可愛いおまるやトレーニングパンツを揃えて、「さあ、今日からトイトレ開始!」と意気込んでみたものの…。
「トイレに行こう」と誘っても、「イヤ!」の一点張り。
床にできた水たまりを見て、思わず「あーあ、また!」と、深いため息をついてしまう。
そんな理想と現実のギャップに、早くも心が折れそうになっていませんか?
こんにちは!3人の娘たちと、三者三様のトイトレを経験してきた、現役看護師の皐月です。
最初に、これだけは断言させてください。トイレトレーニングで、親が最もやってはいけないこと。それは、**「焦ること」と「感情的に怒ること」**です。親のイライラやプレッシャーは、子どもにすぐに伝わり、「トイレ=ママが怒る嫌な場所」という最悪のイメージを植え付けてしまいます。
この記事では、トイトレを「親子で楽しむイベント」に変えるための、具体的な進め方と、子どものやる気を引き出す声かけ・褒め方のコツを、私の経験を元にお伝えしますね。
この記事でわかること
- トイトレが長期戦になる、親のNG行動とは?
- 「トイレは楽しい場所」と思わせるための3ステップ
- お漏らしは失敗じゃない!を親子で実感する方法
- 子どもの心に響く!ママナース流「魔法の褒め方」図鑑
トイトレ成功への3ステップ:焦らず、ゆっくりと
トイトレは、以下の3つのステップで、赤ちゃんのペースに合わせてゆっくり進めるのが基本です。次のステップに進むのを、絶対に焦らないでくださいね。
ステップ①:まずは「トイレと友達になる」ことから
いきなり「トイレでおしっこをする」ことを目指す必要はありません。最初の目標は、**「トイレは、怖くない、楽しい場所だ」**と、子どもにインプットすることです。
- 好きなキャラクターの力を借りる:トイレの壁を、子どもの好きなキャラクターのポスターやシールで飾り付けましょう。
- トイレを絵本の読み聞かせ場所に:トイレに座りながら、トイレトレーニングの絵本を読んであげるのも効果的。「ワンワンも、上手にちっちしてるね〜」と、成功イメージを膨らませます。
- 座る練習だけしてみる:この段階では、服を着たまま、おむつをしたままでOK!「椅子みたいだね!」「王様みたいで、かっこいいね!」と、便座に座れたこと自体を、たくさん褒めてあげましょう。
ステップ②:「座れたら100点満点!」の気持ちで誘う
トイレに慣れてきたら、いよいよ、おしっこが出そうなタイミングで、トイレに誘ってみましょう。
- 誘うタイミング:朝起きた時、食事の前後、お昼寝から起きた時、お風呂の前、お出かけの前などが成功しやすいゴールデンタイムです。
- 誘い方のコツ:「トイレに行くよ!」という命令ではなく、「そろそろ、おしっこさん、出る頃かな?トイレに行ってみる?」と、お伺いを立てるように誘うのがポイント。「ママ、今からトイレに行くんだけど、一緒に行く?」と仲間のように誘うのも良いですね。
- 出なくてもOK!:たとえ、トイレから出た直後にお漏らししたとしても、「惜しかったね!次はおしっこさん、トイレでバイバイできるといいね」と、明るく声をかけるのが大切です。
ステップ③:「できた!」を、親子で全力で喜ぶ
そして、ついにその瞬間が訪れたら…!
たまたまでも、ほんの少しでも、トイレでおしっこやうんちが出たら、ママやパパが、これでもかというくらい、大げさに褒めちぎってあげてください!
- 「うわー!出たね!すごい!天才!」
- 「やったー!おしっこさん、バイバイできたね!」
- 親子でハイタッチしたり、ハグしたり、一緒にくるくる回って踊ったり!
この**「成功体験」と「親の満面の笑顔」**が、子どもにとって何よりのモチベーションになります。「トイレでやると、ママがこんなに喜んでくれるんだ!」と感じることが、次の成功へと繋がっていきます。
お漏らしは「失敗」じゃない。「学び」のチャンスです!
トレーニングパンツや布パンツに切り替えると、必ずお漏らしはします。でも、それは「失敗」ではありません。
お漏らしは、子どもにとって、
- 「おしっこが出そう」という感覚と、「実際に出る」という現象を結びつける、大切な学習の機会
- 「濡れると、気持ち悪い」ということを、身をもって知る、貴重な体験
なのです。
だから、お漏らしをした時に、絶対に怒ったり、がっかりした顔を見せたりしないでください。 親がやるべきことは、後片付けを、淡々と、そして、にこやかに行うことだけ。
「大丈夫、大丈夫。お着替えすれば、スッキリするよ」
「おしっこさん、びっくりして、慌てて出てきちゃったんだね」
そんな風に声をかけながら、後始末をしましょう。親が、お漏らしを「大したことじゃない」という態度でいることが、子どもの「失敗への恐怖心」を取り除き、再チャレンジへの意欲を育てます。
まとめ:ママの笑顔が、最高の“ごほうび”
トイトレは、まさに、親の忍耐力と演技力が試される、一大プロジェクトです。
でも、一番大切なのは、高価なおまるでも、完璧なごほうびシステムでもありません。**「大丈夫だよ」「できなくても、あなたのことが大好きだよ」**という、親の揺るがない愛情と、笑顔です。
焦らず、怒らず、比べず。目の前のお子さんのペースを信じて、親子で一緒に、一歩一歩進んでいきましょう。その道のりの先には、お子さんの大きな成長と、あなたの自信が待っていますよ。
