「耳が痛い」と言えない赤ちゃんも!繰り返す中耳炎のサインと家庭でのケア
急に機嫌が悪くなったり、夜中に突然火がついたように泣き出したり…。言葉で「耳が痛い」と伝えられない小さな子どもにとって、中耳炎は親が気づきにくい病気の一つです。
こんにちは、ママナースの皐月です。3人の娘を育てている私も、子どもが小さかった頃は、夜中に突然泣き出す娘を前に「どこか悪いのかな?」「耳が痛いのかな?」と、不安でいっぱいになった経験があります。子ども、特に0歳から3歳くらいまでの乳幼児は、風邪をひくと中耳炎を併発しやすく、一度なると繰り返しやすいという特徴があります。
この記事では、
- なぜ子どもは中耳炎になりやすいのか
- 言葉を話せない赤ちゃんの「中耳炎のサイン」の見つけ方
- 中耳炎かも?と思ったら家庭でできるケア
について、ママナースの視点と実体験を交えながら詳しく解説します。この記事を読めば、お子さんの小さなSOSを見逃さず、適切なケアをしてあげられるようになるはずです。一緒に、お子さんの耳の健康を守っていきましょう。
この記事でわかること
- 子どもが中耳炎になりやすい解剖学的理由
- 言葉を話せない赤ちゃんの非言語的な中耳炎のサイン
- 中耳炎が疑われる場合の家庭での応急処置とケア
- 処方された薬を最後まで飲み切ることの重要性
- 中耳炎の早期発見と早期治療のポイント
なぜ子どもは中耳炎になりやすいの?大人との違いを知ろう
「どうしてうちの子は、こんなに中耳炎を繰り返すんだろう…」そう思われるかもしれませんね。実は、子どもが中耳炎になりやすいのには、ちゃんとした理由があるんです。大人と子どもの体の構造の違いが大きく関係しています。
【結論】子どもが中耳炎になりやすいのは、耳と鼻をつなぐ「耳管」が大人に比べて太く短く、傾きが水平に近いという解剖学的特徴があるためです。これにより、風邪などで鼻や喉にいるウイルスや細菌が中耳に侵入しやすく、特に鼻をかめない乳幼児はリスクが高まります。
子どもの耳管(耳と鼻をつなぐ管)は、大人に比べて太くて短く、傾きが水平に近いという特徴があります。そのため、風邪などで鼻や喉にいるウイルスや細菌が、耳管を通って中耳(鼓膜の奥の空間)に侵入しやすく、炎症を起こしてしまうのです。
特に、まだ自分で鼻をかめない赤ちゃんや、仰向けでミルクを飲むことが多い乳児は、鼻水が耳に流れ込みやすいため、中耳炎のリスクが高くなります。私の娘も、風邪をひくたびに中耳炎を併発し、耳鼻科の先生には「鼻をかむ練習をしっかりしてね」とよく言われました。
見逃さないで!言葉を話せない子の「中耳炎」サイン。こんな様子はありませんか?
「耳が痛い」と言えないお子さんが出す、中耳炎のサインは、親が注意深く観察することで見つけることができます。複数当てはまる場合は、中耳炎を疑って早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
【結論】言葉を話せない子どもの中耳炎のサインは、急な不機嫌、夜中の激しい泣き出し、頻繁に耳を触る・気にする仕草、頭を振る・こすりつける行動、ミルクや母乳の飲みが悪くなる、耳だれ、発熱などです。特に風邪の後の不機嫌は中耳炎の可能性が高いです。
- 理由もなく、急に機嫌が悪くなる: いつもと違う不機嫌さや、ぐずりが続く場合は注意が必要です。
- 夜中に突然、激しく泣き出す(夜泣き): 夜中に突然、火がついたように泣き出し、抱っこしてもなかなか泣き止まない場合は、痛みを訴えている可能性があります。
- 頻繁に耳を触る、気にするそぶりを見せる: 耳を引っ張ったり、こすったり、耳に手を当てて気にしている様子が見られたら、耳に不快感があるサインです。
- 頭を振る、壁や床に頭をこすりつける: 痛みを和らげようとして、頭を振ったり、どこかにこすりつけたりすることがあります。
- ミルクや母乳の飲みが悪くなる(吸うと耳に圧力がかかり痛むため): 哺乳中に耳に圧力がかかり、痛むために飲むのを嫌がることがあります。特に、片方の耳だけ痛い場合は、痛くない方を下にして飲むことがあります。
- 耳から液体(耳だれ)が出てくる: 黄色や白色の液体が耳から出てきたら、中耳炎がかなり進行しているサインです。すぐに受診しましょう。
- 発熱(特に風邪の後期に熱がぶり返した場合): 風邪の症状が落ち着いた後に、再び熱がぶり返した場合は、中耳炎を併発している可能性が高いです。
特に「風邪をひいた後の不機嫌」は、中耳炎のサインであることが非常に多いです。ただの風邪の症状と決めつけず、耳の様子も気にかけてあげてください。私の娘も、風邪の後に耳を触る仕草が増え、中耳炎と診断されたことがあります。
中耳炎かも?と思ったら家庭でできること。病院へ行くまでの応急処置
中耳炎の治療は医師に任せるのが基本ですが、病院へ行くまでの間や、治療と並行して家庭でできるケアもあります。お子さんの痛みを少しでも和らげてあげましょう。
【結論】中耳炎が疑われる場合、家庭では痛みを和らげるために耳の周りを冷やし、鼻水をこまめに吸引し、上半身を高くして寝かせることが有効です。また、医師に処方された薬は症状が改善しても必ず最後まで飲み切ることが重要です。
痛みを和らげるケア
- 耳の周りを冷やす: 痛みが強い場合は、冷たいタオルや保冷剤を布で包んだもので耳の周りを冷やしてあげると、痛みが和らぐことがあります。直接冷やしすぎないように注意しましょう。
- 鼻水をこまめに吸い取る: 鼻づまりは中耳炎を悪化させる大きな原因です。家庭用の鼻水吸引器などを使って、こまめに鼻水を吸い取ってあげましょう。鼻水を出すことで、耳への負担が軽減されます。
- 上半身を高くして寝かせる: 咳のケアと同様に、頭を少し高くして寝かせると、耳への圧力が軽減され、痛みが和らぐことがあります。バスタオルなどを敷いて、傾斜をつけてあげましょう。
医師に処方された薬は、必ず最後まで
中耳炎の治療では、抗生剤が処方されることがよくあります。症状が良くなったからといって、自己判断で薬をやめてしまうと、治りきらずに再発したり、耐性菌ができてしまったりする原因になります。医師に指示された期間、必ず最後まで薬を飲ませ切りましょう。これは、看護師として患者さんにも必ずお伝えする大切なことです。
まとめ:赤ちゃんの「不機嫌」は大切なサイン。早期発見・早期治療で耳を守ろう
今回は、「耳が痛い」と言えない赤ちゃんの繰り返す中耳炎のサインと家庭でのケアについてお伝えしました。
- 子どもが中耳炎になりやすいのは、耳管の構造が大人と異なるためです。
- 急な不機嫌、夜泣き、耳を触る、飲みが悪い、耳だれ、発熱などが中耳炎のサインです。
- 家庭では、痛みを和らげるケアと、処方薬の確実な服用が大切です。
- 少しでも気になる場合は、早めに耳鼻咽喉科を受診しましょう。
言葉で痛みを伝えられない赤ちゃんにとって、「不機嫌」や「夜泣き」は、体調不良を訴える唯一の手段かもしれません。「また機嫌が悪いな」で済ませてしまわずに、「どこか痛いのかな?」と一歩踏み込んで観察してあげることが、中耳炎のような病気の早期発見に繋がります。
風邪の後の長引く不機嫌は、中耳炎のサインかも。ぜひ、この記事を参考にお子さんの様子をチェックしてみてくださいね。早期発見・早期治療が、お子さんの耳の健康を守る上で非常に重要です。私たちママナースは、お子さんの健やかな成長を願うあなたの育児を、心から応援しています!
