プール熱

プール後の「水いぼ」、うつる?取った方がいい?皮膚科での治療法

そのポツポツ、もしかして「水いぼ」かも?プールは?取るべき?皮膚科での治療法

夏になり、プールが始まると、子どもの体に、ポツポツと、小さな、光沢のある、いぼが、できているのに、気づくことがあります。それは、**「水いぼ(伝染性軟属腫)」**かもしれません。特に、アトピー性皮膚炎など、肌のバリア機能が、低下しているお子さんは、感染しやすい傾向があります。

こんにちは、ママナースのさとみです。「水いぼって、うつるの?」「プールには、入れるの?」「痛い思いをしてまで、取るべきなの?」水いぼは、親にとって、疑問と、悩みが、尽きない、皮膚トラブルの一つですよね。

この記事では、水いぼの、正しい知識と、皮膚科での、主な治療法、そして、日常生活での、注意点について、最新の、ガイドラインに基づいて、解説します。


水いぼの、正体と、感染経路

水いぼの正体は、**「伝染性軟属腫ウイルス」**という、ウイルスへの感染です。直径1〜5mm程度の、中心が、少し凹んだ、光沢のある、いぼが、できます。かゆみや、痛みは、ほとんどありません。

主な感染経路は、皮膚と、皮膚の、直接的な接触です。プールそのものの、水で、うつるわけではなく、ビート板や、浮き輪、タオルなどを、共有することで、感染が広がると、考えられています。

また、掻き壊してしまうと、中のウイルスが、飛び散り、自分の体の、他の場所に、うつってしまいます(自家接種)。


プールには、入れる?

かつては、「水いぼがあると、プールに入れない」という、園や、学校が、ほとんどでした。しかし、現在、日本臨床皮膚科医会・日本小児皮膚科学会は、統一見解として、

「プールの水ではうつらないので、プールに入っても構わない。ただし、タオル、浮き輪、ビート板などを介して感染する場合があるので、これらの共用は避けるべきである」

としています。

つまり、基本的には、プールに入ってもOKです。ただし、患部を、ラッシュガードなどで覆い、他の子との、過度な接触を避ける、などの配慮は、必要でしょう。最終的には、園や、学校の方針によりますので、必ず、事前に、確認してください。


取った方がいいの?皮膚科での、治療法

水いぼは、ウイルス性の、いぼなので、**放置していても、半年から、2年程度で、免疫ができ、自然に治癒します。**そのため、痛みを伴う治療を、積極的に、行うべきかについては、医師の間でも、意見が分かれるところです。

治療を行う場合の、主な選択肢は、以下の通りです。

1. ピンセットによる、摘除(つまみ取る)

  • 方法: 専用の、特殊なピンセットで、水いぼを、一つひとつ、つまみ取ります。最も、確実で、早く治る方法です。
  • 痛み: 痛みを伴うため、事前に、麻酔のテープ(ペンレステープなど)を、貼ってから、行います。子どもにとっては、大きな、負担になる可能性があります。

2. 液体窒素による、凍結療法

  • 方法: マイナス196℃の、液体窒素で、いぼを凍らせて、壊死させる方法。複数回の、通院が、必要になることが多いです。
  • 痛み: ピリピリとした、痛みを伴います。

3. その他の治療法

  • 硝酸銀ペーストや、サリチル酸絆創膏など、痛みの少ない、塗り薬による治療法もありますが、効果には、個人差があります。

治療方針については、「自然治癒を待つ」メリット・デメリットと、「痛みを伴う治療を、行う」メリット・デメリットを、医師と、よく相談し、お子さんの性格や、いぼの数、生活状況などを、総合的に、判断して、決定することが、大切です。


まとめ:正しい知識で、親子で、納得のいく選択を

水いぼは、命に関わる病気では、ありません。しかし、見た目の問題や、周りへの、感染の可能性など、親にとっては、悩ましい問題です。

一番、大切なのは、親が、正しい情報を、知ることです。

「プールに入れないから、早く取らなきゃ」と、焦る必要は、ありません。治療には、様々な、選択肢があることを、理解し、お子さんにとって、何が、ベストな方法なのかを、親子で、そして、医師と、一緒に、考えていきましょう。


お風呂やプールだけじゃない!子どもの水難事故を防ぐために親が知るべきこと

はじめに:子どもの溺水は、静かに、一瞬で起こる

夏になると、プールや海での水難事故のニュースが増え、心が痛みます。しかし、子どもの水難事故は、夏のアウトドア活動だけで起こるわけではありません。実は、**0歳から4歳の子どもの不慮の事故死の原因で、最も多いのが「溺水」**であり、その多くが家庭の「お風呂」で発生しているのです。

こんにちは、ママナースのさとみです。子どもの溺水は、映画やドラマのように、バシャバシャともがいて助けを求めることは稀です。静かに、そしてほんの一瞬で、命に関わる事態に陥ります。

この記事では、家庭内とレジャー、それぞれの場面で子どもの命を守るために、親が絶対に知っておくべき水難事故対策について、詳しく解説します。


Case1:最も危険な場所「お風呂」での絶対ルール

消費者庁のデータによると、子どもの溺水事故の約8割が家庭内で起きており、そのほとんどがお風呂場です。

たった10cmの水深でも、子どもは溺れる

子どもは頭が大きく、バランスを崩しやすいもの。一度うつ伏せに倒れてしまうと、たとえ水深が浅くても、パニックになり自力で顔を上げることができずに溺れてしまいます。

お風呂での絶対ルール

  • 子どもから、一瞬たりとも目を離さない、手を離さない: 「電話が鳴った」「上の子が呼んでいる」ほんの少しの時間でも、絶対に子どもを一人で浴槽に残してはいけません。必ず一緒に浴室から出るか、子どもを浴槽から出して待たせましょう。
  • 浴槽の残り湯は、必ず抜く: 入浴後、残り湯を洗濯などに使うご家庭も多いと思いますが、子どもが誤って転落する危険があります。入浴後は、必ずすぐに栓を抜く習慣をつけましょう。
  • 浴室のドアには鍵をかける: 子どもが勝手に浴室に入れないよう、ベビーゲートを設置したり、ドアにチャイルドロックをかけたりする対策が有効です。

Case2:楽しいはずの「水遊び・レジャー」での注意点

プールや海、川など、夏のレジャーは格別ですが、危険も伴います。

「見てるだけ」では不十分。親の心構え

  • 「監視」ではなく「一緒に遊ぶ」: スマホを見ながらの「ながら監視」は絶対にNG。子どもから目を離さないのはもちろん、すぐに手の届く範囲(アームズリーチ)で、常に一緒に遊ぶことを心がけましょう。
  • ライフジャケットを正しく着用させる: 特に海や川では、浮き輪だけでは不十分です。体にフィットし、股下ベルトのあるライフジャケットを正しく着用させましょう。
  • 体調管理を徹底する: 疲れていたり、寝不足だったりすると、注意力が散漫になり、事故のリスクが高まります。前日はしっかり睡眠をとり、こまめな休憩と水分補給を忘れずに。

場所別の注意点

  • プール: プールの排水溝に、子どもの髪の毛や手足が吸い込まれる事故が起きています。排水溝には絶対に近づかないよう、事前に教えましょう。
  • 海: 波打ち際でも、急に高い波が来て沖にさらわれる危険があります。「足だけ」のつもりが一番危険。離岸流(リップカレント)という、沖に向かう強い流れがある場所もあることを知っておきましょう。
  • 川: 川は、場所によって深さが急に変わったり、流れが速くなったりします。また、上流で雨が降ると、急に増水する危険性も。天気予報のチェックは必須です。

まとめ:大人が「危険」を知ることが、最大の予防策

子どもの水難事故は、親が「危険な場所」と「危険な状況」を正しく認識し、ほんの少し注意を払うだけで、そのほとんどを防ぐことができます。

「うちの子に限って」という油断が、一番の敵です。正しい知識を身につけ、子どもとのかけがえのない時間を、安全に、そして目一杯楽しんでくださいね。


【アデノウイルス編】長い高熱としつこい目の症状…家庭でのケアと乗り切り方

はじめに:そのしつこい高熱、「プール熱」かも

「39℃以上の熱が、もう3日も続いている…」
「目が真っ赤に充血して、目やにがひどい…」
「喉がすごく痛いみたいで、何も食べてくれない…」

夏になると、決まって保育園や学校で流行りだす、しつこい感染症。その代表格が、**「アデノウイルス感染症」です。一般的には、プールでの接触やタオルの共用で感染が広がりやすいことから、「プール熱」**という名前で知られていますよね。

解熱剤を使っても、すぐにまたぶり返す高熱。そして、痛々しいほど真っ赤な目。その症状の強さと長さから、親としては「本当に、このまま治るんだろうか…」と、心身ともに疲れ果ててしまう病気の一つです。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

『季節の感染症、完全攻略』シリーズの最終回。今回は、このしつこくて厄介な「アデノウイルス」についてです。実は、このウイルス、「プール熱」以外にも様々な症状を引き起こす、カメレオンのような一面を持っています。その多彩な症状と、長い闘病期間を親子で乗り切るためのポイントを、ママナースの視点から詳しく解説していきます。


アデノウイルスは、七変化する!主な3つの病気

アデノウイルスは、非常に感染力が強く、実に50種類以上もの型が存在します。そのため、一度かかっても、違う型に感染して、何度も繰り返しかかることがあります。そして、感染したウイルスの型によって、現れる症状も様々です。

① 咽頭結膜熱(いんとうけつまくねつ)= プール熱

これが、いわゆる「プール熱」です。その名の通り、**「咽頭(のど)」「結膜(め)」**に、強い症状が現れます。

  • 主な症状:
    1. 高熱: 39℃〜40℃の高熱が、4〜5日間続きます。
    2. 咽頭炎: 喉が真っ赤に腫れ、激しい痛みを伴います。
    3. 結膜炎: 目が真っ赤に充血し、目やにがたくさん出ます。目の痛みや、光を眩しく感じることも。
  • ポイント: この3つの症状が、全て揃うとは限りません。熱と喉の症状だけ、という場合もあります。

② 流行性角結膜炎(りゅうこうせいかくけつまくえん)= はやり目

目の症状が、特に強く出るタイプのアデノウイルス感染症です。

  • 主な症状: 激しい目の充血、ゴロゴロとした異物感、まぶたの腫れ、大量の目やにが特徴です。感染力が非常に強く、片目から始まって、数日のうちにもう片方の目にもうつることが多いです。
  • ポイント: 目の症状がメインなので、眼科での専門的な治療が必要になります。

③ 胃腸炎

アデノウイルスは、お腹の風邪(胃腸炎)の原因になることもあります。

  • 主な症状: 嘔吐、下痢、腹痛など。ロタウイルスやノロウイルスと比べると、症状は比較的軽いことが多いですが、乳幼児では長引くこともあります。

この他にも、肺炎や、血尿を伴う出血性膀胱炎など、様々な病気の原因になる、本当に厄介なウイルスなのです。


長い闘い…家庭でのケアと乗り切り方のポイント

アデノウイルスにも、残念ながら特効薬はありません。つまり、ウイルスに対する抵抗力がついて、自然に治るのを待つしかないのです。高熱や喉の痛みと戦う子どもを、どうサポートしてあげればいいのでしょうか。

  • 水分補給が最優先: 高熱と喉の痛みで、脱水になりやすいのが一番怖いポイントです。手足口病の時と同様に、プリン、ゼリー、アイス、冷たいスープなど、喉越しの良い、刺激の少ないものを、少量ずつこまめに与えましょう。
  • 解熱剤の上手な活用: 熱が4〜5日続くと、親も子も体力が消耗します。子どもがぐったりして水分も摂れないような時は、解熱剤を上手に使って、一時的にでも体を休ませてあげましょう。
  • 目のケア: 目やにがひどい時は、濡らした清潔なガーゼやコットンで、目頭から目尻に向かって、優しく拭き取ってあげてください。兄弟がいる場合は、絶対に同じガーゼを使わないこと。

登園・登校の目安は?

アデノウイルス感染症のうち、「咽頭結膜熱(プール熱)」と「流行性角結膜炎(はやり目)」は、学校保健安全法で、出席停止が定められている感染症です。

登園・登校を再開できる目安は、

「主な症状がなくなった後、2日間が経過していること」

とされています。

つまり、熱が下がり、喉の痛みや目の充血などの主要な症状が治まってから、丸2日間、家で元気に過ごせたら、登園・登校が可能になります。ただし、最終的には医師の許可(登園許可証など)が必要になることがほとんどです。必ず、かかりつけ医と園・学校の指示に従ってください。


家族内での感染力が非常に強い!徹底すべき予防策

アデノウイルスは、手足口病と同様に、接触感染飛沫感染で広がります。特に、目の症状がある場合は、涙や目やににも大量のウイルスが含まれているため、注意が必要です。

  • 手洗いの徹底: 基本中の基本ですが、これが最も重要です。
  • タオルの共用は絶対にNG: 顔や手を拭くタオル、お風呂のタオルは、厳格に分けましょう。これは、症状が治まった後も、しばらく続ける必要があります。
  • お風呂の順番を最後にする: 感染している子どもは、お風呂の順番を最後にし、湯船には浸からず、シャワーだけにするのが無難です。
  • ドアノブやスイッチなどを消毒する: アルコール消毒は、実はアデノウイルスには効きにくいとされています。**次亜塩素酸ナトリウム(家庭用の塩素系漂白剤を薄めたもの)**で、こまめに拭くのが効果的です。

まとめ:敵を知り、正しく恐れること

しつこい高熱と、多彩な症状。そして、非常に強い感染力。アデノウイルスは、まさに“やっかいな夏のボスキャラ”です。

でも、その正体と戦い方を知っていれば、過度に恐れる必要はありません。家庭でのケアのポイントは、あくまで「脱水を防ぎ、体力を消耗させないこと」。そして、家族に感染を広げないための「徹底した予防策」です。

これで、『季節の感染症、完全攻略』シリーズは終わりです。夏風邪、冬の感染症…と、子育て中は一年中、ウイルスとの戦いですが、正しい知識を武器に、親子で乗り切っていきましょうね!