「歯磨き、ちゃんと磨けてるかな…」
「毎日頑張ってるのに、もし虫歯になったらどうしよう…」
お子さんが歯磨きに協力してくれるようになった後、次にママを悩ませるのがこの問題ですよね。こんにちは!3児の母で現役看護師の皐月です。
せっかく歯磨き習慣がついても、肝心の磨き方が正しくないと、残念ながら虫歯はできてしまいます。でも、子どもの小さなお口の中、どこをどう磨けばいいのか、自信を持って「完璧!」と言えるママは少ないのではないでしょうか。
そこでこの記事では、イヤイヤ期を乗り越えたママたちへ向けて、虫歯を徹底的に予防するための「仕上げ磨き」の技術に特化して、かかりつけの歯医者さんに教わったプロのコツを、ママナースの視点で分かりやすくお伝えします!
この記事でわかること
- 仕上げ磨きが「小学校中学年まで」絶対に必要な理由
- 【年齢別】仕上げ磨きの体勢・狙うべき場所のポイント
- 虫歯リスクを激減させる「3種の神器」(歯ブラシ・フロス・フッ素)
- 「これって虫歯?」歯科医院を受診すべきサイン
なぜ?面倒でも「仕上げ磨き」が絶対に必要なワケ
子どもが自分で歯ブラシを持ってシャカシャカ磨いている姿は、とても可愛いですよね。でも、残念ながらそれだけでは不十分なんです。
結論:子どもは、小学校中学年(9~10歳)頃まで、自分の歯を完璧に磨くことはできません。
なぜなら、手首を返して歯の裏側を磨いたり、奥歯の溝の汚れをかき出したりする、細かい手の動き(巧緻性)がまだ十分に発達していないからです。
親が「もう自分でできるでしょ?」と思ってしまう小学生の時期こそ、実は虫歯リスクが高まる危険な時期。面倒でも、「自分で磨く練習」と「親の仕上げ磨き」は必ずセットだと心得ましょう。
【年齢別】歯科医直伝!仕上げ磨きの「ここを狙え!」完全マップ
子どもの成長に合わせて、口の中の状態はどんどん変わります。年齢ごとに「磨きのポイント」をマスターしましょう!
Level 1.【生後6ヶ月~1歳半】乳歯こんにちは期
**体勢:**ママの膝の上に、赤ちゃんの頭を乗せて仰向けにする「寝かせ磨き」が基本。
**ポイント:**とにかく歯ブラシに慣れてもらうことが最優先!ガーゼで優しく拭うことから始めてもOKです。下の前歯から生え始め、次に上の前歯が生えてきます。
狙うべき場所:
- 上の前歯の歯と歯茎の境目: ミルクや母乳のカスが溜まりやすく、気づかないうちに虫歯になっていることが多い要注意ポイント!唇の裏側にある「すじ(上唇小帯)」に歯ブラシが当たると痛いので、指でガードしながら優しく磨きましょう。
Level 2.【1歳半~3歳】奥歯が生えそろうイヤイヤ期
**体勢:**引き続き「寝かせ磨き」がベスト。暴れてしまう場合は、パパに協力してもらって手足を押さえてもらうなど、短時間で集中して!
**ポイント:**自分で磨きたがる気持ちを尊重し、「まず自分でどうぞ!」と渡してあげましょう。その後、「ママがバイキンマンをやっつけるね!」と交代するのがスムーズです。
狙うべき場所:
- 奥歯の噛み合わせの溝: 溝が深く、食べカスが詰まりやすい場所。歯ブラシの毛先をしっかり溝に当てて、細かく動かしてあげましょう。
- すべての歯の、歯と歯茎の境目
Level 3.【3歳~6歳】乳歯列完成期~大人の歯へ交代準備期
**体勢:**寝かせ磨きが理想ですが、嫌がるなら座らせて、ママが後ろから覆いかぶさるように抱きかかえて磨く方法でもOK。
**ポイント:**お友達との関わりが増え、「かっこいい」「きれい」といった言葉が響くようになります。「ピカピカの歯って素敵だね」と声をかけながら、丁寧に磨きましょう。
狙うべき場所:
- 奥歯と奥歯の間: 歯と歯が接する面は、虫歯の好発部位!
- 6歳臼歯: 5~6歳頃になると、乳歯の一番奥に最初の永久歯「6歳臼歯」が生えてきます。背が低く、溝も深いので非常に虫歯になりやすいため、特に意識して磨きましょう。
虫歯リスクを激減!ママナースが頼る「3種の神器」
仕上げ磨きの効果を最大限に高めるために、ぜひ活用してほしいアイテムがあります。
1. 歯ブラシ:ヘッドは小さく、毛は柔らかく
子どもの口に合った、ヘッドが小さいものを選びましょう。ヘッドが大きいと、奥歯まで届きません。毛の硬さは「ふつう」か「やわらかめ」が基本。鉛筆を持つように軽く握り、シャカシャカと優しい力で磨くのが鉄則です。
2. デンタルフロス:歯磨きだけでは汚れの6割しか落ちない!?
衝撃的な事実ですが、**歯ブラシだけで落とせる歯の汚れは、全体の約60%**と言われています。残りの40%は、歯と歯の間に潜んでいます。この汚れを落とせるのがフロスです。
子どもには、持ち手が付いている「Y字タイプ」のフロスが使いやすいのでおすすめ。「糸ようじ」などですね。寝かせ磨きの体勢で、歯と歯の間に優しく通してあげましょう。
3. フッ素:歯の鎧を強くする
フッ素には、歯の質を強くし、虫歯菌の活動を抑える働きがあります。
- 家庭でできること: フッ素入りの歯磨き粉を使いましょう。磨いた後、たくさんの水でブクブクうがいをしすぎるとフッ素が流れてしまうので、「1回だけ、少しの水でうがい」が効果的です。
- 歯医者さんでできること: 定期的に高濃度のフッ素を塗布してもらいましょう。虫歯予防効果が格段にアップします。
まとめ:「知っている」と「できている」は違う。プロの技で最強の予防を!
毎日の歯磨き、本当にお疲れ様です。
イヤイヤ期を乗り越えるための「楽しい雰囲気づくり」も大切ですが、それと同じくらい、**虫歯を作らないための「正しい技術」**を知っていることが、ママの自信とお子さんの歯の健康に繋がります。
今日お伝えした「寝かせ磨き」「ペングリップ」「フロスの活用」そして「年齢別のポイント」。
すべてを一度に完璧にやろうとしなくても大丈夫。まずは一つでも、今日から取り入れてみてください。その小さな一歩が、お子さんの一生の宝物である「健康な歯」を守る、最も確実な方法なのですから。
