子どもの健康

【夜泣きじゃない?】夜驚症と悪夢の違いとは?ママナースが教える原因と家庭でできる対処法

深夜2時。家中に響き渡る、子どもの甲高い叫び声。
慌てて寝室に駆けつけると、我が子はベッドの上に座り込み、目を見開いて、何もない空間を指差して絶叫している…。

「大丈夫だよ!」と抱きしめようとしても、体は硬直し、こちらの声は全く届いていない様子。まるで、見えない何かにひどく怯えているかのよう。

そして数分後、ピタッと静かになり、また何事もなかったかのように眠りにつく。翌朝、本人に聞いても「え?何も覚えてないよ?」とキョトンとしている…。

こんにちは!3人の娘を育てるママナースの皐月です。
これは、私の次女が3歳の頃に、実際に「夜驚症(やきょうしょう)」を初めて起こした時の話です。看護師として知識はあっても、我が子のその姿を目の当たりにした時の恐怖は、今でも忘れられません。

もし、あなたが今、同じような経験をして、不安で胸が張り裂けそうになっているのなら、まずこれだけは伝えさせてください。
それは、あなたにとって物凄く怖い光景ですが、子ども自身は苦しんでいません。そして、あなたは決して一人ではありません。

今日は、この「夜驚症」と、よく似た「悪夢」との違い、そして親がすべき本当の対処法について、詳しくお話ししますね。

この記事でわかること

  • 【一目瞭然】「夜驚症」と「悪夢」の決定的な違い
  • なぜ起こるの?それぞれの原因を分かりやすく解説
  • 夜驚症が起きた時、親が「すべきこと」と「絶対にしてはいけないこと」
  • 悪夢を見た子どもへの、正しい寄り添い方

【比較表】うちの子はどっち?夜驚症と悪夢

まず、この2つが全くの別物であることを知るのが、冷静になるための第一歩です。

特徴 夜驚症(やきょうしょう) 悪夢(あくむ)
起こる時間 眠り始めの1〜3時間(深いノンレム睡眠中) 夜中〜明け方(浅いレム睡眠中)
子どもの状態 目は開いているが、意識はない。なだめても通じない。 はっきり目を覚ます。怖がるが、親を認識できる。
翌朝の記憶 全く覚えていない 怖い夢だったと覚えていることが多い
親がすべきこと 起こさない! 安全確保に徹し、静かに見守る。 優しく安心させる。 抱きしめ、話を聞いてあげる。

一番の違いは、翌朝、本人が覚えているかどうか。夜驚症は、脳が深く眠っている最中の出来事なので、本人の記憶には残りません。親にとってはホラー映画のようですが、子ども自身は苦しいわけではないのです。

なぜ起こるの?それぞれの原因

夜驚症の原因:「脳のギアチェンジミス」

夜驚症は、子どもの脳の睡眠機能がまだ未熟なために起こる「バグ」のようなもの。
深い眠りから、少し浅い眠りへ「ギアチェンジ」する時に、うまく切り替えられずに脳が混乱してしまうのです。
脳の発達が著しい
3歳〜7歳頃
に多く見られ、病気ではなく、成長と共に自然に減っていく一過性のものなので、安心してくださいね。

悪夢の原因:「心の整理整頓」

一方、悪夢は、日中にあった怖いこと、不安なこと、楽しかったことなどの**情報を、脳が整理整頓している時に見る「映画」**のようなもの。
お友達とケンカしたり、怖いテレビを見たりした夜に見やすいのはこのためです。これは、心が成長している証拠とも言えます。

【対処法】その時、親が本当にすべきこと

原因が違うので、もちろん対処法も全く異なります。間違った対応は、かえって状況を悪化させることもあるので注意しましょう。

「夜驚症」が起きた時の、親の2つの任務

  1. 任務①:ボディガードに徹する
    あなたの最優先任務は、子どもの安全確保です。興奮してベッドから落ちたり、壁にぶつかったりしないよう、周りの危ないものをどかし、静かに見守ります。無理に押さえつけたり、体を揺さぶったりするのは絶対にNG!
  2. 任務②:灯台になる
    嵐の中の船に、外から大声で叫んでも声は届きません。親ができるのは、静かにそこにいること。「大丈夫だよ」「ママはここにいるよ」と、落ち着いた低い声で、繰り返し語りかけてあげてください。言葉の意味は分からなくても、あなたの冷静な声は、興奮を鎮める助けになります。決して、大声で叱ったり、無理に起こそうとしないでください。

「悪夢」を見た子への、親の2つの任務

  1. 任務①:最高の安心毛布になる
    悪夢を見た子の恐怖は、本物です。「大丈夫だよ」と優しく抱きしめ、背中をさすってあげましょう。 温かい飲み物を飲ませてあげるのもいいですね。「怖かったね」と、まずはその気持ちを丸ごと受け止めてあげることが大切です。
  2. 任務②:悪い夢ハンターになる
    「ママが悪い夢、やっつけちゃったからもう大丈夫!」「窓からポイって捨てておいたよ!」など、恐怖を乗り越えるための、ちょっとしたおまじないも効果的です。「魔法のスプレー」と称して、アロマスプレーなどを枕元にシュッとしてあげるのも、我が家では好評でした。

まとめ:親の冷静さが、子どもの一番の安心材料

夜中の絶叫は、本当に心臓が止まるほど驚きますよね。でも、その正体が「夜驚症」だと分かっていれば、「ああ、脳のギアチェンジ中なのね」と、少しだけ冷静に見守れるようになります。

夜驚症の恐怖は、実は親が感じているものがほとんど。
そして、悪夢の最高の特効薬は、ママやパパの温かい抱擁です。

どちらの場合も、親がパニックにならず、どっしりと構えていることが、子どもにとって何よりの安心材料になります。今夜も、あなたとあなたのお子さんが、穏やかな眠りにつけますように。

【災害時の歯磨き】水不足でも大丈夫!ママナースが教える「お口の防災ケア」完全ガイド

「災害時、歯磨きなんて気にしてられない…」

食料や水の備えはあっても、断水時のお口のケアまでは、なかなか考えが及ばないかもしれません。

でも、ちょっと待ってください。看護師として、そして3人の子を育てる母として、私は断言します。災害時の口腔ケアは、子どもの命を守るための、非常に重要な防災対策なんです。

こんにちは!ママナースの皐月です。

「大げさな…」と思うかもしれません。でも、避難所などでは、口の中の細菌が原因で起こる「誤嚥性肺炎(ごえんせいはいえん)」で、命を落とす方が実際にいらっしゃいます。

この記事では、「なぜ災害時にお口のケアが重要なのか」という理由から、水がなくてもできる具体的なケア方法、そして今日から準備できる「お口の防災グッズ」まで、あなたとあなたの大切な家族を守るための知識を、ぎゅっと凝縮してお伝えします。

この記事でわかること

  • なぜ災害時の歯磨きが「命」を守るのか?
  • 【水なしOK】ママナース式・お口の防災ケア3ステップ
  • 今日から作れる!「お口の防災ポーチ」の中身リスト
  • 「もしも」の時に、親子でパニックにならないための心構え

なぜ災害時に歯磨きが「命」を守るのか?

普段、私たちは無意識に唾液を飲み込んでいますが、口の中が不潔だと、その唾液と一緒に大量の細菌も飲み込んでいることになります。

結論:災害時のお口のケアは、虫歯予防のためだけでなく、命に関わる「肺炎」を防ぐために行います。

体力が落ち、免疫力が低下している災害時には、口の中の細菌が気管に入り込んでしまう**「誤嚥性肺炎」**のリスクが急激に高まります。これは、特に体力のない子どもや高齢者にとっては、命取りになりかねない、本当に怖い感染症なのです。

たかが歯磨き、ではありません。お口を清潔に保つことは、災害関連死を防ぐための、立派な医療行為の一つだと覚えておいてください。

【水なしOK】ママナース式・お口の防災ケア3ステップ

水が自由に使えない状況でも、子どものお口を守る方法はあります。ポイントは**「①汚れを拭う → ②殺菌してゆすぐ → ③唾液で潤す」**の3ステップです。

ステップ1:歯の汚れを「拭い取る」

まずは、歯の表面についた大きな食べカスやネバネバ(歯垢)を物理的に取り除きます。

  • 使うもの: 市販の歯磨きシートノンアルコールのウェットティッシュ、清潔なガーゼハンカチなど。
  • やり方: 指に巻き付け、歯の表面、裏側、歯茎のあたりまで、優しくなでるように拭ってあげます。食後すぐに行うのが最も効果的です。赤ちゃん用の歯磨きシートは、甘い味がついていて子どもが嫌がりにくいので、防災リュックにいくつか入れておくと安心ですよ。

ステップ2:液体ハミガキで「ブクブクゆすぐ」

拭き取っただけでは落とせない、細菌を洗い流します。

  • 使うもの: 液体ハミガキデンタルリンス(マウスウォッシュ)。子ども用なら、アルコールを含まない低刺激タイプを選びましょう。
  • やり方: ペットボトルのキャップ1杯分ほどの少量でOK。口に含んで、クチュクチュと頬を膨らませたり、舌を動かしたりして、お口全体に行き渡らせます。うがいが上手にできない小さなお子さんの場合は、ガーゼに液体ハミガキを染み込ませて拭ってあげるだけでも効果があります。

ステップ3:唾液をたくさん出して「潤す」

唾液には、口の中の細菌を洗い流してくれる自浄作用があります。お口の中を潤し、唾液を出すことを意識しましょう。

  • やり方:
    • 可能であれば、キシリトール入りのガムやタブレットを噛む。(お菓子代わりにもなり、子どもも喜びます)
    • 唾液腺マッサージをする。耳の下(耳下腺)や、顎の骨の内側の柔らかい部分(顎下腺)を、指で優しくマッサージすると、じわ~っと唾液が出てきます。

今すぐ作ろう!「お口の防災ポーチ」の中身リスト

いざという時に「あれがない!」と慌てないために。普段使っている防災リュックとは別に、このポーチを一つ作って入れておくだけで、安心感が全く違います。

【100均でも揃う!基本セット】

  • 歯ブラシ: 家族の人数分。ヘッドが小さい方が小回りが利くので、あえて子ども用を入れておくのも手。
  • 歯磨きシート: 最低3日分。個包装タイプが衛生的でおすすめ。
  • 液体ハミガキ or デンタルリンス: 小さめのボトルで。
  • 清潔なガーゼ: 複数枚。ジップ付きの袋に入れて保管。
  • ポリ袋: 数枚。ゴミ袋として、またコップの代わりにも使えて便利。
  • キシリトールタブレット: 子どものご機嫌とりにも活躍!

まとめ:防災は「特別なこと」じゃない。日々の暮らしの延長です

災害時の口腔ケアと聞くと、難しく感じるかもしれません。でも、今日ご紹介した方法は、どれも日々の暮らしの中で少し意識すれば、すぐに準備できることばかりです。

歯磨きシートを数枚、いつものカバンやお子さんのリュックに忍ばせておくだけでも、立派な「お口の防災」の第一歩。

その小さな備えが、「もしも」の時に、あなたとあなたの大切な家族の健康を守る、大きな力になります。この記事を読み終えたら、ぜひ一度、防災リュックの中身をチェックしてみてくださいね。

【災害時の子どもの健康】ママナース直伝!避難所で命を守る「衛生&応急処置」マニュアル

なんとか、安全な場所まで避難できた…。

激しい揺れや、不安な避難経路を乗り越え、ひとまずホッと胸をなでおろしているかもしれません。本当に、お疲れ様です。

でも、親の正念場は、実はここから始まります。大勢の人が密集し、衛生環境が悪化しやすい避難所では、「感染症」や「持病の悪化」という、**“静かなる第二の災害”**が、子どもたちの体を脅かします。

こんにちは!3姉妹の母で、現役看護師の皐月です。

災害関連死の多くは、この避難生活での健康問題が原因です。この記事は、防災シリーズの【衛生・医療編】。看護師としての知識を総動員し、避難所で子どもの命と健康を守り抜くための、具体的で実践的な医療・衛生マニュアルをお届けします。

この記事でわかること

  • 避難所で最も恐ろしい「感染症」から子どもを守る3つの鉄則
  • 限られた物資でできる!ママナース流「ミニ救急セット」活用術
  • 【持病のある子】避難所で絶対にやるべきこと
  • 見逃さないで!子どもの「心のSOSサイン」とそのケア方法

鉄則1:感染症から子どもを守る!避難所の衛生管理術

結論:避難所での健康管理は、「菌を体内に入れない、増やさない、排出する」が基本です。

体力も免疫力も低い子どもは、感染症の最大のリスクに晒されています。以下の3つを徹底しましょう。

1. こまめな「手指衛生」
水が貴重な状況では、アルコール消毒が基本になります。食事の前、トイレの後、外から戻った時には、必ず親子で手指を消毒する習慣を。アルコールがない場合は、除菌ウェットティッシュでも代用できます。

2. 口腔ケアは「命のケア」
前の記事でもお伝えしましたが、口の中が不潔になると、細菌が肺に入り「誤嚥性肺炎」を引き起こすリスクが激増します。水がなくても、歯磨きシートで拭ったり、少量の水でうがいをしたりするだけでも効果は絶大です。

3. 「トイレ」は最大の感染源と心得る
避難所のトイレは、ノロウイルスなどの感染源になりやすい場所。用を足した後は、石鹸がなくても、流水でしっかり手を洗うか、アルコール消毒を徹底しましょう。

鉄則2:限られた物資で乗り切る!応急処置の基本

病院にすぐ行けない状況に備え、基本的な応急処置を知っておくだけで、親の安心感は全く違います。

【ケース①】すり傷・切り傷
旧常識:「まず消毒液!」は間違い!
新常識:「まず洗浄!」が正解です。

  1. 洗浄: ペットボトルの水(ミネラルウォーターなど)で、傷口の泥や砂をしっかり洗い流します。
  2. 止血: 清潔なガーゼやハンカチで、傷口を5分ほど強く押さえます。
  3. 保護: 絆創膏などで傷を覆い、乾燥させないようにします(湿潤療法)。

消毒液は、傷を治そうとする良い細胞まで殺してしまうため、今は推奨されていません。まず「きれいに洗う」ことを覚えておいてください。

【ケース②】やけど
とにかく「冷やす」!これに尽きます。
服の上から熱湯をかぶった場合は、無理に脱がさず、服の上から水道水やペットボトルの水で、最低でも15分は冷やし続けてください。水ぶくれは、絶対に潰してはダメ!そこから細菌が入り込みます。

【ケース③】発熱
水分補給が最優先。 ぐったりして水分も摂れないようなら、持参した子ども用の解熱剤を使いましょう。冷やすなら、首の付け根、脇の下、足の付け根など、太い血管が通っている場所を冷やすと効果的です。

鉄則3:持病のある子・薬が必要な子のために親がすべきこと

結論:避難したら、まず一番に、医療救護所にいる看護師や保健師に「この子には持病があります」と伝えること。

普段飲んでいる薬は、絶対に切らしてはいけません。

  • 喘息: 吸入器や薬は、肌身離さず持ち歩く。ホコリっぽい避難所では発作が起きやすいことを念頭に。
  • アトピー: 汗や汚れで悪化しやすい。濡れタオルで体をこまめに拭き、保湿剤を欠かさない。
  • 食物アレルギー: 炊き出しなどでは、アレルギー物質が混入する危険性が高いです。「この子は〇〇アレルギーです」という札を見える場所につけておくのも有効。予備のエピペンは必ず携帯しましょう。

「迷惑かも…」なんて遠慮は無用です。子どもの命に関わる情報は、ためらわずに伝える。それが親の責任です。

鉄則4:見逃さないで!子どもの「心のSOSサイン」

災害は、子どもの心にも大きな傷を残します。以下のような変化は、子どもがストレスを抱えているサインかもしれません。

  • □ 赤ちゃん返りをする(おねしょ、指しゃぶりなど)
  • □ ささいなことでかんしゃくを起こす
  • □ 一人になるのを怖がり、親にべったりになる
  • □ 夜、悪夢にうなされる
  • □ 災害の絵ばかり描く、またはその話を全くしなくなる

こんな時、親ができるのは**「徹底的に安心させてあげること」**です。「大丈夫だよ」と何度も抱きしめ、話をじっくり聞いてあげる。「怖い夢見たんだね。でも、ママがずっとそばにいるからね」と、子どもの気持ちを言葉にして、共感してあげましょう。

まとめ:避難所では、あなたが子どもの「主治医」であり「心の安全基地」

災害時、医療スタッフは限られた人数で、多くの重症者に対応しなければなりません。そんな時、我が子の小さな変化に気づき、基本的なケアができるのは、親であるあなただけです。

今回お伝えした知識は、あなたと子どもを守るための「お守り」です。どうか、このマニュアルを頭の片隅に置いて、いざという時に、冷静で力強い「ママナース」になってあげてくださいね。