叱り方

イヤイヤ期の癇癪:ママのイライラ解消!アンガーマネジメントのすすめ

「もう、いい加減にして!」そのイライラ、子どものせいだけじゃないかも?

スーパーの床でひっくり返って泣き叫ぶ我が子。何を言っても「イヤ!」の大合唱。そんなイヤイヤ期の癇癪に、思わず声を荒げてしまい、後で自己嫌悪…なんて経験はありませんか?

子どもの癇癪は、成長の証。頭では分かっていても、毎日続くとママの心も疲弊してしまいますよね。そのイライラの原因は、本当に子どもの癇癪だけでしょうか?もしかしたら、ママ自身の心の中に、怒りの火種が隠れているのかもしれません。

この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの癇癪に振り回されないための「アンガーマネジメント」のコツと、ママ自身の心を穏やかに保つためのセルフケア術をご紹介します。

なぜ、子どもの癇癪にイライラしてしまうのか?

子どもの癇癪にイライラしてしまう背景には、ママ自身の様々な感情が隠されています。

  • 「ちゃんとしなきゃ」というプレッシャー: 「良い母親でいなければ」「周りの目が気になる」といったプレッシャーが、自分自身を追い詰めていませんか?
  • 思い通りにならない焦り: 計画通りに進まない育児。思い通りにコントロールできない状況に、無力感や焦りを感じてしまうことがあります。
  • 自分の時間が持てないストレス: 育児に追われ、自分の時間や休息が十分に取れていないと、心に余裕がなくなり、イライラしやすくなります。
  • 孤独感: 「この大変さ、誰も分かってくれない」と、一人で抱え込んでしまうと、ストレスは増大する一方です。

ママの心を救う!アンガーマネジメント3つのステップ

ステップ1:怒りの「第一次感情」に気づく

怒りは、実は「第二次感情」と言われています。その裏には、「悲しい」「辛い」「疲れた」「分かってほしい」といった「第一次感情」が隠れています。カッとなった時、「私、今何を感じているんだろう?」と、自分の心に問いかけてみてください。本当の気持ちに気づくだけで、怒りの感情は和らぎます。

ステップ2:その場を離れてクールダウン

怒りのピークは、長くて6秒と言われています。子どもが安全な場所にいることを確認したら、一旦その場を離れて深呼吸をしてみましょう。トイレに駆け込む、ベランダの空気を吸うなど、物理的に距離を置くことで、冷静さを取り戻すことができます。

ステップ3:「べき」思考を手放す

「母親なんだから、〇〇すべき」「子どもは〇〇すべき」といった「べき」思考が、自分自身を苦しめていることがあります。世間の常識や理想の母親像に縛られず、「まあ、いっか」と自分を許してあげましょう。完璧な母親なんて、どこにもいません。

ママナース直伝!心が軽くなるセルフケア術

  • 5分だけの「自分時間」を作る: 子どもが寝た後、好きなハーブティーを飲む、好きな音楽を聴くなど、たった5分でも良いので、意識的に自分のための時間を作りましょう。
  • 「ありがとう」を口癖にする: 夫や子ども、自分自身に対して、「ありがとう」という言葉を意識的に使ってみましょう。感謝の気持ちは、心を温かくし、ポジティブな感情を引き出してくれます。
  • 誰かに話を聞いてもらう: 夫や友人、親など、信頼できる人に話を聞いてもらうだけで、気持ちは楽になります。地域の育児相談などを利用するのも良いでしょう。

まとめ|ママの笑顔が、子どもの心を育む

子どもの癇癪は、ママを困らせるためにしているのではありません。自分の気持ちをうまく表現できず、もがいているサインなのです。ママが笑顔でいることが、子どもの一番の安心に繋がります。

イライラしてしまった自分を責める必要はありません。「そんな日もあるよね」と、自分自身を優しく受け入れてあげてください。この記事が、あなたの心を少しでも軽くするお手伝いができれば幸いです。

親も間違える。子どもに「ごめんね」と謝る勇気が、自己肯定感を育む理由

カッとなって、子どもに感情的に怒鳴ってしまった…。
後から考えれば、明らかに自分の勘違いだったのに、一方的に決めつけて叱ってしまった…。

そんな時、あなたはどうしていますか?

「親の威厳がなくなるから、謝るなんてできない」
「なんだか気まずくて、つい、うやむやにしてしまう」

その気持ち、少しだけわかります。親だって、人間です。間違うことも、感情的になることもあります。でも、その後の対応こそが、子どもの心を健やかに育む上で、決定的に重要なのです。

結論から言います。親は、子どもに対して、謝るべきです。

「ごめんね」の一言をためらう、その小さなプライドが、子どもの心にどれほど大きな影響を与えるか、ご存知ですか?

この記事では、現役ママナースであり、数えきれないほどの「ごめんね」を子どもたちに伝えてきた私が、

  • なぜ、親が謝ることが、子どもの自己肯定感を育むのか
  • 「ごめんね」が言えない親が、子どもに与える深刻な影響
  • 信頼関係を深める、効果的な「謝り方」の3つのポイント

を、お話しします。

この記事を読めば、「ごめんね」は親の権威を失わせる言葉ではなく、むしろ、親子間の信頼を築き、子どもの人間性を豊かにする、最高のコミュニケーションなのだと、きっと気づくはずです。

なぜ、親の「ごめんね」が子どもの自己肯定感を育むのか?

親が、自分の非を認めて、子どもに頭を下げる。この行為は、子どもに3つの大切なメッセージを伝えます。

1. 「あなたは、一人の人間として尊重されている」

親が謝る姿は、「親と子」という上下関係の前に、「人と人」として、あなたのことを対等に、そして尊重していますよ、という何よりの証拠です。自分の気持ちや尊厳が、親によって守られたと感じた子どもは、「自分は大切にされるべき存在なんだ」という、自己肯定感の根っこを、深く、強く、張ることができます。

2. 「間違えることは、悪いことじゃない」

完璧な人間など、どこにもいません。親が「ごめんね、ママ間違えちゃった」と謝る姿を見せることで、子どもは、**「間違えることは、誰にでもある自然なことなんだ」「失敗しても、正直に謝れば、やり直せるんだ」**という、生きていく上で非常に重要なことを学びます。これは、失敗を恐れずに挑戦する力や、挫折から立ち直る力(レジリエンス)の基礎となります。

3. 「人を許す」という、心の大きさを学ぶ

親から正直に謝られた子どもは、親を「許す」という経験をします。この経験は、子どもが将来、他人の過ちを受け入れ、許すことができる、心の広い人間になるための、最初のトレーニングとなるのです。人を許す喜びを知った子どもは、人間関係をより豊かに築いていくことができます。

「ごめんね」が言えない親が、子どもに与える深刻な影響

逆に、親が自分の非を認めず、権威を振りかざし続けたら、どうなるでしょうか。

  • 子どもは、自分の感情を押し殺すようになる: 「僕が悪いんだ」「私が我慢すればいいんだ」と、自分の素直な感情に蓋をするようになります。これは、自己肯定感の低下に直結します。
  • 子どもは、他人に謝れない人間になる: 親という最も身近なロールモデルが謝らないのですから、子どももまた、自分の非を認めず、言い訳をしたり、他人のせいにしたりする人間になってしまう可能性があります。
  • 親子間の信頼関係が崩れる: 「どうせ言っても無駄だ」「この人は、僕の気持ちを分かってくれない」と感じた子どもは、やがて親に心を閉ざし、大切なことを何も話してくれなくなるでしょう。

信頼関係を深める!上手な「ごめんね」の伝え方

ただ「ごめん」と口先だけで言うのでは、意味がありません。子どもの心に響く謝り方には、3つのポイントがあります。

  1. 具体的に、何に対して謝っているのかを伝える
    「さっきは、カッとなって大きな声で怒鳴ってしまって、ごめんね」
    「よく話を聞かないで、あなたのせいだと決めつけてしまって、ごめんね。ママの勘違いだった」
    このように、何がどう悪かったのかを具体的に伝えることで、子どもは納得し、親の誠意を感じ取ることができます。

  2. 言い訳をしない
    「ママも疲れてたから…」「だって、あなたが〇〇したから…」といった言い訳は、謝罪の効果を半減させます。まずは、自分の非を100%認め、潔く謝ることが大切です。理由を説明するのは、その後です。

  3. 「大好き」という気持ちをセットで伝える
    謝罪の最後は、必ずポジティブな言葉で締めくくりましょう。
    「ごめんね。でも、あなたのことが大好きだっていう気持ちは、絶対に変わらないからね」
    この一言が、子どもの不安を取り除き、「叱られても、間違えられても、自分は愛されているんだ」という、揺るぎない安心感を与えるのです。

まとめ:親の「ごめんね」は、最強の“愛してる”

親が子どもに頭を下げることは、決して恥ずかしいことでも、負けでもありません。

  • 親の「ごめんね」は、子どもの存在を尊重し、自己肯定感を育む。
  • 失敗しても大丈夫、というメッセージを、身をもって教えることができる。
  • 具体的に、言い訳せず、愛情をセットで伝えることが大切。

むしろ、自分の過ちを認め、正直に謝れる親の姿は、子どもの目に、この上なく「かっこいい大人」として映るはずです。

親の「ごめんね」は、最強の「愛してる」の同義語。その一言を、どうか、ためらわないでください。その勇気が、あなたと子どもの未来を、もっと豊かで、もっと温かいものにしてくれるのですから。

「鬼が来るよ」はNG?「脅し育児」が子どもの心に与える深刻な影響と正しい伝え方

「早くしないと、鬼が来るよ!」
「言うこと聞かない子は、おばけに連れて行かれちゃうからね!」

何度言っても子どもが言うことを聞かない時、つい、そんな言葉を口にしてしまった経験はありませんか?

その瞬間、子どもはピタッと動きを止め、言うことを聞く。その即効性に、つい頼ってしまいたくなる気持ち、痛いほどわかります。私も、あまりの言うことの聞かなさに、一瞬、頭に鬼の顔が浮かんだことは一度や二度ではありません。

でも、その一言、本当に子どものためになっているのでしょうか?

実は、恐怖で子どもをコントロールしようとする**「脅し育児」**は、短期的には効果があるように見えて、子どもの心に、あなたが思っている以上に深刻な、長い影を落とす可能性があるのです。

この記事では、現役ママナースである私が、

  • 「脅し育児」が子どもの心に与える、4つの深刻な影響
  • なぜ、親は「脅し」に頼ってしまうのか
  • 恐怖ではなく、信頼を育むための、具体的な言い換えフレーズ集

を、詳しく解説します。

この記事を読めば、もう「鬼」に頼らなくても大丈夫。子どもの心に寄り添いながら、健やかな成長を促す、温かいコミュニケーションの方法がきっと見つかります。

なぜNG?「脅し育児」がもたらす4つの深刻なデメリット

恐怖による支配は、子どもの心に様々な悪影響を及ぼします。

1. 親子の信頼関係が崩れる

子どもにとって、親は「絶対的な安全基地」であるはず。その親が、自分を怖がらせる存在になったら、子どもは誰を信じれば良いのでしょうか。「ママは、僕を鬼に売ろうとしている」と、無意識に感じ取った子どもは、親に対して不信感を抱き、心を閉ざしてしまいます。

2. なぜダメなのかを、子どもが学べない

「鬼が来るから、やめる」という行動は、ただ恐怖から逃げているだけです。なぜ、その行動が危険なのか、なぜ、それをやってはいけないのか、その本質的な理由を、子どもは全く学んでいません。そのため、鬼がいない場所では、同じことを繰り返してしまうのです。

3. 自己肯定感が低くなる

「言うことを聞かない自分は、鬼に連れて行かれるほど、ダメな子なんだ」。脅され続けることで、子どもはそう思い込むようになります。これは、子どもの自己肯定感を根底から揺るがし、「自分は価値のない人間だ」という、歪んだ自己認識を植え付けてしまう危険性があります。

4. 過剰な恐怖心や不安感を植え付ける

特に、想像力が豊かな子どもにとって、「鬼」や「おばけ」は、リアルな恐怖です。夜、一人でトイレに行けなくなったり、暗闇を極端に怖がったり、悪夢にうなされたり…。親の何気ない一言が、子どもの心に、長く消えないトラウマを刻み込んでしまうことがあるのです。

分かっているけど、やめられない…親が脅しに頼る心理

では、なぜ私たちは、良くないと分かっていながらも、「脅し」を使ってしまうのでしょうか。それは多くの場合、**親自身の「疲れ」と「知識不足」**が原因です。

  • 心身の疲労: 育児や仕事で疲れ果て、子どもとじっくり向き合う気力も体力も残っていない時、手っ取り早く子どもをコントロールできる「脅し」に頼りたくなります。
  • 知識・スキルの不足: 脅す以外の、効果的な伝え方を知らない。どう説明すれば、子どもが理解してくれるのか分からない。その結果、自分が子どもの頃にされたように、安易な方法に流れてしまうのです。

もし、あなたが「脅し育児」をしてしまっているなら、それはあなたが悪い親だからではありません。ただ、少し疲れていて、正しい方法を知らないだけなのです。

「鬼」の代わりに何を言う?具体的な言い換えフレーズ集

では、子どもに言うことを聞いてもらいたい時、具体的にどう伝えれば良いのでしょうか。いくつかの場面に分けて、言い換えのフレーズをご紹介します。

【場面1】道路に飛び出しそうな時

  • NG: 「鬼が来て、連れて行かれちゃうよ!」
  • OK: 「ストップ!車とぶつかったら、〇〇ちゃんが痛い痛いになっちゃうから、ママ、すごく心配だな。道路に出る前は、必ず手をつなごうね」
    理由(危険)と、親の気持ち(心配)を具体的に伝える。

【場面2】お片付けをしない時

  • NG: 「片付けないなら、おもちゃ、全部捨てちゃうからね!」
  • OK: 「そろそろ、おもちゃさん、おうちに帰りたがってるみたいだよ。どっちが早く、おうちに帰してあげられるか、競争しようか!」
    楽しいゲームに変換し、ポジティブな行動を促す。

【場面3】スーパーでお菓子をねだる時

  • NG: 「言うこと聞かないなら、もう置いていくからね!」
  • OK: 「そのお菓子、食べたいよね。わかるよ。でも、今日のおやつは、おうちに〇〇があるから、今日は我慢しようね。次のお楽しみにしておこう」
    まずは気持ちに共感し、その上で、代替案や、なぜダメなのかを冷静に説明する。

まとめ:恐怖の支配ではなく、愛の信頼関係を築こう

「脅し育児」は、百害あって一利なしです。

  • 脅しは、親子の信頼関係を壊し、子どもの自己肯定感を下げる。
  • 子どもは、なぜダメなのかを学べず、根本的な解決にはならない。
  • 親が疲れている時ほど、脅しに頼りやすくなることを自覚する。
  • 「理由」と「親の気持ち」を具体的に伝え、ポジティブな言葉に言い換える。

しつけとは、恐怖で縛り付けることではありません。子どもが、自分で考えて行動し、社会のルールを学んでいくのを、愛情を持ってサポートすることです。

時間はかかるかもしれません。イライラすることもあるでしょう。でも、その丁寧な関わりこそが、子どもの心に、揺るぎない信頼と、健やかな自己肯定感を育んでいくのです。

もう、あなたの家庭に「鬼」は必要ありません。あなたの温かい言葉と、愛情深い眼差しがあれば、子どもはちゃんと、あなたの思いに応えてくれますよ。

【ママナースが解説】子どものしつけ、どうすればいい?「ダメ!」を減らす声かけと自立心を育む関わり方

「ダメ!」の連発に、心が疲弊していませんか?

「走っちゃダメ!」
「触っちゃダメ!」
「早くしなさい!」

朝から晩まで、子どもに「ダメ!」や「〜しなさい!」を連発している自分に、ハッとすることはありませんか?

そして、何度言っても聞いてくれない我が子に、つい感情的に怒鳴ってしまい、後で自己嫌悪に陥る…。

「私のしつけが間違っているのかな…」
「どうすれば、もっと穏やかに伝えられるんだろう…」

子どものしつけは、親にとって永遠のテーマであり、多くの親が悩みを抱えていますよね。

こんにちは!3人の娘たちの子育ての中で、数えきれないほどの「ダメ!」を言い、そしてその度に「どうすれば伝わるんだろう?」と試行錯誤を繰り返してきた、現役ママナースの皐月です。

お伝えしたいのは、しつけは、子どもを「型にはめる」ことではありません。 それは、子どもが社会の中で、自分らしく、そして幸せに生きていくための「生きる力」を育むことです。そして、「ダメ!」を減らすことが、親子の信頼関係を深め、子どもの自立心を育む鍵となります。

この記事では、そんなあなたの疑問を解消するために、子どものしつけの本当の意味から、「ダメ!」を減らす魔法の声かけ自立心を育む関わり方、そして親の心の持ち方まで、専門家の視点と実体験を交えて、徹底的に解説します。

さあ、今日から「ダメ!」を減らし、親子で笑顔のしつけを始めましょう。


なぜ「しつけ」が必要なの?その本当の意味

しつけとは、単に「良い子にする」ことではありません。それは、子どもが社会の中で、自分らしく、そして幸せに生きていくための土台を築くことです。

  • 社会のルールを学ぶ: 他の人と共存するために必要なルールやマナーを学びます。
  • 危険から身を守る: 危険なことや、やってはいけないことを理解し、自分の身を守る力を養います。
  • 感情をコントロールする: 自分の感情を適切に表現し、コントロールする方法を学びます。
  • 自立心を育む: 自分で考え、自分で行動する力を育みます。
  • 自己肯定感を育む: 「自分はできる」「自分は愛されている」という気持ちを育みます。

「ダメ!」を減らす!魔法の声かけ3つのコツ

子どもに何かを伝えたい時、つい「ダメ!」と言ってしまいがちですが、この言葉は子どもの行動を止めるだけで、なぜダメなのか、どうすれば良いのかが伝わりにくいものです。代わりに、以下の声かけを試してみましょう。

コツ1:「〜しない」より「〜する」を伝える

  • (✕)「走っちゃダメ!」
  • (〇)「ゆっくり歩こうね」「ここは歩く場所だよ」

禁止する言葉ではなく、どうしてほしいのか、具体的な行動を伝えることで、子どもは理解しやすくなります。

コツ2:「なぜダメなのか」理由を短く伝える

  • (✕)「触っちゃダメ!」
  • (〇)「熱いから触ると危ないよ」「壊れちゃうから優しくね」

理由を伝えることで、子どもは納得し、自分で考えて行動する力が育まれます。ただし、長々と説明するのではなく、短く、分かりやすく伝えましょう。

コツ3:「〜しなさい」より「〜しようね」と誘う

  • (✕)「早くお片付けしなさい!」
  • (〇)「おもちゃさん、お家に帰ろうね」「一緒に片付けようか」

命令形ではなく、誘う言葉や、共感する言葉を使うことで、子どもは素直に耳を傾けやすくなります。ゲーム感覚で誘うのも効果的です。


自立心を育む!親の関わり方3つのポイント

しつけは、子どもをコントロールすることではありません。子どもが自分で考え、行動する力を育むことが大切です。

1.「自分で選ぶ」機会を与える

  • 「青い服と赤い服、どっちがいい?」「おやつはクッキーとゼリー、どっちにする?」など、子どもに選択肢を与え、自分で決めさせる機会を増やしましょう。小さな選択の積み重ねが、自己決定能力を育みます。

2.「できた!」を具体的に褒める

3.失敗を恐れず、見守る


【ママナースの視点】親の心の余裕が、しつけの鍵

しつけは、親の心の余裕に大きく左右されます。イライラしていると、つい感情的に怒鳴ってしまいがちです。


まとめ:しつけは、親子の「信頼」を育む時間

子どものしつけは、一朝一夕には身につきません。焦らず、根気強く、お子さんのペースに合わせて取り組むことが大切です。

大切なのは、子どもを「ダメな子」と決めつけるのではなく、「どうすればできるようになるか」を一緒に考え、応援してあげること。

そして、何よりも、親子の信頼関係を築くことです。

あなたのその温かい眼差しと、前向きな声かけが、お子さんの「生きる力」を育む、何よりの栄養になります。


【叱り方・褒め方】もう感情的に怒らない!子どもの自己肯定感を育む「伝わる」コミュニケーション術【ママナースが解説】

「私の育て方、これでいいのかな…」褒め方・叱り方に悩む、あなたへ

「また感情的に怒っちゃった…ごめんね」
子どもが寝た後、涙を浮かべながら自己嫌悪。

「すごいね!」と褒めても、なんだか子どもの心に響いていない気がする。

子育て中のあなたは、こんな風に「褒め方」や「叱り方」に悩み、自信をなくしてしまうことはありませんか?

良かれと思って言った言葉が、かえって子どものやる気を削いでしまったり、自己肯定感を傷つけてしまったりしているとしたら…。そう考えると、不安になりますよね。

こんにちは。3人の娘を育てる現役ママナースの皐月です。医療現場で多くの親子と接し、また自身の経験からも、そのお気持ちは痛いほど分かります。

この記事では、そんなあなたの悩みに寄り添い、子どもの自己肯定感をグングン育み、親子の信頼関係を深めるための、具体的で実践的なコミュニケーション術を、ママナースとしての視点も交えながら、余すところなくお伝えします。

もう一人で悩まなくて大丈夫。この記事を読み終える頃には、きっとあなたも自信を持って、子どもと笑顔で向き合えるようになっているはずです。


なぜ、今「自己肯定感」がこんなに大切なの?

最近よく聞く「自己肯定感」という言葉。でも、なぜそんなに重要なのでしょうか?

自己肯定感とは、シンプルに言えば「ありのままの自分を、良いところも悪いところも丸ごと含めてOK!」と思える気持ちのことです。

この「心の土台」がしっかりしている子どもは、

  • 失敗を恐れずに新しいことに挑戦できる
  • 困難なことがあっても、乗り越えようと努力できる
  • 自分のことを大切にできるから、周りの人のことも大切にできる
  • 自分の意見を、自信を持って伝えられる

など、変化の激しいこれからの時代を「生き抜く力」の源になります。

そして、この自己肯定感の土台が作られる最も重要な時期が、幼児期なのです。日々の親子のコミュニケーション、特に「褒め方」と「叱り方」が、子どもの心の土台を大きく左右します。


【要注意】良かれと思ってやってない?子どもの自己肯定感を下げるNG言動

まずは、私たちがついやってしまいがちな、子どもの自己肯定感を下げてしまう可能性のあるNGな褒め方・叱り方を見ていきましょう。

NGな褒め方:「すごい!」「天才!」だけでは危険信号

  • 結果だけを褒める:「100点なんてすごいね!」
    • →子どもは「結果を出さないと自分には価値がない」と感じてしまう。
  • 他人と比較する:「お兄ちゃんより上手だね!」
    • →常に他人と自分を比べ、勝ち負けでしか自分を評価できなくなる。
  • 大げさに褒めすぎる:「天才じゃない!?」
    • →プレッシャーを感じたり、褒められることに慣れてしまい、心に響かなくなる。
  • ご褒美で釣る:「これができたらお菓子を買ってあげる」
    • →褒められることや物自体が目的になり、自発的なやる気が育たない。

NGな叱り方:「なんでできないの!」は心を傷つける言葉

  • 感情的に怒鳴る:「いい加減にしなさい!」
    • →子どもは恐怖を感じるだけで、なぜ叱られているのか理解できない。
  • 人格を否定する:「本当にダメな子ね!」
    • →「自分はダメな人間なんだ」と、存在そのものを否定された気持ちになる。
  • 過去のことを持ち出す:「この前も同じこと言ったでしょ!」
    • →子どもを追い詰めるだけで、反省や次への行動に繋がらない。
  • 子どもの言い分を一切聞かない:「言い訳しないの!」
    • →「どうせ分かってもらえない」と、心を閉ざしてしまう。

ドキッとした方もいるかもしれません。でも、大丈夫。今日から意識すれば、必ず変われます。


【褒め方編】子どもの心に響く!自己肯定感を育む3つの黄金ルール

では、具体的にどう褒めれば良いのでしょうか?ポイントは3つです。

ルール1:結果より「過程」を具体的に褒める(Iメッセージ)

子どもが何かを達成した時、結果だけを評価するのではなく、そこに至るまでの努力や工夫、気持ちに目を向けて、具体的に言葉にしてあげましょう。

この時、主語を「私(ママ・パパ)」にする「I(アイ)メッセージ」で伝えると、より気持ちが伝わります。

  • (✕)「絵が上手だね」(Youメッセージ)
  • (〇)「最後まで諦めずに、色々な色を使って描いたんだね。ママ、その集中力にびっくりしたよ。素敵な絵を見せてくれて嬉しいな」(Iメッセージ)

ルール2:「存在そのもの」を肯定する(Beingを認める)

何か特別なことができた時だけでなく、日常の何気ない瞬間に、子どもの存在そのものを肯定する言葉を伝えてあげましょう。これを心理学では「Being(存在)」を認めると言います。

  • 「〇〇ちゃんがいてくれるだけで、ママは毎日幸せだよ」
  • 「おはよう!朝、元気な顔が見られて嬉しいな」
  • 「大好きだよ、ぎゅーっ!」

このような言葉のシャワーが、子どもの心の根っこに「自分は愛されている」「そのままでいいんだ」という絶対的な安心感を育てます。

ルール3:子どもの「できた!」に心から共感し、一緒に喜ぶ

子どもが「見て見て!できたよ!」と駆け寄ってきた時、それは共感してほしいサインです。

  • (✕)「はいはい、すごいね(スマホを見ながら)」
  • (〇)「わー、本当だ!ここまで一人でできたの!?すごい!どんなところが難しかった?」

たとえ大人から見れば些細なことでも、子どもにとっては大きな一歩。その気持ちに寄り添い、一緒に心から喜んであげることで、子どもの達成感と自己肯定感はさらに高まります。


【叱り方編】子どもに伝わる!自己肯定感を守る3つのステップ

「叱る」の目的は、子どもを罰することではなく、社会のルールや望ましい行動を教え、自分で考える力を育むことです。感情的に「怒る」のではなく、冷静に「叱る」ための3ステップをご紹介します。

ステップ1:まずは気持ちを受け止める(共感)

どんな行動にも、子どもなりの理由や気持ちがあります。まずは、その気持ちに共感し、受け止めてあげましょう。

  • (✕)「ダメでしょ!なんで叩くの!」
  • (〇)「そっか、あのおもちゃで遊びたかったんだね。取られちゃって、悲しかったんだね」

最初に共感することで、子どもは「ママは分かってくれる」と感じ、親の言葉に耳を傾ける準備ができます。

ステップ2:短い言葉で「行動」を注意する(人格は否定しない)

次に、なぜその行動がダメなのかを、人格を否定せず、具体的な「行動」に焦点を当てて、短く簡潔に伝えます。

  • (✕)「意地悪な子は嫌いだよ」
  • (〇)「でも、だからといって、お友達を叩くのは違うかな。叩かれたら痛いし、悲しい気持ちになるよね」

ステップ3:どうすれば良かったかを「一緒に」考える

最後に、罰を与えて終わりにするのではなく、「じゃあ、どうすれば良かったんだろうね?」と、子ども自身が考えられるように問いかけ、一緒に解決策を探しましょう。

  • 「次、おもちゃを貸してほしくなったら、なんて言ってみる?」
  • 「『かーしーて』って、一緒に練習してみようか」

このプロセスが、子どもの社会性と問題解決能力を育みます。


ママナースの視点:叱る前に、まず子どもの「全体」を見て

医療現場では、患者さんの訴えだけでなく、顔色、呼吸、食欲など、様々な情報を統合して状態を判断する「アセスメント」という考え方を大切にします。

これは子育てでも全く同じです。

子どもが問題行動を起こした時、その行動だけを切り取って叱る前に、「今日の体調はどうかな?」「園で何か嫌なことはなかったかな?」「お腹は空いていないかな?」と、子どもの心と体の状態を観察してみてください。

特に、普段よりぐずったり、癇癪を起こしたりする時は、体調不良のサインであることも少なくありません。

感情的に叱りそうになったら、一度深呼吸。「この子の”今”はどういう状態だろう?」と、看護師のように冷静に観察する視点を持つだけで、あなたの対応はきっと変わってくるはずです。


まとめ:完璧な親じゃなくていい。あなたの「味方だよ」が伝われば、それで100点!

褒め方・叱り方に、たった一つの正解はありません。子どもの個性や状況によって、対応は変わって当然です。

大切なのは、テクニックの上手さよりも、子どもを一人の人間として尊重し、「何があっても、私はあなたの絶対的な味方だよ」というメッセージを、日々のコミュニケーションを通して伝え続けること。

今日お伝えしたことも、一度に全部やろうとしなくて大丈夫です。

まずは、寝る前に「大好きだよ」と伝えることから。
次は、叱る前に一度深呼吸してみることから。

その小さな一歩が、子どもの自己肯定感という、一生の宝物を育んでいきます。そしてそれは、あなた自身の「親としての自信」にも繋がっていくはずです。