「お手伝いしたい!」…その言葉、嬉しいですか? それとも…?
キラキラした目で、子どもが「ママ、お手伝いしたい!」と言ってくれる。
その気持ちは、もちろん、嬉しい。嬉しいけれど…
「…ありがとう。でも、大丈夫だよ」
心の中で「(かえって時間がかかるし、散らかるし、正直、自分でやった方が早い…)」と思いながら、作り笑顔で、そっと断ってしまっていませんか?
その気持ち、痛いほど分かります。
こんにちは!3人の娘を育てる、現役ママナースの皐月です。
私も昔は、完璧主義が邪魔をして、子どもたちの「やりたい!」を、たくさん摘み取ってしまっていました。
でも、看護師の仕事で、新人の指導などを通して「任せる勇気」の大切さを学んでから、家庭でも実践してみたんです。すると、子どもたちも、そして何より、私自身が、大きく変わりました。
結論:お手伝いは、家事をこなすのが目的ではありません。それは、子どもの「生きる力」を育み、家族の絆を深める、最高のコミュニケーションです。
この記事では、
- 【年齢別】これなら任せられる!お手伝いリスト
- 「片付けなさい!」は禁句!子どもが動く魔法の声かけ4パターン
- 【ママナースの視点】お手伝いは、最高の「脳トレ」だった!
- 【我が家の実践例】お手伝いが楽しくなる「ポイント制」とは?
を、具体的にお伝えします。
この記事を読めば、「お手伝い」が親のイライラのタネから、子どもの成長を実感できる喜びに変わりますよ。
年齢別|これなら任せられる!おすすめお手伝いリスト
子どもが「やりたい!」と興味を示した時が、始めどき。年齢や発達に合わせて、簡単なことから任せてみましょう。「できた!」という達成感が、次への意欲に繋がります。
| 年齢の目安 | 発達の特徴 | おすすめお手伝い例 |
|---|---|---|
| 2〜3歳 | まねっこ期<br>ママのやる事すべてに興味津々! | ・洗濯物を洗濯機にポイッ<br>・テーブルをフキンでふきふき<br>・おもちゃを箱に「おかえりー」 |
| 4〜5歳 | 役割に夢中な時期<br>「〇〇係」に任命されると大喜び! | ・お箸やスプーンを並べる「配膳係」<br>・お米を研ぐ<br>・お風呂の壁をゴシゴシ |
| 小学生〜 | 立派な戦力期<br>家族の一員としての自覚が芽生える | ・ゴミ出し<br>・洗濯物を取り込んで、たたむ<br>・簡単な料理(卵を割る、野菜を洗う) |
「〇〇しなさい!」は禁句!子どもが動く魔法の声かけ4パターン
同じことを頼むのでも、言い方一つで、子どものやる気は全く変わります。「命令」ではなく、子どもの「やりたい」気持ちを引き出す声かけをマスターしましょう。
1. お願い形:「〜してくれると、ママ助かるな!」
「〇〇しなさい!」ではなく、「〇〇してくれると、ママ、すっごく助かるんだけどな〜」と、お願いしてみましょう。「ママを助けてあげたい」という、子どもの優しい気持ちをくすぐるのがポイントです。
2. 相談・選択形:「どっちのお仕事がいい?」
「洗濯物たたむのと、お皿を運ぶの、どっちのお仕事を手伝ってくれる?」と、子どもに選択権を与えましょう。「自分で選んだ」という感覚が、子どもの主体性を引き出します。
3. ゲーム化:「よーい、ドン!」
「パパと競争!どっちが早く靴を並べられるかな?」「おもちゃのお家に、おかえりなさいゲーム、スタート!」のように、遊びの延長にしてしまうのが効果的です。
4. 感謝・承認:「ありがとう!さすがだね!」
やってくれたことに対して、「ありがとう!」「さすが、〇〇係さん!」と、少し大げさなくらいに感謝と称賛を伝えましょう。「自分は、家族の役に立っている」という実感(自己有用感)が、子どもの自己肯定感を大きく育みます。
【最重要】失敗しても、絶対に叱らないこと
子どもがお手伝いをすれば、牛乳をこぼしたり、お皿を割ったり、失敗はつきものです。
そんな時、絶対にやってはいけないのが、「ほら、言わんこっちゃない!」と、叱りつけること。
子どもは、「もう、二度とやるもんか」と、挑戦する心を閉ざしてしまいます。
親が言うべき言葉は、ただ一つ。
「大丈夫だよ、わざとじゃないもんね。一緒に片付けよう」
失敗しても、受け止めてもらえるという安心感が、子どもが再び挑戦する勇気を育むのです。
【ママナースの視点】お手伝いは、最高の「脳の発達リハビリ」
看護師の視点から見ると、お手伝いは、子どもの発達を促す最高の「作業療法(リハビリ)」です。
- 脳の発達: 洗濯物をたたむ、豆をつかむ、雑巾を絞る…これらの指先を使う細かい作業は、脳の様々な領域を刺激し、発達を促します。
- 段取り力: 「料理」は、完成形をイメージし、逆算して手順を考える、高度な思考トレーニングです。
- 心の健康: 「家族の役に立った」という自己有用感は、心の安定と自己肯定感に繋がり、ストレスに強い心を育てます。
まとめ:お手伝いは、最高のコミュニケーション
お手伝いは、単なる家事の分担ではありません。
それは、「ありがとう」が飛び交う、家族の温かいコミュニケーションそのものです。
親が、少しだけ、時間に余裕を持ち、心を広く持つこと。
完璧な結果を求めず、子どもの「やりたい」という気持ちを、温かく受け止めてあげること。
その積み重ねが、子どもを、自立した、思いやりのある人間に育て、そして、家族の絆を、より一層、強く、深いものにしてくれるはずです。
