カーテンの裏に、そーっと隠れる我が子。顔を真っ赤にして、静かにいきんでいる…。
「あ…まただ」
おしっこは、あんなに上手にトイレでできるようになったのに。なぜか、うんちだけは、いつも隠れてオムツの中。そして、事が終わると、「ママ、出たよ」と、少し申し訳なさそうな、でもどこかスッキリした顔で報告に来る。
「どうしてトイレでしてくれないの!?」
「いつになったら、パンツマンになれるの…?」
そんな焦りと、毎日の洗濯物の山に、ため息をついていませんか?
こんにちは!3人の娘たちと、この「うんちだけオムツ問題」を、三者三様に乗り越えてきた、現役ママナースの皐月です。
最初に、これだけは知っておいてください。うんちのトイトレは、おしっこより、ずっとずっと繊細で、時間がかかって当たり前。 決して、お子さんが「わがまま」なのでも、ママのやり方が「間違っている」のでもありません。
この記事では、その手強い「うんち問題」の裏に隠された子どもの心理を紐解き、親子でストレスなく、笑顔でゴールテープを切るための具体的な作戦をお伝えします。
この記事でわかること
- なぜ?うんちだけトイレでできない、子どもの3つの本音
- まずはここから!「出すのが怖い」を取り除くための環境づくり
- 隠れてする子に響く「魔法の声かけ」
- ママナースが教える、いきむ練習の裏ワザ
なぜ?うんちだけトイレでできない、子どもの3つの本音
お子さんの「トイレでしない」には、ちゃんとした理由があります。その「心の声」に、まずは耳を傾けてみましょう。
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本音①:「うんちを出すのが、痛くて怖い…」
一度でも硬いうんちで痛い思いをした子は、「うんち=痛いもの」とインプットしてしまいます。トイレに座ると、その恐怖が蘇り、無意識に我慢してしまうのです。これが、うんちトイトレが難航する最大の原因、「便秘」の始まりです。 -
本音②:「僕の一部が、どこかへ消えちゃう…」
子どもにとって、うんちは「自分の中から出てきた、自分の一部」。それが、ジャーっと音を立てて、目の前から消えてしまうことに、得体の知れない恐怖を感じる子は少なくありません。 -
本音③:「うんちは、一人で静かにしたいんだ!」
大人だって、トイレはプライベートな空間ですよね。子どもも同じ。特にうんちは、おしっこよりも時間がかかり、無防備な体勢になるため、「誰にも見られず、落ち着ける場所で」したいという本能的な欲求があるのです。
【実践編】焦らない・叱らない!うんちトイトレ成功への3ステップ
原因がわかれば、対策は立てられます。焦らず、一つずつ試していきましょう。
Step1:まずは「出すのが怖くない」体づくりから
何よりも先に、便秘の解消に取り組みましょう。これが全ての基本です。
- 食事:さつまいも、バナナ、きのこ、海藻などの食物繊維と、十分な水分で、うんちを柔らかく保ちます。
- 生活リズム:朝食後にトイレに座る習慣を。食後は、腸が最も活発に動くゴールデンタイムです。
Step2:トイレを「世界一安心できる場所」にする
- 環境:好きなキャラクターのポスターを貼ったり、足がぶらつかないように踏み台を置いたり。安心してリラックスできる空間を演出しましょう。
- 絵本:うんちがテーマの楽しい絵本を一緒に読み、「うんちさんは、バイバイすると、お腹がスッキリして気持ちいいんだよ」と、ポジティブなイメージを伝えます。
Step3:「魔法の声かけ」で、子どもの心を動かす
親の言葉一つで、子どもの気持ちは大きく変わります。
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隠れてしてしまった時
NG:「また!どうしてトイレでできないの!」
OK:「うんち出たんだね!教えてくれてありがとう。スッキリしたね!」
まずは、隠さずに教えてくれた勇気を褒め、罪悪感を取り除いてあげることが最優先です。 -
トイレに誘う時
NG:「うんちしなさい!」
OK:「うんちさん、お腹の中で“出してー”って言ってるかも。トイレで応援してあげようか?」
うんちを「敵」ではなく、「出してあげる仲間」のように表現すると、子どもは受け入れやすくなります。
《皐月の秘密兵器》
うんちの時の「いきみ方」がわからない子には、風車(かざぐるま)やシャボン玉を使ってみましょう。トイレに座りながら、「ふーっ!」と息を吹く練習をするのです。実はこれ、腹圧をかける練習になり、自然ないきみ方を体で覚えるのに、とても効果的なんですよ。
まとめ:うんちの卒業は、人生の大きな一歩
おしっこに比べ、うんちのトイトレは、時間も根気も必要です。うまくいかなくて、イライラしたり、落ち込んだりするのは、あなたがダメなママだからではありません。それだけ、真剣にお子さんと向き合っている証拠です。
どうか、周りと比べず、お子さんのペースを信じてあげてください。
トイレで初めてうんちができた時の、あの、はにかんだような、誇らしげな顔。それは、ママにとっても、忘れられない感動の瞬間になるはずです。
その日を、笑顔で迎えられるように。焦らず、ゆっくり、お子さんの「スッキリ!」を応援してあげましょうね。
