子どもの鼻血、突然の出血に慌てていませんか?
遊びに夢中になっていた子どもが、突然「ママ、鼻血!」と叫び、ポタポタと血が垂れてくる…。そんな時、あなたは冷静に対応できますか?ティッシュを鼻に詰めたり、上を向かせたり、ついやってしまいがちなその対応、実はNGかもしれません。
子どもの鼻血は、ほとんどの場合、鼻の入り口付近にある「キーゼルバッハ部位」という毛細血管が集まっている場所からの出血で、心配のないものです。しかし、正しい止血方法を知らないと、なかなか血が止まらなかったり、かえって悪化させてしまったりすることもあります。
この記事では、看護師であり、二児の母でもある私が、子どもの鼻血が突然出た時の「正しい止血方法」と「やってはいけないNG対応」、そして「鼻血を繰り返す場合の注意点」について、詳しく解説します。いざという時に慌てず、冷静に対応できるよう、正しい知識を身につけておきましょう。
なぜ子どもは鼻血を出しやすいのか?
- 鼻の粘膜が弱い:
- 子どもの鼻の粘膜は大人に比べて薄く、デリケートです。特に鼻の入り口付近のキーゼルバッハ部位は、毛細血管が集中しており、傷つきやすいです。
- 鼻をいじる癖:
- 鼻をほじったり、強くかんだりする癖がある子どもは、粘膜を傷つけやすく、鼻血が出やすい傾向にあります。
- 乾燥:
- 空気が乾燥する冬場は、鼻の粘膜も乾燥し、傷つきやすくなります。
- アレルギー性鼻炎:
- アレルギー性鼻炎で鼻の粘膜が炎症を起こしていると、少しの刺激でも出血しやすくなります。
ママナース直伝!子どもの鼻血、正しい止め方とNG対応
正しい止血方法:5つのステップ
- 落ち着かせる:
- 子どもが興奮すると血圧が上がり、血が止まりにくくなります。「大丈夫だよ、すぐに止まるからね」と優しく声をかけ、落ち着かせましょう。
- 座らせて、少しうつむかせる:
- 椅子に座らせ、顔を少しうつむかせましょう。こうすることで、血が喉に流れ込むのを防ぎ、誤嚥のリスクを減らせます。
- 小鼻をしっかり押さえる:
- 鼻の骨の硬い部分ではなく、小鼻の柔らかい部分を、親指と人差し指でしっかりとつまみ、5〜10分間圧迫します。この時、鼻の穴を完全に塞ぐように意識しましょう。
- 口で呼吸させる:
- 鼻をつまんでいる間は、口で呼吸するように促しましょう。
- 冷やす:
- 可能であれば、濡らしたタオルや氷嚢などで、鼻の付け根や首筋を冷やすと、血管が収縮して止血効果が高まります。
やってはいけないNG対応
- 上を向かせる:
- 血が喉に流れ込み、誤嚥したり、吐き気を催したりする原因になります。
- ティッシュを鼻に詰める:
- ティッシュが粘膜を傷つけたり、取り出す時に再び出血したりする原因になります。また、奥に詰まってしまう危険性もあります。
- 鼻の骨の硬い部分を押さえる:
- 出血しているキーゼルバッハ部位を圧迫できないため、止血効果がありません。
- 頻繁に鼻をかませる:
- せっかく止まりかけた血が、再び出てしまう原因になります。
鼻血を繰り返す場合の注意点
- 耳鼻科を受診:
- 頻繁に鼻血を繰り返す場合は、耳鼻科を受診しましょう。鼻の粘膜が弱っている、アレルギー性鼻炎、鼻の中に傷があるなどの原因が考えられます。場合によっては、電気凝固などで止血処置を行うこともあります。
- 生活環境の見直し:
- 空気が乾燥している場合は、加湿器を使用したり、鼻の中にワセリンを塗って保湿したりするのも効果的です。
- 鼻をいじる癖の改善:
- 鼻をいじる癖がある場合は、優しく注意し、手持ち無沙汰にならないように、他の遊びに誘うなどの工夫をしましょう。
- 稀なケース:
- 非常に稀ですが、血液の病気(血友病、白血病など)が原因で鼻血を繰り返すこともあります。鼻血以外にも、青あざができやすい、歯茎からの出血が止まりにくいなどの症状がある場合は、小児科を受診しましょう。
まとめ|冷静な対応が、子どもの安心に繋がる
子どもの鼻血は、親にとっては心配なものですが、ほとんどの場合は心配のないものです。大切なのは、慌てず、冷静に正しい止血方法を行うことです。
今回ご紹介した止血方法を覚えておけば、いざという時に落ち着いて対応できるはずです。そして、鼻血を繰り返す場合は、自己判断せずに医療機関を受診し、適切なアドバイスを受けてくださいね。
ママが冷静に対応することで、子どもも安心してくれます。正しい知識で、子どもの健康を守りましょう。