アトピーが治ったと思ったら、次は卵アレルギー…なぜ?
「うちの子、どうして次から次へとアレルギーになるの…?」
乳児期は、カサカサ肌と湿疹(アトピー性皮膚炎)に悩まされ、
それが治まったと思ったら、今度は卵や牛乳でアレルギー症状(食物アレルギー)が出て、
最近では、風邪をひくたびに咳が長引き、ゼーゼーと喘息の気があると言われた…。
まるで、アレルギー症状が、ドミノ倒しのように連鎖していく。
もし、あなたのお子さんがこのような状況なら、それは**「アレルギーマーチ」**の真っ只中にいるサインかもしれません。
こんにちは!アレルギー体質の長女と、このアレルギーマーチに長年向き合ってきた、現役ママナースの皐月です。
結論:アレルギーマーチは、体質だからと諦める必要はありません。最新の研究で、その最初のドミノが倒れるのを防ぐ、具体的な予防法が分かってきたのです。
この記事では、
- 【図解】アレルギーマーチは、なぜ起きる?衝撃のメカニズム
- 【最重要】マーチを止める!今日からできる2つのアクション
- 【ママナースの告白】私が後悔している、長女の時の間違ったケア
- よくある質問(Q&A)
を、徹底的に解説します。
この記事を読めば、終わりの見えないアレルギーとの戦いに、一筋の光が見えるはずです。
【図解】アレルギーマーチは「肌」から始まる!
アレルギーマーチは、なぜ起こるのでしょうか。
その出発点は、多くの場合、**乳児期の「肌荒れ(アトピー性皮膚炎)」**にあります。
(ここに、ドミノ倒しのイラストを挿入するイメージ)
-
【最初のドミノ】肌のバリア機能の破壊
乾燥や湿疹で、肌の表面が荒れ、バリア機能が壊れてしまいます。 -
【2番目のドミノ】アレルゲンの侵入(経皮感作)
壊れた皮膚の隙間から、ダニやホコリ、そして、空気中を漂う食べ物のカスなどのアレルゲン(アレルギーの原因物質)が体内に侵入。免疫系が「これは敵だ!」と記憶してしまいます(=感作)。 -
【3番目のドミノ】食物アレルギーの発症
その後、その食べ物を口から食べた時に、体が「敵が入ってきた!」と勘違いし、アレルギー反応を起こします。 -
【最後のドミノ】喘息・アレルギー性鼻炎へ
アレルゲンへの感作が続くことで、アレルギー反応の舞台が、皮膚から気道や鼻の粘膜へと移り、喘息や鼻炎を発症します。
つまり、**すべての元凶は、最初のドミノである「肌のバリア破壊」**にあるのです。
マーチを止める!今日からできる2つの最重要アクション
最初のドミノを倒さないために、家庭でできる最も重要な対策は、たった2つです。
アクション1:【徹底保湿】鉄壁のスキンケア術
アレルゲンの侵入ルートである「壊れた皮膚」を作らないことが、全ての予防の第一歩です。
- 洗い方: 石鹸をよく泡立て、手で優しく洗い、シャワーでしっかりすすぎます。ゴシゴシ洗いはNG!
- 塗り方: お風呂上がりは、5分以内が勝負!肌が潤っているうちに、たっぷりの保湿剤を全身に塗ります。
- 塗る量: 「ティッシュが肌に貼り付くくらい」ベッタリと。チューブタイプの保湿剤なら、大人の人差し指の第一関節分(約0.5g)で、大人の手のひら2枚分の面積が目安です。
- 湿疹の治療: 赤みやかゆみのある湿疹は、**炎症という「火事」**です。ステロイド軟膏などの消防車で、ボヤのうちにしっかり消し止めることが、延焼を防ぎます。医師の指示通りに、怖がらずに使いましょう。
【私の後悔】
私も、長女の時は「ステロイドは怖い」という思い込みから、中途半端な使い方をしてしまい、かえってアトピーを悪化させてしまいました。その結果、食物アレルギーも発症。あの時、正しい知識でスキンケアをしていれば…と、今でも後悔しています。
アクション2:【怖がらない】医師と進める離乳食
かつては「アレルギーが怖いから、卵や牛乳は遅く始める」のが常識でした。
しかし、今は全く逆です。
研究が進み、むしろ適切な時期(生後5〜6ヶ月頃)から、少量ずつ様々な食材を与える方が、体がその食べ物に慣れ、アレルギーを予防できる(経口免疫寛容)ことが分かっています。
もちろん、自己判断は禁物。特に、アトピー性皮膚炎があるお子さんは、必ず、かかりつけの小児科医やアレルギー専門医と相談しながら、指導に従って離乳食を進めていきましょう。
まとめ:未来は、今日のスキンケアにかかっている
アレルギーマーチの考え方は、少し難しかったかもしれません。
でも、希望のメッセージでもあります。
「乳児期のスキンケアを制する者は、アレルギーを制す」
アレルギー体質は、遺伝だから仕方ないと諦めるのではなく、家庭でできる、最も効果的な予防法があるのです。
赤ちゃんのすべすべ肌を守ることが、その子の10年後、20年後の健康を守ることに、直接繋がっています。
今日から、お風呂上がりの保湿、始めてみませんか?
