その腹痛、本当に体の病気ですか?ママナースが伝える子どもの心因性症状とストレスケア
「お腹が痛い」「頭が痛い」と、子どもが体の不調を訴える。病院に連れて行って検査をしても、「特に異常はありませんね」と言われる…。そんな経験はありませんか?もしかしたら、その症状、**心のストレスが原因で体に現れる「心因性症状」**かもしれません。
こんにちは、ママナースの皐月です。3人の娘を育てている私も、子どもが原因不明の体調不良を訴えるたびに、心配で夜も眠れないことがありました。心因性症状は、子どもが決して「嘘をついている」わけでも、「仮病を使っている」わけでもありません。言葉でうまく表現できない心の「SOS」が、体の痛みとして現れているのです。
この記事では、現役ママナースの私が、
- 子どもによく見られる心因性症状の具体例
- その背景に隠されたストレスの主な原因
- 親としてどう向き合い、安心感を与え、心のケアをしていくべきか
について、私の実体験も交えながら分かりやすく解説します。子どもの体の痛みは、心の叫びかもしれません。この記事を読んで、子どもの心のSOSに気づき、適切なサポートをしてあげられるヒントを見つけてくださいね。
この記事でわかること
- 子どもによく見られる心因性症状の種類と特徴
- 子どものストレスの主な原因と、親が気づきにくいサイン
- 心因性症状への親の適切な向き合い方とNG行動
- 子どもに安心感を与え、心の安全基地となるための具体的な方法
- スキンシップやコミュニケーションが子どもの心に与える良い影響
子どもによく見られる心因性症状の例【ママナースが解説】
心因性症状は、体の様々な部分に現れます。私も、看護師として多くの患者さんを診てきましたが、特に子どもは、大人よりも心の状態が体に現れやすい傾向があります。
【結論】子どもによく見られる心因性症状には、腹痛、頭痛、めまい、吐き気、頻尿、チック症などがあります。これらの症状は、身体的な検査では異常が見つからないのが特徴で、心のストレスが原因で体に現れる「心のSOS」です。
- 腹痛: 特に、登園・登校前など、特定の状況で痛みを訴えることが多いです(過敏性腸症候群など)。私も、娘が幼稚園に行きたくない日に「お腹が痛い」と言い出すことがありました。
- 頭痛: 緊張やストレスが続くと、頭痛を訴えることがあります。テストの前や、新しい環境に慣れる時期によく見られます。
- めまい、立ちくらみ
- 吐き気
- 頻尿、おもらし
- チック症: 頻繁なまばたき、顔をしかめる、咳払いなど、本人の意思とは関係なく、体の一部が動いてしまう症状。ストレスや緊張が高まると出やすくなります。
これらの症状は、小児科や耳鼻科、眼科などを受診しても、体に異常が見つからないのが特徴です。もし、体の検査で異常がないのに症状が続く場合は、心のストレスが原因である可能性を考えてみましょう。
なぜ?子どものストレス、主な原因は?【ママナースが伝える見過ごされがちなサイン】
大人が気づかないような、ささいなことが、子どもの心に大きな負担をかけていることがあります。私も、自分の子どもたちのストレスサインを見逃さないように、日々注意深く観察しています。
【結論】子どものストレスの主な原因は、入園・入学などの環境の変化、友達とのトラブルやいじめなどの園・学校での人間関係、夫婦喧嘩や親からの過度な期待などの家庭内の問題、そして習い事のプレッシャーなど多岐にわたります。子どもは言葉で表現できない心のSOSを体の症状として現します。
- 環境の変化: 入園・入学、クラス替え、転校、引っ越し、弟や妹の誕生など。新しい環境への適応は、大人にとってもストレスですが、子どもにとってはさらに大きな負担になることがあります。
- 園・学校での人間関係: 友達とのトラブル、先生との相性、いじめなど。子ども同士の小さな衝突でも、子どもにとっては深刻な問題となることがあります。
- 家庭内の問題: 夫婦喧嘩、親からの過度な期待、厳しいしつけなど。家庭は子どもの心の安全基地であるべきですが、時にストレスの原因となることもあります。
- 習い事のプレッシャー: 発表会や試合への緊張、練習がうまくいかないことへの悩み。子どもが楽しんでやっているように見えても、心の中ではプレッシャーを感じていることがあります。
子どもは、自分のストレスを「〇〇が嫌だ」と、うまく言葉で説明することができません。そのため、心のSOSが、体の症状として現れてしまうのです。親がそのサインに気づき、寄り添ってあげることが何よりも大切です。
親としてできること:安心感という「処方箋」【ママナースが教える心のケア】
心因性症状への対応で最も大切なのは、「気のせいでしょ」と否定せず、まずはその痛みを「本当の痛み」として受け止めてあげることです。私も、子どもが体調不良を訴えた時は、まず子どもの言葉を信じることから始めています。
【結論】子どもの心因性症状への親のサポートは、まず体の病気の可能性を否定し、その上で子どもの痛みに共感し、家庭が「心の安全基地」であることを伝える安心感を与えることです。スキンシップや話を聞く時間を増やし、完璧を求めずに休息を許可することが、子どものストレスを軽減し、回復を促します。
1. まずは、体の病気の可能性を否定する
症状が続く場合は、まずは小児科を受診し、体に隠れた病気がないかをしっかり調べてもらうことが大前提です。その上で、医師から「心因性の可能性」を指摘されたら、心のケアに目を向けていきましょう。身体的な問題がないことを確認することで、親も安心して心のケアに集中できます。
2. 「共感」と「安心感」を伝える
「お腹、痛いんだね。つらいね」「学校に行くのが、ちょっとドキドキするのかな?」と、まずは子どもの気持ちに寄り添い、共感してあげましょう。「何があっても、お父さんとお母さんはあなたの味方だよ」というメッセージを伝え、家庭が「心の安全基地」であることを感じさせてあげることが、何よりの薬になります。私も、娘が不安そうな時は、必ず「ママがいるから大丈夫だよ」と伝えています。
3. スキンシップと、話を聞く時間を増やす
ぎゅっと抱きしめたり、背中をさすってあげたり。肌と肌のふれあいは、安心ホルモン「オキシトシン」の分泌を促し、子どもの心を落ち着かせます。また、寝る前の5分でも良いので、子どもと一対一で、ゆっくり話を聞く時間を作りましょう。その日の出来事や、楽しかったこと、嫌だったこと…。ただ、うんうんと聞いてあげるだけで、子どもの心は軽くなります。私も、寝る前の絵本の読み聞かせの時間を大切にしています。
4. 完璧を求めず、休息を許可する
「学校に行きたくない」と訴えるなら、無理に行かせる必要はありません。「今日は、ゆっくり休もうか」と、心と体を休ませてあげることも大切です。頑張り屋さんの子どもほど、休息が必要です。時には、学校を休ませて、家でゆっくり過ごすことも、心の栄養になります。
ママナースからのメッセージ:体の痛みは、心の叫び。あなたは子どもの一番の理解者
今回は、子どもの心因性症状とストレスケアについてお伝えしました。
- 子どもが訴える原因不明の体の不調は、心のストレスが原因で体に現れる「心因性症状」かもしれません。
- 心因性症状の背景には、環境の変化、人間関係、家庭内の問題、習い事のプレッシャーなど、様々なストレスが隠されています。
- 親としてできることは、まず体の病気の可能性を否定し、その上で子どもの痛みに共感し、安心感を与えることです。スキンシップや話を聞く時間を増やし、完璧を求めずに休息を許可しましょう。
原因不明の体の不調は、子どもからの「私の心を見て」という、切実なメッセージです。
そのメッセージを、「気のせい」「怠けている」と無視するのではなく、正面から受け止めてあげましょう。
親が、子どもの一番の理解者となり、安心感を与えてあげること。それが、子どもがストレスを乗り越え、再び元気に一歩を踏み出すための、最大の力となるはずです。私たちママナースは、あなたの育児を心から応援しています!
