「まさか」は、いつか「必ず」やってくる。子どもの命を守る、親の防災力
「うちは大丈夫」「まだ先のこと」
そう思っていませんか?
日本は、地震や台風、豪雨など、自然災害の多い国です。いつ、どこで、どんな災害に巻き込まれるか、誰にも予測はできません。
特に、小さなお子さんがいるご家庭では、大人だけの防災とは全く異なる視点での準備が必要です。
この記事では、防災士の視点から、子どもの命を守るために、親が「これだけはやっておくべき」防災対策を、具体的なチェックリストと備蓄品リストで分かりやすく解説します。
「まさか」が「必ず」に変わる前に、今日からできることを始めましょう。
なぜ、子連れ防災は「特別」なのか?
子どもは、災害時に以下のような特性があるため、大人とは異なる配慮が必要です。
- 自分で身を守れない: 危険を察知し、避難する能力が低い。
- 情報が理解できない: 災害情報や避難指示を理解しにくい。
- 精神的に不安定になりやすい: 環境の変化や不安から、精神的に不安定になりやすい。
- 特別なケアが必要: アレルギー、持病、おむつ、ミルクなど、特別なケアや物資が必要。
これらの特性を踏まえ、子どもの視点に立った防災対策が不可欠です。
【命を守る】子連れ防災チェックリスト
STEP1:家族で話し合う
- [ ] 家族の集合場所、連絡方法を決める(災害用伝言ダイヤル171、SNSなど)
- [ ] 避難経路、避難場所を確認する(ハザードマップの確認)
- [ ] 家族それぞれの役割分担を決める(誰が何を持って逃げるかなど)
STEP2:自宅の安全対策
- [ ] 家具の転倒防止対策(L字金具、突っ張り棒など)
- [ ] 窓ガラスの飛散防止対策(飛散防止フィルムなど)
- [ ] 寝室に、倒れてくる家具がないか確認する
STEP3:非常持ち出し袋の準備
- [ ] 家族全員分(特に子ども用)の非常持ち出し袋を用意する
- [ ] 定期的に中身を点検し、賞味期限切れやサイズアウトがないか確認する
- [ ] 子ども自身が持てる重さのリュックに、お気に入りのおもちゃなどを入れる
STEP4:備蓄品の準備
- [ ] 最低3日分、できれば1週間分の食料・水を備蓄する
- [ ] カセットコンロ、ガスボンベ、簡易トイレなどを準備する
- [ ] 子ども用の備蓄品(ミルク、離乳食、おむつ、おしりふきなど)を多めに準備する
STEP5:避難所生活のシミュレーション
- [ ] 避難所の場所、設備(授乳室、おむつ替えスペースなど)を確認する
- [ ] 避難所での過ごし方について、家族で話し合う
- [ ] 子どもが退屈しないように、絵本やおもちゃを準備する
【子どもの命を守る】備蓄品リスト(子ども用)
- ミルク・離乳食: 液体ミルク、キューブ型ミルク、レトルト離乳食、ベビーフード(アレルギー対応品も考慮)
- 水: 調乳用、飲用
- おむつ・おしりふき: 多めに(普段使いの2倍程度)
- ウェットティッシュ・除菌シート: 手を拭いたり、体を拭いたりするのに便利
- 着替え: 季節に合わせたもの、下着、靴下(多めに)
- 毛布・タオルケット: 防寒対策、目隠しにも
- 抱っこ紐: 避難時、移動時に便利
- お気に入りのおもちゃ・絵本: 子どもの精神安定に
- 常備薬・お薬手帳: 持病がある場合
- 体温計・冷却シート: 発熱時
- ビニール袋: 汚れたおむつやゴミ入れに
- 筆記用具・メモ帳: 伝言を残したり、情報をメモしたりするのに
まとめ:防災は「もしも」ではなく「いつも」の意識で
防災対策は、一度やったら終わりではありません。家族構成の変化、子どもの成長、備蓄品の賞味期限など、定期的な見直しが必要です。
「もしも」の時に後悔しないために、日頃から「いつも」の意識で、防災に取り組んでいきましょう。
この記事が、あなたと、あなたの大切な家族の命を守る一助となることを願っています。