「たかが便秘」と侮らないで!子どもの便秘が引き起こす悪循環
「うちの子、もう3日も出ていない…」子どもの便秘は、多くの親が経験する悩みの一つです。しかし、「そのうち出るだろう」と軽く考えてはいませんか?実は、子どもの便秘を放置すると、様々な悪影響を及ぼす可能性があります。
便秘が続くと、硬くなった便を出す時に痛みや出血を伴うため、子どもは排便を我慢するようになります。すると、さらに便が腸内に溜まって硬くなり、ますます排便が困難になる…という「便秘の悪循環」に陥ってしまうのです。
さらに、慢性的な便秘は、食欲不振や腹痛、イライラ、集中力の低下など、心と体の両方に影響を与えることもあります。
この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの便秘を根本から解消するための「食事」「運動」「マッサージ」という3つのアプローチと、病院を受診すべき目安について、詳しく解説します。
まずは食生活の見直しから!便秘解消に効く3つの要素
1. 食物繊維を味方につける
食物繊維には、「水溶性」と「不溶性」の2種類があり、バランス良く摂ることが大切です。
- 水溶性食物繊維: 便を柔らかくする働きがあります。(例:海藻類、果物、こんにゃく、オートミールなど)
- 不溶性食物繊維: 便のかさを増やし、腸を刺激して排便を促します。(例:きのこ類、豆類、芋類、玄米など)
2. 十分な水分補給
便を柔らかくするためには、十分な水分が不可欠です。食事以外にも、こまめに水やお茶を飲む習慣をつけましょう。朝起きてすぐにコップ1杯の水を飲むのも、腸を刺激するのに効果的です。
3. 腸内環境を整える発酵食品
ヨーグルトや味噌、納豆などの発酵食品に含まれる善玉菌は、腸内環境を整え、便秘の改善を助けてくれます。
運動&マッサージで腸を動かそう!
1. 楽しく体を動かす
特別な運動は必要ありません。公園で走り回ったり、ジャンプしたり、ダンスをしたりと、日常生活の中で楽しく体を動かす機会を増やしましょう。腹筋を使う運動は、腸の動きを活発にするのに役立ちます。
2. 「の」の字マッサージ
おへその周りを、ひらがなの「の」の字を描くように、優しくマッサージしてあげましょう。腸の動きに沿って刺激することで、排便を促す効果が期待できます。お風呂上がりなど、リラックスしている時に行うのがおすすめです。
3. 綿棒浣腸
赤ちゃんの場合、綿棒の先にベビーオイルやワセリンを塗り、肛門から1〜2cmほど入れて優しく刺激する「綿棒浣腸」が効果的なことがあります。ただし、やり過ぎは禁物。あくまでも、どうしても出なくて苦しそうな時の最終手段と考えましょう。
病院を受診すべき目安は?
以下の症状が見られる場合は、家庭でのケアに固執せず、小児科を受診しましょう。
- 5日以上排便がない
- 排便時に強い痛みや出血を伴う
- 嘔吐や強い腹痛がある
- 食欲がなく、体重が増えない
- 便秘薬を使わないと排便できない状態が続いている
まとめ|毎日の生活習慣が、快便への近道
子どもの便秘は、薬で一時的に解消しても、根本的な生活習慣を見直さなければ、すぐに再発してしまいます。「食事」「運動」「規則正しい排便習慣」この3つを柱に、親子で気長に取り組むことが大切です。
「たかが便秘」と放置せず、お子さんの「出ない」サインに気づいたら、早めに対処してあげてくださいね。