【ナース豆知識】子どもの咳が辛そうな夜に。枕元に濡れタオル一枚!加湿が一番の薬です

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夜中に咳き込む子どもの姿に、あなたは、どうしていいかわからず、不安になっていませんか?

「ゴホッ、ゴホッ…」
夜中に響き渡る、子どもの辛そうな咳の音。
そのたびに、あなたは、飛び起きて、子どもの背中をさすり、水を飲ませ、どうにかしてあげたい、と、必死になりますよね。

「この咳、いつまで続くんだろう…」
「病院に行った方がいいのかな…」
「何か、もっと、できることはないのかな…」

そんな不安な夜を、私も3姉妹の母として、何度も経験してきました。
そして、ナースとして、たくさんの子どもたちと接してきた中で、私は、あることに気づいたんです。

それは、子どもの咳の症状を和らげるために、家庭でできる最も効果的なケアは、**「加湿」**なのだ、と。
そして、特別な加湿器がなくても、濡れタオル一枚で、驚くほど効果がある、と。

今日は、そんな、子どもの咳が辛そうな夜に、ママが家庭でできる、簡単で効果的な加湿方法と、病院に行くタイミングについて、ナースの視点から、お話しさせてください。

なぜ、夜中に咳が悪化するのか?乾燥と気道の関係

夜間は、日中に比べて、空気が乾燥しやすく、また、体が冷えることで、気道が収縮しやすくなります。
乾燥した冷たい空気は、気道の粘膜を刺激し、炎症を悪化させ、咳を誘発したり、悪化させたりする原因となります。

特に、風邪や気管支炎などで、気道に炎症がある場合、乾燥は、さらに症状を悪化させてしまいます。
だからこそ、**気道を潤し、炎症を和らげる「加湿」**が、咳の症状を和らげる上で、非常に重要なケアとなるのです。

加湿が、なぜ咳に効くのか?

加湿することで、気道に、どのような良い影響があるのでしょうか。

  • 粘膜を潤す:乾燥した気道の粘膜が潤うことで、炎症が和らぎ、咳の刺激が軽減されます。
  • 痰を柔らかくする:気道が潤うことで、痰が柔らかくなり、排出しやすくなります。痰が絡む咳の場合、痰が排出されることで、咳が楽になります。
  • 喉の痛みを和らげる:乾燥による喉の痛みも、加湿によって和らげることができます。

家庭でできる!簡単・効果的な加湿方法3選

特別な加湿器がなくても、家庭で簡単にできる、効果的な加湿方法をご紹介します。

方法1:濡れタオルを枕元に吊るす

これが、最も手軽で、効果的な方法です。
清潔なタオルを水で濡らし、軽く絞って、子どもの枕元や、洗濯物干しに吊るすだけ。
タオルの水分が蒸発することで、周囲の空気が加湿されます。
寝る前に、数枚吊るしておくと、より効果的です。

方法2:加湿器を活用する(清潔に保つことが重要!)

加湿器をお持ちの場合は、積極的に活用しましょう。
ただし、加湿器は、清潔に保つことが非常に重要です。
タンクの水は毎日交換し、定期的に清掃しないと、雑菌が繁殖し、かえって咳を悪化させる原因になることがあります。

方法3:お風呂の蒸気を活用する

浴室に、数分間、子どもと一緒に入るだけでも、蒸気が気道を潤し、咳を和らげる効果があります。
湯船に浸からなくても、シャワーのお湯を出しっぱなしにして、蒸気を充満させるだけでも構いません。
ただし、やけどには十分注意してください。

加湿以外の咳対策と、病院に行くタイミング

加湿以外にも、咳を和らげるために、家庭でできることがあります。

咳対策1:体を起こして寝かせる

枕を高くする、背中にクッションを入れるなど、体を少し起こして寝かせることで、気道が広がり、咳が楽になることがあります。

咳対策2:水分補給をこまめに

喉を潤し、痰を柔らかくするためにも、水分補給をこまめに行いましょう。
水、お茶、白湯など、子どもが飲めるもので構いません。

病院に行くタイミング

  • 呼吸が苦しそう:肩で息をしている、呼吸が速い、陥没呼吸(肋骨の間がへこむ)が見られる。
  • ゼーゼー、ヒューヒューと音がする:喘鳴(ぜんめい)と呼ばれる、気道が狭くなっているサイン。
  • 顔色が悪い、唇が紫色になっている:チアノーゼと呼ばれる、酸素不足のサイン。
  • 水分が全く取れない:脱水症状の危険がある。
  • 高熱が続く、元気がない、ぐったりしている:他の病気の可能性も考えられる。

これらの場合は、すぐに病院を受診しましょう。
夜間や休日であれば、救急外来や、小児救急電話相談(#8000)を活用してください。

ママの温かいケアが、子どもの辛さを和らげる

子どもの咳は、ママにとって、本当に心配の種です。
しかし、夜中に咳き込む子どもの姿に、慌てず、まずは加湿を試すこと。
そして、危険サインを見逃さず、適切に対処することで、子どもの辛さを和らげることができます。

ママの温かいケアが、何よりも、お子さんを安心させ、回復を早める力になります。
不安な時は、一人で抱え込まず、いつでも、医療機関や、専門家を頼ってくださいね。

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