スーパーの床に寝転がって、手足をバタつかせ、火がついたように泣き叫ぶ我が子。
原因は、「お菓子を買ってくれなかった」ただそれだけ。
周りの人の「あらあら…」という視線が、背中に突き刺さる。
このまま床の穴に吸い込まれて、消えてなくなりたい…。
こんにちは!3人の娘を育てる、現役ママナースの皐月です。
これは、かつて次女が2歳だった頃の、我が家の日常の一コマ。もし今、あなたが画面の前で「うちと全く同じ…」と頷いているなら、まず、ぎゅーっと、固くハグをさせてください。
魔の2歳児、天使の2歳児。
めまぐるしく成長する我が子に、喜びを感じる瞬間もあれば、その理解不能な行動に、本気で途方に暮れてしまう日もありますよね。
今日は、そんな2歳児育児の「3大お悩み」であるイヤイヤ期・言葉の発達・トイレトレーニングについて、「完璧な解決策」ではなく、ママの心が少しだけ軽くなる**「お守りのような処方箋」**を、私の3度の経験と看護師の知識から、お話しさせてください。
この記事でわかること
- なぜ「イヤ!」は、実は成長の証なのか?
- 言葉の爆発期をサポートする、親の関わり方
- トイトレで焦らない!「その子なりのタイミング」の見極め方
- ママ自身が、自分を責めずに乗り切るための心構え
処方箋①:「イヤイヤ期」という名の、初めての”自分”宣言
昨日まであんなに素直だったのに、朝から晩まで「イヤ!」「自分で!」の大合唱。ママとしては、本当にイライラしますよね。
でも、看護師の視点から見ると、これは**「自我の芽生え」**という、素晴らしい成長の証なんです。
彼らは「ママが嫌い」と言っているわけではありません。
「僕は、ママとは違う、一人の人間なんだ!」
そう、人生で初めての”自分”宣言を、不器用な「イヤ!」という言葉で、必死に表現しているのです。
イヤイヤ期を乗り切る魔法の言葉
- 究極の選択肢を与える
「どっちの服、着る?」「赤と青、どっちのコップがいい?」
子どもに「自分で選べた!」という満足感を与えることで、すんなり動いてくれることが増えます。 - 気持ちを代弁してあげる
「公園から帰りたくなくて、悲しいんだね」「自分でやりたかったのに、ママがやっちゃって、悔しかったね」
まずは「あなたの気持ち、分かってるよ」と共感してあげるだけで、子どもの興奮はスッと収まることがあります。 - ゲームにしちゃう
「どっちが早く、靴を履けるかな?よーい、ドン!」「お片付け競争、スタート!」
「やらなきゃいけないこと」を「楽しい遊び」に変換するのは、最強のテクニックです。
処方箋②:「言葉の発達」は、インプットの量が爆発に繋がる
「うちの子、まだ全然話さない…」「ワンワン、ブーブーしか言わないけど大丈夫?」
周りの子と比べて、焦ってしまう気持ち、痛いほど分かります。
でも、思い出してください。赤ちゃんは、ママのお腹の中にいる時から、ずーっとあなたの声を聞いてきました。子どもたちの頭の中には、言葉のシャワーを溜め込む、巨大なダムがあるんです。
今は、そのダムに、必死に水を溜めている**「インプTット期」**。
コップの水が溢れるように、ダムの水がいっぱいになった時、言葉は堰を切ったように溢れ出します。その瞬間は、本当に感動的ですよ。
言葉のダムを満たすために、ママができること
- 実況中継アナウンサーになる
「さあ、お散歩に行こうね。赤いお靴を履いて、と」「あ、ワンワンだね。可愛いねぇ」
あなたが目にするもの、やることを、ただただ言葉にして聞かせてあげるだけで、子どもの中の言葉のダムは、どんどん満たされていきます。 - 絵本は最高のパートナー
一日5分でもいい。膝の上に抱っこして、一緒に絵本を読む時間を作ってみてください。文字を追う必要はありません。「ブーブー、大きいね」「りんご、美味しそうだね」と、絵を指差しながら話すだけで、子どもの語彙力は豊かになります。 - 言い間違いは、訂正しない
「でんちゃ(電車)」「ちょーちょ(ちょうちょ)」…可愛いですよね(笑)。その言い間違いを、無理に訂正する必要はありません。「そうだね、電車だね」と、正しい言葉をさりげなく返してあげるだけで十分です。
処方箋③:「トイレトレーニング」は、焦らないのが一番の近道
「周りはもうオムツが外れてるのに…」
これも、比べだすとキリがない、ママの大きな悩みの一つ。
でも、看護師として、これだけは断言できます。
トイトレは、子どもの心と体の準備が整う前に始めても、絶対にうまくいきません。
それは、まだ九九を習っていない子に、割り算を教えるようなもの。親子で、ただただ消耗するだけです。
「始めどき」のサイン、見逃さないで
- おしっこの間隔が、2時間以上あくようになった
- 「おしっこ、出た」と、事後報告ができる
- トイレに興味を示し、ついてくる
- 簡単な受け答えができる
これらのサインが見え始めたら、それがあなたの「始めどき」です。周りのペースは、一切関係ありません。その子のタイミングを、どっしりと待ってあげましょう。
最後に、頑張りすぎているあなたへ
2歳児との毎日は、体力も、精神力も、ごっそり持っていかれますよね。
思い通りにいかなくて、つい感情的に怒鳴ってしまって、眠っている子どもの顔を見ながら「ごめんね」と涙する…。そんな夜を、私も数え切れないほど経験してきました。
でも、大丈夫。
あなたが、悩み、迷い、それでも必死に子どもと向き合っていること。その愛情は、必ずお子さんに伝わっています。
完璧なママなんて、どこにもいません。
今日、10回イライラしてしまったら、寝る前に11回、「大好きだよ」と抱きしめてあげれば、それで100点満点。
あなたは、本当に、よくやっています。自分自身を、もっともっと、褒めてあげてくださいね。
