スプーンにのせた、ひとさじのおかゆ。目の前の小さな口が、ゆっくりと開くのを、固唾をのんで見守る…。
こんにちは!3人の娘たちの、それぞれの「初めてのひとくち」を、今でも鮮明に覚えている現役看護師の皐月です。
いよいよ始まる離乳食。楽しみな気持ちと同じくらい、「何から、どうやって始めたらいいの?」「アレルギーは大丈夫かな?」と、不安な気持ちでいっぱいになりますよね。そのドキドキ、痛いほどよく分かります。
でも、大丈夫。離乳食の最初の目的は、栄養を摂ることよりも、**「食べることって楽しいな」「ミルク以外にも美味しいものがあるんだ」**と、赤ちゃんに知ってもらうこと。焦らず、赤ちゃんのペースで、食べる楽しさを伝えていくことが何よりも大切です。
この記事では、そんな初めての離乳食を、安心して笑顔でスタートするための全知識を、私の経験を交えながら、丁寧にお伝えしますね。
この記事でわかること
- 「そろそろかな?」離乳食開始の4つのサイン
- 焦らない!ゴックン期の具体的な進め方とスケジュール
- 基本の「10倍がゆ」炊飯器・レンジでの簡単レシピ
- ママナースが教える!アレルギーを防ぐための鉄則
我が子は準備OK?離乳食開始の4つのサイン
生後5〜6ヶ月頃が一般的ですが、月齢はあくまで目安。以下の「準備OK」のサインが見られるか、赤ちゃんの様子をよく観察してあげましょう。
- □ 首のすわりがしっかりしている
- □ 支えてあげると、5秒以上お座りできる
- □ 大人が食べているものに興味を示し、口をモグモグさせたり、よだれが出たりする
- □ スプーンなどを口に入れても、舌で強く押し出すことが少なくなる(哺乳反射の減弱)
これらのサインは、赤ちゃんが「食べる準備ができたよ!」と教えてくれている証拠。焦らず、赤ちゃんのタイミングを尊重してあげてくださいね。
ゴックン期(5〜6ヶ月)の進め方とスケジュール
1ヶ月目の進め方(例)
| 時期 | 時間・回数 | 食べさせるもの |
|---|---|---|
| 1週目 | 午前中に1回 | なめらかな10倍がゆを、1さじからスタート。 |
| 2週目 | 〃 | おかゆに慣れたら、野菜(人参、かぼちゃ等)のペーストを1さじ試す。 |
| 3週目 | 〃 | 野菜にも慣れたら、タンパク質(豆腐、白身魚等)のペーストを1さじ試す。 |
| 4週目 | 〃 | 食べられる食材を少しずつ増やしていく。 |
食材の固さと量
- 固さ:ポタージュスープのように、なめらかでトロトロの状態が目安。スプーンを傾けると、ゆっくり流れ落ちるくらいです。
- 量:最初は「1さじ」から。3〜4日かけて少しずつ量を増やし、1週間で大さじ1杯くらいが目標です。でも、これはあくまで目安。食べてくれなくても、落ち込まないでくださいね!
《ママナースの最重要ルール:アレルギー対策》
初めての食材は、必ず**「平日の午前中」に「1日1種類、1さじだけ」**試してください。万が一、アレルギー症状(発疹、嘔吐、下痢など)が出た場合に、すぐに小児科を受診できるようにするためです。これは、赤ちゃんの安全を守るための、何よりも大切なルールです。
基本の「10倍がゆ」簡単レシピ
離乳食の基本となる10倍がゆ。まとめて作って、製氷皿などで1食分ずつ冷凍しておくと、毎日の準備がぐっと楽になりますよ。
① お鍋で作る方法(基本)
- 米(大さじ1)を洗い、水(150ml)と一緒に鍋に入れる。
- 蓋をせず、沸騰するまで中火にかける。
- 沸騰したら、蓋を少しずらして乗せ、弱火で30〜40分、コトコト煮る。
- 火を止めて10分ほど蒸らし、すり鉢やブレンダーでなめらかにする。
② 炊飯器で作る方法(炊飯と同時にできて楽ちん!)
- 湯のみなどの耐熱容器に、米(大さじ1)と水(150ml)を入れる。
- 大人が食べるお米をセットした炊飯器の真ん中に、①の湯のみを置く。
- そのまま炊飯スイッチをON!
- 炊き上がったら、すり鉢やブレンダーでなめらかにする。
③ 電子レンジで作る方法(少量だけ作りたい時に)
- 耐熱容器に、炊いたご飯(大さじ1)と水(大さじ5)を入れる。
- ラップをふんわりとかけ、電子レンジ(600W)で2分〜2分半加熱する。
- そのまま5分ほど蒸らし、スプーンの背などで潰してなめらかにする。
まとめ:焦らない、比べない。ママの笑顔が一番の調味料
離乳食初期は、栄養を摂ることよりも、**「食べることって楽しいな」「ママと一緒だと美味しいな」**と、赤ちゃんが感じてくれることが一番の目標です。
SNSで見る、他の子と比べてはいけません。食べてくれなくても、ベーッと出されても、それが当たり前。「あらら、気分じゃなかったかな?」くらい、おおらかな気持ちで大丈夫。
ママやパパが笑顔で「おいしいね」「もぐもぐ上手だね」と話しかけながら、楽しい雰囲気を作ってあげること。それが、赤ちゃんの「食べたい!」気持ちを引き出す、最高の調味料になりますよ。
