
  • 野菜スープや味噌汁の上澄み: 塩分も補給できます。

NGな飲み物: オレンジジュースなどの柑橘系は、吐き気を誘発することがあります。牛乳などの乳製品も、消化に負担がかかる場合があるので避けましょう。


嫌がる子への水分補給テクニック

「何をあげても飲んでくれない!」そんな時は、こんな方法を試してみてください。

  • 少量ずつ、頻繁に: 一度にたくさん飲ませようとせず、スプーン1杯、スポイト1滴からでもOK。5〜10分おきに根気よく続けてみましょう。
  • 見た目を変えてみる: いつもと違うコップや、ストロー付きのマグ、お気に入りのキャラクターのコップなどを使うと、興味を引くことがあります。
  • 凍らせてみる: 経口補水液や麦茶を製氷皿で凍らせて、小さな氷を口に含ませてあげるのも効果的です。喉の痛みも和らぎます。
  • ゼリーや果物で代用: 水分が多いゼリーや、すりおろしりんご、梨なども水分補給になります。

年齢別!発熱時におすすめの食べ物

食欲が少し出てきたら、消化が良く、栄養のあるものを少しずつ試してみましょう。

【離乳食期(5ヶ月〜1歳半頃)】

  • 10倍がゆ、7倍がゆ: いつもよりさらに水分を多くして、トロトロにしてあげましょう。
  • 野菜のすりつぶしスープ: にんじん、かぼちゃ、じゃがいもなど、甘みのある野菜がおすすめです。
  • すりおろしりんご、豆腐

【幼児期(1歳半〜6歳頃)】

  • うどん、おかゆ: 柔らかく煮込んで、消化しやすくします。
  • 野菜スープ、茶碗蒸し
  • プリン、ゼリー、アイスクリーム: 特別な時だけのご褒美として。冷たくて喉越しが良いので、食べたがることが多いです。
  • バナナ、桃

大切なのは、子どもが食べたがるものを、食べたがるだけあげること。発熱時は、栄養バランスよりも「水分とエネルギーを補給すること」を第一に考えましょう。


まとめ:焦らず、子どものペースに合わせて

発熱時の食事と水分補給は、親にとって根気のいる仕事です。でも、一番つらいのは子ども自身。「食べなさい!」と叱るのではなく、「一口でも飲めたね、えらいね」と褒めてあげながら、焦らず子どものペースに合わせて進めていきましょう。

この記事が、あなたの不安を少しでも軽くし、看病のヒントになれば嬉しいです。


【疑問解消編】解熱剤を使っても熱が下がらない!そんな時の原因と対処法

はじめに:その「困った!」、みんな経験しています

前回の「基本編」では、子どもの解熱剤を使う上での基本的な考え方や、種類、使うタイミングについてお話しました。

▼前回の記事はこちら
【基本編】子どもの熱、何度から座薬を使う?種類、間隔、タイミングの全て

マニュアル通りに使ってみた。でも、いざ実践してみると、「あれ?なんだかうまくいかない…」ということ、ありますよね。

「解熱剤を使ったのに、30分経っても1時間経っても、一向に熱が下がらない…」
「座薬を入れた瞬間に、うんちと一緒に出てきちゃった!これって、どうすればいいの?」

こんな“あるある”なトラブルに直面した時、親としては「薬が効かないほど、重症なんじゃ…」と、不安が倍増してしまうものです。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

大丈夫。その「困った!」、あなただけが経験しているわけではありません。小児科の現場でも、親御さんから本当によく受ける質問ばかりです。

この記事では、「疑問解消編」として、解熱剤を使う上でよくあるトラブルや疑問について、Q&A形式で分かりやすくお答えしていきます。この記事を読めば、予期せぬ事態にも、もう慌てず冷静に対処できるようになりますよ。


解熱剤の“あるある”Q&A:こんな時、どうする?

Q1. 解熱剤を使ったのに、熱が全然下がりません。どうして?

A1. まずは、落ち着いて。薬が効いていないわけではないかもしれません。

解熱剤の目的は、熱を平熱まで下げることではありません。つらい症状を和らげるために、高すぎる熱を1℃〜1.5℃ほど下げてあげるのが、薬の役割です。

例えば、39.5℃あった熱が、薬を使った後に38.5℃になったとしたら、それは薬が十分に効いている証拠です。「まだ熱が高いじゃない!」と焦る必要はありません。少しでも熱が下がり、お子さんの表情が和らいだり、水分が摂れたりするようであれば、それでOKなのです。

また、熱の勢いが非常に強い時(ウイルスが体内で大暴れしている時など)は、薬の力よりも、熱を上げようとする体の働きが勝ってしまい、なかなか熱が下がらないこともあります。そんな時は、薬だけに頼らず、**クーリング(体を冷やすこと)**を併用してみましょう。

【クーリングのポイント】
首の付け根、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を、保冷剤をタオルでくるんだものや、濡れタオルで冷やしてあげると効果的です。ただし、子どもが嫌がる場合は、無理強いしないでくださいね。

Q2. 座薬を入れたら、すぐウンチと一緒に出てしまいました!

A2. 出てしまった時間によって、対応が異なります。

これは、本当によくあるトラブルです。焦らず、何分くらいで出てしまったかを確認しましょう。

  • 入れてから10分以内に出てしまった場合:
    • 薬がほとんど吸収されていない可能性が高いです。もう一度、同じ量の座薬を入れ直してOKです。
  • 入れてから30分以上経ってから出てしまった場合:
    • 薬の大部分は、すでに体内に吸収されています。追加で使うと、薬の量が多すぎてしまう危険があるので、次に追加で使える時間(通常は6〜8時間後)まで、様子を見てください。
  • 10分〜30分の間で、微妙な時間の場合:
    • 判断に迷いますよね。ウンチの中に、溶け残った座薬が形として見えているかどうかも、一つの判断材料になります。もし、形がそのまま残っているようなら、もう一度使っても良いかもしれません。しかし、一番安全なのは、次の時間まで待つか、かかりつけの病院や、**小児救急電話相談(#8000)**に電話して、指示を仰ぐことです。

Q3. 飲み薬を飲ませたら、吐いてしまいました…。

A3. これも、吐いてしまった時間で判断します。

  • 飲んでから10分以内に吐いてしまった場合:
    • ほとんど吸収されていないので、もう一度、同じ量を飲ませてあげて大丈夫です。ただし、吐き気が続いている時に無理に飲ませても、また吐いてしまう可能性があります。少し時間をおいて、落ち着いてから再チャレンジしましょう。
  • 飲んでから30分以上経ってから吐いてしまった場合:
    • すでに吸収されていると考えて、追加では飲ませないでください。

吐き気が強い時は、無理に飲み薬を使おうとせず、座薬に切り替えるのが賢明です。

Q4. 熱が下がって元気になったので、保育園に行かせてもいい?

A4. いいえ、絶対にいけません!

解熱剤で一時的に熱が下がっても、病気が治ったわけではありません。体の中では、まだウイルスや細菌が残っています。この状態で集団生活に戻ると、他の子に病気をうつしてしまうだけでなく、お子さん自身の体力も落ちているため、別の病気をもらってきたり、症状がぶり返したりする原因になります。

保育園や学校の出席停止期間の基準は、病気の種類によって異なりますが、一般的な風邪であっても、解熱剤を使わずに平熱で24時間以上過ごせ、かつ、咳や鼻水などの症状が落ち着いて、食欲や元気が普段通りに戻っていることが、登園・登校を再開する一つの目安です。必ず、園や学校のルールを確認してくださいね。


まとめ:トラブルはつきもの。冷静な判断が、ママを強くする

子どもの看病に、マニュアル通りにいかないトラブルはつきものです。でも、一つ一つのトラブルに冷静に対処していく経験が、親としての自信と、的確な判断力を育ててくれます。

今回ご紹介したQ&Aが、あなたの「どうしよう…」を、「こうすれば大丈夫!」という自信に変える、手助けになれば嬉しいです。

さて、次回の記事では、このシリーズの最終回として、少し怖いけれど、知っておくべき「熱性けいれん」について、万が一の時にパニックにならないための正しい知識と対応をお伝えします。

【体験談】「熱性けいれん」って何?パニックにならないための正しい知識と対応

はじめに:その瞬間、私の頭は真っ白になった

これまでの2回の記事で、子どもの発熱時に使う「解熱剤」の基本と、よくある疑問についてお話してきました。

▼これまでの記事

  1. 【基本編】子どもの熱、何度から座薬を使う?種類、間隔、タイミングの全て
  2. 【疑問解消編】解熱剤を使っても熱が下がらない!そんな時の原因と対処法

最終回となる今回は、発熱に伴う症状の中でも、多くの親が最も恐怖を感じるであろう**「熱性けいれん」**についてです。

何を隠そう、私自身、長女が1歳の時、初めての熱性けいれんを経験しました。看護師として、知識としては知っていたはずなのに。いざ我が子が目の前で白目をむいて、手足を硬直させた瞬間、私の頭は完全に真っ白になりました。救急車を呼ぶ手が、震えて止まらなかったことを、今でも鮮明に覚えています。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

この記事では、そんな私のリアルな体験談を交えながら、熱性けいれんとは何なのか、そして、万が一その瞬間に立ち会った時、親としてどう行動すればいいのかを、具体的にお伝えします。この記事は、あなたを怖がらせるためのものではありません。いざという時に、パニックにならず、お子さんのために最善の行動がとれるようになるための、“心の防災訓練”です。


そもそも「熱性けいれん」って、何?

熱性けいれんとは、その名の通り、**発熱(通常は38℃以上)が引き金となって起こる「けいれん発作」**のことです。生後6ヶ月〜5歳くらいまでの、脳の発達が未熟な子どもに起こりやすいと言われています。

親にとっては、非常に衝撃的な光景ですが、そのほとんどは**「単純型熱性けいれん」**と呼ばれるもので、**後遺症を残すことはなく、命に関わることもありません。**まずは、このことを知っておくだけでも、少し気持ちが違うはずです。

【単純型熱性けいれんの主な特徴】

  • 全身のけいれん(手足がガクガク、または突っ張る)が左右対称に起こる
  • けいれんの持続時間は、通常5分以内
  • 1回の発熱期間中に、1回しか起こらない

【最重要】その瞬間、親がやるべきこと・やってはいけないこと

もし、お子さんがけいれんを起こしたら。パニックになりそうな気持ちをぐっとこらえて、以下の行動をとってください。

やるべきこと3つ

  1. 安全な場所に、体を横向きに寝かせる
    • まずは、周囲の危険なもの(机の角、硬いおもちゃなど)から遠ざけます。
    • そして、体を横向きにして寝かせてください。これは、嘔吐した時に、吐いたものが喉に詰まる(窒息)のを防ぐためです。これが最も重要です。
  2. 時間を計る
    • スマホのタイマー機能などを使って、けいれんが何分何秒続いているかを正確に計ってください。この情報は、後で医師に伝える際に、非常に重要になります。
  3. 様子を観察する
    • どんなけいれんか、冷静に観察します。「白目をむいている」「手足が突っ張っている」「ガクガク震えている」「左右対称か」など、見たままの様子を覚えておきましょう。動画を撮る余裕があれば、それも非常に役立ちます。

絶対にやってはいけないこと3つ

  1. 大声で呼びかける、体を揺さぶる
    • 刺激を与えることで、けいれんを助長してしまう可能性があります。静かに見守ってください。
  2. 口の中に指や箸などを入れる
    • 昔は「舌を噛まないように」と、こういった対応がされていましたが、これは絶対にNGです。指を噛まれて親が怪我をするだけでなく、子どもの口の中を傷つけたり、呼吸を妨げたりする危険があります。熱性けいれんで舌を噛み切ることは、まずありません。
  3. 慌てて抱きかかえる
    • 抱きしめたい気持ちは痛いほどわかります。でも、まずは安全な場所に寝かせることが最優先です。けいれんが収まってから、優しく抱きしめてあげてください。

けいれんが収まったら…そして、救急車を呼ぶ判断

ほとんどのけいれんは、5分以内に自然と収まります。けいれんが収まった後は、子どもはぼーっとしたり、そのまま眠ってしまったりすることが多いです。

【救急車を呼ぶべきかどうかの判断】

  • 初めてけいれんを起こした場合基本的には、救急車を呼びましょう。
    • 熱性けいれん以外の、髄膜炎など、怖い病気が隠れている可能性を否定するためにも、一度は必ず病院で診てもらう必要があります。
  • 2回目以降で、主治医から指示をもらっている場合指示に従いましょう。
    • 「5分以上続いたら救急車を呼んでください」「けいれんが収まって、普段と変わりなく眠れているなら、翌日受診で大丈夫です」など、事前に指示を受けている場合は、それに従います。

【救急車を待つ間に準備しておくもの】

  • 保険証、医療証、母子手帳
  • お薬手帳
  • 着替え、おむつ、タオルなど

そして、救急隊員や医師に伝えるべき情報を、頭の中で整理しておきましょう。

【伝えるべき情報】

  • 何時何分から、何分間けいれんが続いたか
  • けいれん中の様子(白目、手足の動きなど)
  • 熱が何度あったか
  • けいれん後の意識の状態

まとめ:正しい知識が、あなたと子どもを守る“お守り”になる

長女がけいれんを起こした後、私は自分を責めました。「看護師なのに、何もできなかった」と。でも、後から思えば、あの時、私が無意識にやっていた「体を横向きにする」「時間を計る」という行動は、教科書通り、マニュアル通りの正しい対応でした。

パニックの中でも、体が動いた。それは、頭の片隅に「正しい知識」があったからです。

この記事を読んだあなたも、もう大丈夫。万が一の時、きっと冷静に行動できるはずです。熱性けいれんは、親にとって本当に怖い経験です。でも、その経験を乗り越えた時、親子の絆は、もっともっと強くなるはずです。

これで、『ママナースが教える「解熱剤」の正しい使い方』シリーズは終わりです。この3つの記事が、子どもの急な発熱に悩む、すべての親御さんたちの“お守り”になることを、心から願っています。

【解熱剤の基本編】子どもの熱、何度から座薬を使う?種類、間隔、タイミングの全て

はじめに:その解熱剤、本当に「今」必要ですか?

ピピピッ!体温計が示した「38.5℃」の数字に、ドキッとする。ぐったりと赤い顔で眠る我が子を前に、多くの親が頭をよぎるのは、「解熱剤、使った方がいいのかな?」という迷いだと思います。

「熱が高いと、頭がおかしくなるって本当?」
「座薬と飲み薬、どっちがいいの?」
「一度使ったら、何時間あければいい?」

子どもの急な発熱は、親にとって一大事。解熱剤は、そんな時の心強い味方ですが、その一方で、使い方を間違えると、かえって子どもの回復を妨げてしまう可能性もある、いわば“諸刃の剣”なのです。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

小児科で働いていると、「熱が出たので、すぐに解熱剤を使いました」という親御さんに、本当によく会います。その気持ち、痛いほどわかります。でも、ちょっと待って!熱を出すこと自体は、子どもがウイルスや細菌と戦っている、大切な証拠でもあるのです。

この記事では、『ママナースが教える「解熱剤」の正しい使い方』シリーズの「基本編」として、そもそも解熱剤は何のために使うのか、そして、いつ、どの薬を、どう使えばいいのか、という基本のキを、徹底的に解説していきます。もう、不要な解熱剤で、子どもの戦いを邪魔するのはやめにしましょう!


大原則:解熱剤は「熱を下げる」ためではなく「楽にする」ために使う

まず、最も大切なことをお伝えします。解熱剤は、病気を治す薬ではありません。あくまで、高熱によるつらい症状を一時的に和らげ、子どもが少しでも楽に過ごせるように手助けするための薬です。

熱が高いこと自体で、脳に障害が残るようなことは、基本的にはありません。(※ただし、41℃を超える高熱が続く場合や、熱性けいれんを繰り返す場合は別です)

無理に熱を下げると、体がウイルスと戦う力を弱めてしまい、かえって回復が遅れることもあります。解熱剤を使うかどうかの判断基準は、**「熱の高さ」ではなく、「子どもの機嫌や全身の状態」**です。

じゃあ、何度から使うの?答えは「子どもの状態次第」

一般的に、医療機関では**「38.5℃」**が解熱剤を使い始める一つの目安とされています。しかし、これはあくまで目安。

  • 39℃あっても、ケロッとしていて水分も摂れている使う必要なし
  • 38.2℃だけど、ぐったりして水分も摂れない、眠れない使うことを検討

このように、熱の数字だけで判断するのではなく、**「つらそうかどうか」**を一番の基準にしてください。


座薬?飲み薬?シロップ?どれを選べばいいの?

小児科で処方される解熱剤には、主に「アセトアミノフェン」という成分のものが使われます。形状にはいくつか種類があり、それぞれにメリット・デメリットがあります。

① 座薬(アンヒバ、アルピニーなど)

  • メリット:
    • 吐き気がある時や、薬を飲むのを嫌がる時でも使える。
    • 吸収が比較的早く、効果も確実。
  • デメリット:
    • うんちと一緒に出てしまうことがある。(入れてから10分以内に出てしまったら、もう一度入れ直してもOK)
    • 子どもが嫌がることがある。

② 飲み薬(カロナール、アセトアミノフェンなど)

  • メリット:
    • 持ち運びが楽で、外出先でも使いやすい。
    • 体重に合わせて、量を細かく調整しやすい。
  • デメリット:
    • 味が苦手で、吐き出してしまうことがある。
    • 嘔吐している時には使えない。

③ シロップ・ドライシロップ

  • メリット:
    • 甘い味がついているものが多く、小さな子どもでも飲みやすい。
  • デメリット:
    • 飲み薬と同様、嘔吐時には使えない。
    • 開封後の保存期間が短い場合がある。

【ママナースの結論】
どれが良い・悪い、ということはありません。子どもの年齢や、その時の状況(吐き気の有無など)に合わせて、医師と相談して処方してもらいましょう。個人的には、吐いてしまうことも想定して、「座薬」と「飲み薬」の両方を処方してもらい、お守りとして持っておくと、いざという時に安心だと思います。


ここが重要!解熱剤の正しい使い方と注意点

解熱剤を使うと決めたら、次は正しい使い方です。ここを間違えると、効果がなかったり、危険な状態を招いたりすることもあります。

  • 使う間隔は?
    • アセトアミノフェン製剤の場合、最低でも6〜8時間はあけてください。熱が下がりきらないからといって、時間をあけずに追加で使うのは絶対にNGです。
  • いつ使う?
    • 熱が上がりきったタイミングで使いましょう。手足が冷たく、ガタガタ震えている時は、まだ熱が上がっている最中です。この時に使うと、熱の上がり方をさらに急にしてしまい、体に負担をかけます。手足が温かくなり、汗をかき始めたら、熱が上がりきったサインです。
  • 量は?
    • 必ず、医師から指示された体重あたりの量を守ってください。「早く効かせたいから」と多く使うのは非常に危険です。兄弟で使い回すのもやめましょう。

まとめ:解熱剤は「お守り」。主役は子どもの“治る力”

解熱剤は、あくまで子どものつらさを和らげるための「サポーター」であり、お守りのような存在です。病気を治す主役は、あくまで子ども自身が持つ「免疫力」

熱の数字に一喜一憂せず、ぐったりしていないか、水分は摂れているか、など、子どもの全身の状態をしっかりと観察すること。そして、本当に必要な時に、正しく薬を使うこと。

それが、子どもの“治る力”を最大限に引き出す、親にできる一番のサポートです。

次回の「疑問解消編」では、「解熱剤を使っても熱が下がらない!」「座薬がうんちと一緒に出てきちゃった!」など、解熱剤を使う上でよくある“困った!”にお答えしていきます。

【ママナースが解説】子どもの急な発熱、どうする?家庭での対処法と受診の目安

その小さな体が熱い…夜中の発熱に、あなたは冷静でいられますか?

プルルル…夜間、スマホに表示された病院の番号。

ぐったりと熱い我が子を前に、心臓が跳ね上がる。

「もしものこと」を考えてしまう親心。
夜間や休日で医療機関が限られることへの不安。

子どもの急な発熱は、親にとって計り知れないほどの不安を伴いますよね。

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、何度もこの不安と向き合ってきた、現役ママナースの皐月です。

医療現場で多くの患者さんとご家族の不安に寄り添ってきた経験から、親御さんの不安は当然の感情だと理解しています。

この記事では、そんなあなたの不安に寄り添い、子どもの発熱時に家庭でできる適切な対処法から、すぐに受診すべき危険なサイン、そして解熱剤の正しい使い方まで、専門家の視点から分かりやすくお伝えします。

正しい知識と準備があれば、きっとあなたは、お子さんの「最初の看護師」として、冷静に対応できるはずです。


なぜ?どうして?子どもの発熱のメカニズム

発熱は、体がウイルスや細菌と戦っている証拠であり、免疫機能が正常に働いている証でもあります。熱が高いほど重症というわけではありません。大切なのは、熱の高さよりも、お子さんの全身状態です。

発熱時の体の変化

  1. 熱が上がり始め(悪寒戦慄期):
    • 体温を上げようと体が震え、手足が冷たくなります。この時期は、温めてあげましょう。
  2. 熱が上がりきった状態(熱性期):
    • 手足が温かくなり、顔が赤くなります。この時期は、熱がこもらないように薄着にし、体を冷やしてあげましょう。
  3. 熱が下がり始め(解熱期):
    • 汗をかき始めます。汗をかいたら、すぐに着替えさせ、体を冷やしすぎないように注意しましょう。

【家庭でできる対処法】慌てずに!発熱時の基本ケアと注意点

子どもの発熱時、まずは慌てずに以下の基本ケアを実践しましょう。

1.熱の測り方

  • 正しい体温計の使い方: 脇の下でしっかり挟む、耳式体温計は耳の穴にまっすぐ入れるなど、体温計の取扱説明書に従いましょう。
  • 測る場所: 脇の下が一般的ですが、乳幼児は耳式や額式も便利です。
  • 注意点: 食後や運動後、入浴後は体温が高めに出ることがあるので、少し時間を置いてから測りましょう。

2.水分補給の重要性

発熱時は脱水になりやすいので、こまめな水分補給が最も重要です。

  • 与えるもの: 経口補水液、麦茶、薄めたイオン飲料、リンゴジュース(薄める)、野菜スープなどがおすすめです。
  • 与え方: 一度にたくさん飲ませるのではなく、スプーンやストローで少量ずつ、頻回に与えましょう。
  • 脱水症状のサイン: 唇や口の中が乾いている、おしっこの量が少ない、元気がない、泣いても涙が出ない、皮膚の弾力がない(つまんで離すと戻りが遅い)などのサインに注意しましょう。

3.食事

無理に食べさせる必要はありません。水分補給を優先しましょう。

  • 消化の良いもの: おかゆ、うどん、ゼリー、プリン、スープなどがおすすめです。
  • 食べやすいもの: 子どもが食べたいものを少量ずつ与えましょう。

4.衣類・寝具

  • 体温調節: 汗をかいたらすぐに着替えさせ、薄着にしましょう。熱が上がりきって手足が温かくなってきたら、布団をかけすぎないように調整します。
  • 素材: 吸湿性・通気性の良い綿素材などがおすすめです。

5.部屋の環境

  • 室温: 20〜25℃を目安に、子どもが快適に過ごせる温度に保ちましょう。
  • 湿度: 50〜60%を目安に加湿器などで調整し、乾燥を防ぎましょう。
  • 換気: 定期的に窓を開けて換気し、空気を入れ替えましょう。

6.体を冷やす場所

  • 効果的な場所: 脇の下、首の付け根、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。
  • 方法: 濡らしたタオルや冷却シート(冷えピタなど)を使いましょう。冷えピタは、熱を下げる効果は限定的ですが、気持ちよさで不快感を和らげます。ただし、乳幼児の顔に貼る際は、窒息のリスクに注意が必要です。
  • 注意点: 嫌がる場合は無理に冷やさないでください。

7.入浴

  • 熱がある時の入浴: 熱が38.5℃以上でぐったりしている場合は避けましょう。熱が38℃台でも、比較的元気で汗をかいている場合は、シャワーでさっと汗を流す程度なら問題ありません。湯冷めに注意し、入浴後はすぐに体を拭いて温かくしましょう。

【解熱剤の正しい使い方】種類・量・タイミングをママナースが解説

解熱剤は、熱を下げること自体が目的ではなく、発熱によるつらさ(頭痛、関節痛、だるさなど)を和らげ、一時的に楽にしてあげるためのものです。熱が高いからといって、すぐに使う必要はありません。

解熱剤の種類

  • アセトアミノフェン系:
    • 特徴: 比較的安全性が高く、乳幼児から使用できます。インフルエンザや水ぼうそうの時にも使用可能です。
    • 製品例: カロナール、アンヒバ、アルピニーなど。
  • イブプロフェン系:
    • 特徴: アセトアミノフェン系よりも解熱作用が強い場合がありますが、副作用のリスクも高まります。インフルエンザや水ぼうそうの時には使用できません。
    • 製品例: ブルフェンなど。

正しい量とタイミング

  • 体重に応じた用量: 必ず医師の指示や薬剤師の説明、添付文書の記載に従い、子どもの体重に合った量を守りましょう。
  • 使用間隔の厳守: 次の使用までには、必ず6時間以上(製品によっては4時間以上)の間隔を空けましょう。熱が再び上がっても、間隔を空けずに使用するのは危険です。
  • 使用のタイミング: 熱が高くても、子どもが比較的元気で水分も摂れている場合は、無理に使う必要はありません。ぐったりしている、つらそうにしている、眠れない、水分が摂れないなどの場合に使いましょう。

座薬と飲み薬

  • 座薬: 早く効き、吐き気がある場合でも使用できます。
  • 飲み薬: 味や匂いを嫌がる場合がありますが、量を調整しやすいです。

注意点

  • 併用禁忌: 他の薬との飲み合わせに注意が必要です。必ず医師や薬剤師に相談しましょう。
  • 副作用: 発疹、吐き気、下痢などの副作用が出ることがあります。
  • 使用を控えるべきケース: 意識障害がある場合、呼吸が苦しそうな場合、脱水症状が強い場合などは、解熱剤の使用を控え、すぐに医療機関を受診しましょう。

【ママナースの視点】すぐに病院へ!危険なサインと受診の目安

子どもの発熱時、最も親が知りたいのは「病院に行くべきか、様子を見て良いか」の判断基準だと思います。以下のサインを参考に、冷静に判断しましょう。

すぐに救急車を呼ぶべき危険なサイン

  • 意識障害: 呼びかけに反応しない、ぐったりしている、視線が合わない。
  • けいれん: けいれんが5分以上続く、けいれんを繰り返す、初めてのけいれん。
  • 呼吸が苦しそう: 肩で息をしている、ゼーゼー、ヒューヒューと音がする、呼吸が速い、陥没呼吸(肋骨の間がへこむ)。
  • 顔色・唇の色: 顔色が真っ青、唇が紫色になっている。
  • 激しい頭痛や嘔吐: 嘔吐を繰り返す、頭を強く痛がる。
  • 首が硬い: 首を動かすと痛がる、うなだれる(髄膜炎の可能性)。
  • 生後3ヶ月未満の発熱: 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが38℃以上の熱を出した場合は、すぐに受診が必要です。
  • 水分が全く摂れない、おしっこが出ない: 脱水症状が進行している可能性があります。

夜間・休日でも受診を検討すべきサイン

  • 熱が下がってもぐったりしている、元気がない。
  • 機嫌が悪い、あやしても笑わない、泣き止まない。
  • 発疹を伴う発熱。
  • 特定の部位の痛みが強い(耳を痛がる、お腹を痛がるなど)。
  • 持病がある場合の発熱(喘息、心臓病など)。
  • 水分は摂れるが、食欲が全くない。

<ママナースの重要メモ>
熱の高さよりも**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、呼吸はどうかなど)**を重視します。親御さんの「いつもと違う」「何かおかしい」という直感は、非常に重要です。迷ったら、地域の小児救急電話相談(#8000)や、かかりつけ医に相談しましょう。


まとめ:備えあれば憂いなし!親の笑顔が、子どもの一番の薬

子どもの発熱は、親にとって大きな不安を伴うものです。しかし、正しい知識と適切な準備があれば、慌てずに冷静に対応することができます。

この記事でご紹介した家庭での対処法、解熱剤の正しい使い方、そして危険なサインを参考に、いざという時に慌てず対応できるよう準備しましょう。

何よりも大切なのは、お子さんの小さな変化に気づき、不安な時は一人で抱え込まず、専門家や周囲の人を頼ることです。

あなたの不安が少しでも和らぎ、お子さんが元気に回復することを心から願っています。


【ママナースが解説】子どもの中耳炎、どう乗り切る?症状・原因・ホームケアと病院に行く目安

その突然の耳の痛みに、あなたは戸惑っていませんか?

夜中に突然、子どもが耳を痛がって泣き叫び始めた。

熱はないのに、耳を触ると嫌がる。

「もしかして、中耳炎かな?」
「どうしてこんなに痛がるんだろう…」
「病院に行った方がいいのかな?」

子どもの中耳炎は、親にとって心配で、そしてどう対応すればいいのか迷う病気の一つですよね。特に、乳幼児は自分のつらさを言葉で伝えられないため、親も不安を感じやすいものです。

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、何度も中耳炎と向き合い、その度に看病に明け暮れてきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、子どもの中耳炎は、決して珍しい病気ではありません。 そして、正しい知識と適切なホームケアで、お子さんのつらさを和らげ、乗り切ることができます。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、中耳炎の主な症状から、原因家庭でできる具体的なホームケア、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点から分かりやすく解説します。

さあ、正しい知識を武器に、中耳炎からお子さんとご家族を守り抜きましょう。


中耳炎ってどんな病気?症状と原因

中耳炎は、鼓膜の奥にある「中耳」という部分に炎症が起こる病気です。子どもに多く見られ、特に乳幼児期は、耳と鼻をつなぐ「耳管(じかん)」が大人よりも太く短く、傾斜も緩やかなため、鼻や喉の細菌が中耳に侵入しやすくなっています。

主な症状

  • 耳の痛み: 突然、耳を痛がって泣き叫ぶことがあります。特に夜間や、横になった時に痛みが強くなる傾向があります。
  • 発熱: 38℃以上の発熱を伴うことが多いです。
  • 耳だれ: 鼓膜が破れて、耳から膿のような液体が出てくることがあります。
  • 耳を触る、引っ張る: 乳幼児は、耳の痛みを言葉で伝えられないため、しきりに耳を触ったり、引っ張ったりする仕草が見られます。
  • 機嫌が悪い、食欲がない: 痛みや発熱で、機嫌が悪くなったり、ミルクや食事の量が減ったりすることがあります。
  • 難聴: 滲出性中耳炎の場合、耳に水が溜まることで、一時的に聞こえが悪くなることがあります。

主な原因

<ママナースの視点>
中耳炎は、乳幼児が最もかかりやすい病気の一つです。特に、風邪をひいた後や、鼻水が続いている時は注意が必要です。耳の痛みを訴えられない乳幼児の場合は、耳を触る仕草や、機嫌の悪さなど、いつもと違う様子がないか注意深く観察しましょう。


【家庭でできる】中耳炎のホームケア

中耳炎は、家庭でのケアが非常に重要です。お子さんのつらさを和らげ、回復をサポートするためのポイントを押さえましょう。

1.耳の痛みを和らげる

  • 冷やす: 痛む耳の周りを冷たいタオルなどで冷やすと、痛みが和らぐことがあります。
  • 頭を高くする: 寝る時に、枕を高くしたり、上半身を少し起こしてあげたりすると、耳への圧力が減り、痛みが楽になることがあります。
  • 解熱鎮痛剤: 医師から処方された子ども用の解熱鎮痛剤(アセトアミノフェンなど)を、痛みが強い時に使用しましょう。

2.鼻水をこまめに取る

  • 鼻水が中耳炎の原因になることが多いので、鼻吸い器でこまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。鼻の通りを良くすることで、中耳への負担を減らせます。

3.安静と水分補給

  • 十分な睡眠をとり、安静に過ごしましょう。脱水にならないよう、こまめに水分を摂りましょう。

4.入浴

  • 熱がなく、元気であれば入浴は問題ありません。ただし、耳に水が入らないように注意し、入浴後は耳の周りを清潔に保ちましょう。

5.耳だれが出た場合

  • 耳だれが出たら、清潔なガーゼや綿棒で優しく拭き取りましょう。耳の奥まで綿棒を入れないように注意してください。耳だれが出ている間は、耳鼻科を受診しましょう。

【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安

中耳炎は、ほとんどが軽症で済みますが、以下のような症状が見られた場合は、迷わず医療機関を受診しましょう。特に、耳鼻咽喉科の受診をおすすめします。

  • 耳の痛みが非常に強い、または痛みが続く
  • 高熱が続く(38.5℃以上)
  • 耳だれが出ている
  • 耳を痛がって泣き止まない、ぐったりしている
  • 呼びかけへの反応が鈍い、聞こえが悪そう
  • 顔の麻痺がある
  • 中耳炎を繰り返す
  • 生後3ヶ月未満の赤ちゃんが発熱を伴う中耳炎の症状がある

<受診時のポイント>

  • いつから、どんな症状が出たか
  • 耳の痛みの様子(いつ、どんな時に痛がるか)
  • 発熱の有無と経過
  • 鼻水や咳の有無
  • 家庭で試したこと、その効果

などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。


まとめ:正しい知識とケアで、耳の痛みを乗り切ろう

子どもの中耳炎は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、お子さんのつらさに寄り添い、耳の痛みを和らげること。

そして、鼻水をこまめに取るなど、原因となる鼻や喉のケアをしっかり行うことです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが解説】子どもの発熱時、何を食べさせる?食欲がない時の栄養補給とNG食材

その小さな体が熱い…でも、何も食べてくれない。あなたは、どうすればいいか迷っていませんか?

高熱を出して、ぐったりしている我が子。

「何か食べさせないと、体力が落ちてしまう…」

そう思って、一生懸命作ったおかゆも、一口も食べてくれない。

「このままだと、脱水になってしまうんじゃないか…」
「栄養が摂れないと、病気が治らないんじゃないか…」

子どもの発熱は、親にとって心配の種ですが、特に食欲がない時の食事は、多くの親御さんが頭を悩ませる問題ですよね。どうすればいいのか分からず、一人で抱え込んでいませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、数えきれないほどの発熱時の看病を経験し、その度に食事の工夫を繰り返してきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、発熱時の食事は、無理に食べさせる必要はありません。 大切なのは、脱水にならないよう、水分補給を最優先することです。そして、食べられるものを、食べられる時に、少量ずつ与えることです。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、発熱時の栄養補給のポイントから、おすすめの食材、そして避けるべきNG食材まで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。

さあ、お子さんの回復をサポートする食事のヒントを、一緒に学びましょう。


なぜ?どうして?発熱時に食欲がなくなるワケ

発熱時に食欲がなくなるのは、体が病気と戦っている証拠でもあります。無理に食べさせようとすると、かえって負担になることがあります。

  • 消化機能の低下: 発熱時は、体のエネルギーが病気と戦うことに集中するため、消化機能が低下します。そのため、食欲が落ちたり、消化しにくいものを食べると吐き気や下痢を引き起こしたりすることがあります。
  • 口の中の不快感: 口内炎や喉の痛みがある場合、食べ物を飲み込むのがつらいため、食欲がなくなります。
  • 全身のだるさ: 熱による全身のだるさや倦怠感で、食べる気力が湧かないこともあります。

<ママナースの視点>
発熱時は、「食べること」よりも「水分補給」を最優先してください。脱水は、病状を悪化させる大きな要因です。食欲がなくても、水分だけはこまめに摂らせるようにしましょう。


【家庭でできる】発熱時のおすすめ食材と栄養補給のポイント

食欲がない時でも、比較的食べやすく、栄養補給ができる食材と、そのポイントをご紹介します。

1.水分補給を最優先

  • 経口補水液: 脱水予防に最も効果的です。少量ずつ、頻繁に与えましょう。
  • 麦茶・湯冷まし: カフェインを含まないので、安心して与えられます。
  • 薄めたイオン飲料: スポーツドリンクは糖分が多いので、薄めて与えましょう。
  • 野菜スープ・味噌汁: 水分と同時に、野菜の栄養や塩分も補給できます。
  • ゼリー・プリン: 喉ごしが良く、水分と糖分を補給できます。
  • アイスクリーム・シャーベット: 冷たくて食べやすく、水分と糖分を補給できます。喉の痛みを和らげる効果も期待できます。

2.消化の良いものを選ぶ

  • おかゆ: 消化が良く、水分も補給できます。全がゆ、5倍がゆ、10倍がゆなど、子どもの状態に合わせて固さを調整しましょう。
  • うどん・そうめん: 柔らかく煮込んで、消化の良い具材(鶏ひき肉、卵、柔らかい野菜など)を加えましょう。
  • 食パン: 耳を落として、柔らかい部分を与えましょう。トーストすると、香ばしさで食欲を刺激することもあります。
  • 卵: 卵豆腐、茶碗蒸し、半熟卵など、柔らかく調理しましょう。良質なタンパク質を補給できます。
  • 豆腐: 消化が良く、タンパク質を補給できます。冷奴や湯豆腐、味噌汁の具材などに。
  • すりおろしリンゴ・バナナ: 消化が良く、ビタミンやミネラル、糖分を補給できます。冷やすと食べやすいです。

3.食べやすい工夫

  • 少量ずつ、頻繁に: 一度にたくさん与えるのではなく、少量ずつ、回数を増やして与えましょう。
  • 冷ましてから: 熱いものは、喉の痛みを刺激したり、食欲を減退させたりすることがあります。人肌程度に冷ましてから与えましょう。
  • 好きなものを優先: 栄養バランスを考えすぎず、子どもが「食べたい」と言うものを優先しましょう。食べられることが大切です。
  • 見た目を工夫: キャラクターの形にしたり、彩りを良くしたり、盛り付けを工夫するだけでも、食欲を刺激することがあります。

【ママナースの視点】発熱時に避けるべきNG食材

発熱時は、消化機能が低下しているため、以下の食材は避けるようにしましょう。

  • 脂っこいもの: 揚げ物、肉の脂身など。消化に負担がかかり、吐き気や下痢を引き起こすことがあります。
  • 食物繊維の多いもの: ごぼう、きのこ、海藻類など。消化に時間がかかり、胃腸に負担をかけることがあります。
  • 刺激の強いもの: 香辛料、酸っぱいもの、塩辛いものなど。喉や胃腸を刺激し、症状を悪化させることがあります。
  • 冷たすぎるもの: 胃腸を冷やし、消化機能をさらに低下させる可能性があります。アイスクリームなどは少量に留めましょう。

まとめ:焦らず、子どもの回復をサポートする食事を

子どもの発熱時の食事は、親にとって本当に悩ましい問題です。

しかし、大切なのは、無理に食べさせることではありません。

水分補給を最優先し、消化の良いものを、食べられる時に、少量ずつ与えること。

そして、何よりも、お子さんのつらさに寄り添い、回復を温かく見守ってあげることです。

あなたのその愛情と、適切な食事のサポートが、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが解説】子どもの発熱時、服装はどうする?体を冷やす場所と正しい方法

その小さな体が熱い…でも、どうしてあげたらいいか迷っていませんか?

夜中に突然、子どもの体が熱いことに気づいた。

「熱がある時って、厚着させた方がいいの?それとも薄着?」
「どこを冷やしてあげたら、楽になるんだろう?」

子どもの発熱は、親にとって心配の種ですが、特に「どう看病してあげたらいいのか」という具体的なケアの方法は、多くの親御さんが迷うポイントですよね。どうすればいいのか分からず、一人で抱え込んでいませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、数えきれないほどの発熱時の看病を経験し、その度に服装や体を冷やす方法を工夫してきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、発熱時の服装や体を冷やす方法は、熱の上がり始めと下がり始めで異なるということ。そして、正しい知識と適切なケアで、お子さんのつらさを和らげ、回復をサポートできるということです。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、熱の上がり始めと下がり始めで異なる服装のポイント体を冷やす場所と正しい方法まで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。

さあ、お子さんの回復をサポートする看病のヒントを、一緒に学びましょう。


なぜ?どうして?発熱時の体の変化と服装のポイント

発熱は、体がウイルスや細菌と戦っている証拠であり、免疫機能が正常に働いている証でもあります。熱の上がり方によって、体の状態が異なります。

1.熱が上がり始め(悪寒戦慄期)

  • 体の状態: 体温を上げようと体が震え(悪寒)、手足が冷たくなります。鳥肌が立つこともあります。この時期は、熱を上げようとしているので、体を温めてあげることが大切です。
  • 服装のポイント:
    • 温める: 薄手の長袖や、肌着の上にカーディガンなどを羽織らせて、体を温めてあげましょう。
    • 布団: 薄手の布団をかけてあげましょう。厚着させすぎると、熱が上がりすぎてしまうことがあるので注意が必要です。

2.熱が上がりきった状態(熱性期)

  • 体の状態: 手足が温かくなり、顔が赤くなります。汗をかき始めることもあります。この時期は、熱がこもらないように、体を冷やしてあげることが大切です。
  • 服装のポイント:
    • 薄着にする: 肌着1枚や、薄手の半袖など、薄着にして熱がこもらないようにしましょう。
    • 布団: かけすぎないように調整しましょう。タオルケット1枚程度で十分です。

3.熱が下がり始め(解熱期)

  • 体の状態: 汗をかき始め、体温が下がり始めます。汗をかいたままにしておくと、体が冷えすぎてしまうことがあります。
  • 服装のポイント:
    • 着替え: 汗をかいたら、すぐに着替えさせてあげましょう。清潔な肌着やパジャマに着替えることで、体が冷えすぎるのを防ぎ、快適に過ごせます。
    • 体を拭く: 濡れたタオルで体を優しく拭いてあげるのも良いでしょう。

<ママナースの視点>
熱の高さよりも、**子どもの全身状態(元気があるか、水分が摂れているか、機嫌はどうかなど)**を重視してください。熱が上がり始めで手足が冷たいのに無理に冷やしたり、熱が上がりきっているのに厚着させたりすると、かえって子どもがつらくなってしまいます。
* → 関連記事: 【ママナースが解説】子どもの急な発熱、どうする?家庭での対処法と受診の目安


【家庭でできる】体を冷やす場所と正しい方法

熱が上がりきって、手足が温かくなってきたら、体を冷やしてあげると子どもは楽になります。冷やす場所と方法を間違えないようにしましょう。

冷やす場所

  • 首の付け根: 太い血管が通っているため、効率よく体を冷やすことができます。
  • 脇の下: 同様に太い血管が通っており、効果的です。
  • 足の付け根(鼠径部): ここも太い血管が通っており、体を冷やすのに効果的です。
  • 頭: 熱で頭がボーッとしてつらそうな時に、気持ちを落ち着かせる効果も期待できます。ただし、熱を下げる効果は限定的です。

冷やす方法

  1. 冷たいタオル: 濡らしたタオルを絞り、冷やしたい場所に当てましょう。タオルが温かくなったら、こまめに交換してください。
  2. 氷のう: ビニール袋に氷と少量の水を入れたもの(氷のう)をタオルで包んで当てましょう。直接肌に当てると、冷えすぎたり、凍傷になったりする可能性があるので注意が必要です。
  3. 冷却シート(冷えピタなど): おでこに貼ることで、気持ちを落ち着かせる効果が期待できます。ただし、熱を下げる効果は限定的です。乳幼児の顔に貼る際は、窒息のリスクに注意が必要です。

<ママナースの重要メモ>

  • 嫌がる場合は無理に冷やさないでください。 子どもが嫌がるのに無理やり冷やすと、かえってストレスになり、体力を消耗させてしまいます。
  • 体を冷やすのは、熱が上がりきって手足が温かくなってから。 熱が上がり始めで手足が冷たい時に冷やすと、熱が上がりにくくなり、子どもがつらくなってしまいます。
  • 解熱剤は、つらさを和らげるために使うもの。 熱を下げること自体が目的ではありません。

まとめ:正しい知識とケアで、発熱を乗り切ろう

子どもの発熱は、親にとって心配の種ですが、正しい知識と適切なホームケアがあれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、熱の上がり方によって服装や体を冷やす方法を変えること。

そして、お子さんのつらさに寄り添い、無理強いしないことです。

あなたのその冷静な判断と、温かい看病が、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。


【ママナースが解説】熱性けいれん、慌てないで!症状・対処法・予防と病院に行く目安

その小さな体が、突然ピクピクと…その時、あなたは冷静でいられますか?

高熱を出して眠っていた我が子が、突然、白目をむいて体を硬直させ、手足をガクガクと震わせ始めた。

その光景は、親にとって、まさに悪夢。

「どうしよう…!」
「救急車を呼ぶべき?」
「このまま、死んでしまうんじゃないか…」

子どもの熱性けいれんは、親にとって最も衝撃的で、そして最もパニックに陥りやすい状況の一つですよね。どう対応すればいいのか分からず、一人で抱え込んでいませんか?

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、熱性けいれんを経験し、その度に冷静な対処を心がけてきた、現役ママナースの皐月です。

まず、あなたにお伝えしたいのは、熱性けいれんは、決して珍しいことではありません。 そして、ほとんどの場合、後遺症を残すことなく治まります。 大切なのは、正しい知識を持ち、冷静に対処することです。

この記事では、そんなあなたの不安を解消するために、熱性けいれんの主な症状から、けいれんが起きた時の具体的な対処法予防策、そして**「こんな時は病院へ」という受診の目安**まで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。

さあ、お子さんの大切な体を守るための一歩を、一緒に踏み出しましょう。


熱性けいれんってどんな病気?症状と原因

熱性けいれんは、乳幼児期(生後6ヶ月〜5歳頃)に、発熱に伴って起こるけいれんです。脳が未熟なために、急激な体温の上昇に脳が過敏に反応して起こると考えられています。

主な症状

  • 意識がなくなる: 呼びかけに反応しない、白目をむく、目が一点を見つめる。
  • 全身の硬直: 体が突っ張って硬くなる。
  • 手足のガクガク: 手足が左右対称に、リズミカルにガクガクと震える。
  • 唇が紫色になる: 呼吸が一時的に止まるため、チアノーゼ(唇や顔色が紫色になる)が見られることがあります。
  • 持続時間: ほとんどの場合、**数分以内(5分以内)**で治まります。
  • けいれん後: けいれんが治まった後は、眠ってしまったり、ぐったりしたりすることが多いです。

原因

  • 急激な体温の上昇: 発熱の初期、体温が急激に上昇するタイミングで起こりやすいです。
  • ウイルス感染: 風邪やインフルエンザ、突発性発疹など、様々なウイルス感染が引き金となります。
  • 遺伝的要因: 家族に熱性けいれんの既往がある場合、起こりやすい傾向があります。

<ママナースの視点>
熱性けいれんは、脳炎や髄膜炎などの重篤な病気と区別する必要があります。けいれんの様子をよく観察し、医師に正確に伝えることが重要です。


【緊急時】熱性けいれんが起きた時の対処法「5つのポイント」

けいれんが始まったら、親はパニックになりがちですが、以下のポイントを冷静に実践しましょう。

1.落ち着いて、時間を計る

  • 最も重要です。 けいれんが始まった時間と、治まった時間を正確に計りましょう。5分以上続く場合は、救急車を呼ぶ目安になります。

2.安全を確保する

  • 平らな場所に寝かせる: けいれん中に転落したり、頭をぶつけたりしないよう、安全な場所に寝かせましょう。
  • 口の中に物を入れない: 舌を噛むのを防ごうと、指やタオルなどを口に入れるのは絶対にやめましょう。窒息の原因になったり、指を噛まれたりする危険があります。
  • 衣服を緩める: 首元や胸元の衣服を緩め、呼吸を楽にしてあげましょう。

3.けいれんの様子を観察する

  • 全身か、部分か: 体全体がけいれんしているのか、手足だけなのか、顔だけなのか。
  • 左右対称か、非対称か: 左右の手足が同じように動いているか。
  • 目の動き: 白目をむいているか、一点を見つめているか。
  • 呼吸の様子: 呼吸が止まっているか、苦しそうか。
  • 色: 顔色や唇の色はどうか。

可能であれば、スマートフォンなどで動画を撮影しておくと、医師の診断に非常に役立ちます。

4.吐き戻しに注意する

  • けいれん中に吐いてしまうことがあります。吐物が喉に詰まらないよう、顔を横向きにしてあげましょう。

5.けいれんが治まったら

  • 体を休ませる: けいれんが治まった後は、眠ってしまったり、ぐったりしたりすることが多いです。無理に起こさず、体を休ませてあげましょう。
  • 病院へ: けいれんが治まったら、必ず医療機関を受診しましょう。初めてのけいれんの場合は、救急車を呼ぶか、夜間休日診療所を受診してください。

熱性けいれんの予防と再発防止

熱性けいれんを完全に予防することは難しいですが、再発のリスクを減らすための対策はあります。

1.発熱時の急激な体温上昇に注意

2.解熱剤の適切な使用

  • 熱性けいれんの既往があるお子さんの場合、発熱の初期に医師から処方された解熱剤を適切に使用することで、急激な体温上昇を抑え、けいれんの予防に繋がることがあります。必ず医師の指示に従いましょう。

3.抗けいれん剤の予防投与

  • 熱性けいれんを繰り返すお子さんや、重症化のリスクが高いお子さんの場合、医師の判断で、発熱時に抗けいれん剤(ダイアップ坐薬など)を予防的に使用することがあります。これも必ず医師の指示に従いましょう。

【ママナースの視点】こんな時は病院へ!受診の目安

熱性けいれんが治まったら、必ず医療機関を受診しましょう。特に以下のような場合は、緊急性が高いので、迷わず救急車を呼んでください。

  • けいれんが5分以上続く
  • けいれんを繰り返す
  • けいれんが左右非対称である
  • けいれん後も意識が戻らない、ぐったりしている
  • 発熱がないのにけいれんを起こした
  • 生後6ヶ月未満でけいれんを起こした
  • 頭を強く打った後にけいれんを起こした
  • 嘔吐を繰り返す、首が硬いなど、髄膜炎や脳炎が疑われる症状がある

<受診時のポイント>

  • けいれんが始まった時間と治まった時間
  • けいれんの様子(全身か部分か、左右対称か非対称か、目の動きなど)
  • けいれん前の様子、発熱の有無
  • けいれん後の様子

などをメモしておくと、診察がスムーズに進みます。


まとめ:正しい知識が、親子の「安心」を育む

熱性けいれんは、親にとって非常に衝撃的な出来事ですが、正しい知識と冷静な対処法を知っていれば、慌てずに対応することができます。

大切なのは、けいれんの様子をよく観察し、安全を確保すること。

そして、けいれんが治まったら、必ず医療機関を受診することです。

あなたのその冷静な判断と、温かいサポートが、お子さんの回復を早める何よりの力になります。このガイドが、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんとご家族の健康を守る一助となれば幸いです。