朝の支度

朝、子どもが起きない!イライラ叱る前に見直したい「睡眠の質」と夜の習慣

「早く起きなさい!」その怒鳴り声で、あなたの一日は始まっていませんか?

朝日が差し込む、清々しい朝。
…のはずが、我が家は毎朝、戦場です。

「〇〇!もう7時だよ!起きなさい!」
「あと5分…」
「5分前にも同じこと言ったでしょ!早くしないと、保育園(学校)遅れるよ!」

布団を剥ぎ取り、体を揺すり、最後は怒鳴り声で、無理やり子どもを起こす。
朝から親子でぐったり。笑顔のないまま、慌ただしく玄関を飛び出していく…。

そんな毎日に、自己嫌悪と無力感を抱えているママ、多いのではないでしょうか。
私も、もちろんその一人でした。

でも、ナースとして「睡眠」について学ぶ中で、私はハッとさせられたのです。
子どもが朝起きられないのは、単なる「朝寝坊」や「やる気の問題」ではなく、夜の「睡眠の質」が、著しく低下しているサインかもしれない、ということに。

今日は、朝のイライラバトルを終わらせるために、叱る前に見直してほしい「夜の習慣」についてお話しします。

なぜ、あなたのお子さんは、朝起きられないのか?

「うちの子、夜はたっぷり寝てるはずなのに…」
そう思うかもしれません。
でも、大切なのは、睡眠の「長さ」だけではありません。
どれだけ深く、ぐっすりと眠り、体と脳を休息させられているか、という**「睡眠の質」**が、何よりも重要なのです。

そして、その睡眠の質を大きく左右しているのが、他ならぬ「寝る前の過ごし方」なのです。

ナースが警鐘!子どもの睡眠の質を著しく下げる「NGな夜の習慣」

良かれと思ってやっていることや、つい許してしまっていることが、お子さんの安眠を妨げているかもしれません。

NG①:寝る直前までの、スマホ・テレビ・ゲーム

スマホやテレビの画面から発せられるブルーライトは、脳を覚醒させ、眠りを誘うホルモン「メラトニン」の分泌を、強力に抑制してしまいます。寝る直前まで光の刺激を浴びていると、脳は「まだ昼だ!」と勘違いし、全く眠る準備ができません。

NG②:寝る前の、激しいプロレスごっこ

パパが帰ってきて、嬉しくて、ついプロレスごっこや追いかけっこ。楽しい時間ですが、寝る前に体を激しく動かすと、活動モードの交感神経が優位になり、心も体も興奮状態に。これでは、スムーズに寝付くことはできません。

NG③:熱すぎるお風呂

寒い日、体を温めようと、熱いお風呂にザブン!と入りたくなりますよね。
でも、私たちの体は、深部体温がぐっと下がる過程で、眠気が訪れるようにできています。熱すぎるお風呂は、体の芯まで温めすぎてしまい、かえって寝つきを悪くする原因になります。

NG④:寝る前の、叱責やダメ出し

「今日、〇〇ができてなかったでしょ」「明日は、ちゃんと〇〇しなさいよ」
寝る前に、その日の反省会をしていませんか?
不安やストレスは、子どもの安眠を妨げる、最大の敵です。叱られた記憶を抱えたままでは、子どもは安心して、深い眠りの世界に入っていくことができません。

「ぐっすり眠れる子」にする、魔法のナイトルーティン

では、どうすれば、睡眠の質を高めることができるのでしょうか。
親子で楽しく取り組める、おすすめの「夜の習慣」をご紹介します。

1. 夕食後から、部屋の照明を「夕焼けモード」に

煌々とした白い光の蛍光灯は、脳を覚醒させてしまいます。
夕食が終わったら、部屋の照明を、暖色系の、少し暗めの明かりに切り替えてみましょう。間接照明などを活用するのもおすすめです。「もうすぐ、お休みモードだよ」と、脳に優しく教えてあげるのです。

2. 寝る1〜2時間前に「ぬるめのお風呂」でリラックス

お風呂は、38〜40℃くらいの、少しぬるいかな?と感じるくらいのお湯に、10〜15分、ゆっくり浸かるのがベスト。
お風呂で一旦上がった深部体温が、時間をかけて自然に下がっていくことで、布団に入る頃には、最高の眠気が訪れます。

3. 寝る前の30分は「親子の静かな時間」と決める

スマホやテレビは、思い切ってOFFに。
その代わり、

  • 親子で、好きな絵本を読む
  • 静かな音楽を、小さな音で流す
  • 今日あった、楽しかった出来事を、3つだけ話し合う

など、親子で穏やかに過ごす「入眠儀式」を作りましょう。

4. 「大好きだよ」の言葉とハグで、一日を締めくくる

一日の終わりに、一番大切なこと。
それは、お子さんを、絶対的な安心感で満たしてあげることです。

ぎゅーっと抱きしめて、
「今日も一日、楽しかったね」
「大好きだよ」
「明日も、いっぱい遊ぼうね」

と、ポジティブな言葉で、一日を締めくくる。
ママの愛情に包まれて眠りについた子は、心も体も、深くリラックスすることができます。

穏やかな夜が、笑顔の朝を作る

子どもが朝、スッキリと起きられないのは、決して、本人のやる気だけの問題ではありません。
その背景には、質の良い睡眠が取れていない、という、体からのSOSが隠れているのかもしれません。

「早く起きなさい!」と、朝から怒鳴ってしまう、そのエネルギー。
ほんの少しだけ、お子さんが「ぐっすり眠れる」夜の環境づくりに、シフトしてみませんか?

質の高い睡眠は、子どもの心と体の成長にとって、最高の栄養です。
穏やかな夜の習慣が、親子にとって、笑顔で一日を始められる、最高の朝を、きっと連れてきてくれますよ。

「早くしなさい!」はもう言わない。子どものやる気を引き出す魔法の声かけ

「早くしなさい!」その言葉、今日、何回言いましたか?

朝の支度。
ご飯を食べる時。
お風呂に入る前。

子どもの行動の遅さに、イライラが募り、つい、口から出てしまう、あの言葉。

「早くしなさい!」

言えば言うほど、子どもは、なぜか、さらに、のんびりする。
そして、親のイライラは、頂点に達し、最後は、怒鳴り声で、強制的に、行動させる。

そんな、毎日の「早くしなさい!」バトルに、心底、疲弊しているママ、多いのではないでしょうか。
私も3姉妹を育てる中で、この言葉を、何度、叫んできたかわかりません。

でも、ある時、私は、この「早くしなさい!」という言葉を、パタッと、やめてみたんです。
そして、その代わりに、**「ある魔法の声かけ」**に変えてみたところ、驚くほど、子どもたちが、自分から、サッと、動き出すようになったのです。

今日は、そんな、親子の関係を良好にし、子どものやる気を引き出す、魔法の声かけについて、お話しさせてください。

なぜ「早くしなさい!」は、子どものやる気を奪うのか

良かれと思って、私たちは、子どもを急かします。
でも、この「早くしなさい!」という言葉は、子どもにとって、一体どんなメッセージとして聞こえているのでしょうか。

それは、

「ママは、僕(私)のペースを、尊重してくれない」
「ママは、僕(私)が、自分で考えて行動できると、信じてくれていない」

という、不信と、コントロールのメッセージです。

親の焦りが、そのまま、子どもへのプレッシャーとなり、
「やらされ感」を増幅させ、
「どうせ、言われた通りにやればいいんでしょ」という、自主性の欠如に繋がってしまうのです。

子どもの「やる気スイッチ」を入れる、魔法の声かけ3選

では、「早くしなさい!」の代わりに、どんな言葉をかければ、子どもは、自分から、サッと、動き出すようになるのでしょうか。

魔法の声かけ①:「〇〇が終わったら、〜しようね!」

子どもは、楽しいことのためなら、驚くほどの集中力と、スピードを発揮します。
その心理を、逆手に取るのです。

  • NG:「早く着替えなさい!」
  • OK:「着替えが終わったら、大好きな絵本、読んであげるね!」
  • NG:「早くご飯食べなさい!」
  • OK:「ご飯を全部食べたら、公園に遊びに行こうね!」

このように、行動の先に、楽しい予定を提示することで、子どもは、その楽しい予定のために、自ら、行動を早めるようになります。

魔法の声かけ②:「どっちから始める?」

子どもは、「自分で決める」ということに、大きな喜びを感じます。
選択肢を与えることで、行動の主導権を、子どもに渡してあげるのです。

  • NG:「早く歯磨きしなさい!」
  • OK:「歯磨き、いちご味とぶどう味、どっちから始める?」
  • NG:「早くお風呂に入りなさい!」
  • OK:「お風呂、アヒルさんとゾウさん、どっちを連れて行く?」

どちらを選んでも、親の最終的なゴール(歯磨きをする、お風呂に入る)にたどり着ける選択肢を用意することがポイントです。

魔法の声かけ③:「ママも一緒に頑張るね!」

子どもは、親が、自分と同じ目線で、一緒に頑張ってくれることに、大きな安心感と、連帯感を覚えます。

  • NG:「早く片付けなさい!」
  • OK:「よし、ママも、この洗濯物、畳むの頑張るから、〇〇も、おもちゃのお片付け、一緒に頑張ろうね!」

このように、親も、自分のタスクを提示し、**「一緒に頑張る仲間」**という姿勢を見せることで、子どもは、「自分だけが、やらされている」という不満を感じにくくなります。

魔法の声かけを、さらに効果的にする3つのコツ

これらの魔法の声かけを、さらに効果的にするためのコツも、こっそりお教えします。

コツ1:具体的に伝える。「早く」は、抽象的すぎる!

「早く」という言葉は、子どもにとって、あまりにも抽象的で、何をどうすればいいのか、わかりません。
「あと5分で、着替えを終わらせようね」
「時計の長い針が、〇〇になったら、ご飯を終わりにしようね」
と、具体的な時間や、行動を伝えることで、子どもは、見通しを持って、行動できるようになります。

コツ2:結果ではなく「自主性」を褒める

「早くできたね!」と、結果だけを褒めるのではなく、
「自分で考えて、行動できたね!すごい!」
「自分で決めた時間に、ちゃんと始められて、えらいね!」
と、子どもの自主性や、自己管理能力を褒めることで、子どもの自信は、さらに深まっていきます。

コツ3:親も実践する。親の姿が、一番の教育

親自身も、「早くしなさい!」と言わないように意識し、子どもに良い手本を見せること。
親が、いつも時間に追われて、イライラしている姿を見せていると、子どもも、同じように、焦りや、イライラを、学習してしまいます。

親の焦りを手放す勇気

「早くしなさい!」
その言葉を、今日、手放してみませんか?

親の焦りが、子どものやる気を奪っているかもしれない、という事実に、一度、目を向けてみてください。

子どもの自主性を尊重し、魔法の声かけに変えること。
その小さな変化が、親子の関係を、良好にし、子どもの「自分で考えて行動する力」を、ぐんぐん育んでいく、何よりの栄養になるはずです。