ワーキングマザー

スマホ育児は本当に「悪」なのか?私が「スマホOK」にした理由と、子どもと決めた鉄のルール

レストランで、ぐずる我が子にスマホを渡す…その罪悪感、もう手放しませんか?

レストランでの食事中、ぐずり始めた我が子。
周りのお客さんの、冷ややかな視線。
焦った私は、バッグから、そっとスマートフォンを取り出し、子どもの小さな手に握らせる…。

静かになった我が子を見て、ホッとすると同時に、胸の奥を、チクリと刺す、罪悪感。

「ああ、私、またスマホに頼ってしまった…」
「ダメな母親だ…」

そんな風に、自分を責めてしまっているママ、多いのではないでしょうか。
「スマホ育児は悪だ」という世間の声が、まるで、自分にだけ向けられているように感じて、苦しくなりますよね。

3姉妹の母であり、ナースでもある私も、かつては、その罪悪感に、押しつぶされそうになっていました。
でも、私は、ある時から、その罪悪感を手放し、堂々と「スマホ育児OK」に舵を切ることにしたのです。

今日は、その理由と、その代わりに、我が家で子どもたちと固く誓った「鉄のルール」について、お話ししたいと思います。

なぜ私は「スマホ育児OK」に舵を切ったのか

ワンオペでの家事育児、復帰した仕事との両立…。
正直、24時間365日、気を張り詰めて、完璧な母親でいることなんて、不可能です。

私が「スマホ育児OK」を決意した最大の理由は、ママである私自身が、心身ともに健康で、笑顔でいることこそが、子どもの健やかな成長にとって、何よりも大切だと、気づいたからです。

ママが、イライラ、ヘトヘトで、笑顔を失ってしまっては、どんなに体に良い手料理を作ってあげても、どんなに素晴らしい知育玩具を与えてあげても、子どもの心は、満たされません。

私にとってスマホは、子どもを黙らせるための道具ではなく、**私が、ほんの少しの間だけでも、息を抜き、心の余裕を取り戻すための「お守り」**なのです。
ママが、笑顔を取り戻すための時間稼ぎ。
そう考えれば、スマホは、決して「絶対悪」ではないと、思いませんか?

ただし「ルールなきスマホ」は、ただの“毒”でしかない

だからといって、私は、スマホを野放図に与えることを、推奨しているわけでは、決してありません。
ナースの視点から見ても、長時間のスマホ利用が、

  • 視力の発達
  • 睡眠の質
  • 言語能力や、コミュニケーション能力の発達

などに、様々な悪影響を及ぼす可能性があることは、事実です。

スマホは、あくまでも、親が、主体的に、賢く使うべき「ツール」。
だからこそ、親子で納得できる、明確な「ルール作り」が、絶対に、不可欠になるのです。

我が家で実践!親子で決めた「スマホ育児」3つの鉄のルール

我が家では、スマホを使い始める前に、子どもたちと、3つの「鉄のルール」を決めました。

ルール①:使う「時間」と「場所」を、具体的に決める

「なんとなく」で使い始めると、ダラダラと、際限なく見てしまいます。
だから、我が家では、使う時間と場所を、具体的に、そして明確に決めました。

  • ご飯を食べている時と、寝る前1時間は、スマホを見ない。
  • OKなのは、長距離の車での移動中と、ママがどうしても手が離せない料理中だけ。
  • 一回に見る時間は、キッチンタイマーで、15分と決める。

タイマーが鳴ったら、どんなに良い場面でも、潔く、おしまい。
「終わり」を意識させることで、子ども自身も、時間を管理する力が身についていきます。

ルール②:見る「内容」は、必ず親が選ぶ

YouTubeを、関連動画へ、関連動画へと、ダラダラ見せ続けることは、絶対にしません。
親が、その子の年齢や興味に合わせて、

  • 質の高い、知育アプリ
  • 親子で一緒に楽しめる、心温まる映画
  • 動物や恐竜の、ドキュメンタリー番組

など、「これは、あなたに見せたい」と思えるコンテンツを、主体的に選びます。
スマホを「受け身」で使わされるのではなく、「攻め」の知育ツールとして、活用するのです。

ルール③:「スマホより楽しいこと」を、親が全力で提供する

これが、一番、大切なルールかもしれません。
スマホを取り上げ、「ダメ!」と叱ることにエネルギーを使うのではなく、**「スマホより、こっちの方が、もっと楽しいよ!」**という時間を、親が、全力で提供することに、エネルギーを注ぐのです。

  • 天気の良い日は、公園で、泥だらけになるまで、一緒に走り回る。
  • 一緒に、クッキーやピザを作る。
  • 家族みんなで、本気で、ボードゲームやカードゲームで盛り上がる。

スマホの画面の中にはない、リアルな体験の、圧倒的な楽しさ。
その価値を、親自身が、体を使って、伝え続けること。
それこそが、子どもを、スマホ依存にさせない、最強の「ワクチン」になるのです。

スマホは「悪」じゃない。ママの「味方」です

スマホ育児は、決して、悪ではありません。
ママが、たった一人で、全てを抱え込み、笑顔を失ってしまうことの方が、よっぽど、子どもにとっては、不幸なことです。

大切なのは、スマホに「子守り」を丸投げするのではなく、明確なルールのもと、親子で、賢く、主体的に、使いこなしていくこと。

周りの視線や、世間の声に、もう、惑わされないで。
罪悪感は、そっと、手放して。
現代の「お助けアイテム」と、上手に付き合いながら、私たちは、私たちなりのやり方で、笑顔で、子育てをしていきましょう。

「ごめんね」が口癖のママへ。謝罪より子どもの自己肯定感を育てる魔法の言葉

「ごめんね」…その言葉、今日、何回言いましたか?

「お迎え、遅くなってごめんね」
「今、忙しいから後でね、ごめんね」
「ママ、疲れちゃってて遊んであげられなくて、ごめんね」

真面目で、優しくて、いつも一生懸命なママほど、この「ごめんね」が口癖になってしまっているように感じます。

子どもの期待に応えてあげられない罪悪感。
もっと時間を作ってあげたいのに、できないもどかしさ。

その気持ち、痛いほどわかります。
私も、仕事と育児に追われる中で、何度、娘たちに「ごめんね」と繰り返してきたかわかりません。

でも、ある時、ふと気づいたのです。
良かれと思って使っていたこの「ごめんね」という言葉が、実は、子どもの自己肯定感を、静かに、でも確実に、削り取ってしまっているかもしれない、ということに。

なぜ、ママの「ごめんね」は逆効果なのか?

私たちが「ごめんね」と言う時。
その心の中は、「あなたの期待に応えられなくて、申し訳ない」という気持ちでいっぱいです。

でも、子どもは、その言葉をどう受け取っているのでしょうか。

親から「ごめんね」と謝られ続けると、子どもは、無意識のうちに、こう感じてしまうことがあります。

「僕(私)がいるから、ママは困っているんだ」
「僕(私)のせいで、ママは謝っているんだ」

自分の存在が、大好きなママを困らせる原因になっている、という、小さな罪悪感。
そして、「どうせ僕が何かをお願いしても、ママは『ごめんね』って言うだけだ」と、自分の要求を口にすることを、諦めてしまうようになるのです。

ママの「ごめんね」は、子どもの心に、「自分は我慢すべき存在なんだ」という、悲しいレッテルを貼ってしまう危険性を、はらんでいるのです。

子どもが本当に求めているのは「謝罪」ではなく「感謝」と「承認」

では、「ごめんね」の代わりに、どんな言葉をかければいいのでしょうか。

子どもが本当に求めているのは、親からの謝罪ではありません。
「自分の気持ちをわかってほしい」
「自分の存在を認めてほしい」
という、**「共感」「承認」**です。

その気持ちを満たしてあげる、最強の魔法の言葉。
それが、**「ありがとう」**です。

今すぐ使える!「ごめんね」を「ありがとう」に変換する魔法

具体的な場面で見ていきましょう。

【お迎えが遅くなってしまった時】

  • NG:「お迎え、遅くなって本当にごめんね!」
  • OK:「一人で、おりこうに待っててくれたんだね。ありがとう! ママ、すっごく助かったよ!」

【子どもを待たせてしまった時】

  • NG:「(電話が終わって)待たせてごめんね」
  • OK:「静かに待っててくれて、ありがとう。 おかげでママ、大事なお話ができたよ。えらかったね!」

【子どもが何かを手伝ってくれた時】

  • NG:「(大したことじゃないのに)あ、ごめんね、手伝ってもらって」
  • OK:「わ、手伝ってくれるの?ありがとう! ママ、すごく嬉しいな!」

【疲れて遊んであげられない時】

  • NG:「ママ疲れちゃって遊べなくて、ごめんね」
  • OK:「ママね、今お休み中なんだ。静かにしててくれて、ありがとう。 〇〇ちゃんの優しさで、ママ、元気が出てきたよ」

「ありがとう」が、子どもの心に起こす奇跡

「ごめんね」を「ありがとう」に変える。
たったそれだけのことで、子どもの心には、驚くような奇跡が起こります。

「ごめんね」と言われた時、子どもは「自分は迷惑な存在だ」と感じます。
でも、「ありがとう」と言われた時、子どもは**「自分は、ママの役に立ったんだ!」「自分は、価値のある存在なんだ!」**と感じることができます。

この、誰かの役に立てたという「貢献感」こそが、子どもの自己肯定感を育む、最高の栄養になるのです。

もちろん、親が本当に悪いことをしてしまった時、例えば、約束を破ってしまった時や、感情的に怒鳴りつけてしまった時などは、誠心誠意、心を込めて「ごめんね」と謝る必要があります。

でも、日常の些細な場面で、つい口から出てしまう「ごめんね」は、もしかしたら、必要ないのかもしれません。

その「ごめんね」を、意識して「ありがとう」に変えてみませんか?

「ごめんね」が「ありがとう」に変わる時、親子の間に流れる空気は、罪悪感から、温かい感謝の気持ちへと変わっていきます。
その温かい空気の中で、お子さんの自己肯定感は、太陽の光を浴びるように、すくすくと育っていくはずです。