「ゴホゴホ…」子どもの咳、病院に行くべき?小児科医が教える見極めポイントと自宅ケア
「夜中に咳き込んで、眠れない…」「この咳、病院に行った方がいいのかな?」
子どもの咳は、親にとって心配の種ですよね。特に、初めての育児では、どんな咳が危険で、どんな時に病院に行くべきなのか、判断に迷うことも多いのではないでしょうか。
この記事では、小児科医である私が、子どもの咳のタイプ別の見極め方、病院に行く目安、そして自宅でできる効果的なケア方法について、分かりやすく解説します。
これを読めば、あなたも安心して、お子さんの咳に対応できるようになりますよ。
咳は、体の防御反応
まず知っておいてほしいのは、咳は、気道に入り込んだ異物やウイルス、細菌などを体外に排出するための、体の防御反応だということです。
むやみに咳を止めようとするのではなく、咳のタイプや、お子さんの全身状態を観察することが大切です。
咳のタイプ別、見極めポイント
1.コンコン、乾いた咳
- 特徴:痰が絡まない、乾いた音の咳。風邪のひき始めや、アレルギー性の咳に多いです。
- 注意点:犬が吠えるような「ケンケン」という咳の場合は、クループの可能性も。呼吸が苦しそうなら、すぐに受診しましょう。
2.ゴホゴホ、湿った咳
- 特徴:痰が絡む、湿った音の咳。風邪がこじれた時や、気管支炎、肺炎などの場合に多いです。
- 注意点:ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音を伴う場合は、喘息や細気管支炎の可能性も。呼吸が苦しそうなら、すぐに受診しましょう。
病院に行く目安
以下の様な症状が見られる場合は、すぐに医療機関を受診してください。
- 呼吸が苦しそう:肩で息をしている、陥没呼吸(肋骨の間がへこむ)が見られる、ゼーゼー、ヒューヒューという呼吸音がする。
- 顔色が悪く、唇が紫色になっている
- ぐったりしている、意識がはっきりしない
- 水分が全く取れない
- 発熱が続き、解熱剤を使っても熱が下がらない
- 咳がひどく、眠れない
- 生後3ヶ月未満の赤ちゃんの咳
自宅でできる効果的なホームケア
病院に行く必要がないと判断した場合でも、自宅でできるケアで、お子さんの咳を楽にしてあげることができます。
- 加湿:部屋の湿度を50〜60%に保ちましょう。加湿器がない場合は、濡れたタオルを干したり、お風呂の湯気を吸わせたりするのも効果的です。
- 水分補給:こまめに水分を摂らせましょう。温かい飲み物は、喉を潤し、痰を出しやすくする効果があります。
- 体を起こして寝かせる:寝る時に、上半身を少し高くしてあげると、咳が楽になることがあります。
- 背中をさする:痰が絡んでいる場合は、背中を優しくさすってあげると、痰が出やすくなることがあります。
まとめ
子どもの咳は、親にとって心配なものですが、正しい知識と適切なケアで、乗り越えることができます。
この記事が、あなたの不安を少しでも和らげ、お子さんの健やかな成長をサポートする、手助けになれば幸いです。