はじめに:かつての可愛い我が子は、どこへ…?
「話しかけても、返事は『別に』だけ」「部屋に閉じこもって、何を考えているのか分からない」「親の言うことなすこと、全てに『うざい』と反発してくる」…。かつては、あんなに「ママ、ママ」と慕ってくれた我が子の、突然の変貌ぶりに、戸惑い、寂しさを感じている親御さんは、少なくないでしょう。
こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの思春期・反抗期は、親にとって、子育ての第二の大きな壁とも言える、試練の時です。
しかし、これは、子どもが「親の保護下にある子ども」から、「一人の自立した大人」へと、脱皮するために不可欠な、正常な成長過程なのです。この記事では、そんな嵐のような思春期の子どもと、親はどう向き合っていけば良いのか、そのヒントを探ります。
なぜ、反抗するの?その裏にある「自立したい」気持ち
思春期の子どもが反抗的な態度をとるのは、親が嫌いになったからではありません。その逆で、親という絶対的な安全基地があるからこそ、安心して反抗し、自分の力で立つ練習をしているのです。
- 「親の価値観」からの卒業: これまで親から教えられてきたことを、一度、自分の頭で考え直し、「自分自身の価値観」を再構築しようとしています。
- 「大人」と「子ども」の狭間での葛藤: 早く一人前の大人として扱ってほしい、という気持ちと、まだ親に甘えたい、守ってほしい、という気持ちが、心の中で激しくぶつかり合っています。
- ホルモンバランスの変化: 急激なホルモンバランスの変化が、自分でもコントロールできないイライラや、気分の浮き沈みを引き起こしています。
「うざい」という言葉の裏には、「僕(私)のことを、もう子ども扱いしないで!」という、切実な叫びが隠れているのです。
思春期の子どもとの関わり方:3つの基本姿勢
親が試されるこの時期。子どもとの適切な距離感を見つけることが大切です。
1. 「管理」するのをやめ、「信頼」して見守る
子どもの全てを把握し、コントロールしようとするのは、もうやめましょう。「勉強しなさい」「部屋を片付けなさい」と、ガミガミ言うのは逆効果です。
「あなたの人生なのだから、最後はあなたが決めるんだよ。でも、困った時は、いつでも相談に乗るからね」と、子ども自身の力を信頼し、任せる姿勢を見せることが、子どもの自立心を育てます。
2. 「聞き役」に徹する
子どもが、何かを話してきたら、それは絶好のチャンスです。親の意見やアドバイス(正論)を言いたくなるのをぐっとこらえ、まずは**「うん、うん」「そうか」と、子どもの言葉を最後まで、ただひたすら聞いてあげましょう。**
子どもは、答えを求めているのではありません。自分の考えや気持ちを、誰かに受け止めてほしいだけなのです。
3. 「一人の人間」として、敬意を払う
たとえ親子であっても、相手は一人の人格を持った人間です。子どものプライバシーを尊重し、部屋に勝手に入ったり、スマホを盗み見したりするのはやめましょう。
また、親自身の考えを伝える時も、「親だから」という立場からではなく、「私は、こう思うよ」と、一人の人間としての意見を、冷静に伝えることが大切です。
まとめ:反抗期は、親離れの「リハーサル」
思春期・反抗期は、子どもが、親の手を離れ、自分の足で人生を歩んでいくための、大切な「リハーサル期間」です。
親としては、寂しく、歯がゆい時期かもしれませんが、これは、あなたがこれまで、子どもにとっての「安全基地」として、素晴らしい子育てをしてきた証拠でもあります。
干渉しすぎず、かといって、無関心でもなく。少し離れた場所から、どーんと構えて、子どもの船出を見守ってあげましょう。嵐が過ぎ去った後には、一回りも二回りも大きく成長した我が子の姿と、新しい親子の関係性が、待っているはずです。