うちの子、ちゃんと眠れてる?「睡眠負債」が、子どもの脳と体を蝕んでいく
「夜、寝るのが遅い」「朝、なかなか起きられない」「日中、なんだかボーッとしていることが多い」…。そんなお子さんの様子、気になりませんか?それは、日々のわずかな睡眠不足が、借金のように積み重なっていく**「睡眠負債」**が原因かもしれません。
こんにちは、ママナースのさとみです。睡眠負債は、大人だけの問題ではありません。むしろ、脳も体も、急速に発達している子どもにとって、その影響は、大人が考える以上に深刻です。
この記事では、子どもの睡眠負債が、学力や体力、心の健康にまで及ぼす影響と、負債を溜めないための、正しい睡眠習慣の作り方について、解説します。
睡眠負債が引き起こす、子どもへの深刻な影響
睡眠は、単に体を休めるだけの時間ではありません。脳の情報を整理し、記憶を定着させ、成長ホルモンを分泌し、免疫力を高める、非常に重要な活動です。この時間が不足すると、様々な問題が起こります。
- 学力・集中力の低下: 睡眠中に、その日学んだことが記憶として定着します。睡眠が足りないと、記憶力や、日中の集中力、思考力が著しく低下します。
- 体力・運動能力の低下: 成長ホルモンの分泌が減少し、体の成長や、疲労回復が妨げられます。
- 情緒の不安定: 睡眠不足は、脳の感情をコントロールする部分の働きを鈍らせます。イライラしやすくなったり、キレやすくなったり、逆に、無気力になったりします。
- 肥満・生活習慣病のリスク: 食欲をコントロールするホルモンのバランスが乱れ、肥満になりやすくなることが分かっています。
あなたの子は大丈夫?睡眠負債のセルフチェック
米国国立睡眠財団が推奨する、子どもの理想的な睡眠時間は以下の通りです。あなたのお子さんは、足りていますか?
- 幼児(3〜5歳): 10〜13時間
- 学童期(6〜13歳): 9〜11時間
- 思春期(14〜17歳): 8〜10時間
もし、この時間より、日常的に睡眠時間が短い場合は、睡眠負債が溜まっている可能性があります。
睡眠負債のサイン
- 朝、なかなか起きられない。起こしても、機嫌が非常に悪い。
- 日中、あくびを頻繁にしている。
- 授業中などに、居眠りをしてしまうことがある。
- 休みの日に、平日より2時間以上長く寝ている(寝だめ)。
睡眠負債を返済し、溜めないための生活習慣
睡眠負債を解消するには、とにかく「眠る」しかありません。そして、今後は負債を溜めないように、生活習慣全体を見直すことが大切です。
- 就寝時間を、今より15分早めることから始める: いきなり1時間早く寝かせるのは、難しいかもしれません。まずは、15分早く布団に入ることから、スモールステップで始めましょう。
- 寝る前の「光」をコントロールする: 寝る1時間前からは、スマホ、タブレット、テレビ、ゲームの画面を見ないようにしましょう。ブルーライトは、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を抑制してしまいます。
- 朝の光で、体内時計をリセット: 朝、決まった時間に起きて、太陽の光をしっかり浴びることが、夜の自然な眠気に繋がります。休みのの日も、平日との差を1時間以内にするのが理想です。
- 適度な運動習慣: 日中に、体を動かして遊ぶことで、夜の寝つきが良くなります。
- カフェインに注意: 夕方以降、緑茶やコーラ、チョコレートなど、カフェインを含むものの摂取は避けましょう。
まとめ:最高のパフォーマンスは、最高の睡眠から
睡眠は、子どもの脳と体を育むための、最も重要な「投資」です。
習い事や、塾、家庭学習も大切ですが、それらの効果を最大限に引き出すためにも、まずは、全ての土台となる「睡眠」を、何よりも優先してあげてください。
親が、睡眠の重要性を正しく理解し、家庭の生活リズムを整えること。それが、子どもの未来の可能性を、大きく広げることに繋がるのです。